マイルストーンとは、プロジェクトの中間目標のことです。スケジュールやタスクなどの用語と間違えやすいですが、意味は異なります。
適切にマイルストーンを設けることで、プロジェクトの締切を守れるだけでなく、品質管理や社員のモチベーション維持につながるでしょう。
本記事では、基本的なマイルストーンの概要やビジネスでの活用方法を詳しく解説します。「プロジェクトの企画フェーズで頻繁に触れられるマイルストーンへの理解を深めたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. マイルストーンとは
マイルストーンとは、ビジネス活動における進行状況の指標やプロジェクトの節目、あるいは中期的な目標を指すものです。似ている用語には、以下の違いがあります。
用語 |
内容 |
マイルストーン |
工程における区切りのポイント |
スケジュール |
始まりから終わりまでの工程 |
タスク |
作業のこと |
プロジェクトが錯綜していたり、長期に渡る作業が見込まれたりする場合にマイルストーンを利用します。マイルストーンを設けてスケジュールを分割することで、トラブルがあっても修正が可能です。社員のモチベーション維持にもつながるでしょう。
2. マイルストーンの3つの必要性
マイルストーンの確立が重要であるとされる理由として、以下の3つの要素があります。
- 品質管理ができる
- 日程管理ができる
- タスク漏れの心配がなくなる
マイルストーンを正しく設定することで、期日を守るだけでなく品質管理にも役立つため、必要性をしっかり確認しましょう。
2-1. 品質管理ができる
マイルストーンを品質項目に設定することで、高品質を保てます。スケジュールだけでなく、品質管理に関してもマイルストーンが設定できるからです。
品質検証のフェーズをマイルストーンとして組み込み、第三者に確認してもらうことで、商品やサービスの品質を守れます。マイルストーンの設定は、品質の目標達成にもつながるでしょう。
2-2. 日程管理ができる
マイルストーンの利用により、日程管理や調整が容易になります。マイルストーンによって目標までの道のりを分けることにより、プロジェクトメンバーでの進捗状況の共有ができるからです。
長期間に渡るプロジェクトの場合、工程が複雑であり途中で目標やゴールを見失う可能性があります。しかしマイルストーンによって区切りの位置が明確に見ることができるようになり、プロジェクトのスムーズな達成につながるでしょう。
万が一進捗が遅れても、マイルストーンごとに修正すれば、致命的な遅延は回避できます。設定したマイルストーンに対して遅延が発生しそうな場合は、報告を義務付けておくと良いでしょう。
2-3. タスク漏れの心配がなくなる
マイルストーンを設定することにより、完了すべきタスクが明確になります。マイルストーンごとにクリアすべき作業を設定することで、完了していないタスクを発見しやすくなるからです。
マイルストーンを設定し、その都度タスクの進捗状況を確認することで、漏れなく期日までにプロジェクトを遂行できます。
3. マイルストーンの具体的な3つの例
マイルストーンは、基本的に以下のようなビジネス上のシーンで活用されています。
- システム開発
- プロダクト販売
- Webページ公開
以上のシーンに限らず、マイルストーンの設定は長期プロジェクトにおいて重要な役割を担います。マイルストーンの活用場面を知り、自社のプロジェクトに活かしましょう。
3-1. システム開発
システム開発は、長期化することが多く複数回に渡って検証をおこなうため、要件定義や実装などのマイルストーンの設定が必要です。具体的には、以下の工程でマイルストーンを設定します。
- 要件定義
- 設計
- 実装
- テスト
- 公開・販売
大きなフェーズの区切りでマイルストーンを設けることで、リリースまでの遅延を防げます。
3-2. プロダクト販売
多くの人が関わるプロダクト販売ではマイルストーンの必要性が高いです。次のプロセスにおいて、マイルストーンを設けると良いでしょう。
- 商品の企画や立案
- 試作作品の完成
- 量産設計
- パッケージデザインの作成・承認など
商品量産・販売の最終締切からさかのぼり、計画を立てましょう。
3-3. Webページ制作
Webページ制作は、システム開発や商品リリースと比べると長期化することはあまりありません。しかし、工程ごとに分業することも多いため、マイルストーンの設定は遅れの発生を最小限に抑えるための有効な手段となります。具体的には、以下の工程です。
- 企画立案
- 情報収集
- 記事作成
- チェック
- 公開
ガントチャートとよばれる工程表を使うことで、さらに工程ごとにすべきタスクを明確にできます。
4. マイルストーンの3つの使い方
以下の方法でマイルストーンを使うことによって、効果を実感できます。
- ゴールまでのポイントの設定
- ステークホルダーの明確化
- スケジュールの確認
この章で、マイルストーンの設定のポイントを把握しましょう。
4-1. ゴールまでのポイントの設定
マイルストーンとして、ゴールまでに成し遂げるポイントを設定することで、効率的にプロジェクトを推進できます。ゴール達成のためにすべきタスクが明確になるからです。
最初に納品日の数日前に到達目標を設定します。その後、マイルストーンを現時点とゴールの間に適宜設定していきましょう。
トラブルや遅延に対応するためにも、ゴールと納品日を一緒にしないようにすることが大切です。
4-2. ステークホルダーの明確化
ステークホルダー(利害関係者)を明確にしておくことで、マイルストーンを達成しないとだれに影響を及ぼすかが明確になります。ほかの部署や外部とのやりとりが明確になるからです。
トラブルや遅延が発生すると、ステークホルダーに迷惑をかける可能性のある場面を把握しておきましょう。マイルストーンの検証が過剰な重荷とならないために、タスクごとにメンバーや担当者を割り振ることも大切です。
4-3. スケジュールの確認
より効果的にマイルストーンを設定するには、スケジュールをしっかり確認し、現実的に可能なものにすることが大切です。理想的なタイムラインに基づいてマイルストーンを立てても、プロジェクトの達成は容易でないと言えるでしょう。
マイルストーンを設けるときは、スケジュールをしっかり確認し、現実的に達成できるようにすることが大切です。
マイルストーンの3つの使い方を通してマイルストーンの本質を理解できた方は、この考え方を部署や個人の目標設定や目標に向けての日々の課題やタスク設定に応用することも可能です。大きな目標をかかげて、目標を達成するために必要なマイルストーンを置き、どのくらいの期間をかけてマイルストーンを達成していくか考えるイメージです。マイルストーンを活用した目標設定を行うことで、関係するメンバー間で共通認識を持った状態で行動できます。更には、人事評価の際も何に対して評価されているのか明確になり、公平性の裏付けへとつながります。
一方で、目標設定が上手くできていても、体系だった人事評価制度がなければ平等な評価は行えません。現在、人事評価制度が整っておらず従業員のモチベーション管理に課題を感じている方向けへ「人事評価の手引き」を無料で配布しています。こちらからダウンロードできますので、適切な人事評価体制の構築にお役立てください。
5. マイルストーンを設定する際の3つの注意点
マイルストーンを確立する際には、以下の3つの要点に留意して進めましょう。
- 細かく設定しすぎない
- タスクと混合しない
- ツールで一元管理する
マイルストーンの設定を誤ると、プロジェクトが思うように進まず、遅延やモチベーションの低下につながります。この章で、マイルストーンを設定する際の注意点を確認しましょう。
5-1. 細かく設定しすぎない
たくさんのマイルストーンを設定すると、逆に作業が進みにくくなります。むやみに設定すると、メンバーの負担になったり進捗状況が逆に分かりにくくなったりするからです。
マイルストーンは、目標達成に向けて必要なステップを設定しましょう。プロジェクトをスムーズに進めるために、マイルストーンの前後関係をチェックして設定することが大切です。
5-2. タスクと混合しない
マイルストーンをタスクと混合しないようにしましょう。マイルストーンは、プロジェクトの進行における重要なポイントを示すからです。2つを混合すると各段階での進捗状況を把握しにくくなり、作業の遅れにつながります。
タスクの策定によりマイルストーンを達成する、またはタスクの完了期限としてマイルストーンを使う意識が大切です。タスクの進行速度をマイルストーンで把握しましょう。
5-3. ツールで一元管理する
マイルストーンの管理には、ツールでの一元管理がおすすめです。Excelで作成すると、共有に手間がかかったり、使いにくかったりします。プロジェクト管理ツールを導入することで、すべての情報を一元管理でき、必要な情報へ迅速なアクセスが可能です。
メンバーの作業で遅延が発生しているときも、進行状況のチェックと共有が容易におこなえます。作業効率を上げるためにも、プロジェクト管理ツールの導入を検討しましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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