制度では人は定着しない――“関係性の設計”が企業成長を支える理由|プレシャスパートナーズ矢野 |HR NOTE

制度では人は定着しない――“関係性の設計”が企業成長を支える理由|プレシャスパートナーズ矢野 |HR NOTE

制度では人は定着しない――“関係性の設計”が企業成長を支える理由|プレシャスパートナーズ矢野

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

※本記事は、株式会社プレシャスパートナーズ様より寄稿いただいた内容を掲載しております。

「この会社で長く働きたい」と思う理由は何でしょうか。

給与や福利厚生、キャリアアップ制度、柔軟な働き方など、多くの人が“制度”を挙げます。しかし、制度がどれだけ整っていても、それだけで人は定着しません。

実際の退職理由の多くは、「人間関係が合わない」「孤独を感じた」「相談できる人がいなかった」といった“関係の不全”です。つまり、人材が定着するかどうかを決めるのは制度そのものではなく、制度を通じて生まれる関係性なのです。

今回は、プレシャスパートナーズが実際に取り組んでいる「人が定着し、活躍し続けるための関係性設計」についてお伝えします。

執筆者矢野 雅株式会社プレシャスパートナーズ 取締役

1980年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、法律事務所での勤務を経て2008年に株式会社プレシャスパートナーズの立ち上げに参画。管理部門の立ち上げに携わり、その後人財紹介事業の立ち上げに携わる。これまで1,000名以上の転職・就職を支援し、現在はセミナーでの講演・新規事業の立ち上げを行っている。

入社から定着までに必要な設計とは

多くの企業では、採用プロセスを「面接→採用→研修」で終えてしまい、入社後の育成や関係構築は現場任せになりがちです。しかしそれでは、人材が「自分はこの会社でやっていける」という実感を得られません。

定着・活躍に必要なのは、入社前から入社後まで、一貫して人を支える関係性の設計です。プレシャスパートナーズで行っている定着までの設計は下記です。

<入社から定着までの設計>
入社前 ・内定者面談を実施し、不安や疑問を気軽に話せる場を提供
・入社前から接点を持つことで、会社への期待や安心感を醸成
入社時 ・中途・管理職採用でも入社時研修を実施
・スキルより“マインドセット”を重視し、理念や働く意義の理解を深める
入社〜半年 ・毎月の定例面談やメンター制度で孤独感を排除
・新卒は月1で学びの振り返りを実施し、成長の軌道に乗せる
半年以降 ・全社員が毎月1on1を実施し、キャリアと目標を擦り合わせる
・若手向けキャリア研修・管理職研修を通じて、レイヤーごとの視座を揃える

実務スキルは経験で伸びますが、長期的に活躍するためには「安心して挑戦できる環境」が欠かせません。そしてその安心は制度そのものではなく、制度を介して築かれる人間関係から生まれます。

「会社と人が好き」という気持ちが定着の源になる

理念共感は採用時の重要な出発点ですが、入社後はそれだけでは人は動きません。大切なのは、理念共感に加えて、貢献を正しく評価し、それを対価として返す仕組みです。

いくら成果を出していても、「よく頑張っているね」という言葉だけでは限界があります。評価が給与・昇格といった具体的な形で返ってこなければ、不安や不信感が生まれます。

プレシャスパートナーズでは、

  • 営業成績に応じたインセンティブ
  • 明確な昇進基準

を整備し、“会社が自分に期待している”ことを可視化しています。

この「期待されている実感」こそが、「会社が好き/働く仲間が好き」→「もっと貢献したい」→「定着につながる」という好循環を生み出します。

全社員が納得する評価制度とは

納得される評価制度の鍵は、以下の2つです。

① 定量評価(数字・成果)

売上、KPIなどの定量指標は不可欠です。数字がなければ会社は成り立たず、社員の生活も守れません。しかし数字だけだと、短期的成果偏重になり、組織貢献や姿勢が評価されにくくなります。

② 定性評価(情意・姿勢・カルチャーフィット)

  • 理念への共感
  • 組織への貢献
  • 周囲への支援や行動

こうした“数字に表れない価値”を評価することで、社員は自分の仕事を「自分ごと」として捉えられるようになります。定性評価は属人的になりやすいため、点数化・ルール化し、一貫性・透明性を保つことが重要です。

定量と定性の両面から評価しているため結果として、

  • 新卒1年でリーダー昇格
  • 中途2年で部長就任

といった早期キャリアアップも実現しています。

単なる制度の充実は「窓際社員」を生むリスクもある

制度を整えること自体が目的化すると、「評価されるからやる」「研修があるから参加する」という“受け身社員”を増やす危険があります。

制度は万能ではありません。むしろ、制度が整いすぎると、自発性が失われることすらあります。

だからこそ必要なのは、制度を通じて「自ら動きたくなる関係性」を育てることです。

評価や研修は目的ではなく、あくまで自発性を引き出すきっかけにすぎず、上司や仲間との対話、相互のフィードバックを通じて、自ら行動したくなる文化を育むことが欠かせません。

制度は“関係性を育む場”として機能させる

制度そのものより、制度を通じて“どうつながるか”が重要です。制度はあくまで「きっかけ」であり、その活用次第で効果は大きく変わります。

<社員との関係性を育む制度例>
1on1面談 評価や指示を伝える場ではなく、本音を共有し、信頼関係を深める時間
メンター制度 「困ったときに相談できる人がいる」という安心が、早期離職を防ぎ、成長を促進
研修 単なるスキル習得ではなく、理念・価値観を共有し続ける“文化づくりの場”

制度を通じて、「自分で動き、きちんと認められている」という実感を持てる環境をつくることが、定着と活躍の最大の源泉です。

まとめ

人が「この会社で働き続けたい」と感じるのは、制度が整っているからではなく、制度を通じて信頼が積み重なっていくからです。

採用から育成、評価まで一貫して“関係性の設計”を行うことこそが、辞めない・育つ・活躍する人材を生み出します。

制度=目的ではなく、制度=関係性をつくる“仕組み”と捉えること。それが、企業の未来を力強く支える土台となるのです。

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