【大学生就職活動調査第1回】2025年卒の採用活動・就職活動の動向|リクルートマネジメントソリューションズ |HR NOTE

【大学生就職活動調査第1回】2025年卒の採用活動・就職活動の動向|リクルートマネジメントソリューションズ |HR NOTE

【大学生就職活動調査第1回】2025年卒の採用活動・就職活動の動向|リクルートマネジメントソリューションズ

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※本記事は、株式会社リクルートマネジメントソリューションズより寄稿いただいた内容を掲載しております。

リクルートマネジメントソリューションズ「2025年新卒採用 大学生就職活動調査」などから見えてきた2025年卒の採用活動・就職活動の動向、学生の価値観の変化を紹介するとともに、採用コミュニケーションの新たな問題を取り上げ、今後の方向性を提案します。

第1回は、2025年卒の採用活動・就職活動の動向について語ります。

執筆者飯塚 彩(いいづか あや)氏株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRアセスメントソリューション統括部 主任研究員

面接者・リクルーターを対象とする採用関連トレーニング(年間300件超実施)の開発・統括を10年以上担当。採用後の人材育成に関する企業向けコンサルティングも行う。

執筆者橋本 浩明(はしもと ひろあき)氏株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRアセスメントソリューション統括部 研究員

「2025年新卒採用 大学生就職活動調査」の実施・分析および面接者・リクルーターを対象とする採用関連トレーニングの開発を担当。

1. 2025年卒の求人総数と求人倍率はコロナ禍以前に戻った

最初に、民間企業への求人総数、就職希望者数、求人倍率の推移を紹介します。

民間企業に就職を希望する学生の数は、長年45万人程度を維持しています。そのため、企業の求人総数が求人倍率を左右する関係にあります。

企業の求人総数はコロナ禍で一時的に落ち込みましたが、2025年卒では2020年卒並みの水準に回復しました。学生一人あたりの求人数を示す求人倍率は1.75と、学生が引く手あまたの「売り手市場」となっています。

2. 学生の「大手企業志向」が顕著に

次に、従業員規模別の求人総数、就職希望者数、求人倍率の推移を見てみましょう。

このグラフで注目すべきは、従業員規模5,000人以上の企業への就職希望者数が、過去10年で最高となったことです。求人倍率は2024年卒から+24.3%の大幅増となっています。また、1,000名以上規模の企業も+7.6%となっています。

反対に、300~999人規模の企業では-26.0%と大きく下がりました。売り手市場化を背景に、学生の「大手企業志向」がこれまで以上に高まっています。

3. インターンシップ・仕事体験は新卒就職活動の一歩目として定着

インターンシップ・仕事体験の動向についてお伝えします。

2025年卒採用から、インターンシップを始めとするキャリア形成支援に関わる取り組みが、

①オープンカンパニー
②キャリア教育
③汎用的能力・専門活用型インターンシップ
④高度専門型インターンシップ

の4つに類型化され、5日以上行われる就業体験を主とする③④のみがインターンシップとなりました。

ただその一方で、5日未満の「仕事体験イベント」も、インターンシップと同時期に多く開催されています。そこで本調査では、インターンシップ・仕事体験をまとめて調査対象としています。

2025年卒でインターンシップ・仕事体験に参加した学生の割合は、2023卒・2024卒よりも増えて80.0%に及びました

参加理由は、「仕事内容」を知って体験したかった人が73.3%、「社員の人柄や職場の雰囲気」を知りたかった人が54.3%に達しています。

学生は、実際の勤務時間、具体的な仕事内容、社内の人間関係・職場の雰囲気といった働く自分をイメージできるような情報を求めているといえます。

また、インターンシップ参加にあたって選考が行われることもあるため「本選考の練習」と捉えた人や、「本選考への優遇措置」を意識した人も3割前後います。

学生が本選考に応募しなかった理由では、「仕事内容や社風が自分に合わないと感じた/合うかわからなかった」と「キャリアイメージが持てなかった」が上位に来ていました。

学生は、就職活動の一歩目としてインターンシップや仕事体験に参加するだけではなく、応募先企業を絞り込むため、企業が自分に合うかをシビアに判別しているのです。

4. 優秀人材確保のため、面接選考の早期化傾向が進んでいる

2025年卒の就職活動状況を紹介します。

面接が3月に集中し、内定・内々定出しが3~4月にピークを迎えるという流れは2024年卒と同じでした。ただ、2025年卒は、2024年卒よりも、11月~1月の早期の面接と内定・内々定出しが増えたことが特徴的でした。各企業とも優秀な人材確保に対する意欲が一層高まり、面接選考の早期化傾向がさらに進んでいると考えられます。

こうした企業の動きを受けて、学生側も、2024卒と比べて、4月・5月にエントリーシートなどの書類を提出したり、面接選考を受けたりした割合が減少しました。

ところが、5月に活動を継続している学生の就職活動量(社数)は全体的に増加しています。つまり、学生のなかには「3月までに就職活動を終える群」と「4月以降も活発に活動する群」の両方がいると考えられます。

5. 内定・内々定率は過去2年を上回るペースで推移した

2024年10月1日時点での学生の内定・内々定取得率と就職活動実施率を見てみましょう。

内定・内々定率は2023卒・2024卒を上回るペースで推移しました。公式に選考解禁となる6月1日時点では82.4%が内定・内々定を保有し、就職活動を継続している人は36.6%まで減少していました。

また興味深かったのは、2社以上から内定・内々定を得ている学生が増えたことです。

2024年10月1日時点で2社以上から内定・内々定を得ている大学生の割合は66.0%、5社以上から得ている人は11.3%と、いずれも過去3年で最も高い割合となりました。これも売り手市場化が進んでいる影響といえるでしょう。

2025年卒の採用活動・就職活動の動向は以上です。

第2回は、2025年卒学生の志向・価値観の特徴と影響について見ていきます。

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