最近、「仕事探しはインディ~ド(Indeed)!♫」というフレーズのCMをよく耳にします。しかし実際、「言葉はよく聞くけど、イマイチIndeedのことがわかっていない」という方も多いのではないでしょうか。
Indeedとは、求人をおこなっている企業と求職者をつなぐひとつのサービスです。リクナビやマイナビなど求人を掲載できるサイトはたくさんありますが、Indeedはそれらと若干仕組みの異なるサービスなので、Indeedの特徴を理解していないとその効果は薄れてしまいます。
本記事では、Indeedの「特徴」や「活用方法」について解説します。Indeedへの掲載を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしていただけますと幸いです。
目次
【1】「Indeed」とは?
「Indeed」とは求人の検索エンジンです。Yahoo!やGoogleは情報の検索エンジンとして有名ですが、求人検索に特化した検索エンジンがIndeedです。
アメリカの求職者の70%が利用するIndeedは、2012年、日本においてリクルート社の完全子会社となりました。ここでは「Indeedの仕組みの特徴」についてご紹介します。
1-1「Indeed」の仕組み
Indeedのトップ画面は上図のようになっており、ボックスに「職種」「業種」「会社名」などのキーワードを入れ、隣の「勤務地」で場所を絞り込んで検索をかけると、さまざま求人サイトから集められた求人情報が表示されるという仕組みになっています。
従来の求人サイト(たとえばリクナビNEXTなど)の場合は、それぞれの求人サイトを個別で訪れ、検索をおこなう必要がありました。一方、Indeedで求人を検索した場合は、Web上に公開されているあらゆる求人サイト求人情報を一括で検索してくれるため、求職者に対してより多くの求人を提示することが可能になります。
また、Indeedのトップ画面からの検索結果だけでなく、GoogleやYahoo!の検索ボックスで企業に対するキーワードを調べた場合にも検索結果に表われます。
1-2「Indeed」の特徴
続いて、Indeedの特徴を「活用するメリット・デメリット」それぞれの側面から見ていきたいと思います。
●Indeedを活用するメリット
人材を世界中から集めることができる
Indeedは世界60ヶ国以上で求人サービスを展開しています。毎月世界で2億人以上のユーザーが利用しているため、日本だけでなく、海外勤務の人材にも日本から募集をかけることができます。
また国内でも、市街地だけでなく地方や郊外にいる求職者に対してもアピールすることができます。
掲載は簡単!専門知識も必要なし!
Indeedに掲載するために必要な作業は、「アカウントの開設」「項目を登録する」の2点のみなので非常に簡単です。
- メールアドレスを用意(業務で普段から使っているアドレスでOK)
- そのメールアドレスを使って、アカウントを開設(指示に従っておこなうだけ)
- アカウントの開設ができたら、Indeedの管理画面に従って項目を登録
掲載手順は以上です。インターネットにアクセスできる環境さえあれば、簡単にIndeedで求人広告を掲載することができます。
無料の掲載枠がある
通常の求人広告媒体を利用すると、求人の応募がなくても掲載料が発生してしまいます。応募があればまだしも、応募がなくても費用が発生するのは、予算が限られている中小企業にとってはかなりリスクや負担となってしまいます。
じつは、Indeedにも同じように有料の掲載枠(スポンサー求人)があります。一方で無料の掲載枠(オーガニック求人)もあるという点で他の求人サイトとは異なります
ただし、有料掲載枠が検索結果の上位に表示されるのに対し、無料掲載枠は下位に表示されるという点で、どうしても求人が埋もれるケースが多くなってしまいます。こういった理由から、有料掲載枠を利用する企業が多いのもIndeedの特徴です。
求職者の反応を掲載内容に反映させやすい
Indeedは自社が表示された回数や、クリックされた回数を管理画面で確認できるため、広告内容や募集地域などの改善の余地があるかどうかをこまめにチェックすることができます。
そしてIndeedの場合、自分たちで簡単に広告文や企業情報を変更できるので、改善の余地があると感じたらすぐに対応することができます。また、「求人アナリティクス」とよばれる指標があり、Googleが提供するWebサイト分析ツールのGoogle Analiticsとは異なる指標での効果測定も可能になります。
予算を管理しやすい
Indeedは設定画面上で、クリック単価の上限や月額予算を設定することができます。予算の設定をしておけば、予算超えの心配もなく、安心して予算を管理することができます。
●Indeedを活用するデメリット
無料掲載枠は求職者の目につきにくい
先ほども述べたように、有料掲載枠に比べて無料掲載枠は検索結果の下位に表示されるので、求職者の目につきにくくなってしまいます。また、無料掲載枠を利用している企業自体も非常に多いため、そもそも自社の求人が求職者の目にとまらず、埋もれてしまうという可能性がかなり高くなってしまいます。
自社の求人が埋もれないようにするためには、せめて無料掲載枠の中で上位に表示されるようにすることが重要になります。
上位に表示してもらうためには、「求職者の検索キーワードとの合致度」や「掲載してからの経過時間」がカギとなります。
- 求職者の検索キーワードとの合致度:管理画面で表示数やクリック数をみながら色々変えてみると良いでしょう。
- 掲載してからの経過時間:求人を掲載してから時間が経過するほど上位に表示されることが難しくなるため、クリック数や表示数の時間的な変化をみて、減ってきたら情報の更新をおこなうようにしましょう。
応募者への連絡などの採用活動のフォローがない
Indeedの無料掲載枠を使えば、無料で採用活動をおこなうことができます。一方で、ほかの求人サイトにはある「日程調整」や「案内メール」の送信などの機能が一切ないため、すべて自分たちでおこなわなければなりません。
応募がきてから返事をするまでに時間がかかってしまうと応募辞退が増えてしまいます。費用を極力抑えたいという企業も多いかもしれませんが、採用活動に工数をかける余裕が全くないという中小企業には、Indeedは逆に不向きと言えるかもしれません。
採用活動に必要な費用は、採用担当者にかかる工数 + 求人掲載費用(エージェントを利用する場合は、エージェントに支払う費用)になるので、その合計が一番安くなる方法を選択しましょう。
【2】「Indeed」の掲載方法とは?
Indeedへの掲載方法は簡単と述べましたが、ふつうの求人サイトへの掲載とは少し勝手が違うため、自社求人サイトをIndeed仕様に合わせる手順が必要となります。
ここでは「Indeed仕様への合わせ方」について解説します。
2-1 Indeedに掲載する3つの方法
Indeedに掲載する方法は、以下の3通りあります。
- 自社求人サイト内にIndeed仕様のページを作成する
- Indeedサイトに直接投稿する
- ほかの求人サイトに掲載する
ここでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
1|Indeedに読み込まれる仕様のページを作成する
Indeedは一定基準を満たすWebページを求人情報と認識し、掲載します。そのため、自社採用ページを使ってIndeedに求人をかける場合は、以下に記載する基準を満たす必要があります。
- 常時6件以上の求人情報が掲載されている(有料掲載の場合は6件以下でも可)
- 1つの求人情報には職種、勤務地、仕事内容がすべてそろっている
- 1求人につき1職種名がわかりやすく掲載されている
- 仕事内容の詳細が記載されており、詳細を確認するためにユーザー登録を要求しない+求人に応募するための課金がない
- 勤務地が明記されている
- それぞれの求人に対して別々のURLが割り振られている
- 各求人ページに応募方法が記載されている
- 求人情報がhtml形式である(PDFやWord文書は不可)
- 在宅勤務の求人情報を含まない
- モバイルで表示する際は、モバイル最適化(リダイレクト設定やレスポンシブル対応etc)がおこなわれている
また、上記以外でもインターンなど無給の案件は利用できないなどの規定があるので、採用ページを作成する前に、Indeedの掲載ガイドラインを確認するようにしましょう。
2|Indeedに直接投稿してページを作成する
Indeed求人情報と投稿する方法について手順を説明します。
アカウント情報として下記の内容を登録します。
- 会社名
- 従業員数(任意)
- 担当者の名前
- 電話番号
- indeedを知った方法
求人に関する基本的な情報として下記の内容を登録します。
- 職種名(16文字以内で詳細記載を推奨)
- 会社名
- 勤務地(16文字以内で詳細記載を推奨)
※「16文字」はスマートフォンユーザーが一度に見ることができる文字数です。指定された文字数を超えると、見きれてしまい、見にくくなってしまいます。
応募者が求人企業にアクセスする方法を2通り設定することができます。
●メールや電話での応募
応募メールを受け取るメールアドレスを登録します。ここでは、複数のアドレスを登録することができます。応募があった後は素早い対応が重要になるので、複数の担当者もしくはメーリングリストのアドレスを使うことをおすすめします。
次に電話での問い合わせの有無を決めることができます。実際メールは面倒だと考える求職者も多く、電話での応募が多いという現状があります。ですので、電話での問合せを「あり」に設定しておくことをおすすめします。
●直接窓口に応募
住所を入力し、必要があれば追加説明を登録します。
まず、雇用形態と給与情報を登録します。給与は幅を持たせて登録することができます。特に複数職種を一度に募集する場合は、念のために幅を持たせて登録するようにしましょう。
さらに下記の内容を登録します。
- 仕事内容とアピールポイント
- 求める人材
- 勤務時間/曜日
- 交通アクセス
- 待遇/福利厚生
- その他
極力詳細を丁寧に登録することが採用活動成功への近道です。
応募者に入力しもらう項目を登録します。応募フォームの入力項目が増えると応募者数が減るため、本当に必要な情報のみにすることをおすすめします。項目は下記の中から選びます。
- 学歴
- 生年月日
- 氏名のふりがな
- 性別
- 職務経験
- 勤務地
- 資格/免許
- 言語
登録内容に問題がなければ、「有料掲載枠」か「無料掲載枠」を選びます。
有料掲載枠を使う場合は、運営方法として「自動調整設定」か「手動設定」を選び、クリック単価などの情報を入力すれば完了です。なお、運営方法は好きな時に変更可能です。
以上でindeedへの直接求人情報の登録は完了です。
3|求人サイトへの出稿
Indeedで検索結果に掲載される方法として、求人サイトへ出稿する方法もあります。Indeedは世界中の求人情報を集めてくるので、ほとんどの求人サイトに載っている求人情報が掲載対象になります。
また、求人サイトを運営している会社がIndeedの有料掲載枠を購入している場合は、上位に掲載されることもあります。
2-2 有料掲載と無料掲載の違いとは?
Indeedの特徴や掲載方法はご理解いただけましたでしょうか。さて、今度は「求人掲載を有料と無料どちらにするか」を悩まれるかたもたくさんいらっしゃるかと思います。
ここでは、「有料掲載と無料掲載の違い」を中心に特徴を解説します。
●有料掲載
【特徴】
- クリック課金制で成功報酬的な要素がある
掲載するだけで費用が発生する他の求人媒体と異なり、クリックされたときに費用が発生するクリック課金制です。
- 上位に表示されるため、求人の露出度が高い
無料枠に比べて上位に表示されるため、求職者の目にとまりやすいというメリットがあります。
- 日別、月別のパフォーマンスレポートを見ることができる
閲覧された回数やクリックされた回数を確認することができます。回数が少ない場合には、条件を変えるなどの対策をうつことができます。
- 効果に応じて上限予算をリアルタイムで調整することができる
予算の上限を決めて求人をだすことができるので、想定以上に費用がかかってしまったというケースを防ぐことができます。
●無料掲載
【特徴】
- 掲載数や応募数に関係なく掲載費用は不要
通常の求人サイトの場合、基本的に無料の求人掲載枠はありません。一方でIndeedは無料枠があり、最近では無料枠に掲載する企業も増えています。
- 有料枠の下部に表示され、求職者の目につきにくい
検索結果は有料枠に比べて下部に表示されるので、求職者の目にとまりにくくなってしまいます。また、無料枠に掲載する企業が増えており、無料枠の中での上位表示の競争率も高くなっています。
- 情報が埋もれていく可能性がある
Indeedでは、情報の新しさ(更新してからの経過時間)や掲載ページの情報量などさまざまな要素で判断して順位づけをおこないます。更新頻度が少ない、掲載ページの情報が乏しいと下位表示になってしまい、求職者の目にもとまらなくなり、情報が埋もれてしまいます。
- 自社の採用サイトを掲載するための条件が厳しい
有料掲載では6件以下の求人情報でも掲載されるのに対して、無料掲載の場合は、6件以上の求人情報がのっていることが必要条件になります。
【3】「Indeed」のまとめ
Indeedの仕組み
Indeedは求人に特化した検索エンジンです。従来の求人サイトだと、個別に求人サイトを訪れ、それぞれのサイト毎に求人検索をおこなっていましたが、Indeedで検索をすれば、Indeedがさまざまな求人サイトか求人情報を収集し、一括で表示してくれます。
Indeedの掲載方法
Indeedに掲載する方法は、「自社求人サイト内にIndeed仕様のページを作成する」「Indeedサイトに直接投稿する」「ほかの求人サイトに掲載する」の3通りがあります。
Indeedは他の求人広告媒体と異なり、無料掲載枠が設けられているため、求人をだすことのハードルが低くなっています。その分たくさんの企業が求人を出すため、自社の求人が埋もれてしまわないように更新を頻繁におこなうなどの対策が必要です。