こんにちは、HR NOTE編集部 岩田 至弘です!
学生は何を基準として、インターンへの応募を決めるのでしょうか。
私はつい先日まで就活をしていた身ですが、大学3年生の時には、どのようなインターンがあるのか多くの企業を模索し、実際に数社のインターンに参加させていただきました。
学生にとって人気のインターンは倍率が高かったり、すぐに募集枠が埋まってしまったりと、そもそも参加することが難しい状況です。では、学生の応募が殺到するインターンと、そうでないインターンにはどのような違いがあるのでしょうか。
一方、企業側がインターンを企画する理由は、
- 学生に自社で働くイメージを持ってもらいたい
- 早期から自社の定義する優秀な学生との接点をつくりたい
- 多くの学生に自社を知ってもらいたい
など、さまざまあるかと思います。
しかし、学生が求めているインターンの傾向を把握しなければ、優秀な学生を惹きつけることは難しくなっているのが現状だと感じています。
そこで今回は、『学生を取り巻くインターンの最新の傾向』と、『優秀な学生を魅了する“本気インターン”を企画する10社の企業事例』について調べてみました!
新卒採用担当の方にとって、インターンを企画する際の参考となれば幸いです。
目次
学生の人気を集めるインターンのトレンド
従来より学生がインターンに参加する目的は、「リアルに近い就業体験を通しての業界・企業研究」「入社後のミスマッチを防ぐための判断材料」「内定獲得のため」などといったことが挙げられると思います。
さらに最近では、インターンを『自己成長の機会』と捉えて参加する学生が増えてきているようです。
優秀な学生はインターンに何を求めるのか
その中でも情報感度が高い優秀な学生は、“難関”と言われる企業のインターンに参加することでさらなる自己研鑽を求めたり、自身のブランディングを狙ったりする傾向にあります。
より実践的なコンテンツから得られる深い知見や、社会人になって即戦力と見てもらえるようなスキルの習得、またレベルの高い他の学生との交流や競い合いをインターンに期待します。
つまり、『企業が優秀な学生との接点を持つためには、学生の成長意欲を刺激するような、実践的でかつ難易度の高いインターンを企画することがますます重要になっている』といえるのではないでしょうか。
優秀な学生を惹きつける10社のインターン
学生のインターンに対する認識の変化を受けて、最近では多くの企業が、「実際の業務内容に即した課題解決型のプログラム」として、インターンを企画するケースが増えてきているように感じています。
特に、1dayから1週間の期間で、新規事業の立案を求めるコンテンツが主流のようです。
今回はその中で私が個人的に行きたいと感じた、『優秀な学生を魅了する8社の“本気の”インターン』と、『実際に私が参加した“本気”を感じる2社のインターン』の計10社を紹介します!
インターン革命を巻き起こす、8社の“本気”インターン
1.株式会社リクルートライフスタイル
参加報酬30万円!?リモートワークOKな破壊的サマーインターン
リクルートライフスタイルはDESHIP(仕事の“リアル”を体験する弟子入りインターン)をコンセプトに、約一ヶ月の新規事業立案インターンを今夏のインターンとして企画しました。
- 学年不問
- 参加報酬30万円
- リモートワークOK
- 新規事業立案経験のある社員から1:1のサポートが受けられる
という数々の破壊的内容は、多くの優秀な学生の心を掴んだに違いありません。さらに企画した新規事業は、社員と同じ審査基準を通過すれば“投資を受け、実際に事業化できる”というのです。
成長の機会を欲している優秀な学生のインサイトを掴み、その挑戦心に本気で応えようとする企業の姿勢が読み取れるのではないでしょうか。
既存のインターンの概念を破壊し、再び新たなインターンのあり方を創造する。
まさに“リクルートグループらしい”インターンではないでしょうか。
URL:https://www.recruit-lifestyle.co.jp/
2.株式会社サイバー・バズ
新規事業に“即戦力”としてジョイン!学生版助っ人採用
サイバー・バズは今夏のインターンに、自社の新規事業に応募学生を即戦力として丸一ヵ月半ジョインさせるという“学生版助っ人採用”を実施します。
若手事業責任者の直属の部下として実際に働くことができるという内容は、自分のチカラを試し、さらなる成長を望む多くの優秀な学生にとって、是が非でも飛び込みたい機会ではないでしょうか。そうした心意気を持つ学生との出会いを大切にするという、企業の思いが反映されたインターンです。
さらに、代表取締役社長の高村氏のビジネスとプライベートをそれぞれ1日ずつ体験できる『社長とあそぼう』という、インターンも開催しています。
https://www.cyberbuzz.co.jp/summer19/
3.株式会社HDE
社員の海外出張に同行、海外出張カバン持ちインターン
HDEはビジネスディベロップメント職の採用目的と明記した上で、学生に社員の海外出張同行の機会を提供し、現地の潜在的なニーズ・課題の発見を課すという“海外出張かばん持ちインターン”を企画しています。
学年・HDEへの志望度は不問で、内容に興味をもってインターンへ応募してくれる学生を幅広く受け入れています。企業側は求める人材と接触が持てるため採用につなげることができ、学生は費用やその他の制約に縛られず希少な成長の機会に飛び込むことができます。
学生のインサイトのトレンドを捉え、且つ企業と学生が腹を割って、win-winな関係を築くことができるモデルを体現したインターンと言えるのではないでしょうか。
URL:https://www.hde.co.jp/recruiting/internship/
4.株式会社リブセンス
「あたりまえ」をつくる一員となる。就労体験ならぬ“社会人体験”の実現
リブセンスは、「刺激的な、価値のある、ふだんの仕事」というコピーのもと、サマーインターンを企画しています。
これは「あたりまえを、発明しよう」というリブセンスのビジョンを、学生にインターン生としてではなく、社員仲間の一員として経験してもいらいたいという想いが込められています。
現在のトレンドであるスキルアップをはじめとする自己成長や、就労体験。それらをさらに超えて社会人の醍醐味を味わってほしいという試みは、さらに一歩視座の高い学生の心に深く刺さるのではないでしょうか。
また「一員」として受け入れることで、学生に自社の魅力を直に感じてもらうことにもつながります。このコンセプトのもと、1週、2週、4週の選択制で、webサービスの開発など実業務に参画できるコンテンツを提供しています。
URL:https://tech-intern.livesense.co.jp/
5.株式会社サイバーエージェント
最強の学生が集まる秘訣がここに。選抜型インターンDRAFT
サイバーエージェントは革新的な方法で優秀な学生の心を揺さぶり、企業との接触につなげています。
その名の通りインターンをDRAFT選抜のように、「学生が優劣を競うトーナメントの場」にしています。これには自分に自信のある学生が、黙っているはずがありません。日本中から最強の学生が集まる場に、我こそはと自然に向かっていきます。報酬は、ウェブサイト掲載などの“名誉”と賞品、選抜合宿参加という“特別待遇”があります。
優秀な学生のインサイトを的確に捉え、インターン自体のブランディングに成功した一例と言えるのではないでしょうか。
URL:https://www.cyberagent.co.jp/
6.株式会社じげん
ここまでやらせてもらえるの!?インターンの概念を超えた長期インターン
「インターネットを通じて『生活機会』を最大化する」ことを目指すじげんは、ビジネス職・エンジニア職において、時期を問わず長期インターン生(目安:6ヶ月以上)を募集しています。
インターンの内容は、学生一人ひとりのスキルや実績に応じてミッションが振られ、ビジネス職では事業責任者とともに事業開発を担当、エンジニア職では既存だけではなく新規事業・サービスの企画や全社横断でのプロジェクトの推進・開発を進めるというものです。
私は学生として、「いやそれ、ほとんど入社じゃん…」と感銘を受けました。
学生への投資を惜しまない企業の姿勢と、インターンの概念を超えるインターン生への裁量の付与は、「学生の枠を超えた活躍をしたい」と願う、超人学生たちの挑戦を受け続けるでしょう。
URL:https://recruit.zigexn.co.jp/parttimejobs
7.ソフトバンク株式会社
就業体験を超える、就業実践- 革命の現場に、TURE TECH
社員から与えられた課題に対し、頭を捻って机上で情報収集・議論し、成果を発表する。そんなありきたりなインターンに愛想をつかした学生を虜にする、“超実践型インターン”をソフトバンクは実施しています。
内容は、“地方創生”というキーワードに焦点を当て、企業が学生を革命の場に“連れて行く”というもの。丹波市、塩尻市へ実際に足を運び、現場の声から課題を掘り下げ、ICTを用いた課題解決の提案を地方自治体に対しておこなうことまで求めます。
この完全『現場』型地方創生インターンは、よりリアルなビジネスに触れる場を求める学生にとっては魅力的であることでしょう。
URL:http://ture-tech.com/
8.株式会社メルカリ
“世界で戦うために、まずは、世界を見てきてください。” BOLD INTERNSHIP in USA
インターンへの投資を一切惜しまない本気の姿勢が「スゴイ!」と感じたのは、今春実施されたメルカリのインターンです。
学年不問、募集人数は企画職・エンジニア職各50人。アメリカ合衆国50州のうち1州へランダムで1週間派遣され、しかも渡航費や食費など必要経費は支給とのこと。
内容は、現地でのヒアリングによる課題の発見から、メルカリがアメリカで戦うための新規サービスの立案・プロトタイプの作成まで、非常に高いレベルが要求される充実ぶりです。
メルカリ社員バリューの一つである“Go Bold”を体現した、大胆な学生の参加を受け入れる姿勢が感じられます。
お金と成長機会に飢えた現在の学生は、このインターンに応募しない理由が見つからないのではないでしょうか。1年前の自分の情報感度の低さを悔いるばかりです…。
URL:https://www.mercari.com/jp/recruit/boldinternship/
番外編:筆者の心を射止めた2社の本気インターン
最後に、当時就活生だった私が実際に参加したインターンの中から、企業の本気度を強く感じたインターンを2つ紹介します。
(注:筆者が「優秀な学生」かどうかは、ここでは別問題とさせていただければ幸いです)
株式会社電通
最強の講師陣から、企画の本質を学ぶ。
電通のインターンは、例年継続して学生の人気を集め続けるインターンの一つです。
その理由の一つに、恒例ともなっている豪華な講師陣があるのではないかと感じました。私が参加した当時でも、講師として登壇されたのは、日本中誰もが知るような企画を担当したというコピーライター、クリエイターの方ばかり。
広告業界の第一線で活躍されている社会人の生き様を目の当たりにした私は胸が熱くなり、「社会人って、こんなにかっこいいのかよ…。」と、不覚にも涙しました。
学生にとって、普段関わることができないような業界の最先端で活躍される”エース社員”との交流の機会は非常に価値が高く、普通のインターンでは決して知りえない知見が得られるように感じました。
企業の知名度もさることながら、そういった学生に対しても妥協しない本気さ・充実したコンテンツが、優秀な学生を集め続けているのではないでしょうか。
URL:http://www.dentsu.co.jp/recruit/internship.html
株式会社フロムスクラッチ
自分の限界に挑む濃密思考体験- 最高難易度インターンAxEL
私がAxELへの参加を決めた決めたきっかけは、「学生からの口コミ」でした。
参加以前、企業の認知はほとんどありませんでしたか、就活支援団体や他の就活生からの口コミといった二次情報から、「全国から優秀な学生が集う」「最高難易度インターン」「圧倒的成長の機会」という文句に惹かれ、応募しました。
実際にインターンを経て特に印象的だったのは、「参加学生の圧倒的なレベルの高さ」「答えのない超難題に最先端の技術領域で立ち向かう高揚感」「豪華すぎる代表講演」です。
今まで出会ったことのないような優秀な学生と共に切磋琢磨し、思考の限界に挑む経験は、強烈な成長意欲を駆り立てます。「なるほど。これは友達にオススメしたくなるインターンだ…!!」と感じました。
良いコンテンツの企画は優秀な学生の心を動かし、さらに他の優秀な学生へと広まっていく。コンテンツの質を追求することでインターンのブランドを確立し、優秀な学生を集める好循環のスパイラルを体現した例だと感じました。
URL:https://www.facebook.com/fromscratch.rec/
おわりに
いかがでしたでしょうか。
現在学生から多くの注目を集めるインターンは、学生の志向のトレンドを捉え、優秀な人材を惹きつけるための“本気”の取り組みがあるように思います。学生は、学生という肩書きに縛られず、本気になれる機会をインターンに求めています。
また最近では、選考を通過して参加した企業のインターン自体の難易度が学生個人のポテンシャルを判断する指標の一つとされる傾向があり、優秀な学生はこぞって“難関”と言われるインターンに応募する傾向があるように感じます。
反対に、学生に対して一切の妥協をせず本気で向き合おうとする企業のメッセージが伝わらなければ、インターンを通して優秀な学生との接点を築くことは難しい時代といえるのではないでしょうか。