ミドルシニア層のリスキリングで大事なこと|WE戸田 |HR NOTE

ミドルシニア層のリスキリングで大事なこと|WE戸田 |HR NOTE

ミドルシニア層のリスキリングで大事なこと|WE戸田

  • 組織
  • キャリア開発

※本記事は、株式会社WEの戸田さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

皆様ご無沙汰しております。株式会社WEの戸田です。

本記事が公開される頃には、桜が咲いてもう新シーズンがスタートしていると思います。良いスタートになっているといいですね!

今回は「ミドルシニア層のリスキリングで大事なこと」について書かせていただきます。

執筆者戸田 裕昭株式会社WE 代表取締役 / 総務省地域力創造アドバイザー

大学卒業後、オフィス家具メーカーにて新規事業創出・地域活性化に携わる。総務省地域力創造アドバイザーや国土交通省スマートアイランド推進実証事業コーディネーターなどを担い、全国各地の地域における事業振興のアドバイスを行なっている。 また、個々人のやりたいことが起点となる事業創出を目的とした伴走型教育プログラムを開発・構築。小学校から大学までの教育機関や自治体、民間企業と連携し、人材育成を軸とした「組織変革」「事業創造」「地方創生」を行う。 

1.会社にとってのミドルシニア層

定年が延長になったり、本人が再雇用を望めば原則再雇用しなければいけなかったり、ミドルシニア層の雇用に関しては度々議論に上がると思います。

私は過去ミドルシニア層に対しての新規事業を企画した経験があり、彼らにインタビューをしたことがあります。その際、ミドルシニア層の現実について、以下のような声が印象に残っています。

  • 別に働きたいわけではないけど辞めてもやることがないから働きたい
  • 定年退職して家にいても邪魔者扱いされるし、近所で友達がいないから働きたい

一方で、企業側(雇用者側)にもインタビューをしたところ、このような声がありました。

  • 辞めてほしいとは言えないのでできれば何かやりたいことを見つけてほしい
  • 若手を採用していきたいけどミドルシニア層が残っていると採用枠がない
  • 外資系企業においては定年まで残っている人はとても優秀なので、お金を積んででも残ってほしい

もちろん、私がミドルシニア層に向けた新規事業を企画していたのはもう10年ほど前のことですので、今とは事情が異なる点もあると思います。しかし、AIの出現により、今まで人がやっていた仕事はこれからさらにテクノロジーに置き換わり、人がやらなくても良くなってきていることは事実です。

このような環境の変化の中で、大企業では人的資源が超過し始めているということも起きています。では、昔よりミドルシニア層は活躍しづらくなっているのでしょうか?私は違うと思います。

2.ミドルシニア層の持つ力

私は、バブル崩壊や就職氷河期といった時代を経験した30代後半の従業員の皆様は、「苦しい中でも前を向いてやり続ける力」をより強く持つ方が多い傾向にあると考えています。このような力はAIに取って代わられることなく、これからも活躍していくために重要なポイントの一つだと思います。

指示を受けておこなう仕事は、AIによるテクノロジーがこなします。そうなると、残る仕事は次の2種類だと思います。

①新しいことを生み出す

AIやテクノロジーができない力仕事など

新しいことを生み出すのは、簡単ではありません。また、AIやテクノロジーによってできない仕事も常に考え続ける必要があり、試行錯誤の連続です。

一方で、企業は新しいことを生み出すチャレンジをしなければならなくなります。このようなチャンスに活躍する人材は、苦しい中でも前を向いてやり続けてきたミドルシニア層だと私は考えています。

3.ミドルシニア層の活躍のために企業ができること

 定年や再雇用の議論の対象になっていたミドルシニア層の皆さんは、今はやる気がないかもしれません。では、どうすればやる気を出すことができるでしょうか?

それには、3つのポイントがあると思います。まずはこの3つをぜひ実施してみてください!

  • 過去にやってきた仕事の棚卸し
  • 過去の仕事は「誰に」「どのような価値を提供していたのか」
  • 過去の経験をこれからどのように活かすのか

私は最近、50歳以上の方々と3つのポイントをおさえたワークショップをやらせていただきました。その際にお話した方々は、本当に様々な経験をされていて、お話を伺う際はとても活き活きしていました。

リスキリングは「やらなければならない」からやるのではありません。自らやる気になって学ぶという流れが自然だと思います。

苦しい中でも前を向いてやり続けるミドルシニア層だからこそ、その姿を見た若手たちが育っていくでしょう。

4.最後に

今の世の中を創ってきたのは間違いなく方でミドルシニア層の先輩方であり、これからも間違いなく必要な存在です。その世代がもつ力は、今後の組織としての生き残りに重要だと思っています。

スマートに、シンプルに、効率的にできたらそれは最高だと思いますが、それだけで何か成しえることができたら苦労しません。

今まで活躍されてきたミドル層シニア層の皆さんの経験とこれからの行動が、若者たちに火をつけていく。「先輩たちはかっこいい!」「あんな人になりたい!」と思ってもらえたら、若者たちも自然と頑張り始めます。 

なので、皆様の組織にいるミドルシニア層が会社から必要とされ、さらに成果を出していく。それが組織としての持続可能な一歩だと思います。

  • 過去にやってきた仕事の棚卸し
  • 過去の仕事は「誰に」「どんな価値を提供していたのか」
  • 過去の経験はこれからどう活かすのか

これらは、ぜひやってみてください!今回も読んでいただきありがとうございました!次回も楽しみにしていてください!!

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

公正な評価が離職を防ぐ!社員のモチベーションを高める人事評価制度の仕組み|エッジコネクション大村

公正な評価が離職を防ぐ!社員のモチベーションを高める人事評価制度の仕組み|エッジコネクション大村

優秀な社員が辞めてしまう理由の一つとして、評価に対する不満が挙げられます。 どれだけ努力しても正しく評価されないと感じれば、モチベーションは下がり、やがて離職へとつながってしまいます。逆に、公正で納得感のある評価制度があ […]

  • 組織
  • 人事評価
2025.04.23
金井 一真
社員の生成AI活用を加速させるには|先進事例から学ぶ「生成AI人材」の育成戦略【HR NOTE CONFERENCE 2024 Session3】

社員の生成AI活用を加速させるには|先進事例から学ぶ「生成AI人材」の育成戦略【HR NOTE CONFERENCE 2024 Session3】

多くの企業が生成AIの導入を検討・推進する昨今、企業が安全に導入を進めるためには、「生成AI人材」の育成が不可欠です。 HR NOTEでは、2024年10月24日に「HR NOTE CONFERENCE2024」を開催し […]

  • 組織
  • 人材育成・研修
2025.04.18
金井 一真
人的資本経営の現在地~「ARCH(アーチ)」と追求する社員パフォーマンス向上への取組み~【HR NOTE CONFERENCE 2024 Session1】

人的資本経営の現在地~「ARCH(アーチ)」と追求する社員パフォーマンス向上への取組み~【HR NOTE CONFERENCE 2024 Session1】

人的資本開示義務が施行されてから1年以上が経過し、企業はますますその取り組みを進めています。しかし、開示が単なる目的となり、開示後の実際の企業成長に繋がらないという課題を抱えている企業も多いのが現状です。 HR NOTE […]

  • 組織
  • 企業文化・組織風土
2025.04.16
金井 一真
ウェルビーイング経営の鍵となる「インタープレナー」の必要性|インタープレナー協会オープンミーティングレポート

ウェルビーイング経営の鍵となる「インタープレナー」の必要性|インタープレナー協会オープンミーティングレポート

HR領域で注目を集める「人的資本開示」や「ウェルビーイング経営」。これらを深く理解し、実践する鍵となるのが、「インタープレナー」と呼ばれる人材です。 インタープレナーとは、組織の枠を超えて対話を重ね、それぞれが持つアセッ […]

  • 組織
  • 人材育成・研修
2025.04.14
金井 一真
【事例で紹介】バックログスイーパーとは?チームの仕事を前に進める推進者を作る重要性と役割|ヌーラボ親川

【事例で紹介】バックログスイーパーとは?チームの仕事を前に進める推進者を作る重要性と役割|ヌーラボ親川

こんにちは、皆さん。株式会社ヌーラボのビジネスグロース部マーケティング課でイベントマーケティングを担当している親川彩子です。 執筆者親川 彩子氏株式会社ヌーラボ ビジネスグロース部 マーケティング課 長野高専電気電子工学 […]

  • 組織
  • 組織・その他
2025.04.09
金井 一真

人事注目のタグ