テレワーク導入でのリスクとは?対策方法や助成金制度について |HR NOTE

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テレワーク導入でのリスクとは?対策方法や助成金制度について

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総務省の調べによると、「在宅でテレワークをしたことがある」企業の割合は大企業で47.8%、中小企業で24.4%に達しています。新型コロナウイルスの流行の影響により、テレワークの導入企業が増加しました。しかし、テレワークにはセキュリティリスクやコミュニケーション機会の減少、勤怠管理の難しさなど、さまざまなリスクがあります。この記事では、テレワーク導入の際に気をつけたいリスクや対策方法を解説します。

テレワーク導入の2つのリスク

テレワーク導入には2つのリスクがあります。テレワークの代表的なリスクが、情報漏洩や不正アクセス、ネットワークの盗聴をはじめとしたセキュリティリスクです。また、テレワークの課題として、多くの企業が「コミュニケーション機会の減少」を挙げています。

テレワーク導入のリスクを知り、早い段階からセキュリティ対策やコミュニケーション機会の確保に取り組むことが大切です。

セキュリティ上のリスク

テレワークのリスクの一つがセキュリティリスクです。
テレワークの導入によって働き方が変化し、自宅やカフェなど好きな場所で働く従業員が増えました。端末の紛失や盗難、端末の私的利用によるウイルス感染、安全性の低いフリーWi-Fiを起因とするネットワークの盗聴、マルウェアを含むメールを送りつける標的型攻撃など、テレワークにはさまざまなセキュリティリスクが潜んでいます。

実際に情報処理推進機構の調べによると、2021年に発生した情報セキュリティ事故のうち4番目に脅威度が高かったのが「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」でした。(※2)

(※2)情報セキュリティ10大脅威2022:情報処理推進機構

コミュニケーション機会が減少するリスク

出社して働くオフィスワークから在宅で働くテレワークに切り替えることで、上司や同僚とのコミュニケーション機会が減少するリスクもあります。総務省の令和3年版情報通信白書によると、テレワークの課題として17.8%の人が「社員同士のコミュニケーション」、10.8%の人が「上司からの確認・指示を得にくい」を挙げています。(※1)

社員同士のコミュニケーションが減少すれば、お互いの業務の進捗状況がわからず、業務管理に悪影響が出る可能性があります。また、勤怠管理の方法を工夫し、テレワーク中の社員の労働時間を把握する仕組みづくりが必要です。

(※1)令和3年版情報通信白書|総務省

安全にテレワークを導入する2つの方法

安全にテレワークを導入するには、テレワークに関するガイドラインを策定し、社内ルールを整備する必要があります。

そのうえで、「悪意のソフトウェアに対する対策」「端末の紛失や盗難に対する対策」「重要情報の盗聴に対する対策」「不正侵入や踏み台に対する対策」の4つのセキュリティ対策を実施しましょう。コミュニケーション機会の確保のため、コミュニケーションツールの導入や出社日の設定などの対策も効果的です。

情報セキュリティ対策を実施する

総務省のテレワークセキュリティガイドラインでは、テレワークのセキュリティ対策として次の4点を挙げています。(※3)

情報セキュリティ対策一覧 説明
悪意のソフトウェアに対する対策 ウイルス対策ソフトをインストールし、最新の状態にアップデートする
フィルタリングを活用し、危険なサイトへのアクセスを遮断する
社内ルールを整備し、管理者の許可を得たアプリケーションのみインストール可能にする
端末の紛失や盗難に対する対策 管理台帳を作成し、端末の利用者や利用目的などを記録する
端末内のデータを暗号化し、外部から閲覧できないようにする
重要情報の盗聴に対する対策 機密性の高いデータを送信する際は暗号化する
端末の画面にプライバシーフィルターを装着し、覗き見を防止する
カフェやファミレスなど、不特定多数の人が出入りする場所でのテレワークを禁止する
不正侵入や踏み台に対する対策 ファイアウォールを設定し、不審なアクセスを遮断する
VPNを活用し、通信接続のプライバシーを保護する
情報セキュリティ教育を実施し、従業員が不審なメールを開かないよう周知徹底する

(※3)テレワークセキュリティガイドライン(第3版)|総務省

コミュニケーション機会を確保する

テレワーク中のコミュニケーション機会を確保するには、Web会議システムやビジネスチャットツール、社内SNSなどのコミュニケーションツールの導入が必要です。

クラウドサービスを利用する場合は、二要素認証などの安全なログイン手段を導入し、第三者のなりすましを防止しましょう。また、すべての日をテレワークにするのではなく、適宜出社日を設けてコミュニケーション機会を確保する方法もあります。

テレワークを導入すべき2つの理由

テレワークを導入すべき理由は2つあります。従業員が自宅やサテライトオフィスで働くことで通勤時間が削減され、ワークライフバランスが向上します。

また、新型コロナウイルスの感染拡大防止につながるのもテレワークのメリットです。総務省によると、「今後もテレワークを継続したい」と考える企業は過半数を締めています。(※1)
働き方改革の推進やBCP(事業継続計画)の一環として、テレワークを導入する企業が増えています。

(※1)令和3年版情報通信白書|総務省

通勤時間が削減され、ワークライフバランスが向上する

テレワークを導入すれば、従業員の通勤時間が削減されるため、ワークライフバランスの向上が期待できます。総務省の令和3年版情報通信白書によると、テレワーク実施者の81.5%がテレワークの利点として「通勤時間が削減される」を挙げています。(※1)

(※1)令和3年版情報通信白書|総務省

災害やパンデミックなどの事業継続リスクに対応できる

従業員がオフィスではなく自宅で働くことで、「3つの密(密閉、密集、密接)」を回避し、新型コロナウイルスの感染拡大を防止できます。厚生労働省が作成したリーフレットでも、テレワークを「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からも、有効な働き方」と表現しています。(※4)

また、地震や津波などの自然災害が発生した際、被害の程度によってはオフィスで働けなくなる可能性があります。テレワークを導入することで、大規模災害が発生した際も事業を継続でき、BCP対策を実現できます。

(※4)HOW TO テレワークリーフレット|総務省

テレワークの導入コストを軽減するには?助成金制度を活用しよう

テレワークのセキュリティやコミュニケーション機会の減少といったリスクに対応するにはICT環境の整備が必要です。テレワークのリスク対策を十分におこなううえで役立つのが、国や自治体が実施している助成金制度です。テレワーク導入時に利用できる助成金としては、たとえば次のようなものがあります。

名称 対象となる事業者 対象となる取り組み 補助金額
人材確保等支援助成金(テレワークコース)(※5) テレワークを新たに導入する中小事業者 就業規則と労働協約、労使協定の作成や変更
外部専門家によるコンサルティング
テレワーク用通信機器などの導入や運用
労務管理担当者への研修
労働者への研修
機器などの導入助成:支給対象となる経費の30%
※上限あり
目標達成助成:20%
※生産性要件を満たす場合は35%
※上限あり

(※5)人材確保等支援助成金(テレワークコース)のご案内|厚生労働省

テレワークの導入リスクを知り、セキュリティ強化などの対策を

テレワークには、セキュリティ上のリスクやコミュニケーション機会の減少などのリスクがあります。テレワークの導入リスクを解消するには、セキュリティ対策の実施やコミュニケーションツールの導入など、ICT環境の整備が必要です。テレワークのリスクを軽減するため、国や自治体の補助金なども活用しながら準備を進めましょう。

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