2024年11月27日に「人的資本経営」を研究・発信する一般社団法人 人的資本経営推進協会が人的資本経営サミット2024を開催しました。本サミットでは、企業による人的資本経営の具体的な取組み事例を中心に、投資家との対話を通じた人的資本経営推進のヒントが詰まっています。
今回はその中から、セッション『経営幹部登用におけるDEI推進』のイベントレポートをお届けします。登壇者は、株式会社リクルートにて人事、広報、渉外、サステナビリティと幅広く活動されている執行役員の柏村氏、ソフトバンク株式会社 執行役員 コーポレート統括 人事本部 本部長の源田氏。
モデレーターには、組織改革を進める企業支援を行うエール株式会社取締役の篠田氏を迎え、登壇者とともに経営執行幹部の多様性確保に対するチャレンジについて、先進企業はその壁をどう乗り越えようとしているのか、実践的な事例を交えて議論いただきました。ぜひ今後のDEI推進の参考にしていただければと思います。

柏村 美生|株式会社リクルート執行役員 人事、広報・渉外、サステナビリティ
1998年リクルートに入社。2003年に社内の新規事業提案制度を活用し、結婚情報誌『ゼクシィ』を中国で事業化。翌年上海に赴任。2011年に帰国し、美容情報事業(『ホットペッパービューティ』事業)の事業責任者等を経て、2015年にリクルートホールディングス執行役員に。リクルートスタッフィング社長等を経て、2021年4月より現職。経済産業省 人的資本経営コンソーシアム 企画委員。

源田 泰之|ソフトバンク株式会社 執行役員 コーポレート統括 人事本部 本部長 兼 総務本部 本部長 兼 Well-being推進室 室長
1998年入社。営業を経験後、2008年より人事領域を担当。ソフトバンクのグループ会社であるSBアットワーク 株式会社、SBイノベンチャー株式会社、SBエンジニアリング株式会社の取締役を務める他、公益財団法人孫 正義育英財団の事務局長。2019年に日本の人事部「HRアワード2019」企業人事部門個人の部最優秀賞受 賞

篠田 真貴子|エール株式会社 取締役
社外人材によるオンライン1on1を通じて、組織改革を進める企業を支援している。2020年3月のエール参画以前は、日本長期信用銀行、マッキンゼー、ノバルティス、ネスレを経て、2008年〜2018年ほぼ日(旧・東京糸井重里事務所)取締役CFO。退任後「ジョブレス」期間を約1年設けた。(株)メルカリ社外取締役。経済産業省 人的資本経営の実現に向けた検討会 委員。人と組織の関係や女性活躍に関心を寄せ続けている。『LISTEN――知性豊かで 創造力がある人になれる』『ALLIANCE アライアンス――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』監訳。『デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』日本語版序文、『まず、ちゃんと聴く。 コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』巻頭言
目次
本日モデレーターを務めます、エール株式会社 取締役の篠田と申します。
今回の講演では「経営幹部登用におけるDEI推進」という難しいテーマについて、どれだけ難しいのかをじっくり考えて、味わう、そんな時間にできればと考えております。では、まずリクルートの柏村さんから、今回のテーマに対してどのような取り組みをされているのかお伺いできればと思います。
「個の尊重」|柏村さん講演
リクルートの柏村と申します。
本日は「個の尊重」と題してお話させていだきます。リクルートでは、個々人の能力をいかに生かしきるかを念頭に、人事制度をアップデートしてきました。これは、創業以来の「価値の源泉は“人”」という考えからきています。
当時からこの考えは変わらず大事にしており、そんな中でDEI推進の試金石として2020年度に、2030年までに「上級管理職・管理職・従業員の女性比率を約50%にする」といった極めて難しい目標を設定し、進めてきました。
DEI推進を加速するジェンダー平等目標
この目標を公表したのと同じ、2021年には、国内7社の事業会社を1つに統合しました。その際に、10年後の未来にも新しい価値を生み続ける会社はどのようなものか経営で議論し、会社を「CO-EN(公園、Co-Encounter)」のような場にしていくことを決めました。
出入り自由で、この空間にいれば面白い出来事や人に出会える。好奇心が開花し、チャレンジできる機会にあふれていて、それが結果的に社会への貢献や会社の成長につながるというサイクルを回したいと考え、これを「THE OPPORTUNITY CIRCLE」と定義し、従業員にも公表して推進しています。
DEI推進で進化する人的資本経営の取り組み
このような空間を目指すうえで、これまでにさまざまな施策を講じてきました。2006年に発足したDEI推進部では、多様な従業員一人ひとりの働きやすさ・働き甲斐を追求しています。働き甲斐の追求については、管理職のジェンダーパリティが実現できている状態をめざし、取り組みを進めてきました。
例えば、結婚や出産といったライフスタイルとキャリア構築の両立に悩むことの多い女性メンバーに対しては、課題に応じて、20代向けと30代向けのキャリア構築支援研修を行っています。また、管理職に対しては、多様な人材をマネジメントするための研修を、新任管理職向けのマネジメント基礎研修として行っています。
また、インパクトが大きかった施策は「管理職要件の明文化」です。「管理職になる意欲や覚悟を示しているか」「強いスタイルのリーダーシップを表出しているか」等、管理職としての能力以外の無意識バイアスが、候補者選びに影響していたのではないか、と仮説を立てました。
そこで、現場が重要と考える要件を改めて明文化。管理職候補者発掘時に、要件以外のアンコンシャスバイアスを意図的に取り除くことを、半年間、パイロット組織で試行してもらいました。その結果、パイロット組織では、課長職候補者は女性で1.7倍、男性で1.4倍に増えました。もともとはジェンダーギャップに着目して始めた取り組みですが、あらゆる従業員の機会を広げることが現場にも認められ、現在は、全社的な人材・組織開発の基盤として導入しています。
女性管理職比率は、2024年時点で課長職36%、部長職24%、役員13%と追いかけている状態です。
リクルートにとって、DEI推進は、結局のところ「個」を生かすということに尽きると考えています。
起点こそ男女差ですが、女性向け・男性向けというよりは、一人ひとりに向き合い、「個」を生かし切るポイントを複眼で見立てたり、柔軟な任用やメリハリがある評価・フィードバックをしたりしながら、すべての制度・仕組みで「個」を生かすことを考えることが重要だと思います。
柏村さん、ありがとうございました。「個」を生かすという言葉に込められた思いや、さまざまな複雑性・難しさに正面から立ち向かっていらっしゃることがわかりました。続いてソフトバンクの源田さんのお話に移りたいと思います。源田さんよろしくお願いいたします。
人的資本経営・DEIへの取り組み|源田さん講演
ソフトバンクの源田です。改めてよろしくお願いいたします。私の方からは人的資本経営・DEIをどのように捉えているか私見をお伝えできればと思います。
人的資本をどう最大化させるか
まず、人的資本経営に関してですが、いろんな指標や働き方、情報開示するのは当たり前だと思っています。そのうえで、社員が成長できる環境や自律的なキャリアをどう作っていくかを念頭に置いた人材開発を行いつつ、人的資本をどう最大化させるかが重要だと捉えています。
同時に、個人の自律的なキャリアと企業成長のバランスも重視しています。ソフトバンクはソフトウェアの販売から始まり、出版、モバイル事業など発展させつつ、現在は次世代社会インフラの構築に向けた取り組みを進めている状況です。直近だと、AIデータセンターや国産LLM(大規模言語モデル)をつくる動き等があります。
このように新しい事業がどんどん立ち上げられていく中で人の成長はあるため、その環境を用意して成長を促進し、また新しい事業が生まれていく。当社では、この健全な循環が生まれています。
女性活躍推進委員会の設置
次に、DEIに関してです。弊社では、数年前から女性活躍推進委員会を設けました。というのも、データを見た際に、男女の業績評価は女性の方が高いのに、上位役職への認定率は差があり男性の方が多い現状でした。人事の視点からするともったいないですし、本当の意味でも適材適所ができていないのではないかと。
これは「やる気があるからお前やってみるか」「男性の方が役職に就くのが当然」など、才能や実力と別の要素が働いている可能性があると考えました。会社で中長期的に見た際にマイナスに作用する可能性があるのではないか、というのが委員会発足の背景です。
もちろん最終的には障害者や、国籍の壁も超えていくのは当然です。ただ、目下一緒に働く男女間で、同じように評価できずに差がある現状を改善できなければ、本当の意味でのDEIにたどり着けないと考えています。
アンコンシャスバイアスの研修、メンター制度の充実、登用時の評価の平等性などあらゆることを必死でやっていますが、今回のテーマの幹部登用という点においては、まだまだ挑戦していく必要性を感じています。今日はそういう意味で、リクルートさんの事例を参考にできればと考えています。よろしくお願いいたします。
DEIに紐づく考え方|篠田さん講演
源田さん、ありがとうございました。
本日のテーマは決して簡単ではなく、どのような複雑さがあるのか皆さんと一緒に、解像度を上げる場にしたいと考えております。まず、私から本日のテーマに紐づく考え方を2つご紹介できればと思います。
1つは「一様性」と「多様性」の違いです。
これまで「一様性」を力に換える組織では伝えることが重視され、いわばブロック塀のような組織の中で汎用的な規範がありました。逆に「多様性」を力に換える組織では聴くことが重宝され、どんな姿なのか自己理解、他者理解を促進することが重要だと考えています。
また、こちらのスライドは、株式会社チェンジウェーブグループさんが出した数値です。
大企業の管理職の女性は、男性とほぼ同程度に「男性は仕事、女性は家庭」というアンコンシャスバイアスがあることがわかります。管理職になるうえで、女性自身が仕事で成功することに矛盾を感じてしまう傾向があることがわかります。
これは女性自身も無意識のうちに葛藤が生まれており、こういったところが複雑さを生んでいるのではないかと思います。
ディスカッション
スライドはここまでで、さっそくお二人のご意見をお伺いしていければと思います。
幹部登用におけるDEI推進の社内浸透
改めて、お二人が話してくださったDEI、中でも幹部におけるジェンダーバランスを作っていく意義についてどのように社内でお伝えして、意味づけされているのでしょうか。
特に、幹部の方となれば概念的に反対することはなくても、いざ自分ごとになると、自分の部門の業績をより優先させるとか、部下を見た際に候補人材がいないと話されるといったことは他社ではよく耳にします。
DEIを考慮した幹部登用は、本当に難しいテーマだと思います。前提として、競争力がある会社を作るためには、一人ひとりが成長し、進化し、パフォーマンスを最大化できるようにすることが大事です。当社でも、「個の尊重」をベースに考えることに対して反対する人はいないでしょう。その点はぶれないと思います。
そのうえで、データでみることが重要かと思います。どこでギャップが起きているのか仮説を持ち、検証、議論を繰り返してきました。
冒頭の話にあった任用率のギャップが、8%とまず示せたことは一つの例ですね。
はい。男女比が5:5になることだけが正ではないと思うんですね。ただ、現状の男女比に何%の差があるかは私含め、みんな知らなかったです。可視化したうえで、その数字をどう捉えるかは、会社の規模に応じて受け取り方、解釈が異なっても問題ないと思います。その事実に基づいて、議論することが極めて大事だと思います。
ありがとうございます。ソフトバンクの源田さんはいかがでしょうか。事業責任者の皆さんに方針を共有し、実行していただく際のコミュニケーションのむずかしさはありますか?
まさにリクルートさんと同じで、総じて賛成であることは一緒です。当社の場合は、一度方向性を決めるまではいろいろありますが、決めると推進力は強いと思います。
2021年に社長を委員長として女性活躍推進委員会を設置し「なぜ女性活躍が必要なのか」「各役員・事業部門が自らどういう状態か、どういう風に変えていきたいか」を考え、共有してきました。
まずは女性管理職(主に課長職)を増やしていこうとFY35までに20%を掲げています。FY21は7.1%でしたが、3年間活動し9.2%まで上がってきています。もともと業界的に男性の割合が多く、全社員における女性の割合が20%代であることを考えると僕らにとってはチャレンジでありますが、まずは次の課長を生む。課長が生まれないと部長が生まれない、そして執行役員が生まれないということを念頭に、粘り強く続けることが重要であると考えています。
幹部登用におけるDEI推進の意義
皆さんが所管している部署においては、問題意識や意図は伝えていると思います。ただ「なぜ重要なのか」が伝わらなかったり、結果的に過剰に保守的あるいは楽観的になったりといったご苦労があると思いますが、その点はいかがでしょうか。
課題は常にあり続けると思っており、大きく2点あります。
1つは会社の通常のメカニズムにDEIを内包して考えないと、サステナブルにならない点です。我々は、現場で決めてコミットして動くのが強い社風です。自分たちで事業計画を立てる際に、ヒト・モノ・カネの「ヒト」に関するアジェンダとして、DEI推進の戦略を一緒に考えることを大切にしてもらっています。事業戦略に接続していないと、実効性も低くなりますよね。
2つ目は、一気にやってもうまくいかない点です。これは事業のローンチと同様、初めての取り組みを一緒にやってくれる現場のリーダーを見つけ、大いなる実験に取り組む必要があると思います。現場のリーダーに協力をお願いして成果を出していただくこと。いい経験も悪い経験もしていただいて、落とし穴にも落ちることもあるかもしれませんが、成果を出して、現場リーダー自ら他の組織にもシェアしてもらい「これだったらいける」という感覚を社内で何人かにもっていただくことが大切なので、時間はかかりますね。
ありがとうございます。時間をかけ、じっくり取り組むということについて、解像度を上げていただいたと思います。「既存のビジネスサイクルの中に入れこまなければ続かない」「一気にではなく、一緒に推進していく」ということをお話しいただきましたが、源田さんのところではいかがでしょうか?
当社の場合は、事業のトップの役員と、キーとなる働く女性へ同時にアプローチしていきました。DEI、女性活躍推進をやろうと思ったきっかけとして、リーダーとして推進してくれている方がすごい熱量で、これをやるべきだと提案してくれて。会社をどう動かすかを考えた際に、上場企業で女性活躍推進委員会をやる以上、まずはトップを動かす必要があると考えました。委員会を発足し、社長を委員長としてたてて、各組織を統括する役員を推進委員とする体制を構築する。次に各キーとなる方々に、部門を丸ごと動かしていただくよう促しました。
このきっかけを作ってくれたDEIのリーダーをやってくれている方は、女性執行役員、部長に片っ端から個人的に面談をしていき「この会社で皆さんのように活躍する人が必要ですよね」という思いで面談していき、推進していってくれています。
いまのお話は、どの会社でも参考になる点がいくつもあると思います。「トップを巻き込み、コミュニティをつくる」「情熱を持ったキーマンに機会を提供し、その方の視点や提案をもとに推進する」これらは大事なところだと感じました。
サステナブルに動かすという観点で、すごく大事だと思います。
女性活躍推進の複雑性に対する取り組み
ここで話題を切り替えられればと思いますが、一般的に各企業では人事の機能を統合しておられるかと思いますが、一歩現場に近いレイヤーになると、企業さんによっては採用、人事、労務等々、人事のトップ直下で機能別の組織に分かれます。
一個一個の施策推進のために最適化されている一方、「分業したものをどう統合していくのか」は隠れた大きなテーマであり、難しさ・複雑性を生む構造だと感じています。まさに女性活躍推進はこの統合がテーマと考えています。
実際に統合に関して課題として捉えているのか、あるいはそういった複雑性に対してどのように対応されているかお伺いできればと思います。
当社においては制度、報酬、採用、人材開発など機能分化されることでの、女性活躍の温度差は特段ない認識です。ただ、業績評価と課長への登用率の差に関しては気になっています。本当に適材適所になっているのか企画部門が分析したところ、残業が多いと評価されやすい傾向にあったため、本当に残業や過去の業績も出したうえで比較を行い適材適所ができているか確認しておりますし、必要性を感じています。
ソフトバンクさんでは具体的なデータ分析をするなどされており、抱えている問いが秀逸だなと感じました。それは、御社の人事、あるいは事業部門全体に過去から蓄積された姿勢なのでしょうか。
そうですね。事業の意思決定もそうですが、女性活躍推進委員会を作った際も、単にそういうものがあったらよいなという状況では、実際にやりましょうとはなりません。データに基づいたファクト・課題がないといけないと思いますし、評価と登用の差はなくしていかないといけないと感じています。これを是正することが次の10年後につながっていくと思います。
機能分化しているものをどう統合していくかが、女性活躍、中でも幹部登用の難しいところではないかと感じますね。
おっしゃる通りです。人事組織として向かっている方向は同じですが、機能分化している中でうまくいかないこともあると思います。基本的にはDEIの目標を持っていただくのが、1つ大事な点かと思います。
そのためには、人事・現場も物差しを意識できるように可視化することが重要だと改めて感じます。例えば、課長職の任用候補者の可視化として、単なる可視化ではなく「なんでこんなに差があるのか、これが原因ではないか」という仮説を組み込み、検証を繰り返しながら全社に発展させて取り組んでいます。ただ、今もまだDEI推進部があることは、DEIが実現できていないという証拠ですね。
数年後には今日のディスカッションテーマ自体、あるいは人事のカンファレンスもなくなっているというのが理想の発展の姿ですね。振り返った際に「あんな話をしてたね」となればいいですね。
そう言い合えるくらいになりたいですが、意外と長旅であることも噛み締めています。
データでみれば、自分事のKPIとして持つことができ、そこからなんでこうなっているのかという問いが生まれます。ソフトバンクさんで言えば「評価と登用の差をなくそう」、リクルートさんで言えば「その人のポテンシャルが生かされていないのは最大の機会損失である」など、ジェンダーの目標を超えたところに帰結することを改めて感じました。
今後の各社におけるDEIの展望は?
最後に、DEIの複雑な課題をどこから紐解こうとされているか、あるいはセンターピンをどこに置こうとしているか、など未来に向けての考えをご教示いただければと思います。
3年くらいでDEI推進室を発展的に解散できるといいなと考えていましたが、今のところはそこに至っていません。アンコンシャスバイアスという企業一単体で解決できない社会全体の構造に、どう取り組んでいくか改めて考える必要があります。それぞれがもつ人材のポートフォリオや戦略フェーズによって、進む速度が変わると考えます。
例えば、女性社員が3%しかいないのに女性管理職比率25%の目標比率を掲げても絶対に無理な話で、会社ごとに適正な値を決めることが大事です。ただ、どの企業においても「一人ひとりの社員のパフォーマンスを最大化することで会社の競争力が確実に高まる」という点は共通しているのではないでしょうか。日本企業がサステナブルに成長し、価値を生み出し続けるためには「個々人の成長」こそがセンターピンです。一人ひとりのパフォーマンスがどれだけ最大化し、組織として進化できるかに焦点をあてて、引き続き現場とともに取り組んでまいります。
一人ひとりの能力を最大化するという切迫感をひしひしと感じられました。外部から見ると、リクルートさんは人気企業で、優秀な方が多くいらっしゃる中で、そんなイメージと相反するような強いメッセージをいただきました。源田さんからもよろしくお願いいたします。
3年間、女性活躍推進に取り組んできましたが、しみじみ難しいと思っています。何がキーなのか答えはないですが、とにかく全部盛りで全部やることを意識しています。どんな人を巻き込んでどんなことをしていくかを念頭に、男女ではなく適材適所で個人個人が一番成果を上げられるアサインメントができていない現状を改善したい思いが強くあります。
また、ここまでやれてきたという感覚が持てているのは、女性活躍推進委員会に外部アドバイザーに加入してもらっていることが一つあります。外部の知見として働き方改革や女性活躍推進におけるやるべきことをアドバイスいただき伴走してもらっているため、トップに対するメッセージとしても有効です。また、事業部門が何かをする際の確からしさがわからない際に、外部の有識者の方に後押しいただくのは非常に有効だと感じます。
やっぱり、いろんな企業間での連携や、外部の知恵で、自分たちなりのダイバーシティを推進していくことが重要だと思います。
外部の客観的な知見を、現場というよりも経営層の委員会などに入れることで実効性のある施策ができるのではということですね。
2社ともデータを集め、それを分析する際の視座が非常に練られているのが印象的でした。お二人とも、最終的にいきついた課題設定は女性活躍に限らないとおっしゃっていますが、データ分析の出発点としては「男女の差を見てそれがなぜ起きているのか」ということから始めており、初めから「男女関係ない課題設定」ではないところもこの道のりの深さを示す大きなポイントだったように思います。
これまでたっぷりお話を伺わせていただきありがとうございました。お二人に拍手をお願いいたします。