“シゴトでココロオドルひとをふやす”というミッションのもと、ビジネスSNS「Wantedly」を提供するウォンテッドリー株式会社。「Wantedly」は、33,000社を超える企業、月間260万人以上のユーザーが利用しています。
今回は、同社が2015年から開催する「WANTEDLY VISIT AWARDS(ウォンテッドリービジットアワード) 2019」をレポート!
採用マーケティングプラットフォーム「Wantedly Visit」で戦略的な採用に成功した企業を表彰するイベントです。
当日は、来場者が400人を超える会場で、代表取締役CEO仲さん、Wantedly Visit開発チーム 執行役員の森脇さんのプレゼンから始まり、授賞式の前に株式会社スマイルズ代表取締役社長の遠山さんからもお話がありました。
表彰式の前にプレゼンをする3名(写真左:仲さん/写真中央:森脇さん/写真右:遠山さん)
2019年度の表彰式では、8つの賞が用意され、それぞれ1社ずつが受賞されていました。
本記事では、企業ごとの受賞コメントと、表彰式後におこなわれたライトニングトークの内容をご紹介します。
目次
【部門賞】注目スタートアップから、上場間もない話題の企業が受賞
まずは、特定の条件のもとWantedlyを活用して採用に成功した企業5社に、「部門賞」として表彰がありました。
受賞した企業からは、「Wantedlyの魅力」や「Wantedlyを使っての採用成功の秘訣」といったノウハウの共有がありました。
【各部門賞の説明】
- Rookie賞…Wantedlyの利用開始から1年未満という短い期間の中で優れた実績を残した企業様に贈られる賞
- Area賞…東京エリアの地域で採用活動をおこない、Wantedlyを活用しながら地域の採用に貢献した企業様に贈られる賞
- Awareness賞…Wantedlyのフィードを積極的に活用し、自社の採用広報に成功している企業に贈られる賞
- Selection賞…募集・ミートアップに対するエントリー数が多く、Wantedlyユーザーから高い人気を集めた企業に贈られる賞
- Interest賞…Wantedlyスカウトメッセージを活用し、質の高いダイレクトリクルーティングをおこなっている企業に贈られる賞
Rookie賞|OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN株式会社
OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANが感じたWantedlyの魅力
Wantedlyに対しては、企業側の管理画面が使いやすい点に魅力を感じています。
私たちは採用する上で、候補者のなりたい姿と自社のなりたい姿がリンクすることを重要視していますので、企業ページをアレンジしやすいおかげで、OYOの世界観をユーザーに理解してもらいやすくなっているのかなと思います。
また、Wantedlyのユーザーは、プロフィールに自分のビジョンや仕事に対する想いを書いている人が多いので、こちらから見ても「この人は自社にマッチしそうだな」といった判断がしやすい点も魅力ですね。
採用成功の秘訣
今回多くの人数に入社していただけたのは、会社全体で採用活動に取り組めたからだと思っています。
昨年の2018年に採用活動を始めた当初はメンバー全員が人事業務は未経験でしたが、経験がないからこそ、社員一丸となって採用に協力しくれて、Wantedlyで書いた記事や募集ページをシェアしてもらいました。その結果が今回の受賞につながったのだと思います。
Area賞|株式会社L&Gグローバルビジネス
L&Gグローバルビジネスが感じたWantedlyの魅力
Wantedlyの魅力は、Wantedlyフィードを使って社員のライフヒストリーを深ぼって載せることができる点です。
自分たちが採用をおこなっている地域で魅力的な仕事やその土地に行ってみたいと思ってもらえるような環境をつくりたいといった想いを発信することができます。
また、Wantedly経由で入社した社員は、会社に溶け込みやすかったり、一緒に楽しく仕事できる人が多かったりといった特徴があります。そういった様子を見ると人事としては嬉しく、「Wantedlyで採用してよかった」と思いますね。
採用成功の秘訣
私たちは、関西や北海道といった関東以外の地域で採用をおこなっています。
Wantedlyフィードを用いて、社員が関西や北海道の拠点に移って現地で実際に活躍している姿を発信し、「L&Gグローバルビジネスで働いてみたい」と思ってもらえるような工夫ができました。
Awareness賞|and factory株式会社
and factoryが感じたWantedlyの魅力
Wantedlyフィードを更新していくことで、採用広報ツールとして社外に対してアトラクトポイントを発信していくだけでなく、社内の情報を蓄積しオンボーディングツールとして両立できる点が魅力だと思っています。
and factoryでは、社員全員にインタビューをおこない、Wantedlyフィードに掲載していく取り組みをしています。
また、福利厚生制度のひとつである部活動の様子や、各事業に関するトピックスなどの日常を発信することで、入社後のギャップの軽減につながっているかと思います。
採用成功の秘訣
創業時から「全員採用・全員広報」という目標を掲げ、全社一丸となって採用活動をしていた点が上手くいっている理由かと思います。
そのためWantedlyでフィードを書いたり、スカウト配信することも採用担当者だけに任せるのではなく、採用配属部署のメンバーも積極的におこなってくれており、全社で「働きがいのある会社をつくろう」と採用活動をしています。
Selection賞|キャディ株式会社
キャディが感じたWantedlyの魅力
私たちが感じるWantedlyの最大の魅力は、Wantedlyを通じてミートアップに来られた方の熱量や意欲がとても高い点だと思っています。
キャディに強い興味を持ってミートアップに来られた方は、入社後に活躍していただくことが多く、Wantedly経由の採用ではマッチング率が高いと感じます。
採用成功の秘訣
キャディのミートアップに多くの方が来てくださるようになったのは、担当者が少ない中でも高頻度でイベントを開催し続けたからだと思います。
ミートアップに注力し始めた約半年前は、10名から15名ほどしか集まらなかったのですが、イベントを開催するごとに改善を繰り返していったことで今では50名から100名ほどの人数が集まるようになりました。
Interest賞|freee株式会社
freeeが感じたWantedlyの魅力
Wantedlyは、他の媒体では出会えないような方々と出会えるのが魅力です。
候補者のプロフィールには、その人のビジョンやなりたい姿が書かれているので、freeeにマッチしていると思ったらすぐスカウトメッセージを送ることができます。会社と候補者のお互いが目指していることを理解しやすいため、ミスマッチの防止にもつながります。
採用成功の秘訣
freeeのスカウトプロジェクトが成功している要因として、「全社採用」の取り組みがあげられます。
freeeでは、人を採用したい部署や職種のメンバーが全員でスカウトを打っています。スカウトプロジェクト全体は人事部が管理していますが、現場の社員も巻き込んで採用活動をおこなっている点が、今回の受賞にもつながったのだと思います。
【総合賞】自動家計簿やバックオフィスSaaSを手がける、あのFintech企業がGOLD賞に!
次に、3社に「総合賞」が与えられました。総合賞の中でも「BRONZE」「SILVER」「GOLD」の3つに分けられ、GOLD賞が発表されるまでに会場はだんだんと盛り上がりを見せていきました。
そして、部門賞の表彰と同様に受賞した企業からその要因となった成功事例が共有されました。
【総合賞の内容】
- 総合賞…「採用力」「広報力」「スカウト力」を総合的に判断し、Wantedlyをバランスよく活用している企業に贈られる賞
Bronze賞|ディップ株式会社
ディップが感じたWantedlyの魅力
最大の魅力は、運用すればするほど費用対効果が高まっていくことです。コンテンツを発信したあとに反響が大きくなっていくので、運用のしがいがあります。
「採用したら終わり」の媒体がある中で、Wantedlyは運用し続けることでフィードや募集などのコンテンツがどんどん蓄積されるため、「採用したい」となった際はその中の適切なコンテンツで自社をアピールすることができます。
採用成功の秘訣
Wantedlyで発信するコンテンツは「人事っぽくないメッセージ」にすることを心がけています。
私自身大学を2回留年して同期よりも遅れて入社した少し特殊な経歴を持っているので、その面白さやいい意味での「ゆるい会社感」を全面に打ち出すようにしています。というのも、「この会社で働けるかな」といった応募者の不安をできるだけ取り払う効果があると思うんです。
ですので、コンテンツの内容は社内イベントの様子やメンバー紹介、オフィス紹介や飲み会の様子まで「日常感のある内容」を発信するようにしています。
Silver賞|チームラボグループ
チームラボグループが感じたWantedlyの魅力
チームラボグループの採用対象は国や地域で別けておらず、国内・海外、という別け方もしていません。ですので、日本人も外国人も一つのプラットフォームにまとまっているのが、弊社目線には理想的な採用媒体ということになります。
Wantedlyを使い始めた当初、日本語の求人でも、頑張って日本語を解読して応募してくれる方が一定数居たので、日本語で人気のあったフィードを英語でも公開してみたところ、PVも日本語フィードと同じくらい伸びるし、海外の方からの応募数を大幅に増加させることができました。
また、Wantedlyはただ求人を出すだけでなく、ストーリーを交えたフィードを経由して応募していただけるので、応募の段階で会社の魅力やカルチャーを知っていただける、ミスマッチを防止できるプラットフォームだと捉えています。
採用成功の秘訣
自社の魅力付をおこなうために、役員や創業メンバーだけでなく現場のメンバーにもフィードやシゴト求人記事に出てもらいました。
多様な専門性を持つメンバーに出てもらうことで、より多角的に私たちの事業を理解してもらえると思ったんです。
自社に興味を持ってくれた方が、一緒に仕事をするメンバーや働く環境、また業務の内容が、今後やりたいことや目指すキャリア像にマッチしているかは、選考をスタートさせる前から互いにすり合わせを重ねることが大事だと感じています。
Gold賞|株式会社マネーフォワード
マネーフォワードが感じたWantedlyの魅力
私たちが考えるWantedlyの魅力は、採用ツールとして活用できるだけでなく、自社の「ブランディング」も実現できる点にあると思っています。
マネーフォワードの採用チームのミッションは、「ファンをつくる採用」です。ファンには「支持者(fan)」と「楽しむ(fun)」という2つの意味がありますが、まさに、この2つを体現できるのがWantedlyであると思っています。
具体的には、フィードを通して熱いメッセージを届けたり、写真でイメージをつけやすくしたりできるので魅力を伝えるためにとても役に立っています。
採用成功の秘訣
やはりコンテンツの発信やスカウトメッセージの送信を地道に続けてきたからでしょうか。
確認したところ、Wantedlyの運用を始めた6~7年前は代表の辻が自ら、候補者にスカウトメッセージを送っていました。数年前から地道にコツコツと運用してきた結果、マネーフォワードのファンも増やしていけたのではないかと思います。
ライトニングトーク「Wantedlyを利用した採用成功への道」
表彰式後はライトニングトークと称して、4社から「Wantedlyを活用した採用の成功事例」を共有していただきました。
それぞれの企業が採用に関するリアルな課題と、課題に対してとったアクションを紹介。登壇者の周りには多くの人事担当者が集まり、真剣に話を聞いている様子が伺えました。
ライトニングトーク中の様子
株式会社FABRIC TOKYO|フォロワーなし・予算なし・リソースなしの状況で採用ができた2つの理由
まず、私たちの会社ですが、Wantedlyの運用にあたり、フォロワーが少ない、予算がない、リソースがない、という状況からスタートでした。
採用チームは私を含めて3人。会社全体では地方を含めた新店舗出店を加速させており、店舗立ち上げのメンバーをリソースが限られた中、どのようにして地方採用を成功させようか悩んでいました。
そういった状況でおこなったのは「方言を使った求人の差別化」と「リファラル採用の推進」の2つでした。
「方言を使った求人の差別化」は、Wantedly上に関西弁で求人情報を書きました。
他の求人情報が丁寧な文章で書かれているものが多い中、関西弁を使ってラフでとっつきやすい雰囲気を出すことで、結果的に求人を出してから1名採用することができました。
2つ目の「リファラル採用の推進」については、3ヶ月以内に4名リファラルで採用をするという目標を掲げており、社員のマインドシェアを短期で獲得する必要があったため「リファラルボーイズ」というユニットを組み、社内でリファラル採用普及に取り組みました。
結果、3ヶ月で4名の採用につながり目標を達成することができました。
リソースは限られていても、求めるペルソナの情報をオープン化し、リファラル採用をテーマにした「なんでも相談会」を開催、そしてリファラルで入社した社員へのインタビューを実施しました。
この経験から、短期間でどこまで惹きつけられるかが重要だと気づきましたね。リファラル採用で入社した方々は今でも活躍してくれています。
株式会社オンデーズ|Wantedlyスカウトを活用して採用に導く方法
本日は、約10年前に倒産しそうにまでなったオンデーズが、今では急成長する企業に至るまでのストーリーをご紹介します。
Wantedlyを使い始めたのは約4年前になりますが、最初は使い方もわからず試行錯誤していました。
今では、9名の人事担当者のうち2名がWantedly専任として、各部署と連携しながら運用しています。年間の採用人数は平均5名と少ない数ではありますが、毎年安定して採用できていますし、人手不足に困ることはありません。
安定した採用を実現する方法は、「Wantedlyスカウト」をフル活用することだと思います。
スカウトメッセージは代表が送っているのですが、先日その数が300通を超えました。募集時期には、スカウトメッセージを1日6~7件、約2週間ひたすら送信するといったこともおこなっています。
メッセージに対する返信はひとつひとつ確認していて、なかにはそのまま最終面接に案内するケースもありますね。Wantedlyスカウト機能を使って柔軟に採用フローを変えるというのも有効な手段かと思います。
株式会社ビットキー|ハートに火をつけるWantedly活用方法
ビットキーは昨年2018年の8月に創業したばかりの企業なのですが、約1年経った今では100名を超える組織となりました。中でもWantedlyを通じて採用した人数は20人と、多くの割合を占めています。
Wantedly経由での採用が上手くいっている理由は、「候補者の心を動かすメッセージを届けている」からだと思っています。
「心を動かすメッセージ」とは、候補者がビットキーを始めて知り、興味を持ち、応募をして、最終的に入社を希望するまでの行動を促す文章のことです。
そのために、タイトルは候補者に「気になる」と思ってもらえるようなキーワードを使っていますし、チームの理念や募集に対する想いを求人情報に載せて候補者に届けることを心がけています。
私自身も採用広報として、チームの理念や募集に対する想いを求人情報に載せて候補者に届けることを心がけています。
また、私が一番力を入れているのが社員へのインタビュー記事です。
ビットキーにはさまざまなバックグラウンドを持った社員がたくさんいて、それぞれが高いプロ意識を持って働いています。こうした社員の考え方や仕事への熱意をフィード記事で紹介することで、候補者の心を動かすきっかけとなっているのではないかと思います。
「良い求人条件を提示する」というより「候補者の心を動かす」といった観点でWantedlyを活用するといいかと思います。
株式会社LIFE PEPPER|もし人事未経験のマーケターがWantedlyの運用担当になったら
タイトルの通り、マーケターであり人事未経験だった私ですが、Wantedlyを1年間運用して結果を出すことができました。具体的には、2018年9月に30に満たなかったエントリー数が今では月平均して150ほどエントリーが来るようになりました。
何をしたかというと、Wantedlyの募集記事の作成に力を入れました。とくに、「タイトル」と「アイキャッチ」はかなりこだわりましたね。
タイトルは、私たちが押したいキーワードと候補者が興味を持ちそうなキーワードを洗い出して、その中から厳選して含めるようにしました。
たとえば、LIFE PEPPERでいうと「グローバル」「マーケティング」といったキーワードを打ち出したいので、これらのキーワードを含めることになります。
また、アイキャッチに関しては、「人がたくさん写っている写真」や「1人をアップで写した写真」、「楽しそうな写真」「真剣な様子を写した写真」などさまざまなタイプがあります。
募集条件によってはアイキャッチのイメージとリンクしないこともありますので、写真の選定はこだわりました。
こうした細かいこだわりを続けた結果、タイトルやアイキャッチを見て募集記事を閲覧してくれる方が増え、その結果エントリー数の増加にもつながったというのが、人事未経験のマーケターがWantedlyを運用して得た採用成功事例となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回初めてWANTEDLY VISIT AWARDSに参加しましたが、来場者の人数の多さと受賞した企業が徹底的にWantedlyを使い込んでいたことから、Wantedlyというツールのファンが多いということがよくわかりました。
今回GOLD賞を受賞した株式会社マネーフォワードは、なんとWantedlyを利用して6年目だそうです。ツールを長く使い続けることで蓄積されたノウハウが共有される場となるWANTEDLY VISIT AWARDS。
来年のWANTEDLY VISIT AWARDSでも、Wantedlyを活用した採用広報や採用マーケティングに関して、さまざま知見が共有されるでしょう。
Wantedlyを活用して採用を成功させたい人事担当者は、足を運んでみてはいかがでしょうか。