働き方改革により、今まで多くの会社で禁止されてきた「副業」が各企業で容認されるようになってきています。本業とは異なる収入源を確保する手段として、「副業をしたい」と考える労働者は今後増加していくことでしょう。
2019年10月10日、ディップ株式会社は自社で運営する総合求人サイト「はたらこねっと」のユーザーを対象に実施した「副業」についてのアンケート調査の結果を発表しました。
目次
調査概要
調査時期 | 2019年6月10日~7月7日 |
調査方法 | インターネット調査法 |
調査対象 | はたらこねっとユーザー |
有効回答数 | 1,144名 |
調査機関 | ディップ株式会社 |
今回掲載する調査項目は、次の通りです。
Q-2. あなたの現在の本職の勤め先は、副業(掛け持ち)を許可していますか?
Q-3. 副業をする理由はなんですか?
Q-4. 副業の雇用形態は?
Q-5. 副業の職種は?
Q-6. 副業を選ぶ際に重視した点は?
調査結果
Q-1. 副業をしたことはありますか?
ピンク色:2019年、水色:2018年
副業をしたことがある人は、全体の58%となりました。アンケート回答者の半数以上が副業を経験しており、副業をおこなうことが身近になってきていることがわかります。
また、昨年度と比較しても2%増加しており、副業を経験している人は徐々に増加しています。
Q-2. あなたの現在の本職の勤め先は、副業(掛け持ち)を許可していますか?
本業の勤め先が副業を許可している割合は約半数の45%となり、副業を許可している企業がすでに多くあることがわかります。
また、副業に関する制度を把握していないと回答した労働者が32%(全体の約3分の1)となり、労働者の中には副業についての理解がまだ進んでいない面もあることが読み取れます。
Q-3. 副業をする理由はなんですか?
副業をする理由は、「生活の足しにするため」が39%と最も高くなりました。経済的理由を考慮して副業をおこなう人が多くなっていることがわかります。
Q-4. 副業の雇用形態は?
ピンク色:2019年、水色:2018年
副業の雇用形態としては、時間や曜日の融通が利きやすい「パート・アルバイト」が57%と最も高くなりました。また、昨年度と比較してフリーランスの割合が15%となり、大きく増加していることがわかります。
Q-5. 副業の職種は?
ピンク色:実際の職種、水色:希望の職種
副業経験者が希望する職種は、「一般事務・営業事務・データ入力」が22%と最も高くなりました。しかし、実際についた職種は、「飲食・接客」の21%が一番高く、「一般事務・営業事務・データ入力」は12%にとどまっています。
事務系の職種は希望が多いものの、求人倍率が高い傾向にあります。そのため、職に就くことが難しく、結果的に接客系の職種で働くことになる人が多くなっています。
Q-6. 副業を選ぶ際に重視した点は?
副業を選ぶ際に重視した点は、「給与」が20%と一番高くなりました。前述したように、経済的理由から副業をおこなっている人が多くいることが反映されていることがわかります。
また、そのほかにも「勤務地(19%)」や「曜日(17%)」などが高い値となっており、本業との両立が可能な場所や日程で働くことを重視していることもわかります。
まとめ
以上の調査結果をまとめます。
- 副業の経験がある人が回答者全体の58%と半数を超え、年々増加中である。
- 副業を許可している企業も多くなってきている。
- 副業をおこなう理由は、経済的なものであることが多い。
- 副業の雇用形態は、時間の融通が利く「パート・アルバイト」が最も高い。
- 副業で希望する職種と実際に就いた職種にはギャップが存在する。
副業は、労働者にとっても企業にとっても年々身近になりつつあります。
人事担当者としても、
「自社で雇用している労働者が、副業で別の企業でも働きたいと打診してきた。」
「人手不足が続く中で、短時間勤務で良いので働いてくれる労働者を探したい。」
といった状況になることがあるかもしれません。この機会に、副業について自社の制度を再度見直してみてはいかかでしょうか。