ポータブルスキルとは?テクニカルスキルとの違いや具体例一覧・鍛え方を解説 |HR NOTE

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ポータブルスキルとは?テクニカルスキルとの違いや具体例一覧・鍛え方を解説

  • 組織
  • 人材育成・研修

「ポータブルスキルって何だろう?」

「ポータブルスキルとテクニカルスキルは何が違うのだろうか?」

このような悩みを抱えている人は、多いのではないでしょうか。

ポータブルスキルとは、どのような環境や職場でも活用できる普遍的なスキルのことをいいます。変化の激しい現代社会において、ポータブルスキルは極めて重要なものです。

そこで本記事では、ポータブルスキルの概要や求められる背景、類語との違いなどを詳しく解説します。最後までご覧いただくことで、ポータブルスキルに関する理解が大きく深まるでしょう。

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1. ポータブルスキルとは

ポータブルスキルとは、どのような職場や環境でも活かせる普遍的なスキルのことです。具体的には以下のようなものが、ポータブルスキルに該当します。

  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力
  • 自己管理能力
  • 論理的思考力
  • プレゼンテーション力

ポータブルスキルは、「転職力」を高めるためにビジネスパーソンにとって大切なものです。その一方で、企業にとってもポータブルスキルは非常に重要なものだといえます。ポータブルスキルが高い社員は、社内のあらゆる場面で活躍でき、企業の発展に大いに貢献してくれるためです。

2. ポータブルスキルとアンポータブルスキル・テクニカルスキルとの違い

ポータブルスキルと類語の違いを以下の流れで解説します。

  • ポータブルスキルとアンポータブルスキルの違い
  • ポータブルスキルとテクニカルスキルの違い

2-1. ポータブルスキルとアンポータブルスキルの違い

ポータブルスキルとアンポータブルスキルの違いは、活用できる範囲の広さです。

先ほどもお伝えしたとおり、ポータブルスキルはどのような職場や環境でも活かせる普遍的なスキルのことをいいます。

それに対して、アンポータブルスキルは活かせる場面が限定的(特定の会社や業界のみでしか活用できない)です。具体的には、以下のようなものがアンポータブルスキルに該当します。

  • その企業のみで使われる機械の操作スキル
  • あるプロジェクトのみで活用されるツールの操作スキル

2-2. ポータブルスキルとテクニカルスキルの違い

ポータブルスキルとテクニカルスキルの違いは、履歴書に明確に書けるか否かです。

前提として、テクニカルスキルは、特定の業務をおこなうために求められる専門的な知識や技術、資格などのことをいいます。具体例は以下のとおりです。

  • 簿記の資格
  • ファイナンシャルプランナーの資格
  • プログラミング言語を用いた開発年数

こうしたテクニカルスキルは、履歴書に「日本商工会議所簿記検定2級」などの具合に、履歴書に明確に記載できます。

しかしその一方で、ポータブルスキルは履歴書に明確に記載できるものではありません。論理的思考力や問題解決能力などのスキルは、履歴書の限られた範囲の中で証明するのが現実的に難しいものであるためです。

3. ポータブルスキルが求められる背景

ポータブルスキルが求められる背景として、以下2つの理由が挙げられます。

  1. 雇用体制の変化に伴い転職力の重要性が高まったから
  2. VUCA(ブーカ)時代への対応が求められるから

それぞれ順番に解説します。

3-1. 雇用体制の変化に伴い転職力の重要性が高まったから

近年、雇用体制の変化に伴って、各個人が転職力を磨くことの重要性が高まっています。これまでは当然だった終身雇用や年功序列が崩壊しつつあり、機能しなくなってきているためです。

こうした背景から、高度なポータブルスキルをもった人材が強く求められるようになっています。

3-2. VUCA(ブーカ)時代への対応が求められるから

VUCA(ブーカ)時代への対応が求められる点も、ポータブルスキルの重要性が高まっている大きな理由です。

前提として、VUCAは以下の頭文字をとった造語のことを指します。

Volatility

変動性

Uncertainty

不確実性

Complexity

複雑性

Ambiguity

あいまい性

現代はテクノロジーの急激な進化や自然災害、感染症の拡大などによりわれわれの取り巻く環境が急激に変化する可能性があります。こうした変化に企業が対応していくためには、高度なポータブルスキルをもった柔軟に対応できる人材の力が欠かせません

4. ポータブルスキルの要素

厚生労働省の定義によると、ポータブルスキルの要素は「仕事のし方」と「人との関わり方」において9つの要素があります。表にまとめると、以下のとおりです。

仕事のし方

現状の把握

課題解決やテーマ設定するための情報収集力および分析力

課題の設定

取り組むべき課題を正確に設定する能力

計画の立案

円滑に業務を進めるための計画力

課題の遂行

スケジュール管理や周りのメンバーとの協力をうまくおこないながら課題を遂行する能力

状況への対応

想定外のことが起きたときの的確な責任のとり方や対応力

人との関わり方

社内対応

上司や部下、同僚とスムーズにコミュニケーションを図る能力

社外対応

顧客や社外パートナーなどとスムーズにコミュニケーションを図る能力

上司対応

上司への報告や課題改善に向けた意見を正確に伝える能力

部下マネジメント

部下の動機づけや育成、的確な業務に割り当てするなどのマネジメント力

参考:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)|厚生労働省

5. 【一覧】ポータブルスキルの具体例

ポータブルスキルはさらに細分化すると、以下3つの能力で構成されます。

対人力

ほかのメンバーと協力して目標達成に向けて行動する能力

対自分力

自分をコントロールし、目標を遂行する能力

対課題力

問題を解決するために必要となる能力

各能力の具体例を以下でそれぞれ解説します。

5-1. 対人力

対人力の具体例は、以下のとおりです。

統率力

チームや集団をまとめて目標達成や課題解決へと導く能力

説得力

自分の考えをわかりやすく伝え、相手を理解・納得させる能力

傾聴力

相手の話す言葉や感情、意図を正確に理解する能力

協調力

周りの人たちと協力しながら、目標達成に向けて行動するための能力

受容力

さまざまな意見を素直に受け入れる能力

主張力

自分の意見や立場を相手に受け入れてもらえるよう正確に伝える能力

支援力

相手に気を配り、必要に応じてサポートする能力

決断力

課題に対する対応策について、責任をもって意思決定できる能力

5-2. 対自分力

対自分力の具体例は、以下のとおりです。

冒険力

新しいことでも失敗を恐れることなく挑戦できる能力

持続力

ひとつのことを長時間継続する能力

忍耐力

困難や逆境があっても耐え抜き、最後までやり遂げる能力

規律力

ルールや状況を守り、状況に応じて自らを律する能力

試行力

自分で試行錯誤を繰り返しながらもの事を進める能力

5-3. 対課題力

対課題力の具体例は、以下のとおりです。

計画力

課題解決に必要なプロセスを明確にし、手順やその方法を準備する能力

分析力

データや情報を分解・整理して、考えを正確にまとめる能力

変革力

周りの状況や環境の変化に応じて、自分を変革し、柔軟に対処する能力

機動力

状況に応じて積極的に行動できる能力

発想力

新しいアイデアを生み出す能力

推進力

周囲をうまく巻き込みながら、目標達成やプロジェクトを遂行する能力

6. 社員のポータブルスキルの鍛え方

社員のポータブルスキルを鍛える方法は、以下の3つあります。

  1. 社内の学習環境を充実させる
  2. 外部研修を実施する
  3. 厚生労働省の研修資料を使用する

それぞれ順番に解説します。

6-1. 社内の学習環境を充実させる

社内の学習環境を充実させることは、社員のポータブルスキルを鍛える手段として有効です。具体的には社内研修やワークショップなどを定期的におこなうことで、社員のポータブルスキルを鍛えられます。

また、社内の学習環境をより充実させるために、社員一人ひとりのニーズにあわせた環境構築を意識することも重要です。公募研修や自己啓発支援制度などのような、各個人がそれぞれ身につけたいスキルを学べる環境づくりを意識するとよいでしょう。

6-2. 外部研修を実施する

外部研修の実施も社員のポータブルスキルを鍛える手段として効果的です。

外部研修を取り入れることで、自社の従業員の業務負担を軽減できるメリットもあります。またそのほかに、自社にはない新しいノウハウや知識を習得できる点も外部研修を実施する大きなメリットです。

6-3. 厚生労働省の研修資料を使用する

厚生労働省の研修資料を使用して、ポータブルスキルを鍛える方法もおすすめです。

厚生労働省は個人で勉強したい人に向けて、研修資料を提供しています。研修資料の中には、動画も含まれているので、より実践に近い形での学習が可能です。詳細は以下のリンクより閲覧できるので、興味のある方は、一度目を通してみることをおすすめします。

参考:ミドル層のキャリアチェンジにおける支援技法|厚生労働省

7. ポータブルスキルの診断方法

ポータブルスキルは、厚生労働省のホームページ内にある専用のツールを使用することで診断可能です。

項目に沿って、自身や社員のスキルを評価し点数を入力していくことで、診断が可能です。入力にかかる時間は15分程なので、興味のある方は以下のリンクより診断してみることをおすすめします。

参考:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)|厚生労働省

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