法人向けパーソナルトレーナー、管理栄養士の派遣をおこなっている株式会社GOALSによる、健康お役立ち情報について紹介します。
今回は「カフェイン」についてです。
「気付けば仕事の合間にカフェインを摂取している」なんて人は多くいるのではないでしょうか。外回りで一息つきたいときに喫茶店に入る人もいるかもしれません。
こうしたカフェインの摂取は、意外にあなたの仕事への取り組み方に影響があるかもしれません。
カフェインって何?
『カフェイン』という言葉を聞いたことがない人はほとんどいないでしょう。コーヒーをはじめ、紅茶や緑茶、コーラやエナジードリンクなど、『カフェイン』は多くの飲料に含まれている成分の1つです。
化学的にはアルカロイドという種類の化合物に分類されます。摂取すると30分ほどで脳まで運ばれて、覚醒作用や鎮痛作用といったさまざまな作用を身体におよぼすといわれています。
気軽に摂取できるわりには、身体への影響は少なくなく、近年はその摂取量や摂取方法に注意を呼びかける声も出てきています。
カフェインの効果
カフェインの効果として、真っ先に思い浮かぶのは「眠気覚まし」ではないでしょうか。
覚醒作用はカフェインの代表的な効果の1つで、脳に直接働きかけて神経を興奮させ、麻痺させて眠気や疲労を感じにくくさせるようです。コーヒーを飲むことで何となく頭がすっきりとして眠気がなくなるのはこのためです。
また、交感神経が刺激され、血管が収縮し、血圧や心拍数も上昇するので、身体は活動的な状態になるそうです。眠気を覚まし、集中力を高め、思考・認知の能力も高まり、運動機能も活発になって疲労も感じにくくなるといわれています。
このようなことから、カフェインを含む飲料を仕事の合間に飲むことはとても効果的で最適といえるかもしれません。
カフェインの副作用
では、「カフェイン摂取はいいことずくめ。なんならもっとコーヒーをたくさん飲むことで、常に頭が冴えている状態を作り出せるのではないか?」と思ってしまう方もいるでしょう。
しかし、残念ながらそんな都合の良い話ばかりではありません。
効果が期待できるということは、当然副作用も起こりうるということも考慮しなければいけません。
カフェインを摂取することで神経を興奮・麻痺させて覚醒状態をつくり出すことはできても、眠気や疲労の根本的な原因が解消できるわけではありません。カフェイン自体に傷ついた組織を修復したり、疲労物質を分解・除去したりする力があるわけではないのです。
そのため、一度摂取したカフェインの効果が切れると、かえって集中力が低下したり、頭痛や強い疲労感を感じたりしてしまうことがあります。さらに、長期的で常習的なカフェインの摂取は身体に耐性をつくることになり、少量のカフェインでは覚醒作用が起こりにくくなってしまいます。
常に同様の効果を得るためには、徐々にカフェインの摂取量を増やしていく必要があります。その結果、毎日カフェインを摂らなければ落ち着かなくなっていきます。
こうなってしまうと『カフェイン依存症』といえるような状況に陥ってしまい、カフェイン切れによる頭痛・倦怠感・イライラ・気分の落ち込みなどの症状があらわれかねません。そうなれば、カフェインの摂取がかえって仕事へ悪影響を及ぼすことになってしまうでしょう。
カフェインの摂り方
副作用を感じることなくカフェインの効能を十分に甘受するためには、摂取量をコントロールする必要があるでしょう。
一般的にはカフェインの摂取量を1日に400㎎以下に抑えることが良いといわれています。コーヒーにして約5杯前後です。
もちろん個人差はあると思いますが、大体これくらいの量を目安にして摂取量を調整するとよいでしょう。「たくさん摂れば摂るほどその効果が増える」というわけではないので、大量に摂取することにあまり意味はありません。
逆に、短期的に多く摂ることで注意力が低下するという報告もあります。
「日頃からたくさんコーヒーを飲む」という方はカフェイン依存症になっている可能性もありますので注意しましょう。
カフェインを摂取しなければ「能力が低下する」「身体に不調をきたす」といったものではありません。もともと、あまりカフェインを摂取しないという人は「仕事の効率化を促進するため」といって、無理をしてカフェインを摂取する必要はないでしょう。
カフェインをを上手に摂取することは、仕事に向き合う集中力の向上などの効果が期待できるので、コーヒーやコーラなどのカフェインを含む飲料が好きな人は、カフェインの量をコントロールしながら摂取することを心がけてみればいかがでしょうか。カフェインと上手に向き合うことで、業務の生産性が一段と上がるかもしれません。