【第2章】ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣(返信をもらうまで編)|VOLLECT中島 |HR NOTE

【第2章】ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣(返信をもらうまで編)|VOLLECT中島 |HR NOTE

【第2章】ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣(返信をもらうまで編)|VOLLECT中島

  • 採用
  • 母集団形成

※本記事は、人事/HR業界の専門家の方より寄稿いただいた記事を掲載しております。

ダイレクトリクルーティングに関する採用支援を行っております、VOLLECTの代表取締役中島です。

ダイレクトリクルーティングを行う際、スカウトの「返信率」を気にする方は多いのではないでしょうか。

実際、弊社ウェビナーに参加した人事担当者の方にアンケートを行ったところ、最もダイレクトリクルーティングで課題に感じている内容は「返信率」でした。

本記事では、ダイレクトリクルーティングの前工程である「返信をもらうまで」に着目し、600社以上の採用支援経験を踏まえながら、ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣をご紹介します。

執筆者中島 大志株式会社VOLLECT 代表取締役

新卒でインテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。その後、企業からの能動的なアプローチにより企業の採用のあり方に変革を与えることができる「ダイレクトリクルーティング」に可能性を感じ、ダイレクトリクルーティング特化の事業展開を決意した。2018年6月にVOLLECTを設立。ダイレクトリクルーティング特化の採用支援のパイオニア的存在として、採用の普及と啓発を行っている。
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【特集】採用成功に必要なポイント
  • 【第1章】採用の歴史とは?求人広告・人材紹介・ダイレクトリクルーティングの繋がりを紹介
  • 【第2章】ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣(返信をもらうまで編)
  • 【第3章】ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣(返信をもらった後編)
  • 【第4章】ダイレクトリクルーティングを用いたITエンジニア採用のポイント
  • 【第5章】ダイレクトリクルーティングの成功事例
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筆者の中島が手掛けるダイレクトリクルーティングの実行支援サービス「PRO SCOUT」は、600社以上の支援実績をもとに、貴社のダイレクトリクルーティングでの採用成功を実現します。

1.スカウト返信率に影響する3つの要素

スカウトの返信率には、大きく分けてターゲット」「タイミング」「メッセージの3つの要素が影響します。

多くの企業は返信率を向上させるため、「候補者一人ひとりの職務経歴をじっくりと読み込み、ラブレターのようにスカウト文面をカスタマイズするべき」と考え、「メッセージ」に重点を置いています。

しかし、実際にはスカウト文面だけでは大きな返信率の変化は期待できません。 見過ごされやすい「ターゲット」と「タイミング」ですが、実は「メッセージ」よりも重要なのです。

たとえば、年収800万円のフルリモート自社開発エンジニアに、年収500万円の客先常駐ポジションを送っても返信の期待はできません。また、ログイン日が1年前の人に1時間かけて作った渾身のスカウトを送っても開封すらされないでしょう。

そこで、スカウト返信率に大きな影響を与える「ターゲット」と「タイミング」について詳しく解説します。

2.ターゲット

スカウトの返信率に最も影響を与えるのは、採用要件である「ターゲット」です。

2-1.ターゲットの定め方

ダイレクトリクルーティングでのターゲットは、下記3つの観点を踏まえて決めるべきです。

  • 自社が採用したい
  • スカウト媒体に十分な登録がある
  • 自社や自社の求人に対して興味を持ってくれる

自社が「採用したい」要件を作ったら、まずはスカウト媒体上にターゲットとなる候補者が十分にいるか確認しましょう。スカウトを100通送る必要があれば、検索結果には目安としてその3~4倍程度(300~400名)はヒットする必要があります。

検索ヒット数が十分でない場合は、採用要件と転職市場がフィットしていない可能性が高いです。要件を緩和するか、他のスカウト媒体への変更や追加導入を検討する必要があります。

次に、自社や自社の求人に対して興味を持ってくれるターゲットか判断するべく、200通以上のスカウト通数を送って検証しましょう。

期待した数の返信が来ない場合は、再度ターゲットの要件定義を行う必要があります

しかし、要件の緩和は簡単ではありませんよね。要件を拡げて採用できても、入社後の活躍が見込めなければ意味がありません。そのため、後述する「タイミング」から改善していくのが良いでしょう。

スカウト媒体上で候補者を検索することで、自分たちが探している候補者がどのくらい転職市場に存在するのかを調査することができます。さらに、自社の求人に対して興味を持ってもらい返信が来るかどうかでターゲットの理想が高すぎないかを確かめることができます。このように、ダイレクトリクルーティングは自社の採用力を確認する「健康診断」の役割もあると言えるでしょう。

2-2.返信率を高めるために見直すべき人材要件

全業種や職種に共通して変更検討しやすい人材要件は、年齢」「出身企業の規模や知名度」「転職回数だと思います

これらは「求める経験」等とは異なり、変更しても入社後の活躍可能性は下がりにくいですが、返信率には比較的大きく影響する点です。ぜひ、ターゲットの要件を見直す際に意識するべきポイントとして覚えていただければと思います。

①年齢

まずは、「年齢」についてです。

多くの企業が20代後半~30代前半の候補者を狙っています。スカウト媒体上のプロフィール情報が十分でなくても、その年齢層の候補者は1日に数十通ものスカウトメールを受け取ることも珍しくありません。

そのため、送ったスカウトメールが埋もれてしまう傾向にあります。

特に20代後半〜30代前半が最もスカウトメールを受け取りますが、それ以降は、20代前半、30代後半、40代、50代、60代….と1人当たりが受け取るスカウトメール数は少なくなっていきます。

どうしても「求める経験」を変更できない場合には、年齢の観点を一度見直すと良いでしょう。

②出身企業の規模や知名度

2点目は、「出身企業の規模や知名度」です。

一般的に企業規模が大きく知名度が高い企業に在籍している候補者ほど、スカウトメールを多く受け取っているケースが多く、返信率は下がる傾向にあります。

ダイレクトリクルーティングではピンポイントでスカウトすることから、企業名で検索する採用担当者も多いです。そのため、認知度の高い会社出身の人材は狙われやすくなります。

そのため、企業規模が小さめで知名度が低めな企業に勤めている候補者をターゲットに含めると、返信率を高めることができます。

③転職回数

最後に、「転職回数」です。

未だに転職回数が多い人は嫌煙されている傾向があります。特に直近在籍した1~2社の在籍年数が2年未満だと、一気にスカウト受信通数が減る傾向にあります。

また、複数社での就業経験をお持ちの方は、1社しか経験がない方よりも転職へのハードルが低いため、積極的にスカウトメールに対して返信して頂けることが多いです。

2-3.スカウト媒体上で返信を見込める候補者を見つけ出すコツ

また、スカウト媒体ごとの特徴を理解した上で、なかなか媒体上で見つけ出せない候補者を探し出してスカウトメールを送り、高い返信率を実現するテクニックもあります。

たとえば、候補者が記載するプロフィール情報の「希望勤務地」が必須入力になっていないスカウト媒体では、「希望勤務地」ではなく「現住所」で検索することで、より多くの候補者をヒットさせることができるかもしれません。

そのスカウト媒体で、他社の採用担当者は「希望勤務地」で検索しているため、スカウトをあまり受け取っていない狙い目のターゲットに自社だけがスカウトメールを送ることができるチャンスがあります。

他にも、プログラミング言語ではなく、ニッチなフレームワークやライブラリで検索するなど、「他の企業の人事が検索していないが、候補者のプロフィール情報に書いていそうなワード」を見つけ出すことで、他社がスカウトを送れていない候補者にスカウトを送ることができます。

エンジニアなど専門職の場合は、採用担当者には分からないことも多いと思いますので、現場メンバーに相談しながら進めるのが良いでしょう。

3.タイミング

スカウト配信における「タイミング」とは、単にスカウトを送る時期や時間帯や曜日だけでなく、候補者がどのような転職意向の時にスカウトを送るかという意味も含まれます。

ベストなタイミングでスカウトメールを送ることで返信率を高めることができます。

2-1.タグやアイコンで、転職意向の高いタイミングか判断できる

スカウトサービスに登録している候補者は、全員がすぐに転職を考えている訳ではありません。BIZREACHはCMで「キャリアの健康診断」と謳っていますが、「自分の市場価値を知るため」「情報収集のため」に登録している方も多いです。

そのため、今すぐに転職したい人や最近スカウトサービスに登録した人など、比較的アクティブな候補者を見つけ出し、スカウトメールを送る方が返信率は上がりやすい傾向にあります。

スカウト媒体には、候補者ごとの転職意向度を把握することができるサインがあります。たとえば、BIZREACHでは「HOT」「新着」「レジュメ更新」などのタグがあったり、dodaダイレクトでは転職意向度に応じて炎マークの大きさが変化するようになっていたりします。

レジュメ更新者は、比較的直近に転職を考えており、もっとスカウトメールが欲しいからレジュメを書き換えたと捉えることができます。つまり、これらのタグ・アイコンは転職意向度の高さを示していて、このようなタグ・アイコンがついた候補者を狙ってスカウトを送ることで返信率を高めることができます。

また、候補者が直近ログインしたかどうか把握できるスカウト媒体も数多く存在しています。1年以上前にログインして、その後一切ログインしていない候補者にスカウトを送付しても、返信率が高くなる訳がありません。できるだけ1日以内、長くとも1ヶ月以内にはログインしている候補者を狙うのが賢明です。

2-2.毎日ログインして、アクティブな候補者にスカウトを送るべし

できれば1日に1度、少なくとも3日に1度はスカウト媒体にログインして、アクティブな候補者を見つけましょう。毎日アクティブな候補者をピックアップし、迅速にスカウトするだけでも、返信率が2倍程度まで上がることも珍しくありません。

上述した転職意向度を示すサインも日々変動していきます。頻度を高めてスカウトを送り続ける運用が肝になります。

また、現場社員に配信する予定の候補者一覧リストを確認してもらってからスカウトを送る企業も多いですが、ピックアップから送信までに時間がかかると、実際にスカウトメールを送る頃には候補者が他社の選考に進んでしまい、興味を持って貰えないこともあります。

現場社員に即座にチェックしてもらえるよう、候補者一覧リストの作成からスカウト配信までの時間を縮める重要性を日頃から啓蒙しておきましょう。

24時間以内に確認してもらえなければ、否応なくスカウトメールを送ってしまうなど、ルール化しておくのもおすすめです。

4.返信「率」ではなく返信「数」に目を向けよう

ここまで、「返信率」についてお伝えしてきました。多くの人が返信率の向上がダイレクトリクルーティングで採用成功するために必要不可欠だと考えていると思います。しかし、改めてそれが正しいかどうかも考えてみましょう。

採用決定数を増やすためには、そもそも面接「数」が増えなければなりません。ダイレクトリクルーティングでは、まずは返信「数」を増やす必要があります。

「返信数=配信数×返信率」です。ゆえに、努力して返信率を10%に上げても、スカウト配信数が10通だけであれば返信数は1に過ぎません。

一方で、返信率が半分の5%であっても、100通送れば5名から返信がもらえることになります。1名の返信から採用決定に繋げるのは至難の業ですが、5名から返信が得られれば、より現実的に採用決定を見込めることも可能です。

現在の売り手市場の環境では、多くのスカウト媒体は、利用企業社数の獲得よりも、登録者の獲得の方が難しい状況です。ダイレクトリクルーティングを取り入れる企業が増える中で、平均返信率は下がる一方です。

ここまで返信率を上げるためには、ターゲットやタイミングが重要だと説明してきました。しかし、最終的には市場や他社の動きに影響を受けてしまい、コントロールが難しい部分でもあります。

その中で、配信数は自社でコントロールできる部分です。与えられたスカウト通数を、毎月使いきれているでしょうか?返信率を高くすることはもちろん重要ですが、返信「率」だけでなく返信「数」を増やすべく、配信数を伸ばす努力も忘れてはいけません。

5.最後に

スカウトを受け取った候補者は、返信する前に会社名で検索をかけ、採用サイトやnoteなどのブログ、X(旧:Twitter)やInstagramなどのSNSを確認してから選考に臨むケースが一般的です。

そのため、ダイレクトリクルーティングで効果を上げるためには、スカウト返信「率」を上げるテクニックだけを知るのではなく、返信「数」を増やすためのアプローチや、採用ブランディングなどより広い視野を持ち、1つ1つ改善する必要があることを忘れないでください。

また、スカウト返信率の基本原則は、「他社がやりづらいことをやれば返信率が上がり、他社がやりやすいことは返信率に影響しない」ということです。

他者には真似できないターゲットに変更してスカウトを送れば返信率は上がりやすいです。反対に、他社もすぐに真似できるスカウト文面の修正は返信率にそれほど影響しません。

他社がやっていることをやって効果を出せている企業は、その会社自体が特別であるだけです。膨大なデータを活用したり、AIを使ったりしても、この基本原則を超えることはありません。スカウト返信「率」だけではなく、広い観点が必要です。

そこで、次回は、「スカウト返信後」に着目し、ダイレクトリクルーティングで成果を上げる秘訣をお届けします。ぜひご覧ください。

執筆者の中島さんが手掛けるダイレクトリクルーティング支援サービス「PRO SCOUT」

  • SONYやラクスル、パーソルキャリアなど大手・メガベンチャーのスカウト実績豊富
  • ダイレクトリクルーティング専⽤の体制を構築し「⾼品質」×「低価格」なサービス提供
  • ABテストなど返信率向上のためのPDCAを回し、効率的な運⽤を⾏う

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