皆様、ご無沙汰しております。株式会社WEの戸田です。
前回は「従業員の皆さんの豊かさとは何か」をテーマに記事を寄稿させていただきました。
今回は「原体験(過去の出来事)の振り返りと社会の繋がり」についてとなります。ぜひ参考にしていただければと思います。
【執筆者】戸田 裕昭|株式会社WE 代表取締役 / 上智大学非常勤講師 / 総務省地域力創造アドバイザー
大学卒業後、オフィス家具メーカーにて新規事業創出・地域活性化に携わる。総務省地域力創造アドバイザーや国土交通省スマートアイランド推進実証事業コーディネーターなどを担い、全国各地の地域における事業振興のアドバイスを行なっている。 また、個々人のやりたいことが起点となる事業創出を目的とした伴走型教育プログラムを開発・構築。小学校から大学までの教育機関や自治体、民間企業と連携し、人材育成を軸とした「組織変革」「事業創造」「地方創生」を行う。
1. 原体験の重要性
色々な研修がある中で、「原体験を振り返る」ようなワークショップをおこなった経験はないでしょうか?
過去の出来事を振り返ることは、どの会社も重要であると感じていることだと思います。実際に、私も重要であると考えており、必ず過去の出来事に対する振り返りをおこなっています。
なぜ振り返ることが重要であるかというと、人を形成していく上で「経験」が大きく関与しているためです。
精神は、体と同じように勝手に成長はしていきません。体は、過去に栄養ある食事を摂ったり、運動をしたり、眠ったりすることでできています。体同様に、精神は過去の出来事から形成されていると言うことができるでしょう。
ですから、「過去どんなことがあって、今この人ができているのか?」ということを見ていくことは、とても重要になってきます。
2.原体験だけでは危険
過去の経験を振り返ると、多くは「良かったこと」「悪かったこと」の両方が出てきます。
良かったことばかりの人生を過ごせてきた人がいるとしたら、それはとても幸せなことかもしれません。しかし、大抵の方は恐らく、悪かったことも経験しています。
私の場合、悪かったこともとても多く経験してきた気がします。実際に今も、未来から見たら大きな影響をもたらすだろう、嫌なことも起きています。
そして、起きてしまった出来事は事実として存在し続けるので、どう頑張っても変えられません。そのため、「そこから何を得たのか?」ということを考えることが重要です。
「良かったこと」「悪かったこと」それぞれの経験から、無意識でも何か気づきを得ているはず。その無意識の「何か」が人の「価値観」や「行動基準」に繋がっています。
3.原体験と未来の関係性
未来から見たら大きな影響をもたらす出来事かもしれない。起きた出来事は出来事として事実であって、どう頑張っても変えられない。では、起きた出来事に対する感じ方はどうでしょうか?
私の場合、新卒で採用してもらった会社で最初に割り当てられた仕事は飛び込み営業でした。毎日とても辛く、「なぜ僕がこんなことをやらなければいけないのか?」と思ったり、もう辞めたいと思ったりしたこともあります。
しかし、今になって考えてみると、その当時の経験があったからこそ今があると思うこともできるようになりました。
飛び込み営業をやったおかげで度胸がつき、初対面の方とどう話して良いか身につけることができました。今ではそのような経験をさせてくれたことに感謝しています。
このように、出来事に対して「今感じている感情」と「未来から見て感じる感情」は異なってくるケースもあります。
今、苦しい経験をしている方は「未来から見たらこの経験が活かせるかもしれない」という考え方を持ってほしいと思います。
未来では、あなた自身も今よりもっと成長していて、今の出来事が笑い話になるかもしれません。
4.原体験と社会の繋がり
さて、ここからが今回のテーマの本題ですが、皆さん一人一人に色々な経験があることと同じように、社会にも色々なことが起きています。
近年では、新型コロナウィルスがあります。これによって社会は大きく変化しました。
自分は関係ない(感染していない)のに行動制限をされてしまったり、マスクをしないといけなかったり、ワクチンを打たなければいけなかったり色々なことが起きましたよね。
これは皆さん個人の意思で起きたことではなく、社会で起きてしまったことです。しかし、皆さんの人生に大きな影響を与えました。
今後のことを想像してみてください。いよいよAIが本格的に社会に進出してきており、シンギュラリティーと呼ばれる世界がすぐに来ると言われています。そうすると皆さんの人生にも何か影響があるかもしれません。
皆さんが皆さんとして生きていく上で、社会で起きている出来事に対してより意識を向けていく必要があると感じます。
5.まとめ
自分が過去にどのような経験をしてきたのか。それが今の自分をどのように形成しているか。このように考えることはとても重要です。
また、これからの経験が皆さんにとって気づきを与えるものになることも多いでしょう。
起きたことはもう既に過去の出来事になってしまうので変えることはできません。そこに一喜一憂しないことが大事です。
もちろん、実際は一喜一憂しますが、それをどう活かしてやろうか考えていくことがさらに大事だと思います。
また、皆さん自身の経験だけでなく、皆さんが関与していないのに起きてしまうこと、つまり社会の出来事にも目を向けましょう。
今は直接関係していなくても、いつか直接的に関与することになるかもしれないからです。起きていることに目を向けるだけで未来は大きく変わると思います。
仕事をされている皆さんは、その仕事を通じて社会を創ることができます。それぞれの会社が掲げているVisionがその社会を表しています。その社会では、多くの皆さんが良い方向での影響を与えられるようになっていて欲しいですね。
今回もお読みいただきありがとうございました。次回はいよいよ「Will(人生の目的)」について書こうと思います。
この記事を読んでくださった方は、ニュースや新聞を見て起きた出来事から「これはもしかしたら将来的に自分にこんな影響があるかもしれない」といったことをぜひ、考えてみてください。