インターンを戦力化!学生をデータサイエンティストに育てるうえでの4つのポイント

みなさんこんにちは。かっこ株式会社の成田武雄と申します。

かっこは、詐欺やなりすましなどの不正注文検知サービスを、国内シェアNo.1 の20,000を超えるECサイトに提供している企業です。

膨大な取引を審査する事業で培ってきた技術を応用して、近年では、流通業、サービス業、製造業のお客様に、売上や利益の拡大、生産性の向上に貢献するデータサイエンスのサービスを提供する取組を拡大してきました。

私は、サービスの立ち上げ期から、この部門の責任者として携わっています。

かっこにおける学生インターン活用の実態

データサイエンスは、人間の高度な判断を数値の裏付けで強力に支援したり、経験や勘を超える効率化について、徹底追求することを得意とする技術の総称で、この数年、非常に注目を集めている分野です。

しかし、使われる技術が、統計学や数学、機械学習など、多岐にわたることもあり、ニーズが大きくなる一方で、技術者であるデータサイエンティストの採用は非常に難しいものになっています。

かっこは、社員数が23名という少数精鋭の所帯です。

そんな弊社では、データサイエンティスト不足を補う解として、学生インターンの採用、育成に踏み切り、現在は16名の学生を戦力化。

さらに、学生インターンから社員登用の路を創ることで、組織を強くすることに成功しました。

今回は、なぜ、そのような判断になったのか、また、どうやってそれを実現させたのかについてお話ししようと思います。

データサイエンティストの中途採用が難しい理由

弊社でも、当初は中途でデータサイエンティストを採用するべく、積極的に動いていた時期がありました。

しかし、私たちのような小さな所帯で採用を間違ってしまうと、労力的にも、経済的にも非常にしんどいことになります。

私が考える中途データサイエンティストの採用が難しい理由は、以下の4点です。

1 統計、数学、AI、ビジネスを網羅できる人材は居ない

実際には、統計学、数学、AIは、それぞれ専門的な分野なので、「データサイエンティスト」をひとり雇ったら、あらゆる技術が網羅できるなんてことにはなりません。

経営者としては、ついつい「即戦力」を期待してしまいますが、統計学も、数学も、AIのことも、顧客のビジネスさえも理解できるような、ものの本に書いてあるようなスーパーマンは、まず、応募してきません。

2 ビジネスインパクト(成果)を説明できる人材の不足

どんな手法や技術を使って、どれだけの経済的価値を生み出したのか、意外とこれを説明できる人は、少なかったりします。

技術を使える、知識があるという応募者は、たくさん来るのですが、自らの成果を金額でプレゼンできる人は少ない。

戦力としてイメージが沸かない面接が、繰り広げられがちです。

3 採用コストの高騰

能力は不明でも、データサイエンスの求人市場の採用コストは、明確に高いです。おいそれと判断を間違えられません。

4 自社の文化で戦力化できるか未知数 

現職が大企業だと、本当に限られた部分のデータを加工・分析していたみたいな方も、たくさん応募してきます。

与えられた環境、裁量、権限が異なる応募者の実績を面接で聞いて、自社で活躍してもらえるイメージを想像するのは大変です。

たくさんの方にお会いして、ついつい中途採用の方に経営者視点で求めてしまう「即戦力」という言葉が、現実、データサイエンティストに関しては、あてになりそうにないことを痛感しました。

とはいえ、ポテンシャルだけで「えいや」と、中途を採用するには、採用コストが重すぎる。

その点、データサイエンス部門における学生のインターンの活用は、冒険が出来るのです。

学生インターンの活用メリット

次に、なによりインターン活用のメリットだと思っている点を4点挙げます。

1 ナチュラルボーンデータサイエンス環境で学んでいる

いまの大学や大学院の授業、研究は、大量データをコンピューターで処理する前提でおこなわれています。

社会に出てから、IT技術を習得した中途の応募者より、データサイエンスを実践するうえでの基礎を整えやすいのが彼らです。

2 一緒にビジネスを創って一緒に成長できる存在

彼らは、学習や、研究で得た知識の実践の場所を探しています。成功体験が無い分、新しいことへの物怖じもありません。

最新の海外論文をサーベイすることも苦にしませんし、何より新規事業や、新しい価値を追求する仲間としては最高です。

3 人件費が安い

自分の自由時間に、扶養家族から外れない範囲で、経験を積みたい学生がほとんどです。つまり、最初から年間の人件費に上限があります。

4 企業文化、社風との不一致リスクなく正社員登用

もし、一緒に働いていて仲間として迎えたければ、いちばん声をかけやすい距離にいます。

苦しい時も楽しい時も一緒に過ごした彼らが、入社したいと言ってくれた時、文化や社風とのアンマッチを心配する必要はありません。

現在、かっこでは、月に20名前後のインターン応募があり、そのうち8名前後と私が面接をして、毎月、2名程度が試用期間の教育プログラムに採用されています。

面接から教育期間、一緒に働く環境も、現在はフルリモート体制です。

その結果、物理的な距離を気にすることなく、全国から応募を戴けるようになり、また、授業の隙間の時間を活用して、インターン活動に参加していただけるようにもなりました。

学生をデータサイエンティストに育てるうえでの4つのポイント

なぜ、彼らは、弊社の門を叩いてくれるのでしょうか?

最後に、かっこが、インターンシッププログラムにおいてこだわっていることを共有したいと思います。

教育を充実させ、能力を「可視化」して評価すること

将来、データサイエンティストになることを夢見ている学生の皆さんは、就活を前にして、自分の実力に自信を持ちたいのです。

きちんと教育して、身についた知識や経験は評価して、可視化してあげることを大切にしています。

かっこでは、70項目あまりの自己評価シートと、面談で、3か月に一度、フィードバックするようにしています。

ビジネス課題を理解してもらい、大胆に任せること

経験は無くても、好奇心は旺盛なので、お客様のどんな経営課題を解決したいのか、徹底的に理解してもらい、方針の立案から成果物の作成、サービス開発に至るまで関与してもらいます。

弊社のサービス提供先は、年商で50億円から1500億円規模の顧客が多いのですが、事業が異なればデータにも方言があります。

データの内容や、使われている言葉まで、お客様と同じ程度に理解できていないと、単に、計算結果だけ出しても有意義にそれを説明したり、活用の提案をすることまではできません。

人手がかかる部分を手伝ってもらうだけでなく、大胆に任せることで、やり甲斐を感じてもらえるように意識しています。

立場の違いを意識せず、仲間として接すること

ある技術に限定すれば、社員のだれよりも抜きんでて得意な学生が、普通に集まってきます。立場がどうであれ、同じ技術者として接し、実力に対してリスペクトされる環境を作っています。

良くも悪くも学生扱いされない環境は、プロフェッショナルな意識をポジティヴに生み出していると思っています。

お客様との会議に同席させ、プレゼンの機会を与えること

会議の相手が、顧客企業の経営層になることも多いのが、データサイエンス分野の醍醐味です。

自分の出した計算結果が、経営判断に使われる様を目の当たりにすると、みんな目の色が変わります。単なる計算結果が生き物のように感じられる瞬間です。

さいごに

かっこでは、インターンシップを通じて、「ビジネスに貢献した!」と実感してもらえるような機会をこれからも、どんどん作っていきたいと思っています。

インターンシップで学生を受け入れ、よい関係を築きながら成果をあげるためには、企業側にも覚悟と、大変な労力が必要です。

しかし、人材がいないのなら育てればいい。むしろ、最新の技術をキャッチアップしながら学生と一緒に成長したいと考えるなら、その苦労は、安いくらいだと思っています。

学生にとって、最初にビジネスをする社会人が自分たちであるという事は、彼らの人生におけるひとつの物差しが、私たちになるという事でもあります。

そういった責任感と、事業への挑戦心を大切にしつつ、今後もこの取り組みの充実をはかっていきたいと考えています。

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