転職活動せずに転職する優秀な人たちに出会うには?「お試し就職」のススメ|YOUTRUST 岩崎 由夏 |HR NOTE

転職活動せずに転職する優秀な人たちに出会うには?「お試し就職」のススメ|YOUTRUST 岩崎 由夏 |HR NOTE

転職活動せずに転職する優秀な人たちに出会うには?「お試し就職」のススメ|YOUTRUST 岩崎 由夏

  • 採用
  • 採用・その他

※本記事は、株式会社YOUTRUSTの岩崎さんより寄稿いただいた記事を掲載しております。

HR NOTEの読者のみなさん、こんにちは。株式会社YOUTRUSTの岩崎と申します。

皆さんの周りで、最近転職した“優秀な知人”はいらっしゃいますか。彼らはどうやって転職をしているのでしょうか。

私はDeNAで中途採用担当をやったのち、現在は「YOUTRUST」というキャリアSNSを作っていますが、仕事柄たくさんの「優秀だな」と感じる人たちの転職経路を見てきました。

そして、その転職手法をよく見ていると、過去とは違う転職の仕方をする人たちが増えているのを感じています。

ではどうすれば、「優秀な人材」に出会えるのでしょうか?今回は、そのための一つの手法として、「お試し就職」についてお話させていただきます。

\HR NOTEが提供する無料ウェビナーの視聴予約を絶賛受付中!/

転職活動せずに転職する優秀な人たち

優秀な人たちの転職活動をインタビューしていると「転職はしましたが、転職活動はしてません」と答える方が増えている。

「いやいや、転職活動なしに転職ってどういうこと?」となるのだが、よく聞くとこういうことらしい。

  • 知人に副業でもいいから手伝ってほしいと言われて副業を開始
  • 副業しているうちに面白くなる
  • フルタイムにならないかとオファーをもらう
  • 副業先に転職する

このように、はじめは信頼している友人に誘われて「自分が役に立つのであれば」と副業でのお手伝いを始めたところ、そこにじわじわとそちらに軸足が移動していったというわけだ。

たしかに優秀だといわれる人たちは転職市場にめったに出てこない。

想像してみてほしい、現職で成果を出している人たちは、現職でも面白い仕事にアサインされることが多く、また厚遇の場合も多い。

そもそも「こんな会社辞めてやる!」と思う瞬間も少ないのだ。

すると、もちろんエージェントに登録して履歴書や職務経歴書を各社に送る、なんてことも滅多にないのだ。

人事が「優秀な人がいない」とよくいうのにはこういう背景があるのだ。世の中には優秀な人はたくさんいるのに、市場には出てこないのである。

そしてこれを逆手にとって、優秀な転職潜在層を採用するために、意図的に「副業⇒正社員」の流れを生み出している、動きの早い企業が増えている。

これがいわゆる「お試し就職」だ。

「お試し就職」の導入は、意外と簡単である

「お試し就職」とは文字通り、試しに働いてみてから入社するか決めるというものだ。

多くは副業として、業務委託費を支払って、実際に仕事をしてもらうというものが多い。

採用企業からしても、知らない人を突然正社員で採用するのではなく、実際に一緒に働いてみてオファーするかを決められるため、スタートアップをはじめとした感度の高い企業からこのような動きが出てきている。

働き方改革の追い風はもちろん、昨今は在宅勤務により通勤時間や夜の飲み会がなくなったため、副業をしたいという人が増えている。そういうニーズとも合致する、現代の優秀層採用には最適な採用手法かもしれない。

お試し就職のメリットとデメリット

一方でお試し就職はメリットばかりではない。求職者、採用企業両者にとって以下のようなメリットとデメリットがある。

求職者にとっては、

  • 中の実態を見た上で意思決定できるので転職ミスのリスクが軽減できる
  • 副業中に勝手を知っているため、入社してから実際に成果を出すまでが早い

などミスのリスクが軽減できるというメリットがある。

一方で、

  • 並行で副業できるのは通常多くても2〜3社が限界なので全ての転職先候補の会社をお試しできるわけではない

というデメリットもある。採用企業にとっては、

  • 転職市場に出てこない優秀な人が採用できる
  • 面接だけでは見えない側面を見ることができるので、採用ミスの可能性が軽減できる

などが良い点なのだが、

  • 副業受け入れが必要になるので一気に何人も平行して選考しづらい
  • 副業から入社を断られたときに、他に候補者がおらず、ふりだしに戻ることが多い

などリスクももちろんある。

良いことだらけではないので、ポジションや採用要件によって、必要に応じた使い分けが良いと考えている。

具体的に言うと、本当に強い人や、めったに採用できない人を採用したい場合に使うことをオススメしたい。

お試し就職→正社員に成功した企業事例

ここからは実際に「お試し就職」を通じて、採用に成功した企業の事例をご紹介したい。

【事例】株式会社POLの営業責任者として入社・桐原有輝さん

桐原有輝さんは、4ヶ月の副業=「お試し就職」期間を経て、31歳の時に正社員として入社した。

新卒で野村証券、その後は人材紹介会社で着実なキャリアを歩んできた。最初スカウトメッセージが届いたときは、POLの社名もサービス名も知らなかったとのこと。

「未知の会社でしたが、POLだけが『副業からでもウェルカム』というメッセージをYOUTRUST経由でくれました。正社員が条件の会社は、面談もお断りしていましたね。次のキャリアを築く上で、会社選びは絶対に間違えたくなかったんです。リスクを排除するために、副業で複数の会社を見たいのは、当然の流れでした」

と語る。

桐原さんにとって、副業は文字通り「お試し就職」の場だったのだ。

最大4社同時に副業していた桐原さんを、POLはどのようにして仲間にすることに成功したのか?

同社、執行役員の渡辺さんは、お試し就職経由での正社員採用成功のポイントをこう語る。

「まず、情報開示を正社員と同じレベルでおこなうこと。たとえば弊社では、Slackのチャンネルも原則全て公開しています。事業計画などの重要な内容も含まれます。特にリモートワークが増える今、情報不足による働きづらさは、出来る限り排除すべきだと思います。もう1つは、定期的なフィードバックをおこなうこと。報酬や業務内容、正社員意向を振り返るために、1ヶ月ごとに時間を設けています。副業の方の成果や成長は、基本的に受け入れ側にあると思っているので欠かせません」

桐原さんは、社員と同等の権限・責任で働く環境を得られたため、会社・人のリスク排除ができ、さらに事業への当事者意識が高まったことで、自然と正社員入社を決断したと話す。

お試し就職は、期限を切らないと失敗する

では、「お試し就職をやれば優秀な人を採用し放題なのか」というとそこには明確に気をつけることがある。期限を切ることだ。

考えて見てほしい、だらだら副業として居心地良い環境を作ってしまうと、フルタイムになる必要がなくなってしまうのだ。

お試し就職中は副業として収入を得ている場合が多いため、副業先にフルタイムになることで、逆に副業がなくなってしまい、短期的には収入も減ってしまう。

気持ちよく働いて、副業収入も入るのにで、それを手放したくなくなるコンフォートゾーンに入ってしまうのが最悪だ。

なので、副業を開始する際にお互いに「1〜2ヶ月で意思決定しましょう」と必ず期限を切って決めるということがコツである。

お試し就職は選考という側面も強いので、選考フローとして候補者の流動性を担保する必要があるのだ。

フルタイムに口説くのは難しくない

「その1〜2ヶ月でじゃあどうやって口説くんですか?」という質問をいただくことが多い。

答えはシンプルで、自分がこれされたら転職するな、ということを相手にカスタマイズして提供するのだ。正直、お試し就職かどうかは関係なく、口説くのに通ずることかも知れない。

  • 何があったら転職したいのかを知る
  • 一番オファーをもらって嬉しい人から、まっすぐになぜ一緒に働きたいのかを伝える

基本はこれである。非常にシンプルかもしれないが、その人が仕事に何を求めているのか、何があったら転職に踏み切れるのかを知ったうえで、最もその人が嬉しいと感じる人から理由も合わせて心の底からオファーする。

正面から「今、あなたが必要だ」と言われたら、あなたも真剣に考えてしまうのではないだろうか。それをやるしかないのだ。

--------------------

\7月26日(金)開催!豪華ゲスト登壇!/
今こそ知っておきたい「人事データ活用」の具体的なノウハウをご紹介!

組織改善に必要な人事データを収集・活用して組織変革を促す「HRDX(人事DX)」。しかし、多くの企業が「具体的にどうやって人事データを活用していけば良いかわからない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか?

今回のHRDX CAMPでは、人事データ活用に関する有識者3名をお招きし、人事データ活用の具体的な方法や実践事例を解説します。無料で視聴できますので、この機会にぜひご参加ください。

【こんな方におすすめ!】

  • 人事データ活用が重要だとは思っているが、具体的な進め方のイメージができない
  • 既に人事システムを導入はしているが、使いこなせていないように感じている
  • 「戦略人事」や「ピープルアナリティクス」といった内容に興味がある

人事業務に役立つ最新情報をお届け!メールマガジン登録(無料)

HR NOTEメールマガジンでは、人事/HRの担当者として知っておきたい各社の取組事例やリリース情報、最新Newsから今すぐ使える実践ノウハウまで毎日配信しています。

メルマガのイメージ

関連記事

【TalentX主催】採用マーケティングの先駆者たちが集結した交流会 イベントレポート〜人材獲得競争時代における採用の在り方とは?~

【TalentX主催】採用マーケティングの先駆者たちが集結した交流会 イベントレポート〜人材獲得競争時代における採用の在り方とは?~

先日、株式会社TalentX主催のMyTalentユーザー交流会が、利用企業の一社であるウイングアーク1st株式会社のオフィス(エンジニアのためのイノベーションラボ「D.E.BASE」)にて開催されました。 株式会社Ta […]

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画
2024.07.25
松野天音
【外資就活ドットコム】難関大中心のアンケートからみる25卒 超優秀学生の新卒採用トレンド

【外資就活ドットコム】難関大中心のアンケートからみる25卒 超優秀学生の新卒採用トレンド

25卒採用において、厚生労働省が推奨する採用選考の開始日は2024年6月1日でした。 しかし、新卒採用の実態をみてみると、特に「優秀層」と呼ばれる難関大(旧帝大+早慶+東工一)を中心とした新卒学生の採用スケジュールやトレ […]

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画
2024.07.11
松野天音
【AI×HR】AI は人手不足・生産性低下を解消し、企業成長のカギとなるのか?|Thinkingsイベントレポート

【AI×HR】AI は人手不足・生産性低下を解消し、企業成長のカギとなるのか?|Thinkingsイベントレポート

AIは、人手不足・生産性低下を起因とした問題解決や、今後の企業成長のカギとなるのか? 今回は、「採用管理システム sonar ATS」を運営するThinkings株式会社が主催するAI×HRをテーマにしたイベントをご紹介 […]

  • 採用
  • 採用・その他
2024.07.04
根本 慎吾
エンジニア自身がアウトプットするカルチャーをどう作ったのか?〜ゆめみCCO福ちゃんインタビュー〜

エンジニア自身がアウトプットするカルチャーをどう作ったのか?〜ゆめみCCO福ちゃんインタビュー〜

採用広報ではオウンドメディアやSNSでのアウトプットが必要不可欠。しかし、その業務量の多さや、何を発信すれば良いのかといったネタも人事や採用広報の頭を悩ませます。 特にエンジニア採用では、そもそもの獲得競争の激しさと独特 […]

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画
2024.06.26
松野天音
【4500人の面接で気づいた 】中小・ベンチャー企業にありがちな採用の3つの落とし穴

【4500人の面接で気づいた 】中小・ベンチャー企業にありがちな採用の3つの落とし穴

「採用がうまくいかない」そんな課題を持つ中小・ベンチャー企業は多くあります。 応募が来ない、良い人が採用まで至らない、人材が定着しない・・・。その多くは、「採用の仕方」に落とし穴があります。 ベンチャー企業では10年で約 […]

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画
2024.06.24
松野天音

人事注目のタグ