3~4月、就職活動が本格化する中で、さまざまな会社の採用ページを見ていると、「ユニークな打ち出し方をしているな、すごい凝ってるな」と思わず目を引いてしまった、おもしろい採用活動をしている企業がありました。
説明会でのユニークなグループワークや、オシャレな採用ページ、デザイン性の高いパンフレットや自社グッズの配布など、他社と差別化を図るような工夫を凝らしている企業は、就活生の印象に残りやすいのではないでしょうか。
そこで今回は、国内外のクリエイティブ&ユニークな採用ページと採用活動をまとめてみました!
日本のクリエイティブ&ユニークな活動 4選
日本ではインターネットサービスやゲーム制作会社を代表に、クリエイティブ&ユニークな採用活動が行われています。その中から、よりユニークな4社をご紹介します。
エンジニアに直接評価してもらうGitHub Challenge|サイバーエージェント
アメーバブログの運営などで有名なサイバーエージェントは、インターネット広告代理店の代表企業。
先進的でユニークな採用活動をおこなっていることでも知られていて、毎年エンジニアやデザイナー、ビジネス向けそれぞれに、さまざまなエントリープランを用意しています。
エンジニア対象のGitHub Challengeでは、書類選考の代わりにGitHubのレポジトリが審査対象となっていて、エンジニアに高評価をされた人が通過できる仕組みになっています。応募者の能力を比較して選考することができる、効率的な採用活動ではないでしょうか。
その他、サイバーエージェントは日本で初めて求人にFacebook枠を取り入れたことでも有名。Facebookユーザー限定で10人枠を設け会社説明会をおこなってもいます。
オフィス冒険選考「古より伝わりし大陸の秘宝」|VOYAGE GROUP
メディア事業とアドテクノロジー事業を行うVOYAGE GROUPがおこなっているのは、ゲームの手法を取り入れた採用活動。オフィス全体を使い、4~5人のグループに分かれて宝探しをおこないます。
グループ行動により、学生の協調性や問題解決能力、学生の個性などを見ているそうです。対策ができないので、履歴書や面接などでは判断しづらい本来の性格やポテンシャルが測りやすいというメリットがありますね。
エゴサーチ採用|面白法人カヤック
面白法人カヤックは、webサイトやアプリなどのデジタルコンテンツを制作している企業。毎年、ユニークな採用活動をおこなっています。
そのなかでも特にユニークだったのが、2015年に開始された「エゴサーチ採用」。そのエントリー方法は、検索すると自分が一番上にくるワードを入力するだけ。履歴書などの提出は一切不要で、応募されたワードをひとつひとつ人事が検索して選考しているそうです。
社会的影響力がネットの検索結果でわかるということですね。現代的な採用活動ではないでしょうか。
ほかにも、過去に面白法人カヤックは嘘の履歴書の面白さで選考する「エイプリル採用」やSNSのアカウントから他社とのコミュニケーションをはかる「ワンクリック採用」など、クリエイティブな業界ならではのユニークな採用活動をおこなっていました。
オピニオンリーダー選考|株式会社エイチーム
スマートフォン向けのコンテンツやインターネット向けサービスの開発・運営をおこなう企業、株式会社エイチームの2011年の一次選考は、Facebook完結。
企業のFacebookページのディスカッションボードにオピニオンリーダーとしての経験や投稿を投稿するだけ募集が完了します。結果はFacebookのメッセージに直接通知され、通過者のみが会社説明会に参加できるそうです。
やり取りが全てFacebookでおこなわれるため、企業側も管理がしやすく、学生の手間も少なくて済むので、双方にメリットがあるといえるのではないでしょうか。
海外のクリエイティブ&ユニークな採用活動 8選
海外は通年で採用活動が行われているため、日本よりもターゲットを限定した採用活動が行われています。
大手企業を中心に、8社の採用活動をご紹介します。
パズル面接|マイクロソフト
世界最大のコンピュータ・ソフトウェア会社であるマイクロソフトが行っているのは「パズル面接」。「才能ある労働力こそ資産」という方針のもと知能重視の選考方法をとっています。
面接中、「富士山をどう動かすか?」「マンホールはなぜ丸いのか」といった問題をだし、問題解決能力をはかります。問題は正解があるものとないものがあり、論理と想像力による問題解決能力をはかっています。
個別のメッセージ|Red 5 studios
アメリカのゲームデベロッパー、Red 5 studiosの採用方法は、豪華な内容です。
Facebookなどのソーシャルメディアを駆使して採用したいと思う候補者を100人選出し、各候補者のためにパーソナライズされたiPodを贈呈する求人キャンペーンをおこないました。候補者の心をつかむことを狙いに、iPodにはCEOのメッセージが録音されています。
その結果、候補者の90%から返事が得られ、より優秀な人材を得ることができたそうです。ある程度のコストはかかりますが、優秀な人材を得るための効率的な採用活動ですね。
個別インタビュー選考「Go PLACE」|ハイネケン
世界70カ国以上に250ものビールブランドを展開している企業、ハイネケン。「Go PLACE」というweb完結、インタビュー形式の採用活動をおこなっています。
質問項目は、2枚の絵のどちらを選ぶか、カメラ前のどの位置に立つか、など抽象的ですが、ハイネケンの大切にしている価値観などをはかっているそう。
最後に質問結果のフィードバックがおこなわれ、タイプや特性を教えてくれます。最後にエントリーの希望を問われるので、選考に進まなくてもインタビューを受けることができます。
決まり切った質問のようにとりつくろえないため、本当に企業に合った人材を選出できるほか、広報としての効果もはたしているのですね。
自社製品への愛着を重視|IKEA
日本でも有名な家具・インテリア雑貨を取り扱う会社、IKEAの採用活動はとってもシンプル。顧客が購入した家具のパッケージに求人広告を忍ばせ、日頃からIKEAを愛用している人の中から選考しています。
愛用者は商品に対する知識もあり、店舗や商品に対する改善策なども考案できるのではないかと期待されています。広報コストもかからない上に、会社へのロイヤリティを持つ人材を確保することのできる画期的な方法です。
熟練した整備士の募集|フォルクスワーゲン
ドイツの自動車関連会社のフォルクスワーゲンはSNSを活用し、自動車整備士の求人募集をおこないました。
その方法は、フォルクスワーゲンの車体の下に求人広告看板を忍ばせ、自動車整備工場を訪れるというもの。優秀な整備士を少人数募集するためには広告費もかからず効率的な方法だといえます。
また、その様子を撮影した動画をインターネット上で公開することによって、企業広告の効果も果たしています。
企業の人が求人広告|Google
Googleでは、優秀な人材を獲得するために採用担当者自らが広告になっています。
ビジネスエリートたちの交流の場であるマラソン大会では「Google採用中」というTシャツを着て走る採用担当者や、プラカードを掲げて公道を闊歩する採用担当者もいます。
募集を待つのではなく、自ら欲しい人材を探しに行く求人スタイルが企業の成長を促進しているのですね。
名刺で直接スカウト|Apple Store
Apple社製品を扱うアップルストアの直営店は、接客態度の良い人材を募集するべく、名刺を使って直接採用活動をおこなっています。
採用担当者たちがディナーやショッピングなどで素晴らしい接客をしていた店員に対し、自社への応募を促す名刺を配り、優れた人材を勧誘していきます。
日常的に人材の引き抜きが行われる欧米ならではではないでしょうか。
これぞクリエイティブな広告!|FBI Talent Co
オーストラリアやオランダ、イギリスに拠点を置く人材紹介会社FBI Talent Coの広告は非常にクリエイティブ。募集のターゲットが利用するであろう、オフィスのトイレに「ハエの求人広告」を張り付けました。
本物のハエに見せかけた求人広告を作成し、そのハエの背中には「FBI recruitment.com」の文字をプリント。トイレにいくと、壁にハエが止まっていることに気づきます。そして、そのハエを見ると、求人広告だと気づく仕組みです。
誰もがつい気になってしまうハエの背中に「FBI recruitment.com」の文字を記載することによって、効果的に応募者を増やしたとのことです。応募を促したい母集団が限定されている場合には効果的な方法ですね。
まとめ
紹介した企業の他にも、各社さまざまな工夫をしています。
ユニーク&クリエイティブの背景には、企業の求める優秀な人材を効率的に獲得したいという意図や、広告効果への期待があることがわかります。
ダイレクトリクルーティングの流行により、日本も海外のようなユニーク&クリエイティブな採用活動が増えていくのではないでしょうか。