「尊敬する経営者は採用を一番に考えていた」CHRO養成講座『CANTERA』から学ぶ採用スタンスの基礎 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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「尊敬する経営者は採用を一番に考えていた」CHRO養成講座『CANTERA』から学ぶ採用スタンスの基礎

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

日本で初となるCHRO養成講座、CLUB-CHROアカデミー『CANTERA(カンテラ)』。

「人事として企業により貢献したい」「人事としてステップアップしたい」「CHROについて学びたい」という方にとって必見の内容が満載の講座となっています。

今回は、後編として採用にフォーカスした内容を記事にまとめています。

特に激戦、激変している採用市場において自社の求める人材を採用するために求められるスタンスについてご紹介。

【CANTERA主催者紹介】

前田様3

CANTERA校長:前田 徹也| 株式会社ワークスエンターテイメント 代表取締役

明治学院大学卒業。株式会社リクルートを経て1989年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)を創業。常務取締役として新卒採用事業、派遣事業、人材紹介事業の立上げに従事。後に管理本部担当取締役として人事総務も統括。2000年に退任し、個人事務所を設立。2006年に株式会社ワークスエンターテイメントを立ち上げ人事領域での事業を展開。幅広い人脈を活かし複数社の社外取締役やスタートアップ育成、企業活性化としての経営支援も実施。
堀尾様

進行・担当講師:堀尾 司 | CANTERAプロデューサー/株式会社AllDeal 代表取締役CEO

新卒で株式会社リクルートに入社し営業を経験後、2004年ソフトバンクBB株式会社へ入社。ソフトバンク通信事業3社を兼任し、営業・技術統括の組織人事責任者に従事。2012年グリー株式会社へ入社し国内の人事戦略、人事制度、福利厚生、人材開発の責任者を歴任。2014年より東京東信用金庫に入庫し地域活性化に従事。人事・人材マネジメント支援を通じた新たな企業価値の創造を目指したのち独立。ベクトルやGame withなどの上場企業や、急成長中のスタートアップまで幅広い企業の人事業務をサポート。

売り手市場の採用において、他社に勝つために必要な考え方

「自社の採用の強みは何か?」「その強みで本当に勝てるのか?」

堀尾氏

ここからは、採用に関する内容を中心にお話させていただきます。

今、採用領域においては、売り手市場が続いており、優秀な候補者の争奪戦が起きているのはご存じでしょうか。

その中で、採用戦略で向き合っていただきたい視点は、「どうやったら採用がうまくいくか」ではなく、「どうやれば採用で勝てるのか」です。

言葉にすれば僅かな差ですが、異なる目的は、大きな成果の差となって表れます。

頭の中で自問自答していただきたいですが、皆さんの会社の「採用の強み」は何でしょうか。きっとあると思います。

しかし、その強みだけで本当に勝ち続けられますか?

たとえば、採用で口説く場面において自社の魅力を伝え続け、興味を高めてもらう方法もあるでしょう。

時には、自社の雰囲気を知ってもらう為に、オフィスを見てもらったり、会社のビジョンを熱く語ったり、時に経営者とのカジュアルな会食を重ねたりなど、優秀な人材を獲得する為に、他社よりも多くの魅力を伝え続けることが、他社との違いを生むと考えている人事も多くいると思います。

採用に必要な再現性、スピード、組織適正

堀尾氏

では、他社に負けない「採用力」をどうすれば高めることができるのか。

私は、ソフトバンク時代に3,000人を採用した時から一貫して変わらないのですが、高い採用力を維持するには、「適材適所」「再現性」「スピード」が重要になると考えています。

適材適所

まず、適材適所。自社の風土にあった人物像についてペルソナ設定しないまま採用をしているベンチャー企業を多くみます。

これは仮説ですが、優秀な人材像を、市場視点で捉え、自社の風土適正で導き出していないのだと思います。組織力で重要な適材適所の原理原則を理解しきれていないのでしょう。

「ベンチャー企業だから、ゼネラリストが良い、全員野球ができれば良い」というのは、まだまだ人物像が深堀できていない。

風土と職務とチームとの関係性を個別的特性で導けている企業が少ないように思います。これが、ミスマッチが起こる本質的な課題でしょう。

CANTERAでは、第4回目の講義より本格的に、この概念の元である、最適組織編成のための『FFS(Five Factors & Stress)理論』を活用した組織力向上について紹介しています。

再現性

また、局地戦となる面接時に、再現性をどのように保つかも重要です。

FFS理論のようなサーベイで科学的に適材適所を見極めながら、口説きの要素を高めて、いかに自社にとって優秀な人材を採用し続けるか。

面接官の中でもABCランクとあったとすると、できるだけAランクを活用していきたい。

ただAランクの方のリソースは限られています。とはいえ、市場は待ってはくれません。

スピード

3人4人見つけて採用するためには、相当なスピードが求められることもあります。

求める人材がきたらその日までに1次面接を終えて、次の日には最終面接、クロージングみたいなスピードが必要です。

故に企業の採用PRだけではなく、局地戦となる採用面接力の向上にも着手すべきでしょう。

また、「これから起こり得る課題」に対して、人材をマッチングしていくことも人事の役割としては非常に重要です。

「今、こういうミドルが欲しい」に加えて、「将来こういうミドルが必要になるんだ、こういうことができる人が必要だ」と。

組織の成長の予測までしっかり見据えて、将来必要になる人材をうまくマッチングしていくべきだと思います。

候補者も企業や人事を見て判断しているということを忘れてはならない

堀尾氏

人事をおこなっていると常に忘れがちになるのですが、「候補者も我々のことを見ている」ということです。

先日お会いした候補者の方に、面接中に何を見ているのか書いてもらったところ、その数は、「我々が見ている20倍くらいの量を見ている」ということに気づきました。

間違いなく見ている視点の数が、圧倒的に上だったのです。

質の高い面接を保つためには、このようなことを常に意識し、気を配る必要があります。応募者は、最初にお会いする際に、その企業の組織風土を見極めています。

たとえば、受付やトイレの清潔さや、面接官が時間厳守か否か、また対応される方が謙虚であるかをみて、その会社の文化風土を見ているのです。

他社から自社の魅力を教えてもらう

この状況下で、再現性が高い採用力をつけながら、どうやって他社に勝つのか。意外に自社の魅力に関して、皆さんがまだまだ気づいていない部分があるのではないでしょうか?皆さんが市場に対してPRできることはどのようなものでしょうか。

自分の中で考えてもなかなか答えが出ない場合は、他社に尋ねてみましょう。「こういうところがよかった」という意外な答えに行きつくかもしれません。

皆さんは、入社された方に対して「なぜうちの会社に入ったのか」ということについて、面接シートなどに情報を書き記しませんか。

それを読み返してみると、意外に「うちの会社ってこういうところが魅力的だったんだ」と気づくことがあります。是非、自社、他社、候補者、パートナー、360度で採用の良さ、自社の良さを聞いてみてください。

客観的に自社のことを知って、他社に対してどうやって勝つのか、口説きに対して勝つのかというのを、点と点を線にして考えてください。採用のどこかで日本一にならなければ、日本一の成長はできないと思います。

外部に相談できるネットワークがあれば、悩みが5分で片付くこともある

堀尾氏

先程の話の流れになりますが、皆さんは自分自身の仕事で悩んだときにすぐに相談できる方が外部にいるでしょうか。外部に相談できる方がいるかいないかで、情報収集の量が違ってくると感じでいます。

私は、多くのネットワークを構築できるように意識しており、その方々のお力を借りて情報収集をしています。

「こんなデータが欲しいのですが」「こんな課題があるのですが」と、外部の方に連絡をすると5分くらいで答えが全部返ってきます。

自社が今いるステージを超えて、次なる成長ステージで活躍をされている方に対してさまざまな相談をするほうが、効率的な場合もあります。是非、そんなネットワークをつくってください。

次の成長ステージにおける未来を予測しながら、その課題に対してどれだけ事前の準備ができるのかが一流の人事だと思います。

ですので、それを乗り越えて成長しているステージの会社の方から話を聞ける関係をつくることは重要です。

堀尾さんが尊敬している経営者から学んだ「経営者の採用スタンス」

堀尾氏

私も皆さん同様、日々失敗を繰り返しては、学び、実践する毎日です。毎日胃の痛くなる日の連続もあります。笑

但し、戦略人事を遂行する以上、経営者に対して何かを提言したり、業務の指示を仰いだりと、人事は経営者と多くのやり取りをする立場にあると思います。

そして、その中で、経営者が動かないと人事は機能しないと感じることがあると思います。

社長の一言が採用で失敗につながったり、社長の一言が社員をひどく傷つけてしまったり、人に対して向き合う上で社長の存在は無視できません。

皆さんが社長に提言し、プラスに動いてもらえるかどうかは、非常に重要なのです。

会社の社格、いわば文化の源泉は社長が創るものですが、会社全体の文化は、人事が介入することによって成長するものなのです。

その中で、私が尊敬している経営者の方が3名いまして、ものすごく多くの学びをいただきました。

1.リクルート 江副さん

堀尾氏

リクルートの時、江副さんとは1度もお会いしたことはありません。ただ江副さんの近くで働いていらっしゃる方に6、7年ずっと修行をさせてもらった時に、さまざまなお話を伺いました。

江副さんは、どんなに大変な時でも、政治家のアポイントでも、銀行の融資のアポイントでも、優秀な人材がいたとなったら全部キャンセルをして面接を優先させたとのことです。

それだけ人が大事だと感じていらっしゃったんでしょう。

これほど人と組織に対して情熱を傾けている経営者がいたリクルートは本当にすごい会社だと思います。

2.ソフトバンク 孫さん

堀尾氏

次が孫さんです。

孫さんは毎日世界中のさまざまなところで活動され、皆さんご存知のように時には大統領にも会いに行くし(笑)、世界中が注目するカンファレンスのセミナーもやる。そしてテレビにも出ます。

ただ当時、1番重要だと常に言い続けていたのは新卒採用のセミナーです。

武道館で3,000人くらいを集めて新卒採用のセミナーをやるのですが、それが1年間で1番重要なプレゼンだと常におっしゃっていました。

日本や世界の未来を創る大事な日だと捉えていたのかもしれません。

3.ワークスエンターテイメント/CANTERA校長 前田さん

堀尾氏

インテリジェンスの創業メンバーでもある、前田さんから言われた言葉は、仕事における人との関係性においてです。私の永遠のテーマになっています。

それは、「何をするかが重要ではない。誰とするかが重要なんだ」という言葉です。

置き換えると、「役割補完に入るな」と。

人を採るとき、その人と本当に仕事がしたいのか。5年後10年後一緒に戦えるのか。本当に好きでこの人と一生やり遂げられるのか。

そういう人材を採用するべきだと常におっしゃっています。

役割補完に入ると、成長フェーズにおいて、その人を退職マネジメントするべきなのか、本当は違う方向に行ってもらったほうがいいのかと考える場面が出てくると思います。

「誰よりも主語が会社の未来であれ」CHROを目指す上で意識したい7つの言葉

堀尾氏

以下は、私が人と組織に向き合っている尊敬している方々から言われたことを7つにまとめたものです。叱咤激励の言葉になります。

  1. 価値創造型の最高人事責任者であれ
  2. CEOの右腕となる経営人材であれ
  3. 未来から逆算した課題を明確に
  4. 人事だからこそ数値/KPI指標をもて
  5. 点より線で事業価値向上を施策する
  6. ファクトとフレームワークと整理
  7. 誰よりも主語が会社の未来であれ

人事は、事実と仮説を混在させてはいけません。仮説から論拠を始めるケースが多い。

常に見極めの根底にあるのはファクトです。事実を集めてその中でちゃんと判断をすることです。

私が顧問に入る際、従業員の方の面談をさせていただくのですが、たいていは経営者が言っていることと現場で感じていることは違います。何が事実であるかをちゃんと把握する人であってください。

最後に、人事は「誰よりも主語が会社の未来で」あってください。主語が自分軸や現場軸であってはいけません。

「私は」ではなく、「私たちは」「これからの私たちは」を、主語にするべきだということです。会社の文化を支える、素晴らしい風土をみなさんの手で創り上げてください。

人事は「ブレない軸」と「上の視点」を

堀尾氏

本日はここまでにして、最後は前田さんに一言いただいて終わりにしたいと思います。

前田氏

多くの経営者、人事の方とお話をさせていただく機会は多くありますが、その中で、いわゆる司令塔になり得る人事の方々が増えてきているなという実感が強くあります。

やはり、「企業は人なり」という言葉の上に、経営は成り立つと思います。そのためには、知見と経験と、あと大事なのがスタンスです。

冒頭で申し上げたバルセロナのCANTERAのように、常に上の視点を持ち続けることが人事の世界でも重要です。

そのためには、姿勢が大事だと思っています。強いプレイヤーは軸がしっかりしているので、どんなに強い当たりがきてもブレません。

是非、ブレない軸、上の視点を持って人事業務に取り組んでいってもらいたいと思います。

【イベント概要】

CLUB-CHROアカデミー『CANTERA(カンテラ)』 主催:CANTERA事務局 日時:2017年9月7日(木)18:30-20:30 場所:アクアミーティングスペース渋谷

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