テレワークにおけるコミュニケーションの工夫やコツとは? |HR NOTE

テレワークにおけるコミュニケーションの工夫やコツとは? |HR NOTE

テレワークにおけるコミュニケーションの工夫やコツとは?

  • 組織
  • ワークスタイル

テレワークは、柔軟な働き方の推進や労働生産性の向上、BCP対策など多くの利点があります。一方で、直接対面で会話する機会が減少することで、コミュニケーションの希薄化が生じる可能性もあります。当記事では、テレワークのコミュニケーションにおける課題やその対策について徹底解説します。テレワークのコミュニケーションの課題を解消したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

テレワークでのコミュニ―ケーションを課題とする企業は多い

テレワークにおけるコミュニケーションに関して課題をもっている企業は多い傾向にあります。

2020年11月16日における厚生労働省の「テレワークの労務管理等に関する実態調査」によると、「コミュニケーションが取りづらくなることが懸念されるから」という理由で、6.6%の企業がテレワークを導入・実施していないことがわかります。また、テレワーク(在宅勤務)のデメリットとして、「同僚や部下とのコミュニケーションがとりにくい」と答えた企業は56.0%、「上司とのコミュニケーションがとりにくい」と答えた企業は54.4%と、コミュニケーションに関して課題を感じている企業が多いということがわかります。

なお、調査対象は、農林⽔産業や公務(他に分類されないもの)を除く全業種かつ、従業員10人以上の企業とされています。

参考:厚生労働省|テレワークの労務管理等に関する実態調査

テレワークにおけるコミュニケーションの課題

ここでは、テレワークのコミュニケーションにおける課題について詳しく紹介します。

Web会議やチャットなどによる情報共有が難しい

テレワークでは、Web会議システムやチャットツールなどのITツールを活用して、コミュニケーションの課題を解決しようとする企業は少なくないでしょう。ただし、オンラインツールは、上手く活用するためのコツや工夫があります。

これまで直接多面で会議をおこなったり、電話やメールでやり取りをおこなったりしていた方にとっては、ITツールの操作の使い方に苦労してしまうことがあります。そのため、従業員によっては、テレワークでの情報共有が難しく感じてしまう可能性もあります。

雑談やちょっとした会話がしにくい

オフィス出社の場合、相談したいことがあったとき、隣の席の方や手が空いている方を見つけて、気軽に話すことができます。一方、テレワークの場合、電話やメールで連絡を取ることになるため、相手の業務の妨げとなる可能性もあり、コミュニケーションのハードルが高まることもあります。そのため、テレワークには、雑談やちょっとした会話がしづらいというデメリットがあります。

なお、雑談により、従業員間の信頼性が向上し、プロジェクトを円滑に進めることにもつながります。また、雑談やちょっとした会話は、悩みや不安を打ち明けられる場にもなるため、ストレスの解消にもつながります。

このように、雑談やちょっとした会話は、関係性の構築やストレスの解消などの観点から重要であり、業務の生産性に影響を与えることもあります。そのため、テレワークでも、気軽に話せる場を設けることは大切です。

部下の評価やマネジメントが難しい

オフィス勤務であれば、上司が部下の働く姿勢や態度を直接確認できるため、仕事の取り組み方を考慮して評価をおこなうことができます。また、部下の様子を随時チェックできるため、マネジメントもおこないやすいといえます。

一方、テレワークでは、自宅やカフェなど、従業員それぞれ異なる場所で働くことになるため、部下の勤務状況を直接チェックできません。また、コミュニケーションが希薄化することにより、部下の評価やマネジメントは、より難しくなるでしょう。

このように、コミュニケーション不足は、部下の評価やマネジメントを難しくする要因となってしまうこともあります。

コミュニケーションの課題はさまざまな問題につながる恐れも

ここでは、テレワークのコミュニケーションにおける課題による影響や問題について詳しく紹介します。

生産性の低下

テレワークでは、雑談やちょっとした会話など、気軽に話せる機会が減少してしまう可能性もあります。そのため、会議などでのコミュニケーションが円滑に進まず、プロジェクトを上手く推進できないという課題があります。

また、情報共有をおこなう場合にも、電話やメール、チャットなどを利用しなければならないため、上手く活用できないと、確認作業などに時間がとられてしまい、本来の業務に集中できず、生産性が低下してしまう可能性もあります。

社員のモチベーションの低下

テレワークによって対面でのコミュニケーション量が減ることにより、上司や同僚、部下などと信頼関係を上手く構築できず、孤独感や不安感を抱いてしまう従業員もいるかもしれません。そのため、帰属意識が薄れてしまい、仕事に対するモチベーションの低下につながる可能性があります。

また、コミュニケーションの希薄化の課題によって、従業員のモチベーションの低下から、離職率の上昇や業務生産性の低下など、ほかの問題につながる恐れもあります。

人事評価に対する不満

テレワークでは、コミュニケーション不足から、上司が部下を評価しづらいことも影響し、従業員の人事評価に対する不満につながる恐れがあります。企業によっては、仕事に取り組む姿勢を加味した人事評価制度を採用していることもあります。

ただし、テレワークでは、仕事に取り組む姿勢を適切に判断できないために、従業員によっては、納得のいかない評価となってしまう可能性があります。結果として、会社への不満につながってしまうこともあります。

コミュニケーション課題を解決するための工夫

ここでは、テレワークのコミュニケーション課題を解決するための対策について詳しく紹介します。

コミュニケーションのルールを設ける

テレワークにおけるコミュニケーションの課題を解消するために、Web会議システムやチャットツールなどの情報通信技術を活用したコミュニケーションツールを導入することが考えられます。ただし、コミュニケーションツールを導入するだけで、コミュニケーションツールの希薄化の問題を解決できるとは限りません。

たとえば、Web会議システムを導入したとしても、ルールが決められていなかったり、マナーが周知されていなかったりすると、円滑なコミュニケーションにつなげられないこともあります。また、チャットツールについても、使い方をきちんと周知しなければ、プライバシーの侵害やハラスメントの問題につながる可能性があります。

このように、コミュニケーションツールを使用するにあたって、まず目的を明確にし、適切かつ具体的なルールを設けることが大切です。そして、従業員に周知する場を設けることも重要といえます。

コミュニケーションを活発にする取り組みをおこなう

テレワークを導入する場合、自社にあったコミュニケーションを活発化できるような取り組みをおこなうことが大切です。研修やセミナーを通して、ITツールの使用方法やルールなど、従業員にテレワークにおけるコミュニケーションの注意点を理解してもらう機会を設けるのがおすすめです。

たとえば、Web会議システムを使用する場合には、Web会議のコツやマナーを教えたり、チャットツールを多く活用する場合には、文章スキルを身に付ける講座を開設したりすることが挙げられます。

また、雑談のチャットルームを用意し、テレワークでも気軽に会話できる工夫を行っている企業があります。さらに、昼の休憩時間を利用して、オンラインランチを開催するのもコミュニケーションの希薄化の課題解決に役立ちます。

このように、テレワークでも、コミュニケーションを深める工夫は多数あるため、他社の事例などを参考にして、自社のニーズにあわせたコミュニケーションを活発化させる取り組みを実施するのがおすすめです。

定期的に1on1ミーティングをおこなう

テレワークでは、上司が部下の評価やマネジメントをしづらいというデメリットがあるため、定期的に1on1ミーティングをおこなうのがおすすめです。

Web会議システムなどを活用し、1on1ミーティングを定期的に実施すれば、部下のテレワークにおける悩みを把握したり、業務の進捗状況を正確に確認したりすることができます。また、定期的におこなうことで、部下の健康状況やモチベーションの変化についてもチェックできるため、適切にマネジメントをおこなうことが可能です。さらに、習慣的に実施することにより、従業員のテレワークにおける孤独感や不安感の減少につなげることができます。

テレワークで使えるコミュニケーションツール

ここでは、テレワークで便利なコミュニケーションツールについて詳しく紹介します。

Web会議システム

Web会議システムとは、PC・スマホ・タブレットなどの端末とインターネット環境を活用し、Web上で音声や映像によって、複数人で会議や作業をおこなうためのシステムのことです。

Web会議システムは、デバイスとネット環境を用意できれば、場所を問わず利用できます。そのため、テレワークでは必須のツールともいえます。また、システムによって、画面共有・資料共有・ホワイトボード・チャット・録画・録音・バーチャル背景など、さまざまな機能があるため、自社の目的や用途にあわせて適切なツールを導入すれば、業務生産性の向上やコミュニケーションの活性化が期待できます。

ただし、通信品質が悪いと、スムーズにコミュニケーションを取れないため、ネット環境や周辺機器を整備することが大切です。また、セキュリティリスクについても検討したうえで、適切なツールを導入するのがおすすめといえます。

ビジネスチャット

ビジネスチャットとは、業務で活用することを目的にしたチャットツールのことです。ビジネスチャットには、グループチャット・スタンプ・既読・通話など、メールと比較して、コミュニケーションを活性化するための機能が数多くあるため、テレワークに役立つツールといえます。

ビジネスチャットを使用すれば、1対1だけではなく、複数人のグループを作成してメッセージを直感的な操作でやり取りできるため、気軽に会話することが可能です。また、グループチャットでも、メンバーを指定してメッセージを送れる機能のあるビジネスチャットもあります。

さらに、ビジネスチャットであれば、スタンプや絵文字で返信できるため、雑談やちょっとした会話にも向いており、コミュニケーションの活性化にもつながります。

コミュニケーションを工夫してテレワークを成功させよう!

テレワークを導入を検討している企業や、実際に運用している企業の多くが、コミュニケーションに関して課題をもっています。コミュニケーション不足により、従業員の業務生産性やモチベーションの低下が懸念されます。

テレワークでコミュニケーションを活発にさせるためには、Web会議システムやビジネスチャットを導入するのがおすすめです。ただし、導入するだけではなく、ルールを設けたり、雑談やちょっとした会話を促せるような工夫をおこなったりすることが大切です。

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

意識改革とは?重要性や目的・効率的におこなうポイントを解説

意識改革とは?重要性や目的・効率的におこなうポイントを解説

「意識改革の重要性は?」 「意識改革を効率的におこないたい」 上記のような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。意識改革とは、企業が目標を達成するために価値観や考え方を変え、実際に行動に移すことです。 意識改革は、企業全体 […]

  • 組織
  • タレントマネジメント
2024.11.21
HR NOTE 編集部
積極性が全く感じられない従業員から“やりたい”を引き出すには②|WE戸田

積極性が全く感じられない従業員から“やりたい”を引き出すには②|WE戸田

皆様ご無沙汰しております。株式会社WEの戸田です。 前回から、全3回に渡って従業員の「やりたい気持ち(以下、“やりたい”)」を引き出すためにはどのようにしたら良いか、について記事を書かせていただいております。 今回は、具 […]

  • 組織
  • キャリア開発
2024.11.21
松野天音
ダイバーシティ&インクルージョンとは?重要性と取り組み事例を紹介

ダイバーシティ&インクルージョンとは?重要性と取り組み事例を紹介

「ダイバーシティ&インクルージョンの本質的な意味とは?」 「ダイバーシティー&インクルージョンの具体的な取り組み例がわからない」 上記の疑問を抱える人事労務担当者の方は多いのではないでしょうか。 ダイバーシティー&インク […]

  • 組織
  • タレントマネジメント
2024.11.20
HR NOTE 編集部
ウェルビーイング経営の落とし穴 ~従業員の欲求に応えるだけでは意味がない~

ウェルビーイング経営の落とし穴 ~従業員の欲求に応えるだけでは意味がない~

ウェルビーイングが注目され始めたのは、ここ十数年のことです。日本でもウェルビーイング経営を掲げる企業が増えていますが、成功事例は多くはありません。 あの手この手で従業員のウェルビーイング向上を図っているものの、気付かぬう […]

  • 組織
  • 企業文化・組織風土
2024.11.20
松野天音
信用と信頼の違いは?ビジネス上の意味と関係を築くポイントを解説

信用と信頼の違いは?ビジネス上の意味と関係を築くポイントを解説

「信用と信頼の違いは?」 「ビジネスで信頼関係を築くには?」 上記のようにビジネスで信用と信頼について疑問を感じる方もいるでしょう。 信用と信頼の違いは何に重きを置いて信じるのかです。信用が過去の成果や実績を評価して信じ […]

  • 組織
  • タレントマネジメント
2024.11.19
HR NOTE 編集部

人事注目のタグ