近年、採用活動をおこなう中で「採用管理システム(ATS)」を利用する企業が増えています。
採用管理システムは、
- 採用業務の効率化
- 候補者とのスピーディーなコミュニケーション
- 最適な選考フローの構築
- 候補者データの一元管理
- 社内でのスムーズな情報共有
など、さまざまな効果を見込むことができます。
そのため、「採用管理システムをもっと効果的に活用したい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回のHR-Studyでは、「採用管理システムのハック術」をテーマに、採用管理システムを活用する2社の人事の方々とディスカッション。
導入~運用に至るまでの背景やシステムの選定理由、実際のシステム活用方法、成功事例や失敗事例、今後に向けた取り組みなど、各企業が持つお役立ち情報や実践ノウハウについて学ぶ機会を設けさせていただきました。
登壇者紹介
小花 香織|Retty株式会社 採用担当
渡邉 慎平|ナイル株式会社 人事本部 採用グループマネージャー
本日のモデレーター
西村 創一朗|株式会社HARES CEO/複業研究科/HRマーケター
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
LT1|Retty小花さんによる、HRMOS活用術
みなさん本日はよろしくお願いします。今回は最初にゲストの方から、採用管理システムハック術をテーマにライトニングトークをしていただきます。
それではまずは、Rettyの小花さん、よろしくお願いします。
現在、Rettyで中途採用を担当している小花と申します。
2012年に人材業界のエン・ジャパンに新卒入社をして、営業や新規事業の企画を経験しました。2017年の12月にRettyに採用担当として中途入社し、新卒の研修やエンジニア採用担当として従事しました。
昨年、新卒採用の専任が入社したので、直近1年ほどは中途採用メインで担当をしています。
本日はHRMOSについてお話をできればと考えています。よろしくお願いいたします。
2020年10月にマザーズ上場!Rettyとはどのような会社か
Retty株式会社は、実名制口コミグルメサービスです。自分のおすすめ店舗を紹介したり、好みが近い人のおすすめグルメ情報を探すことのできる、SNS要素の強いグルメ情報サービスです。
大変ありがたいことに、2019年にユーザーは月間4,800万人となり、サービス成長は右肩上がりとなっています。最近は、Go to eatに事業者として参加したり、2020年10月30日には東証マザーズに上場をしました。
Rettyの採用チーム体制&採用計画について
それでは、本日の本題に入っていきたいと思います。
まず、弊社の採用体制ですが、社長室採用チームのマネジメントが1名、新卒総合職とエンジニア採用担当が1名、中途採用担当が1名と採用アシスタント1名、合計4名で対応しています。
現在、Rettyの社員は150名ほどで、その中で採用チームは4名で活動しています。
基本的に現場の社員にも協力を仰ぎながら採用を進めている点が特徴です。
協力方法としては、各社員のクオーターごとの目標に、採用に関する項目を明確に組み込んでいます。その目標に対して、どのくらいコミットしてくれたのかきちんと評価をおこなうよう体制を整えています。
弊社としては、採用目標人数がとてつもなく多いとは考えていませんが、アルバイトや派遣社員の採用人数も含めて、採用目標を追っております。
そのため、雇用形態問わず、すべての候補者情報はHRMOSに入力し、「今誰が、どの人と面接をしているのか」という情報が分かるよう一元管理しています。
アルバイトやパート社員のデータに関して、ATSに入れていない企業様もいると思います。
しかし、弊社では同じ候補者からの重複応募や、とあるエージェントから応募いただいた選考中の方が別経由からご応募いただくケース等もあったため、現在は全ての情報をHRMOSに登録することを必須としました。
Retty流のHRMOS活用方法
弊社では、Wantedlyや求人媒体、エージェントなどさまざまな経路から応募獲得をしています。その内容を全てHRMOSに入れて、日程調整についてもHRMOS上で対応しています。
Wantedlyなどの媒体上で候補者とメッセージやり取りする場合もありますが、基本的にはGmailは使用せず、HRMOS上のメールを使って履歴を追えるようにしています。
面接後は、HRMOS上で面接官から評価を入力いただき、そのデータを見ながら次回以降どのように動いていくか人事担当で話し合いをします。
分析の際は、HRMOSのレポート機能を用いて、採用に協力いただいた社員にフィードバックをするというのが一連の流れとなっています。
RettyがATSを最大限に活用している理由
採用系のツールは毎年増加していますよね。次から次へ、新しい採用ツールが出てくるので、毎朝全ての採用ツールにログインするのも一苦労です。
「この候補者は、何経由の応募者だっけ?」と情報が追えなくなってしまうのを防ぐため、ATSで一元管理をする必要があると考えています。
情報の一元管理はもちろんですが、弊社としては「重複するご応募を防ぎたい」という点も、ATS活用の大切な要素となっています。
候補者が複数のポジションにご応募されたり、1度不採用になった方から数年後にご応募いただいたりしますので、HRMOS上で重複応募の有無を確認しています。
HRMOSの場合は、名前が一致していれば「以前応募があった方かもしれません」とポップアップが出るので便利だと思っています。
このように、複数の採用ツールのデータを一元管理し、重複応募チェックを自動化するなど、ATS活用には多数のメリットがあると思います。
しっかりHRMOSを見ていれば、対応漏れは限りなくゼロになりますので、私は毎朝出社後にHRMOSを開くところから業務がスタートします。
ATSの権限付与について気を付けていること
弊社では、社員一丸となって未来のRettyの仲間を見つけるというスタンスで採用活動をしているので、協力いただく社員には可能な限り、採用に必要な情報共有をしたいと考えています。
ですが、ご応募頂いた方の情報を全て開示することは難しいと思っております。
リファラル採用であったとしても紹介者に対して全てを伝えるのではなく情報開示ルールを設けて運用する必要があると考えています。
HRMOSの場合、採用ポジションや選考フェーズごとに情報閲覧の権限付与設定が可能です。
候補者の年収や懸念点、他社情報などピンポイントの情報を社員には公開せず、役員のみに公開するなど細かな設定ができます。
採用チームとしては、権限付与を細かく管理することで、協力してくれる社員がスムーズに動けるように運用しています。
社員の協力体制を仰ぐためには、現状数字の共有が必要不可欠です。
HRMOSを使えば、特定の期間の応募数をすぐ閲覧できますし、週ごと・月間の数字だけでなく昨対比についても閲覧可能です。
HRMOSが無ければ、各部門に採用チームから何度も情報提供しなくてはなりません。
権限付与の管理さえしっかりおこなえば採用チームの手離れが良くなりますし、部門ごとに能動的に動くことで採用を自分事として捉えられる利点もあると考えています。
小花さんが考える「夢見るHRMOS」とは?
今後、私がHRMOSでチャレンジしたいと考えていることを「夢見るHRMOS」と題してご紹介します。
今後は「今すぐ採用はできないけど、数か月後にお声掛けしたいな」という人材にHRMOS内でラベル付けをして、管理をしたいと考えています。
たとえば、新卒の就職活動期に辞退されてしまった学生や、人柄は合うけどスキルセットが合わず残念ながらお見送りになってしまった人など、過去の母集団をしっかり残しておくことで今後の採用に活かしたいと思っています。
弊社では一昨年まで、中途採用と新卒採用でHRMOSのアカウントを分けて運用していました。
中途と新卒の採用を分けることで、権限付与の設定は楽だったのですが、中長期的に母集団を形成していくという視点では同じシステム内でデータを統括した方が利便性が上がります。
すべての情報をHRMOSに入れ、過去の母集団をまとめて追っていく方ために、昨年から運用方法を変えた経緯があります。
ちなみに、過去の候補者に再アプローチをおこなう際に、適切なタイミングや時期等がHRMOS上でアラートされればいいなと思っています。
そのため、声掛けするタイミングは自分で考えて、Googleカレンダーに入れて管理をしているのが現状です。
情報開示のコントロールと社員巻き込みの重要性
ここまでお話してきたとおり、社内の協力を仰ぐためには一定の情報開示が必要不可欠となります。ただし、何でもかんでも人事採用データを社員に公開すれば良いわけではありません。
「応募者の情報は、会社の資産である」という点を念頭に置き、会社を守るための情報開示と制限のバランスを保つことが需要だと思います。
また、現在も応募者情報をスプレッドシートやExcelで管理している人事の方もいると思います。これらのシート管理のデメリットとしては、「シートは自分にしか分からない構築になりやすい」という点です。
万が一、応募者情報を管理している担当者が急に休んだら、もし連絡取れなくなったら、急ぎで引き継ぐことになったら…?
さまざまなケースに対応するために、誰でも理解できる状態で、採用活動のデータを一元管理することは重要でしょう。
これは個人的な意見ですが、採用担当の方って記憶力が良い人が多いですよね。「この人は前に応募があった人だ!」とすぐに思い出せるのは、1つのスキルだと思います。
ですが、それが属人的になりすぎると良くないですし、個人がとれる責任には限界があります。
採用担当自身の力を過信しすぎず、しっかりとシステムに投資して、会社を守るというスタンスが大切だと思います。
LT2|ナイル渡邉さんによる、HERP活用術
では、続いてナイルの渡邉さんにライトニングトークをお願いしたいと思います。
初めまして、渡邉と申します。ナイル株式会社に新卒入社し、Webコンサルタントの経験を経て人事部に異動して現在に至っています。
ナイル株式会社は、「デジタルマーケティングで社会をよくする事業家集団」というビジョンを掲げ、デジタル支援事業、メディア事業、モビリティ事業という3つの領域で事業展開しています。
本日はこのライトニングトークを通じて、ATS導入や切り替えで悩んでいる人事の皆さんに対してリアルな情報を提供することで、自社にマッチしたATSを選ぶ後押しをできればと考えています。
ナイルの採用チーム体制&採用計画について
弊社では、カルチャーマッチとスキルマッチの双方をみるジョブ型採用を取り入れています。
「事業家集団」という組織カルチャーとのマッチと、採用ポジションで求められるスキルマッチを掛け合わせて採用での見極めをおこなっています。
採用手法に関しては、複数回の面接に加えて、独自のワークサンプルテストやリファレンスチェックなどを取り入れています。
2018年末までは採用担当2名体制でしたが、2019年4月に資金調達して、事業拡大にともなって採用枠を増やすタイミングで採用人事を増員し、現在6名のチームとなりました。
また、以前は日程調整まわりなどについてRPOを利用していましたが、2019年度から完全にインハウスでの採用体制に切り替えました。
ATSの導入背景とHERP Hireの決め手
弊社は2019年6月にHERP Hireを導入したのですが、ATSを導入するまではスプレッドシートで候補者情報や採用データを管理していました。
ATSを導入した背景としては、資金調達に伴って募集職種が70職種を超えたタイミングで、各求人の歩留まりをスプレッドシート管理では追いきれなくなったためです。
その他にも、
- 選考数が増加し、オペレーションそのものを変えないと対応しきれなくなった
- 候補者データをしっかりストックできる状態を作らなくてはならなかった
といったことも導入背景としてありました。
ただ、ATS導入は非常に腰の重いテーマでした。というのも、当時スプレッドシートや選考フローをかなり細かくカスタマイズしていたため、これらのデータや仕組みをATSに切り替える際のコストが非常に高かったのです。
当時の採用オペレーションフローは以下の図を参照いただきたいのですが、HERP Hireの担当者にも「これを再現するのはなかなか難しいですね」と言われていました。
図:当時の採用オペレーションフロー
ATS導入コストが大きかったとはいえ、このタイミングでオペレーションを変えておかないと、今後拡大し続ける採用に対応しきれないと思い、導入を決断しました。
これらの状況から、私はATS導入目的を次の2つに定めました。
- 情報共有基盤の構築
- 採用管理業務の効率化
そして、HERP Hire含めて3社ほど話を伺い、それぞれにどのような機能があるのか、比較表を作りながら検討を進めました。
システム選定で絶対に妥協したくなかったのは、先ほど導入目的の2つとして挙げた「情報共有基盤の構築」と「採用管理業務の効率化」をきちんと達成できるかどうかです。
また、「目先の機能が充実しているから」と言って飛びつくと、自社の採用スタンスにマッチせずに失敗する可能性があると考えていました。
どのATSも基本的な機能はそこまで大きな差分はなかったり、長い目でみて開発が進めば機能はコモディティ化していくと考えていたため、今プロダクトに備わっている機能の充実さはそこまで気にしませんでした。
むしろ、各ベンダーの経営方針や中長期的なプロダクト開発のスタンス、採用領域をどのように変えていきたいのかという世界観を念入りに聞くことで、プロダクトが目指す採用の在り方と、ナイルが目指す採用の在り方、双方のズレがないかどうかを大事にしていました。
もう1つ、重要視していたのは営業担当やCSの方との相性です。
自分自身、Webコンサルタントとして無形商材の営業を経験してきたので、一方的にツールの機能説明してくる営業よりも、弊社の課題を理解してしっかり提案してくれる方の方が信頼できるなと感じたからです。
「本当に自分たちが掲げている目標・目的が達成できるか?」という視点で、提案を聞くように心掛けていましたね。
HERP Hireを導入した決め手
先にお伝えした通り、HERP社の経営・プロダクトが目指す「スクラム採用」という世界観が、弊社の採用方針とマッチしていたことが1番の決め手です。
また、事前にHERPユーザーコミュニティに参加させていただく機会があったのですが、ユーザーである他社人事の採用リテラシーが高そうだったのも良かった点です。
人事の方の採用リテラシーが高ければ、HERP Hireに寄せられる機能面のフィードバックもレベルが高くなり、実用的なプロダクト改善につながると考えました。
最後に、営業担当が自社プロダクトを売り込もうとせずに、常に自分の立場にたってフィードバックし続けてくれたことも良かったです。
複数のサービスを比較していると、途中どうしても迷ってしまいますが、その都度「ナイルさんのATS導入目的は〇〇ですよね」と導入目的に立ち戻らせてくれました。
ATS導入時の懸念点や活用方法
HERP Hireを導入する際の懸念点としては、以下のものがありました。
- 複雑な採用オペレーションを変更できるか
- データを正しく移管できるか
- HERP Hireの機能が他サービスよりも不足していないか
- ナイルの組織規模や採用人数にHERP Hireが合うのか
採用オペレーションの懸念に関しては、契約前にトライアル導入をさせていただけたので、実際の運用イメージが湧きました。
データ移管に関してもしっかりフォローいただけましたし、「こういう機能があると嬉しい」と伝えたものは導入後半年くらいで大体実装されたように、開発スピードがとにかく早い点も良かったですね。
採用規模に関しては、今後100人を超えて200人、300人と目指していくフェーズにHERP Hireと相性はどうか?と気にしていましたが、実際使い始めたら問題ありませんでした。
導入後は、基本的には候補者データをすべてHERP Hireに入れて利用しています。
年収条件や候補者個人のセンシティブな情報に関しては、閲覧権限を設けつつ、基本的な候補者情報の共有はHERP Hire経由でおこなっています。
ただ、選考途中の候補者に対する所感についてのやりとりは、スピード感を重視するためslackやスプレッドシートも併用しています。
その他、選考連絡やエージェントとのやり取りも全部HERP Hireで実施するようにしました。
成果状況の共有に関しては、HERP Hireから出したデータを加工・編集して、部署との定例会議で振り返りに使っています。
ATS導入で得られた4つの成果
ATSを導入することで、次の図のように4つの成果を得ることができました。
まず、当初目的としていた「情報基盤づくり」と「効率化」という2つの目標を達成することができました。
応募数や内定承諾率、選考リードタイムなども改善し、特に自社採用が増えました。
その他の成果としては、HERP Hire導入によって、候補者の集客から求人ページでのコンバージョン(応募)までの細かな数値を接続し、データドリブンな採用が加速した点もあげられます。
具体的には、オウンドメディアに来たユーザーがどのくらい採用サイトに飛んで、HERP Hireの求人ページまでどのように動いていくのか、ユーザー遷移を計測しながら採用を動かすことができるようになりました。
HERP Hireにして良かった点をまとめると、次の4点です。
- 人事工数の大幅削減
- 開発方針が明確でスピード感がある
- UIがシンプルでわかりやすい
- CS対応とユーザーコミュニティの質が良い
弊社は求人媒体などを15種類ほど使用していますが、これらの媒体自動連係&応募者情報の取り込みがスムーズになった点は嬉しいポイントです。
そのほかにも、エージェントへの自動周知機能で推薦が増えたことや、現場メンバーへの候補者情報の共有がスムーズになったことも良かったところです。
最初に期待していた開発方針や開発スピードについても申し分なく、UIもシンプルで使いやすいと感じています。
導入時に営業担当やCSとの相性は大事、とお伝えしましたが、結果としてCS対応の質には満足していますし、HERPユーザーコミュニティでも他社人事と交流しながら、色々勉強させていただいています。
ATSは早めに導入検討を
以上の話をまとめると、ATSを導入して採用データを管理し、歩留まりなど各種数値を出してデータドリブンに採用を進めていくことは非常に重要だということです。
今までは属人的に採用のリードタイムを計測していましたが、ATSを導入することで「この職種は求人情報をオープンしてから採用までに6か月ほどかかる」と、ATSのデータ根拠をもとに現場と目線合わせができます。
このように、具体的な数字を把握しながら採用計画を立て、進めていくことは企業にとって大きなメリットとなるはずです。
もちろん、ATSを導入しても採用課題がすべて解決するわけではありません。ですが、「忙しいしデータ移管が大変だから導入できない」というのは、人事の言い訳だと思います。
なお、ATSのサービス選定の際には、自社の採用スタンスに合うかを意識しながら、目先の機能にとらわれず選ぶようにしてみてください。
視聴者からのQ&A~パネルトーク~
お二人ともありがとうございました。
ここからは、視聴者のQ&Aも交えて、パネルディスカッションを進めていきます。
Q エージェントの活用において、ATSの設定で気を付けていることはありますか?
HRMOSに登録する求人情報はエージェントや一般の方に公開されるものなので、画像も含めて見やすく制作するよう心掛けています。
また、求人情報を公開するときは、そのポジションに強そうなエージェントに先駆けて情報公開することもありますね。
私は自社サイトにそのまま載せる用の求人情報と、エージェントのみに公開する求人情報を書き分けています。エージェント用の情報には、「こういうスキルで人物像は○○を求めています」と細かく記載するイメージです。
HERP Hireの仕様上、求人情報の加筆・修正をするとすべてのエージェントに通知が行ってしまうため、最近は週に1度メールにて「今回は求人の〇〇の部分を変更し、この求人はクローズしました」など補足説明をするようにしています。
Q 現場を巻きこむ際に工夫していることはありますか?
「面接官をお願いします」と丸投げするのではなく、はじめての方に依頼する際には、面接マニュアルを共有したり、面接勉強会を実施して、「ナイルの面接スタイル」をインストールしています。
また、いきなり「面接に出てください」と言うのは、現場社員からすると結構ハードル高いと感じてしまうケースもあるんですよね。
そういう時は、オウンドメディアでインタビューする機会を設けるのも一つの手段です。
面接の場で入社理由や仕事のやりがいを魅力的に語ってくださいと言われてもなかなか難しいと感じてしまいますが、取材の場で「なぜこの会社を選んだんですか?今働いていて何が楽しいですか」など聞いていくと、現場社員にとってはそのインタビューが面接の練習になるんです。
このように、なるべく現場社員が参加しやすい形を考え、巻き込んでいくようにしています。
弊社では、書類選考と面接は基本的に現場社員にお願いしています。
スカウトを依頼する場合も、送付したい人材を人事側でピックアップしたのち、メール文作成と送信の業務を現場に任せる流れです。
毎週、定例MTGを組んで情報共有をして、細かなことも逐一シェアするようにしていますね。
社内では「社員みんなで採用をする」という文化が浸透しているので、引き続き現場のサポートをしていこうと思っています。
Q 会社が急成長していっても今のATSを利用し続けますか?
会社規模が大きくなっても今の延長線上であればHERP Hireで対応できると思いますが、例えば、今後IPOしたり、子会社が増えたりと、会社組織の体制とそれに伴う採用方針が変わったら検討せざるを得ない状況になるかもしれません。
あとはコスト面。データストック量と費用感のバランスを見て、あきらかに他のATSに移管したほうがいいとなったら検討する可能性はありますね。
HRMOSを使うことに、人事も現場社員も慣れているため、リプレイスはリスクがあると感じています。ですが、そのリスクを取ってでも変える必要性があるなら、その時は検討すると思います。
たくさんの質問にご回答いただきありがとうございました。それでは最後に、お一人ずつ締めのコメントをお願いします。
ATSを使いこなせば採用業務がどんどん回っていく実感があるので、本日はそれが少しでも伝われば嬉しいです。今後ぜひ、他社人事の方のお話も聞けたらいいなと思います。
手動で採用管理するのは、採用人事1人だと10職種くらいが限界だと思っています。
もし、募集職種数が一定以上に増える企業様がいたら、なるべく早めにATSを入れることをおすすめします。
ATSをはじめ、HRTechの領域はまだまだ発展途上の分野なので、皆さんと一緒により良い採用事例をつくっていきたいです。
ATSの選び方でお悩みの人事の方がいれば、お気軽にSNSなどから連絡いただけますと幸いです。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。