長時間労働で起こりうる弊害とは?企業と従業員が共倒れになる前に | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

長時間労働で起こりうる弊害とは?企業と従業員が共倒れになる前に | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

長時間労働で起こりうる弊害とは?企業と従業員が共倒れになる前に

  • 労務
  • リスクマネジメント

今回は長時間労働で起こりうる企業と従業員の弊害について、ご紹介します。

電通での過労死事件をきっかけに、長時間労働や残業への関心が高まっています。こうした悲しい事件が起こるたびに、メディアでは残業問題を取り上げますが、なかなか解決する糸口が見えないのが現状です。

人事担当者として、社内の残業状況の改善に頭を悩ませている方も多いと思います。なぜ残業はなかなか減らないのでしょうか?

残業 画像640×359

理由の1つとして、企業側も従業員側も、残業を減らさないことの弊害をきちんと理解していないことがあげられるのではないでしょうか。

過労やライフワークバランスの面から問題視されることの多い残業ですが、その他にもさまざまな弊害が発生することが明らかにされています。

まずはこの弊害をきちんと理解することから対策を始めましょう。

1. 長時間労働を減らさないと起こる従業員の弊害

従業員に対する弊害は以下のようなものがあげられます。

1-1. 残業によって生活リズムが狂う

残業をすることによって自分の時間が奪われ、家族との時間や睡眠・食事・家事・睡眠などに費やす時間が減少してしまいます。また、残業時間によって自分の時間が変動するため、日々の生活リズムはバラバラになり心身ともに悪影響を及ぼす可能性があります。

1-2. クライアントや上司の「これくらいできるだろう」という期待値が上がる

長時間働いたおかげで成し得た成果であるにもかかわらず、クライアントや上司が「いつでもこれくらいできる」と勘違いしてしまう場合があります。その結果、彼らからの要望が定時内でできる業務量を超えることになり、さらなる残業の上乗せが引き起こされます。

1-3. 従業員の間に「長時間労働する者が会社に貢献している」という誤解が生まれる

「昨日は残業で終電帰りだったよ」などと残業自慢をする者がいる場合、残業をする従業員はえらいという誤解が社内に蔓延するようになります。

このような勘違いをしている従業員が他人よりも長時間働くことにより自尊心を満たし、自身の評価が上がっているかのような言動をとり、周囲に悪影響を与えることもあります。効率よく仕事をこなし定時で帰る従業員が、自分の仕事のやり方に疑問を抱いてしまうのです。

2. 長時間労働を減らさないと起こる企業の弊害

企業側にも以下のような弊害があります。

2-1. 長時間労働が日常化している企業という評判が広まり人材が集まらない

残業の多い職場は心身の健康に問題を抱える従業員が多く離職率も高くなります。求職者は長時間残業の有無には非常に敏感です。悪い評判が起きた場合人材の採用にも問題が発生し、常時人手不足という状況になりかねません。

2-2. 管理職のリーダーシップ・マネジメント力が発揮されない

いつも残業ありきの納期で仕事が行われているということは、クライアントと対等な立場で交渉ができていないことを示します。同時に、チームメンバーに対しても適切な役割分担や時間配分をできていないことも明らかで、管理職のリーダーシップ・マネジメント力が機能していない証明でもあります。このような状態が続くと、管理職はチームメンバーの信頼を失っていき、ますます組織のマネジメントは難しいものになっていきます。

2-3. 生産性を上げることができない

長時間労働によって単純な生産量はあがりますが、生産性はあがりません。長時間働くことがストレスにつながり、また集中力が落ちて時間あたりの生産量は減っていきます。

クリエイティブなアイディアが必要な仕事においても、時間がかかるようになりアイディアの質も下がってしまいます。また、残業が日常化すると業務計画も残業を前提として立てられるようになり、効率を上げるために工夫するという発想が失われます

3. まとめ

このように長時間労働をそのままにしていると、弊害ばかりが積み重なります。残業を減らすには、ただ制度を変えるだけでなく、会社と従業員、両方の意識を根本から見直す必要があります。ご覧いただいたように、残業には様々な弊害があることをしっかりと理解し、より働きやすい環境づくりを目指しましょう。

--------------------

\7月26日(金)開催!豪華ゲスト登壇!/
今こそ知っておきたい「人事データ活用」の具体的なノウハウをご紹介!

組織改善に必要な人事データを収集・活用して組織変革を促す「HRDX(人事DX)」。しかし、多くの企業が「具体的にどうやって人事データを活用していけば良いかわからない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか?

今回のHRDX CAMPでは、人事データ活用に関する有識者3名をお招きし、人事データ活用の具体的な方法や実践事例を解説します。無料で視聴できますので、この機会にぜひご参加ください。

【こんな方におすすめ!】

  • 人事データ活用が重要だとは思っているが、具体的な進め方のイメージができない
  • 既に人事システムを導入はしているが、使いこなせていないように感じている
  • 「戦略人事」や「ピープルアナリティクス」といった内容に興味がある

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

36協定の特別条項とは?新様式の記載例や上限を超えた場合の罰則を解説

36協定の特別条項とは?新様式の記載例や上限を超えた場合の罰則を解説

36協定の特別条項とは、一般条項の決まりを超えた残業を可能にする労使間の取り決めです。ただし、36協定の特別条項にも上限があるため注意が必要です。本記事では、36協定の特別条項の上限や違反した場合の罰則についてわかりやすく解説します。

  • 労務
  • 給与計算
2024.07.26
HR NOTE 編集部
賃金規定は就業規則に必要?記載項目や作成上のポイントをわかりやすく解説

賃金規定は就業規則に必要?記載項目や作成上のポイントをわかりやすく解説

このページでは、記載すべき項目や作成上のポイントを徹底解説しています。賃金規定は企業が必ず作成しなければいけないものの1つです。従業員に支払われる賃金や給与について定めたものをいいます。

  • 労務
  • 給与計算
2024.07.25
HR NOTE 編集部
休日と休暇の違いとは?休みの種類について詳しく解説

休日と休暇の違いとは?休みの種類について詳しく解説

休日と休暇は似た言葉ですが、労働基準法上ではその意味合いは大きく違います。労働の義務がないのが休日、労働義務はあるもののそれを免除されるのが休暇です。休日と休暇、それぞれの定義や種類などを確認しましょう。さらに休暇と休業の違いについても解説します。

  • 労務
  • 勤怠管理
2024.07.24
HR NOTE 編集部
労働時間に休憩は含む?休憩時間の計算方法やルールを解説

労働時間に休憩は含む?休憩時間の計算方法やルールを解説

労働基準法では一定の時間働く従業員に対し、休憩時間を与えなくてはならないとされています。法律によって義務付けられている休憩時間は、労働時間に含めてカウントするものでしょうか。本記事で、休憩時間に関する正しい知識や計算方法について学びましょう。

  • 労務
  • 勤怠管理
2024.07.23
HR NOTE 編集部
労働時間の把握のために管理職の勤怠管理が義務化?厚生労働省も注意喚起!

労働時間の把握のために管理職の勤怠管理が義務化?厚生労働省も注意喚起!

労働安全衛生法の改正で、管理監督者の勤怠管理が義務付けられたことにより、これまで以上に労働時間の把握が重要視されるようになりました。管理監督者と認められるには基準があるため、混同されやすい管理者と管理監督者の違いを理解することが大切です。本記事では、労働時間の定義から、厚生労働省ガイドラインを元に労働時間把握のためにおこなうべき事項7つまで、わかりやすく解説します。

  • 労務
  • 勤怠管理
2024.07.22
HR NOTE 編集部

人事注目のタグ