近年、DXの推進が求められる中で、ITエンジニアの人材獲得競争は日々激化しています。
各企業がエンジニア採用に苦戦する中、優秀なエンジニアを採用するためには、まず候補者に自社を認知してもらい、魅力を知ってもらうことが必要です。
その中でも株式会社ゆめみは、日本CTO協会の発表で「テックブランド力」トップ10にランクインするほど、自社の魅力発信やイメージ向上など採用ブランディングを強化されてきました。
本記事では、「エンジニアに選ばれる企業になるための採用ブランディング」をテーマに、株式会社ゆめみの染矢氏、株式会社PR Tableの久保氏、Sansan株式会社の木村氏が登壇したイベントをレポート記事としてご紹介。
株式会社ゆめみが採用ブランディングを実施した背景やブランド構築に向けて根底に存在していた採用マーケティングの全貌と実施施策を解説しています。ぜひ今後の採用活動にお役立てください。
登壇者紹介
染矢 幹基 |株式会社ゆめみ 取締役COO
2015年ゆめみ入社。入社前まで数年間赤字が続いていた京都本社の売上を黒字化、事業拡大を実現。自称「日本初の営業出身のHCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト」として顧客のデジタルサービスをいくつもプロデュースした後、現在は採用マーケティング、人事、財務など幅広く担当。プライベートでは3児の父。判断基準は「面白いか、面白くないか」。
久保 圭太|株式会社PR Table PR室マネージャー / Evangelist
2007年アドウェイズ 入社。デジタル広告領域の営業および組織づくりに従事。 2014年より人事戦略室の責任者として、採用・育成・制度づくりに携わった後、10ヶ国のグローバルPRを統括。 2018年よりPR Tableに参画し、カンファレンスやオウンドメディア運営を通じたPublic Relationsの探究活動を行う。PRコンサルタントとして企業様向けのコンテンツ企画・活用支援、CS組織の立ち上げを経て現職。 PRSJ認定PRプランナー。
モデレーター
木村 清二|Sansan株式会社 Eight Career Design マーケティング
2020年4月にSansan株式会社に入社。入社後1年間はEight Career Designのインサイドセールスの立ち上げに従事。その後、インサイドセールスとマーケティングを兼任しつつ、『Eight Career Design』のグロースに携わる。現在はEight Career DesignとともにEightの広告サービスのマーケティング及びインサイドセールス部門リーダーとして事業を推進している。
1. エンジニア採用で「採用ブランディング」の重要性が高まっている
ゆめみの染矢です。2015年に入社しまして現在、取締役COOをやっております。
営業、人事、マーケティング領域を横断的に立ち回っておりまして、本日ははその中のゆめみの採用ブランディングとマーケティングに関する情報をお届けできればなと思ってまおります。本日はよろしくお願いいたします。
PR Tableの久保です。PRコンサルタントとして企業様のコンテンツや採用ブランディングの支援に従事した後に、現在の職に就きました。本日は、よろしくお願いします。
本日モデレートを務めさせていただきますSansan株式会社の木村と申します。よろしくお願いいたします。
まず、私から本イベントのテーマである「エンジニア採用×採用ブランディング」を設定した背景についてお話させていただきます。
2030年に、IT人材は最大79万人不足すると言われており、IT関連の人材の獲得競争が大きくなると言われています。さらに、中途採用市場では労働人口がこの10年間で600万人以上減少していたり、転職市場では、就業者全体の4.3%しか市場に現れず、IT人材の対応には非常に限界が来ています。
また、ミレニアム世代の仕事に対する動機付けの要因がこれまでと大きく異なり、待遇面などを重視していた所から、社会への影響力に変化しています。働き方においても、業務委託、副業、リモート勤務など、多種多様になりました。
このような状況において、多くの候補者を獲得するために採用ブランディングの重要性はより高まっています。採用ブランディングは、採用において候補者に自社の魅力を発信するだけでなく、入社後の活躍にも効果的だといわれています。
しかし、採用ブランディングはやることが多種多様ですので、何から始めるべきなのかわからない、施策を打っても効果が出ない、といった風に、非常に困っている方々も多いのではないでしょうか。
そこで、本日は、「テックブランド力」ランキングでトップ10にランクインされたゆめみさんをお呼びし、どのような方法で実績を残されたのか、その取り組みポイントについて深堀っていければと考えています。
2. ゆめみが実践する採用ブランディングを大解剖
まず、ゆめみについて、覚えていただきたいことは3点あります。
一つ目は、お客様のアプリやWebサイトなどのデジタルサービスをオーダーメイドで開発してる会社であること。二つ目はお客様のビジネスを理解して、強みを生かした上での顧客体験設計をおこない、企画開発後リリース後にサービスを成長させていく支援をしていること。三つ目は、様々な業界の企業様と取引させていただいており、グローバル含めて毎月5000万人が弊社が開発したサービスを利用していることです。
また、ゆめみの組織としては、現在300名ぐらいの規模感で運営しており、顧客のデジタルサービスをトータルでプロデュースできるよう「アジャイル組織」で進めています。
異動も含めて、本人の判断によってチーム編成がおこなわれる点が一番大きな特徴です。全て自己判断で所属するチームを選びます。
また、「全員CEO制度」というものがあり、代表取締役の権限を全メンバーに与えています。そして、権限を与えた上で、「プロリク・レビュー」という制度によって、承認というプロセスではなく、助言というプロセスを全面的に採用しております。
たとえば、僕自身は大阪にオフィスを作ったのですが、それもより関西のマーケットを広げていくために大阪オフィスを作るという権限がまず与えられます。「大阪オフィス出そうと思ってます」と伝えると、メンバーが助言をしてくれます。それを踏まえて、最終的に作るか作らないかを自分が決めるといった流れで意思決定をします。
2019年から採用ブランディングに注力し始めた
では、ここから実際に採用ブランディングに注力し始めた背景についてお聞きしていきたいと思います。
採用ブランディングに注力する前の2017年はどん底の状態でした。当時のマネジメントメンバーの相次いだ離職で、離職率は24%にまでなっていました。
しかし、そこから2019年に「採用ドリブン経営」を掲げ、「日本のIT業界で一番採用に力を入れてる経営者になる」と代表が宣言し、2022年3月31日までにIT企業の中で成長できる会社として想起される5社の中に入ることを目標に動き始めました。その際、これから作る制度や組織については、エンジニアのメンバーの成長に本当に繋がるのか、1つずつ自問自答するようにしました。
そして、まず始めにおこなったことは、メンバーに対して最優先業務を定義し、その最優先業務に「採用」と「育成」を明確に当てたことです。たとえば、自分の稼働を100%とした場合に、「まずは採用業務に20%、残りの80%で顧客向けに開発をしていく」といった業務ロジックを設計し、全員で採用活動をおこなう状態を作りました。
テックブランド構築に向けて3つの取り組みを実施
実施した施策は主に三つあります。
一つ目は採用ブランディングに注力するための組織の変更、二つ目は社員全員が採用活動している状態を作るために様々な取り組みの実施、最後に採用プロセスにおける取り組みの実施をおこないました。
①採用ブランディングに注力するための組織の変更
まず、取り組みの中で最も大事にしていたことは「一石二鳥戦略」です。
弊社のようなBtoB事業は「CVP(顧客に提供する価値)」が重要ですが、一方で採用強化には「EVP(社員に提供する価値)」が重要となります。会社規模がそこまで大きくない中では、双方を注力することはそれぞれに時間とコストをかける必要があり、難しいでしょう。
そのようなときに、両方に価値提供されるものとして「組織のあり方」に目を付け、組織の規模が大きくなってもアジリティを失わない組織設計に変えていきました。
アジャイル組織は部署のしがらみが無いため、お客さんにとって欲しい機能や体制を提供できることが強みだと考えています。また、社員としては自分に合ったチームやプロジェクトを選べる組織となるので、メンバーの成長を促したり、やりがいを創出したり、外的要因による不満をなくしたりすることができます。もし、社員にとって望むチームがない場合でも、代表取締役の権限を使って自分でチームを新設することもできます。
②社員全員が採用活動している状態を作るために様々な取り組みの実施
成果物には作り手の想いが出ると考えているため、いかに社員がそのものに意義を見出しながら顧客に価値を提供できる環境を作ることができるかは重要となります。
特に、IT業界はエンジニアの採用がビジネスの成功に直結しますが、採用の難易度は年々高くなっており、長期的な投資の観点でこのようなことに取り組めるか、このような取り組みに対して経営層の理解がどれだけあるかも重要でしょう。
そのため、社内の継続的な取り組みが外部にもにじみ出るような形で伝わっていきながら、ゆめみのブランドがより強固になっていくように、全社員にアウトプット機会を作ることを推奨しています。
ゆめみでは、Slackというチャットツールで社内発信をおこなってもらうために、OJTチャンネルと言って自分の思ったことを呟ける場所を作っています。今では、いわゆるTwitterのように使われており、学びのアウトプットや感情の共有、嫌だったことや楽しかったことのアウトプットを推奨しています。
これを実施した目的は、投稿した内容へのメンバーからのリアクションを受けて、より自己開示しようと感じてもらえるスパイラルを作り出すこと、また、この積み重ねが外部発信への不安を軽減する心理状態を作っていくことでした。
これを達成することで、社員が自ら発信し、社外のエンジニアに共感してもらえたり、繋がりを感じてもらえる機会が増えると考えています。
そして、アウトプットが積極的な会社になっていくとアウトプットが積極的な人の採用にも繋がっていくので、好循環なサイクルが生まれたと捉えています。
③採用プロセスにおける取り組みの実施
ここまでお話を続けてきましたが、最終的に候補者に魅力を感じてもらえるポイントは「人」だと感じています。
ゆめみの採用活動では、一次面接で見極めをおこなわずに「アトラクト(魅力づけ)の場であること」「コーディング試験での丁寧なレビューをすること」を大事にしています。
アトラクトについては、「メンバー自身が、ゆめみでの日々感じるありのままを伝えてもらうこと」と定義してます。応募者は、とてもリアルに働くイメージが湧くことに繋がるため、お互いを知る場としてありのままを伝える事を重視をしています。結果を伝える際も、良い部分と改善点を適切な形でフィードバックするようにしています。
コーディング試験での丁寧なレビューについては、「基準が具体的で参考になった」「非常に丁寧であり、今後エンジニアとしてどうしていくかといった所で参考になった」といった意見をもらったり、残念ながらご縁がなかった方も「いつかまた受けたいです」とおしゃっていただけたりすることもありました。
このように、メンバーの継続的な取り組みが、ゆめみの採用ブランディングに繋がります。面接での対応や応募者の体験について、応募者自身がTwitterに書いていただくことも最近は増えています。これが外部ににじみ出る形でブランドが伝わり、候補者に想起される形を作ることに繋がるのではないかと考えています。
採用ブランディングを設計する前に採用マーケティングを実践
ゆめみでは、ブランディング設計に取り組み始める際、司令塔とメンバー間に熱量の差が生まれていました。具体的には、司令塔の提案や依頼に対してメンバーが目的や意図を読み取れずに、ただ言われた事をこなす受動的な状態ができてしまっていました。
そこでおこなったことが、採用マーケティングによる全体設計です。
ここでは、僕自身が「人間中心デザイン(HCD)」の資格を持っている強みと、もう1人がメディアとのリレーションが強いことを活かしたいと考えました。
そこで、「ゆめみの認知をどう上げていくか」という課題に対して、届けるユーザーを中心にしたコンテンツを作成し、SNSやメディアでいかに取り上げていただいて拡散してもらえるかを重視しました。このサイクルを「マーケティング・パブリック・リレーションズ」として置き換えています。
私たちの目標は、応募者の熱量や認知を高めていくことです。今は認知が低いため志望度も低くなってしまいますが、ゆめみについて知っていただくことで、志望度が右肩上がりになっていく状態を目指しています。
志望度のベースを上げるために、ユーザーに必要な情報を作らなければならない。このような採用マーケティング全体のプロセスを可視化していく中で、大きく3つのセクション、4つのフェーズに分けました。
一つ目のフェーズは「知ってもらいたい人にいかに情報を届けるか」、その次のフェーズは「来てもらいたい人にどうやって行動を起こしてもらうか」、三つ目のフェーズは「来てもらいたい人をどうやって迎えるか」、四つ目は「入社後に感じたことや体験しているものをどのように次の世代に伝えていくか」です。この4つのフェーズにおいてそれぞれの認知獲得方法を整理しました。
そして、「通りかかった方々が、徐々にフォロワーになり、タレントやファンになり、候補者になり、実際にメンバーになり、そして推奨者になっていく」といったユーザーストーリーを可視化をしていきました。
採用マーケティングについて考える上で最も重要なことは、「ターゲットの志向性」と「自社の強みの整理」だと思います。そのため、コンテンツを作成する際は、「ゆめみに入社された方の志向性」と「ゆめみの強み」を掛け算で組み合わせています。
たとえば、「知識を教えてもらえるような環境で働きたい」「誰と働くかを重視している」といった志向性を持つ方々に向けたコンテンツを作る場合は、勉強し放題制度を訴求していったり、メンバーの価値観にフォーカスしてtalentbookさんを活用させてもらったり、といったように企画しています。
talentbookでは、新卒メンバーにフォーカスした記事も掲載しており、これから入社するメンバーやその親御さんの会社に対する理解も促し、不安を払拭してもらえるようなインナーブランディングコンテンツとしても活用しています。
結局、それが外から滲み出る外部への魅力に繋がると思いますし、実際に候補者が一次面接やカジュアル面談でtalentbookの記事を見てくださったことで、生まれるコミュニケーションもありました。
コンテンツ作成においては、まずはどの志向性を持った属性に訴求するかを決め、そこで何がゆめみの強みとして活かせそうかの掛け算で企画を作り、そして集客チャネルの設定をします。何を誰に何を発信するのか、それをどこで発信するのか、この順序でのサイクルは非常に意識しながらやりました。
そして単純に作るだけでなく、SNSの拡散やメディアへのコンタクトを使いながら、最後に簡単な振り返りをして発信のサイクルを回していきました。
ここで一つ念頭に置いていることは、ターゲットの志向性は状況に応じてどんどん変化していくということです。そのため、徐々に志向性を更新していきながら、強みを掛け合わせてコンテンツを作成する必要があります。
コンテンツづくりで意識しているのポイントは2つ
コンテンツづくりで意識しているポイントは2つあります。
まず1つ目は、「どのような顧客感情を生むか」を逆算していくマーケティングです。ユーザーの志向性が何かという問いを立てることができるようになると思っています。
次に、「知る・こめる・届ける」というサイクルです。採用プロセス全体を通してユーザーの志向性に常にアンテナを張り、そして、自分たちの強みを継続的に理解・把握することが必要だと考えています。
自分たちの強みは、内部であるがゆえに把握できていない部分もあると思います。それらは面接の過程等で応募者から言ってもらって気付くこともありました。
どのように「知る」という部分を可視化し一覧化していくことができるか。どのように可視化されたものをコンテンツに落とし込んで(=こめて)いくか。そして届けられたユーザーがどのような顧客感情になるか。これらのサイクルを回していくことが大事だと思っています。
ゆめみでは「Twitter」に力を入れている
最後に、ゆめみでのエンジニア採用に関しては、今、Twitterの活用が肝だと考えています。
そのため、どうすればTwitterでのポジションが取れるかと考え実施した施策が、漫画を作るというものです。面白いという感情を引き出せたり、リツイートしたいネタになるような発信を心掛けました。結果として、インプレッションが70万ぐらいいき、多くの方に拡散していただきまして、リアルのイベントにおこなったときにも見ましたというような声も出ました。
また、ゆめみからの挑戦状といった「JavaScriptのここの場所に回答を書いてくださいね」とゆめみが出題するクイズに対して引用リツイートで回答いただく企画も展開しています。
エンジニアリングを楽しむといったこともTwitterのプラットフォームを使っておこなうことができ、ユーザーさんの志向性を加味したときに、改めて「Twitterは強い」と再認識しています。
「まずはやってみる」という意識を大切に
「ユーザーの志向性」と「自社の強み」の組み合わせは数多くあると思いますが、これらを決め切ることは困難ではないかと感じます。ゆめみさんが意識していることはありますか?
「まずはやってみる」という意識を大切にしているので、多くは勢いで決めています。そして、施策を実践した後の振り返りで、上手くいかなかったものに対しての原因と課題を受け入れ、次のクォーターに反映させることを意識しています。
振り返りを実施することで施策の偏りなどにも気付かされるので、重要なフローだと感じています。
クォーター単位で振り返ってるのですか?
そうですね。大きな目標は半期で立て、細かな動きはクォーター単位で設定しています。
ゆめみさんが成功している理由は、社内や社内の家族に向けて安心を与えるようなスタンダードな施策を打ちつつ、ゆめみの挑戦状や漫画などの飛び道具的な企画もあるなど、この掛け合わせを上手くやられていることなのではないかと思います。
どちらか一方だけでも届きにくいですし、突飛なことだけやっても、不安に感じられてしまう可能性があります。このスタンダードな施策と少し特徴のある施策を組み合わせていくことで、非常に良いバランスでやられてるのかなと感じました。
来期はユーザーが適したコンテンツに触れられる仕組みを作りたい
現在、サイクルを回す中での課題も出てきています。1つは、様々なチャネルでの発信をおこなったことで、ユーザーさんの検索負荷が高く、それに依存してしまっていることです。
来期に向けては、対象となる方に必要な情報を予め僕ら側から用意し、適したコンテンツに触れていただくことで、カジュアル面談や応募に繋げていきたいと考えています。
ここまでお話を聞いていて、採用戦略に「マーケティング・パブリック・リレーションズ」という言葉が入ってくること自体が珍しいと感じました。
発信して終わりではなく、その先のメディアや外部での話題化、取材獲得まで見据えて設計されている点は、恐らく他社よりも視野を広く捉えていらっしゃると思います。
目的はただ発信することではなくて、その先に話題となり広がって行動変容してもらうことをしっかり実行されてるなと感じました。
3. 質疑応答
Q. 取り組まれている中で、成果が出てきたと感じるのはどのような時か?
アウトプットの推奨を進めてエンジニアからの発信をしてもらうことで、タレント化が進みました。「○○さんがいるゆめみで働きたい」といった言葉が生まれ、かつ職能ごとにそういったメンバーが生まれていったことは、採用業務においてポジティブに働いた部分でした。
私は「社員が一番のメディアになる時代だ」と最近よく言っているのですが、まさにそれを体現していますね。
僕らの場合は、モヤモヤすることも含めて自分の感情を吐露できるのは優秀な人間であるといった組織文化を醸成した部分があるので、発信するコンテンツは全然宣伝っぽいものではありません。
「正直、ゆめみのこんな所にはモヤモヤします」といったところもはっきり書いていたりするので、いわゆるナラティブなところが発揮されていると思います。
Q. 採用ブランディングをするにあたり、人事が押さえておくべきこととは?
候補者体験を軽視している企業様も意外と多いのではないかと思っています。情報発信することに気を取られすぎて、面接の場でブランド毀損しているケースもよく聞かれます。候補者の口コミがきっかけで企業イメージがネガティブに広がってしまうことも多いので、ここにもしっかりと注力していくことは大事だと思っています。
また、面接で「アトラクト」と「見極め」を同時にすることは難しいと思います。ゆめみさんのように、一次面接はとにかくアトラクトに徹する、といったことも大事になるのではないかと思いました。
ゆめみさんでは、ドキュメントカルチャーという概念があり、プロセスや面接での質問内容を全て開示しているとお話を伺いましたが、本当ですか?
そうですね。採用FAQという形で展開しており、そこでご質問いただくことはあらかじめNotionに開示をして、質問の傾向が変わってきたらFAQを更新するなど日々アップデートをかけています。
Q. 目標の計測方法をどのようにしているか?
ゆめみでは、スポンサードしたときにいただけるアンケート結果でゆめみ自体の満足度を見たり、全体の中で印象に残った会社のランキングを指標としたりしながら効果測定をしています。
ただ、さきほどお伝えしたように、ブランド構築は長期的な投資が前提になります。そこで駄目だったからやめるというわけでは全くなく、基本は会社の全体的な業績の中でマーケティング予算を決めて、その分はやり切るといった気持ちで動いています。