組織診断ツールとは企業が抱える問題点や課題を診断するツールです。組織の体制改善や生産性向上に役立つルールなので、気になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、「組織診断ツールを導入するメリットがわからない」「自社に適した組織診断ツールの選び方とは?」とお悩みの方もいるでしょう。
そこで本記事では、組織診断ツールを導入するメリットや注意点を解説します。自社にとってぴったりな組織診断ツールを導入するために知っておきたい内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。
1. 組織診断ツールとは
組織診断ツールとは、従業員や企業が抱えている問題点をアンケート調査などによって収集し、改善策を提案してくれるツールです。
組織サーベイとも呼ばれることがあり、企業の問題点や課題を正確に把握できます。また問題点を把握するだけではなく、従業員のモチベーションや生産性の向上などにも効果的です。
従業員が自分たちの声が反映されていると感じることで、組織に対する愛着や責任感が生まれ、組織の成長に貢献してくれます。
組織診断ツールを活用して、アンケート調査を定期的に実施することで、組織や課題の変化に柔軟に対応できるでしょう。
2. 組織診断ツールの4つの選び方
ここでは、組織診断ツールの選び方を4つ紹介します。
- 搭載されている機能で目的が達成できるか
- 調査頻度が適切か
- 料金体系が見合っているか
- 分析画面が見やすいか
導入する目的にマッチした組織診断ツールを選ばないと、コストだけがかかって、費用を無駄にしてしまいかねません。
導入してから後悔しないように、必ず目を通しておきましょう。
2-1. 搭載されている機能で目的が達成できるか
組織診断ツールに搭載されている機能で、自社の目的が達成できるかどうかを見極めなければなりません。
例えば、以下のように導入目的を明確にして、それぞれの目的を達成できる機能を搭載した組織診断ツールを選びましょう。
- 従業員のコンディションを管理したい
- 離職率の低下を実現したい
- 組織全体の生産性を向上させたい
- 優秀な人材を育てたい
効率的に目的が達成できるような組織診断ツールを導入できれば、コストパフォーマンスも向上します。
2-2. 調査頻度が適切か
自社の目的にあった頻度で調査するツールを導入しないと、効果的な診断結果を得られません。頻度が多ければ業務の邪魔をしてしまい、従業員の負担になる可能性があるためです。
組織診断ツールの調査頻度には、大きく分けて以下の2パターンがあります。
センサス |
・半年~1年の間に1回程度おこなう、会社全体を対象とする大規模な調査のこと ・全従業員を対象に調査を実施することで、組織全体の問題点を把握できる |
パルスサーベイ |
・1週間〜1ヵ月に1回程度の頻度で定期的におこなう小規模な調査のこと ・定期的に収集することで、組織の問題点や課題を早期に把握し、迅速な改善策を立案できる |
ツールによっては、両方含まれている場合もありますが、単純に調査頻度が多ければいいわけではありません。
自社にとって、適切な頻度で調査ができる組織診断ツールを選びましょう。
2-3. 料金体系が見合っているか
組織診断ツールを導入する際は、料金体系も頭に入れておきましょう。料金体系については、月額制のものや固定で金額が決まっているもの、調査対象者の数で変動するものなど、さまざまです。
仮に導入する初期費用だけで選んでしまった場合「調査を始めたら思った以上にコストがかかった」と、後悔する可能性があります。
何人を対象にして調査を実施するのかを明確にしてから、導入目的にあった料金体系を選びましょう。
2-4. 分析画面が見やすいか
分析結果が見やすいかどうかも、組織診断ツールを選ぶときのポイントです。たとえ優秀な機能が搭載されていても、画面が見づらかったり、使いにくかったりすると正確に改善点を抽出できません。
例えば、従業員が回答したアンケートが自動でグラフ化される機能が搭載されていれば、集計結果が見やすくなります。毎回グラフ制作をする必要もなくなり、直感的に分析結果からの傾向が読み取れるでしょう。
管理画面の直感的な操作が可能で、難しい操作が必要ないツールを選べるとベストです。
3. 組織診断ツールを導入する3つのメリット
ここでは組織診断ツールを導入する3つのメリットについて解説します。
- 従業員と組織の状態を可視化できる
- 人材の最適配置ができる
- 継続的にデータが蓄積される
どのようなメリットがあるのかを知った上で、導入を検討しましょう。
3-1. 従業員と組織の状態を可視化できる
組織診断ツールを導入すれば、従業員の働き方や現在の自社の状態を可視化できます。
普段は隠している従業員の本音や、企業全体の状況を可視化することで、それぞれで取り組むべき課題が見つかるでしょう。
組織診断ツールを導入することで正しく現状把握ができると、最適な組織マネジメントを実現できます。
3-2. 人材の最適配置ができる
組織診断ツールで得られた結果をもとにすれば、従業員一人ひとりに適した業務を発見できます。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 「人事部に配属させたけど、パソコンが強そうだからシステム開発に異動させよう」
- 「コミュニケーション能力が高いから、営業のほうがいいかもしれない」
診断結果をもとに、従業員が能力を最大限に発揮できる配属先を提案できるでしょう。
業務内容や人員の組み合わせで、従業員の仕事に対する熱意やモチベーションは大きく変わります。能力を発揮できる部署に配置すれば、生産性が上がり、会社の業績アップにつながるでしょう。
3-3. 継続的にデータが蓄積される
組織診断ツールで毎年同じ調査をしていくと、データが蓄積されます。継続的にデータを取っていると、前回の調査では見えてこなかった課題や新たな問題点が見つかる可能性があります。
またシステムがデータを管理、収集してくれるので、データを取り出すのも簡単です。正確かつ効率よく組織診断できるようになるため、より効果的な改善策を導き出せるでしょう。
4. 組織診断ツールを導入する際の3つの注意点
ここでは、組織診断ツールを導入する際の注意点を3つお伝えします。
- 従業員に負担をかけない
- 分析結果を鵜呑みにしない
- 診断しただけで終わらない
組織診断ツールによって可視化された課題を特定するだけではなく、改善への施策を考える必要があります。
4-1. 従業員に負担をかけない
組織診断ツールを導入して調査をする際は、従業員の負担にならないように気をつけましょう。アンケートの質問数が多かったり、ログイン情報が必要だったりすると、回答するのが億劫になります。
また調査を頻繁におこなうと、従業員が業務に集中できずに調査自体がストレスになってしまいます。仕事の合間などに回答している人が多いため、隙間時間でも簡単に回答できるアンケートがおすすめです。
大規模なアンケートをおこなう際は、事前に通知しておき、回答してもらう準備を整えましょう。
4-2. 分析結果を鵜呑みにしない
組織診断ツールで得た分析結果は、鵜呑みにせず参考程度に考えましょう。回答がすべて正しいとは限りません。悩みがあるにもかかわらず、虚偽の回答をする人や、適当に回答する人もいるでしょう。
分析結果がすべてだと思い込まず、あくまで参考程度に考えて、改善策を練ることが大切です。
4-3. 診断しただけで終わらない
組織診断ツールは、あくまで組織や従業員の問題点や課題を抽出するためのツールです。診断後にアクションを起こさなければ、問題点や課題を可視化した意味がありません。
例えば、不満が溜まっている従業員に対して面談をしたり、問題点が多い部署の従業員と話をしたりするなどの対応が必要です。
診断だけして満足せずに、課題解決につながるような改善策を考え、実行しましょう。
5. 組織診断ツールを活用して組織課題を解決!
いかがでしたでしょうか。
組織診断ツールを活用して従業員の状態を把握することで、より良い組織作りができるようになると思います。
組織診断ツールを導入するメリットや注意点について知り、自社にとって最適な組織診断ツールを導入できるための参考になれば幸いです。