SalesforceとSlackが語る従業員エンゲージメントの定義と高め方【FUZE2020#2】 |HR NOTE

SalesforceとSlackが語る従業員エンゲージメントの定義と高め方【FUZE2020#2】 |HR NOTE

SalesforceとSlackが語る従業員エンゲージメントの定義と高め方【FUZE2020#2】

  • 組織
  • 人材育成・研修

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

2020年11月4日に、ウォンテッドリー株式会社による「採用と組織づくりをリードするオンラインイベント FUZE2020」が実施されました。

ウォンテッドリー株式会社は今までAWARDSと題して自社イベントをおこなってきましたが、今回からイベント名を「FUZE」と変更し、採用トレンドや組織づくり、これからの生き方、働き方というテーマを扱うイベントへとリニューアル。

今回は「従業員エンゲージメントの高め方」というテーマにて、株式会社セールスフォース・ドットコムの人事本部長 鈴木さん、Slack Japanの株式会社ビジネスグロース営業部長の生垣さんを迎え、従業員エンゲージメントの重要性や成功の指標についてお話いただきました。

▼FUZE2020の公式ページはこちら
https://wantedlyinc.com/ja/fuze
※本記事は2020年11月4日に実施されたオンラインイベントの内容をもとに記事化させていただいています。

登壇者紹介

川口 かおり | ウォンテッドリー株式会社 執行役員 ビジネスチーム

早稲田大学卒業後、競泳選手のマネジメントに従事。2007年リクルートエージェント(現リクルートキャリア)に入社。コンシューマー領域の法人営業、新規事業立ち上げ、事業開発部門のマネージャーを経験。シンガポールのHRテック企業を経て、2017年10月入社。2018年9月より現職。

本日のセッションのモデレーターを務めさせていただく、ウォンテッドリー株式会社の川口と申します。

私は、新卒では水泳選手のマネージャーという珍しいキャリアをスタートさせました。その後リクルートキャリアで人材紹介を約10年間経験し、2017年10月よりウォンテッドリーに入社しています。

現在はビジネスチームの全体統括を担当しながら、採用にも携わらせていただいています。本日は改めて、従業員エンゲージメントの保ち方や課題への向き合い方について、たくさん学ばせていただきたく思っています。

よろしくお願いします。

鈴木 雅則 | 株式会社セールスフォース・ドットコム 執行役員 人事本部長
アメリカ コーネル大学院 人材マネジメント・組織行動学修士

2003-2011年の8年間、GEとGoogleにて採用・リーダーシップ開発業務などに携わる。2011年よりコンサルタントとして独立。執筆活動や企業向け研修などをおこなう。(著書:「リーダーは弱みを見せろ」光文社新書) 2013年よりリクルーティングディレクターとしてQCVに入社後、米国本社にてグローバル人材開発チームをリード。帰国後はHRディレクターアジアを務める。その後BMWにて人事部長を経験後、2019年2月より現職。

Salesforceにて人事責任者をしております。

Salesforceでは、人事部のことをエンプロイーサクセスと呼んでおり、これは日本語に直すと「社員の成功」となります。

いかに社員の成功を実現するか?という視点で、日々ミッションに取り組んでおります。

本日はよろしくお願いします。

生垣 侑依 | Slack Japan株式会社 ビジネスグロース営業部 部長

米国カンザス州立大学を卒業後、株式会社リクルートへ入社。営業、新規事業開発の経験を経て、2014年にLinkedInの日本で1番目のSMBセールスとして立ち上げを経験。その後、日本と東南アジアのエンタープライズセールス、マーケティング、新規営業チームリードを経て、2018年にSlack Japanのビジネスグロース営業部に着任。良いサービスを日本で広げることにやりがいを感じている。

Slack Japanでビジネスグロース営業部の部長を務めている生垣です。

前職はLinkedInで採用コンサルの仕事に従事し、営業としてのキャリアをメインで積んできました。

Slack Japanでビジネスチームに所属している中で経験した組織拡大の過程や、全世界17拠点2000名のメンバーが在宅勤務の中でどのようにコミュニケーションをとってきたかなど、さまざまな自分の体験をお話できればと思っています。

自社にとっての「従業員エンゲージメント」とは何かを定義する

それでは早速、1つ目のテーマに入っていきたいと思います。

コロナがあり、大きく働き方が変わったこの1年の中で従業員エンゲージメントに注目する企業が増えてきています。ウォンテッドリーも2020年3月からエンゲージメント領域の新事業を展開開始しました。

最初に、そもそも従業員エンゲージメントとは何なのか、言葉の定義やお2人の捉え方についてお伺いできますでしょうか?

まず、「日本の人事部」には従業員エンゲージメントについて以下のように説明されています。

「エンゲージメント」とは、従業員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」をあらわすものと解釈されますが、より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。

近年、若年層の職業観の変化や終身雇用制度の崩壊、少子化に伴う人手不足が進み、企業は長期的観点から人事制度や人材育成を考える必要性に迫られています。

ここでは「エンゲージメントされている組織とは何か」を明確にした上で、従業員と組織のエンゲージメントを高めるために必要なポイントを整理します。

つまり、組織と個人が一体感を持つこと、そして何かしらのつながりを持てるよう日々努力をしていくことがエンゲージメントと考えています。

またこれに加えて、私たちSalesforceは「働きやすさ」「働きがい」の2つの視点にも注目しています。

社員との一体感やつながりが感じられにくくなったコロナ禍では、いかに社員が「働きやすさ」を感じられるか、会社から大切にされていると感じてもらえるのかが重要なテーマだと考えているのです。

私たちSalesforceはバリュードリブンの会社ですので、自分たちの会社のバリューは、現場でどのように反映されているかについても、日々考えながら過ごしています。

私の考えるエンゲージメントは組織の一体感だと思います。

また、エンゲージメントには次の3つの要素があると考えています。

1つ目に「アライメント」。これは、私たちがどの山を登るのか?組織としてどの方向を目指していくのかに関して、トップから明確にメッセージが出ていることを指します。

2つ目は「アジリティ」です。アジリティとは、コロナ禍において世の中やチームがどんどん変化していくことに対応できる耐性があることを言います。

そして3つ目に「透明性」です。常にオープンに情報格差をなくし、仕事を進めていく状態です。

私は、この3つがそろって初めて、従業員エンゲージメントが高まっていくと考えています。

鈴木さんのお話の中で、「働きがい」と「働きやすさ」というキーワードが出てきました。

これらの言葉は一般的にきちんと区別されなかったり、どうしても「働きやすさ」ばかりに目がいってしまったりする企業が多いのでは?と思います。

この相反した2つのキーワードに関して、もう少し掘り下げてご意見聞かせていただけますか?

コロナ禍において「働きやすさを整える」というのは最優先事項だと考えています。

そして働きやすさを整えることは、仕事をするうえでの前提条件ととらえています。

つまり、働きやすさが整った結果、より働きがいにフォーカスして施策を打っていけるということです。

どちらかを集中的にケアすればいいという話ではありません。働きやすさの延長線上に働きがいがある、そのことを意識してどちらも高めていくことが大切です。

この2つを高めていくことが、まさしくエンゲージメントと言えるでしょう。

働きがいという言葉は、マネジメントからメンバーに提供するものと捉える方もいらっしゃいますが、私は個人がそれぞれ自分の働きがいを見つけられることが大切だと考えています。

個人が自分自身の手で働きがいを見つけるために、組織の透明性が重要です。ほかの組織では何が課題なのか、どう動いているのかを能動的にキャッチをして動いていく課程で、各々が気付きを得ていくものだと考えています。

ありがとうございます。

お2人のお話を聞きながら、まず自社にとっての「従業員エンゲージメントとは何か」と定義してから、取り組んでいったほうが良いと感じました。

実際のところ言葉の定義を決めたほうがいいのか、それともどんどん手足を動かして施策を仕掛けたほうがいいのか、どちらでしょうか?

言葉はすごく大切ですし、行動を起こすことも大事です。

人が何を目指して働いていくのか?という方向性をしっかり合わせるためには、先に「私たちはこういう働き方をしよう」と定義するほうが良いと考えています。

もちろん事業フェーズや会社の規模感、課題によっては、言葉の定義付けが後回しになることもあると思いますが、いずれにせよどこかのタイミングで自分たちの方向性や価値観を定めていく必要があると思います。

私も鈴木さんと同意見です。まずは言葉にして、その言葉を組織として発信していくことが大切です。

そして、発信した内容をどう受け取ったのか?社員からフィードバックをもらい、すり合わせていきます。

私たちは定期的にエンゲージメントサーベイをおこなって、改善のサイクルを早く回すようにしています。

その時々でエンゲージメントの解釈は変わるものですし、変わってもいいと思います。

まずは言葉で定義をして、発信をし、社員と組織のあいだでコミュニケーションをとってフィードバックの中でPDCAサイクルを回し進めていくと良いでしょう。

従業員エンゲージメントを高く保つための取り組み

私たちSalesforceでは、従業員エンゲージメントを高めるための公式を持っています。

その公式とはこちらです。

公式の1つめの要素はカルチャーです。カルチャーはよくソフトな要素と呼ばれていますが、カルチャーは企業戦略となります。

2つ目は、テクノロジーの会社としてテクノロジーを使い倒すことを掲げています。

3つ目に、テクノロジーを活かしてさまざまなデータを集めて次の施策につなげていくためデータを掲げています。

この3つの要素を足し算するのが、私たちの公式となっています。

この公式以外にも、会社として4つのコアバリューを持っており、このコアバリューを社内のさまざまな施策に落とし込んでいきます。

ただコアバリューを掲げて「平等が大切ですね」と話しているだけでは社内に浸透していきません。これらの公式やコアバリューは、具体的な人事制度や組織デザインへ反映し実行していきます。

たとえばSalesforceでは、株式の1%を社会貢献活動に充てると決めています。

ボランティア活動を非常に重要視していまして、ボランティア休暇をとったり、新入社員は必ずボランティアに参加するようにしたりしているのです。

テクノロジー・データで言えば、従業員サーベイをやりっぱなしにするのではなくて、そこで出てきたデータを活かして必ず次のサイクルにつなげていくことが重要です。

私たちはCRMの会社ですので、CRMを通してお客様と良い関係を作っていくように、どのように社員へ良い体験を提供できるか?と考えています。

昨今、テクノロジーが進化をとげて、私たちの生活は非常に便利になりました。AIスピーカーやワンクリックでおこなう商品の購買、SNSでの交流など、さまざまなサービスの恩恵を受けています。

これらの顧客体験と同じように、自社の社員にすばらしい体験を提供するためにはどうすればいいのか?テクノロジーを活かして、どのような人事施策をおこなえばいいのかと考えていきます。

このように考えると、Google検索のように社内の情報検索性を上げてみたり、新入社員への研修を1日~2日で詰め込むのではなく、カスタマー向けのメールジャーニーのように情報発信を整えてみたりしています。

私生活で体感している体験と、社内での体験のギャップを埋めることを意識して、結果的にソフト(カルチャー)とハード(テクノロジー・データ)どちらも大切にしていくことになります。

先ほど、組織の一体化という観点で、透明性・アジリティ・アライメントの3要素を重要視しているとお話したのですが、それぞれにどう施策を打っているのかお話したいと思います。

まずアライメントに関して。

下記スライドの「トップからのメッセージ」をご覧いただきたいのですが、これは弊社の代表が、全社員の閲覧するチャンネルで明確なメッセージを発信している様子です。

これはまさしくアライメントだと思っています。

また、スライドの左側は社員同士のフィードバックの様子です。

この例では、カスタマーサクセスのマネージャーがエンジニア部門のマネージャーにフィードバックを送っています。隣の部署が何をしているのか見える透明性の高い取り組みとなっています。

さらにこのやり取りを全社員が見て、スタンプや絵文字で表現をして一体感を持ち、透明性をもって組織の一体感を実現しています。

ありがとうございます。

こういったエンゲージメントの取り組みは、どのような目標を置いてどのような評価をしているのでしょうか?

まず、従業員サーベイを1月と7月に実施しています。

それを通して従業員がどのくらい「働きがい」を感じているのか、定点観測するようにしています。

それ以外には、働きがいのある会社ランキングなどの第3者評価機関から、どのように見られているのかを確認したり、リファラル採用でどのくらいの人が入社しているのかも数値をチェックしています。

そもそも、社員が自分の会社のエンゲージメントを感じていなければ、知人に紹介はしないはずです。

社員のエンゲージメントが上がれば採用力があがりますし、社内のメンバーが活き活きと働いていれば、その分お客様に提供できるサービスの質も高まります。

とても当たり前の話かもしれませんが、従業員エンゲージメントを高めることでさまざまなプラスの効果が出るため、重点的に取り組む必要があると考えています。

組織としてはエンゲージメントサーベイに加えて、マネージャーから個人に対するフィードバック、そしてメンバーからマネージャーに向けたフィードバックも実施しています。

そしてフィードバック中のやり取りをデータとして確認し、次の半年でどう改善するのかプランを立てます。この取り組みを通じてエンゲージメントのチェックをしています。

今のお話にご質問が入っています。

メンバーからさまざまな意見が上がってくると思うのですが、その意見の中でもどういった意見は取り入れて、どのようなものは取り入れないのか?フィードバックを反映するかどうかの判断基準を教えていただけますか?

まず判断するうえで重要なのは、会社のミッションビジョンやOKRにアラインしているかどうかという視点です。

マネジメントの観点でいうと、「取り入れない」ということは基本的にしません。

なぜそのような意見が出てしまったのか、その背景を傾聴するのが重要だととらえているためです。

日々のコミュニケーションの中で、ビジネスに直結していないかもしれない感情面の共有も大事だと思っているので、ソフト部分の共有もメンバーに推奨するようにしています。

ありがとうございます。続いて、鈴木さんに質問です。

以前、「エンゲージメントは高いものを保ち続けることが重要」とおっしゃっていたのですが、この点を詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

エンゲージメントに関しては「絶対これが正解だ」と、思い込みをしないことがとても大切だと思っています。

毎年、外部環境は変わっていきますし、会社としてやるべきことは変化していきます。データはしっかりとボトムアップで吸い上げていき、そのデータをきちんと分析してその都度見ていく必要性があるということです。

今やるべきこと、来年やらなくてはならないことはどんどん変化していきます。従業員の声を聴いて、考えて、やるべきことを追及していかなくてはなりません。

さらに、社員の要求は年々求めるものが高くなっていくものです。日々高まっていく社員からの要求を実現していくのは非常に難しいことでしょう。

社員の期待を超える提案を続けていくことは難しいですが、一方で非常にやりがいがあることだと思います。

リソースが限られる中で優先順位をつけなければなりませんが「こんなところまで会社は考えてくれているのか」と、私たちの思いが社員に伝わったとき、それはまさにココロオドル体験になると思います。

従業員エンゲージメント施策を浸透させる方法

次のテーマに移りたいと思います。

社内での従業員エンゲージメントの施策を、どのように根付かせていけばいいのか?どうやって協力者を増やしていけばいいのか?についてお伺いできますでしょうか。

今までの話をまとめていくと、次のようになります。

1つ目の方法は「企業文化をビジネス戦略と位置づける」という視点です。

従業員エンゲージメントへ投資するほど業績が上がっていくという調査結果が出ています。

また、エンゲージメントがアップすれば社員のパフォーマンスが50%上がるというハーバード大学のリサーチ結果も出ているためです。

2つ目、「社員を顧客と考え、最高の社員体験を提供する」という考えがあります。

顧客中心主義という考えも大切ですが、私たちは社員中心主義として、最高の社員体験をテクノロジーとデータを使って実現していこうとしています。

3つ目「会社のコアバリューを明確化し、浸透させる」ということです。浸透させるためにはいろんなメカニズム、人事施策をからめていきます。

言語化はとても大切ですが、その後それを支援するメカニズムをどうやって作っていけばいいのか?施策への落とし込みまでしっかり考え抜いて実施していくことが重要になります。

最後に「リーダーからの積極的な情報共有、チームメンバー同士の助け合いの奨励、個人が情報発信できる環境の整備」ということです。

これは、リーダーからトップダウンで「ここにいくぞ!」という目標を掲げて情報共有していくだけではなく、ボトムアップで各メンバーからの意見を吸い上げるということです。

メンバーからのさまざまなフィードバックをもとに、自分たちのやっていることが正しいのかどうか精査しなくてはなりません。

まずは個人が成功するいろんな支援をおこない、そのうえで助け合い、次にチームでの成功を目指します。トップダウン、ボトムアップ、個人への支援とチームへの支援、このすべてを実施することで組織は成功するのだと思っています。

ありがとうございます。続いて生垣さんお願いします。

私が個人としておこなっていることと、組織として実施していること、2つの側面からお話します。

まず、私が個人的に15名のチームに対しておこなっていることは、バリューについての取組です。

私たちも対外的に発信している6つのバリューと、社内向けに発信している4つのアトリビュート(社員の性質)というSlackらしさを定めています。

4つのアトリビュートそれぞれを表現する社内の絵文字がありまして、誰かがCollaborative(チームワーク・切磋琢磨)な発言・行動をしたら、みんながこのスタンプを押して賞賛するようにしています。

このように、トップから明言するだけではなく、現場レベルでも広げて定着できるような仕掛けをおこなっています。

また、これらのアトリビュートを広める後押しとして、1対1のコミュニケーションを増やすようにしています。

きちんと皆からフィードバックをもらう、フィードバックをするということを大事にしています。

また、1対1のミーティングの中でも、「Are you happy?」とそのときの感情の状態を確認し、共有し合うようにしています。

リモートワークの中でも、チームオフサイトミーティングを四半期に一度実施して、チームの中でのエンゲージメントを高める仕組みを作っています。

Slackでのコミュニケーションや1on1であれば、今すぐ取り入れることができそうですね。

さて、そのほかの質問として「エンゲージメントに関する施策を導入するために、どのようにボードメンバーを説得すればいいのでしょうか?」というご質問が来ています。こちらいかがでしょうか?

どの会社も本質的には、自分たちの業績を上げたくないと思っている経営陣はいないはずです。なので説明するときに、「なぜエンゲージメントが重要なのか?」を経営陣に理解してもらうことが大切です。

そのように言ってもなかなか難しいところではあるので、それぞれの組織の規模感にもよりますが、どこかの組織・チームで試しにやってみて、どれだけ業績があがったのか?エビデンスとして結果を出していくのが良いと思います。

エンゲージメントを高めたくないという経営者はいないでしょう。結果を出したくない経営者はいないはずです。

続いて生垣さんへの質問です。

現場サイドから見て、人事との協業の仕方について何か気を付けていることはありますでしょうか。

人事の方には人事の専門家としての意見があると思いますので、私は「自分のチームをこうしていきたい!」というわがままをしっかりと伝えるようにしています。

人事のメンバーは、私たちの現場の意見を聞いたうえで専門性を持ってアドバイスをくれます。

現場にいる側は、自分のチームをどうしていきたいか?を考えること、明確にすることが責任だと思っているのです。

そして、それを形にするのは人事の皆さんだととらえ、役割分担をしています。

リモートワークによって変わりゆく、エンゲージメント施策の在り方

最後に、今後の従業員エンゲージメントの施策として具体的に取り組んでいきたいことがあればお聞かせいただけますでしょうか。

このコロナ禍において私たちがおこなう手段や施策は、社員とより深い関係を作れるものか、失望させてしまうものなのか…日々、緊張感を持って過ごしています。

具体的には、来年の7月まで全社員に対してリモートワークを許可しています。

その先、どういう働き方をしていけばいいのか?日本社会としてどうなっていくのか結論はまだ出ていません。

そこで社員を失望させないような働き方を提供するために、まさしく今さまざまなデータや情報を集めながら計画を立てているところです。

私たちSalesforceという会社が、先進的で社員のことを考えている会社だと、社員の皆さんに受け止めてもらえるように動いていきたいと考えています。

Slack Japanという会社は、まだまだ日本でも拡大していく企業だと考えています。

在宅勤務の中での採用活動やオンボーディングにおいて、社員1人ひとりがいかに働きやすい環境を手にできるかをしっかりと考えていきたいと思います。

私たちも現在、全社員が在宅勤務となっていますが今後の組織の在り方は1日、1か月単位で変わっていくと思います。

この変化が激しい状況だからこそ、今まで通りの透明性を保ちながらフィードバックをおこない、組織運営をしていきたいと思っています。

従業員エンゲージメントは、これからさまざまなことが変化する中で、どんどんトライしていかなくてはならないものです。

本日のお話を通して、皆さんの中でも何か気付きがあれば嬉しいです。本日はありがとうございました。

イベント概要
[イベント名]
FUZE 2020 採用と組織づくりをリードするオンラインイベント
[主催企業]
ウォンテッドリー株式会社
[開催日]
2020年11月4日(水)
[Time Table]
SessionA:組織を成功に導く従業員エンゲージメントの高め方
SessionB:トップ人事4人が語る、COVID-19と採用トレンドの変化
Awards:Wantedly Best Teams 2020
Keynote:これからの働き方、これからの生き方
[詳細URL]

[関連記事]
Wantedlyを使いこなす企業から学ぶ、企業理念に共感する社員を採用する方法|Wantedly Best Teams 2020イベントレポート【FUZE2020#1】

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