こんにちは、PR Tableの楠です。
採用のオンライン化が進み、デジタルコンテンツで会社の魅力や社風を発信する重要性が高まる中、弊社サービス「talentbook」を活用した採用ブランディングに取り組む企業が増えています。
しかし、いきなり「最終的な採用決定数」や「内定承諾数」をKPIとして上から設定され、苦しい思いをしながら現場で採用ブランディングの施策をおこなっている担当者の方のお話もよくお聞きします。
そこで、今回は、採用ブランディングのKPI設定に悩む方に、採用ブランディングのフェーズに応じたKPI設定方法について、具体的に何を目標として追っていくべきかご紹介していきます。
【執筆者】楠 拓也 | 株式会社PR Table アカウントエグゼクティブ
目次
1. 多くの採用オウンドメディアが「採用決定数」をKPIとして置いていない
株式会社メルカリが運営する採用オウンドメディア「メルカン」をご存じでしょうか。
株式会社メルカリは、採用ブランディングの先進企業として知られており、「メルカン」も採用オウンドメディアとして、とても有名なメディアです。
その「メルカン」のKPIは、2019年までは「認知の向上」であり、「応募者の既読率100%」や「入社前後のネガティブギャップが0」を意識してきたそう。つまり、最初から「採用決定数」をKPIに置いていなかったことが分かります。(参考:『「読者は何を知りたいのか」を考え抜く。メルカリ採用ブランディングのメソッド』)
もちろん採用オウンドメディアや採用広報が成功することで、最終的な採用決定数の向上に繋がることは予想できます。しかし、採用決定数には、この他にも多くの変数が絡んできてしまいます。
採用ブランディング以外の要素が採用決定数に大きく影響してしまうことから、採用決定数をいきなりKPIとして追ってしまうと、正しく採用ブランディングの成果を図ることは難しくなってしまうのです。
2. KPIは採用ブランディングの「進捗フェーズ」によって変化させる
以上のことから、採用ブランディングにおけるKPIは「進捗フェーズ」によって変化させる必要があります。
ここからは、各フェーズにおけるオススメのKPIの設定方法について解説します。
2-1. 採用ブランディング“立ち上げ期”のオススメKPI
まず、採用ブランディングをスタートさせた際に設定すべきKPIについてです。ここでは、「コンスタントにコンテンツを出せる体制づくり」を目標にすべきであると考えています。
追っていくKPIとしては、「目標としていた月間のコンテンツ公開本数」を達成できているかとし、まずはコンテンツを作っていくことに焦点を当てるべきです。
採用ブランディングをスタートするタイミングでは、候補者の魅力づけを行うコンテンツが不足している状況です。まずは、汎用性の高いコンテンツをどんどん出していく計画を立てて、実際に継続的にコンテンツが公開される体制づくりを行うことがポイントです。
計画を立てる、と言っても最初からきっちりとした計画でなくても、大まかな計画の中で必要となるコンテンツを出していくのが良いでしょう。
2-2. 採用ブランディング“継続期”のオススメKPI
続いて、ある程度コンテンツが蓄積されてきて、採用ブランディングの施策がある程度軌道に乗ってきたタイミングのKPIについてです。
追っていくべきKPIとしては、メルカンと同じく「候補者の意向度向上」と「イメージギャップ0」の2つです。
①候補者の意向度向上
「応募者がコンテンツをちゃんと読んでいるか」をモニタリングするのがポイントです。
定量的な取り組みとしては、採用サイトのコンテンツのURLにパラメータを設置し、「応募者がきちんと読んでいるか」をGoogle Analyticsを活用しながらモニタリングするのが有用です。(talentbookでは、CMS上でコンテンツのPV数や滞在時間を分析する機能があるため、コンテンツがちゃんと応募者に読んでもらえているかをチェックできます。)
また、定量的な数値だけでなく、採用候補者からの「生の声」を収集することも重要です。
たとえば、内定者にアンケートで「コンテンツを読んで志望度が高まったか」を質問し、回答結果を集めることで、実際にコンテンツが内定のきっかけの一つになっているのかを知ることができます。
採用ブランディングは効果を感じられるまでどうしても時間がかかる取り組みです。
その中で、候補者一人ひとりにヒアリングし定性的な声を集めることは、日々コンテンツ作りに試行錯誤している担当者が効果を感じ、モチベーションを高める意味でも非常に有意義です。
②イメージギャップ0
採用ブランディングとは、入社前に会社の良い部分ばかりを見せて入社意欲を高めることではありません。仮に採用できたとしても、入社後「こんなはずじゃなかった」と気付き、早期離職に繋がってしまっては意味がありません。
入社して1~2ヶ月経過したタイミングに、アンケートで「入社後ギャップを感じた部分はありませんか?」と聞くなど、イメージギャップがないかヒアリングすることをオススメします。
また、そこで聞くことのできた悪いイメージギャップを埋めるためのコンテンツをしっかりと作っていくことが大切です。
あえて会社の課題として残る部分もコンテンツとして表現していくことで、「誠実で透明性の高い会社である」「課題に真摯に向き合っている」と候補者にはむしろポジティブに捉えてもらえる工夫をすべきです。
また、逆に「良いギャップ」が見つかった時は、それもコンテンツにする価値があります。それは、選考段階では伝わりきっていなかった魅力ですので、コンテンツ化し候補者に届けていくべき内容でしょう。
2-3. 採用ブランディング“成長期”のオススメKPI
そして、最後は採用ブランディングが施策として定着し、更なる成果を追い求めるタイミングでのKPIについてです。
このフェーズでは、「歩留まり改善」と「潜在層へのリーチ」という2軸で採用ブランディングの更なる効果アップに取り組むことをオススメします。ベクトルが異なるので分けて説明します。
①歩留まり改善
成長期まで来ると、採用における認知〜内定承諾までの候補者コミュニケーションの中で、上手くコンテンツを届ける工夫をしていることでしょう。
候補者ごとに適したコンテンツをメールなどで届けながら少しずつ企業理解を深めてもらい、志望度を高めていく取り組みは、マーケティングの仕事とも通じるものがあるかと思います。
候補者ジャーニーの各フェーズを細かく分け、選考遷移率をモニタリングすることにより、離脱の多いボトルネックとなっているフェーズが見つかります。
離脱を防ぎ、興味を持ってもらい続けるための効果的なコンテンツの届け方の工夫を続ける、また、そのために追加で必要となるコンテンツを作ることを採用ブランディングのKPIの1つとするのが良いでしょう。
②リーチ拡大
今までの話は、すでに自社に興味を持って応募してくれている、いわゆる顕在層へのアプローチでした。その上で成長期に新たに考えるべきKPIは、「どれだけ潜在層にアトラクトできたか」です。
自社のことをまだ知らない・興味がない人にいかにコンテンツを届け、興味喚起をするかを採用ブランディングの1つのミッションとして追っていくのも良いでしょう。
候補者のペルソナを考えて、ベストな媒体で広告を運用したり、外部のメディアに掲載されるような広報・PRの考え方で露出を増やす戦略を練ってみるのもオススメです。
talentbookは、30媒体以上のメディアと連携しており、潜在層にコンテンツをリーチさせることができます。
実際に自社の採用オウンドメディアで採用ブランディングに取り組まれている会社でも、talentbookを活用することで潜在層へのリーチができることをご評価いただき、ご導入いただいているケースも多数ございます。
3. 最後に
いかがだったでしょうか。採用ブランディングを成功させるためには、フェーズに応じた適切なKPI設定が必要となることが分かったかと思います。
ここまで採用ブランディングの適切なKPI設置についてお話ししてきましたが、talentbookでは採用ブランディングに必要な「社員一人ひとりのナラティブを伝えるコンテンツのストック&量産」と「コンテンツの潜在層も含めたリーチ」ができます。
また、どのコンテンツがどのチャネルからどのくらい読まれているのかを定量的にダッシュボード上で確認することができ、採用ブランディングのPDCAを回すことができます。
特に採用ブランディングを検討されている・社風や企業の魅力を工数少なくリーズナブルに継続して発信したいという企業様にとってはぴったりなサービスですので、興味のある方はぜひお問い合わせください。
talentbookは、累計1,000社以上にご導入いただいている、「働く人」から企業の魅力を伝える広報・PR支援サービスです。
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