近年、新型コロナ禍からの経済回復や人手不足を背景に新卒採用市場が大きく変化しています。厚生労働省によると、大学生の就職率は24卒では98.1%と1997年の調査開始以来で過去最高となり、学生優位の「売り手市場」トレンドが続いています。
また、政府が定めるルールでは、26卒採用の採用選考の開始日は2025年6月1日ですが、このスケジュールより早く就活活動を進める学生は多く、就活の早期化も加速しています。
企業の採用担当である皆様は、26卒の新卒採用において優れた人材を獲得するために活動されている最中かと思います。優秀な新卒を採用するためには、今の学生の価値観を把握し、それに対して適切な対応策を講じることが重要です。
今回は、新卒向けキャリアプラットフォーム「外資就活ドットコム」が実施した26卒向けの就活意識調査を中心に、「優秀層」と呼ばれる難関大を中心とした学生の新卒採用トレンドをご紹介します。彼らの考えや行動についてのデータを通じて、今の時代に見合った採用戦略の参考になればと思います。
目次
1.優秀層の学生が集う外資就活ドットコム
サービス開始から15年を迎える「外資就活ドットコム」は、国内トップ層の学生に支持されている大学生向けのキャリアプラットフォームです。特に東大生は、就職を希望する学生のうち約9割が登録しています。
志望業界は問わず、チャレンジングなキャリアを歩みたいと望むハイポテンシャルな学生が広く利用する、トップ学生に支持されてきた新卒向けキャリアプラットフォームです。
今回は26卒を対象に実施した就活に関するアンケート調査より就活トレンドをご紹介します。 この調査では、回答者の約50%は東京大学・京都大学・早稲田大学・慶應大学・一橋大学・東京科学大学のいわゆる上位校学生が占め、旧帝大全体やGMARCHも含めると80%超となります。
2.就職活動の終了希望は「4年生の6月」ー就活が長期化
いつまでに就職活動を終えたいか、という質問には、「4年生の6月」と答えた学生が4割超となりました。サマーインターンに参加するなど早くから就活を始めている学生たちでも、政府が定めている採用選考活動のスタート時期まで就活を続ける人が多数派であることが分かります。これは、年々進む就活の早期化・長期化を表している結果と言えます。
サマーインターン前の2024年春に同じく26年卒に向けて実施した調査では、就活を始めた時期(就職情報サイトの登録開始時期)として最も多く回答を集めたのは、「3年生の4月以降」でした。「2年生の1〜3月」が次点で、過半数が大学3年生の進級前の早期に就職活動を始めていました。
ここから、選考の早期化は、決して学生の就職活動が早期に終わることを意味するわけではないことが分かります。早く内定を得たからといって学生が就職活動を止めるわけではなく、より条件が良かったり、魅力的な企業から後に内定が出た場合、就職先を変える可能性も大いにあります。
3.学生の74%が志望業種「明確」
コンサル業界や外資系企業を志望するにあたって、サマーインターンシップへの参加はもはや「本選考」の一部となっています。サマーインターンに参加した社数を聞いたところ、11社以上に参加した人が14%と一番多い回答となりました。2番目に多かったのは3社で13.7%。0社だった人は9%にとどまり、複数社のサマーインターンに参加する学生が圧倒的に多数派であることが分かります。
サマーインターン参加後の志望業種については、「明確になっている」と答えた学生が4分の3を占めました。サマーインターン後には既に志望業界を固めている学生が多く、優秀な人材を獲得したい企業は、早い時期からのアプローチが必須であると言えます。
一方、サマーインターンシップを通じて、志望業種や職種に変化があった学生は4割弱でした。志望職種が変化した理由を聞いたところ、「仕事内容が自分のスキルや興味に合っていたため」と「職場の雰囲気や企業文化に魅力を感じたため」の二つが他を引き離して多い結果となりました。インターンを通じて自身が働くイメージや雰囲気の良さを感じ取れた場合、志望を変更する人が多いようです。
4.「コンサル・シンクタンク業界」が人気トップ
志望業種は、「コンサル・シンクタンク業界」がトップでした。社会人として早い段階から経験を積み市場価値を上げられることや年収帯が高いこと、社会にインパクトを与える仕事に挑戦したい、という優秀層学生の志向性から、難関大生のコンサル人気は定着しています。また、上位校に通う大学生の中では、まだ志望業界が定まっていなくても「とりあえずコンサル」を受ける傾向にあり、学生の中でコンサルティングファームのブランドは定着しています。
一方、2位以下は「商社」「日経金融・証券」「日系メーカー・サービス」と続いており、日系企業の志望度も高まっていることも大きな特徴です。日系企業はコンサルや外資系企業に比べて選考時期が遅い傾向にあります。
これは、すでに説明した4割超の学生が大学4年生の6月まで就活を続けると回答した結果と合致しており、早期選考で内定を得ても日系企業と比較した上で内定承諾先を決める学生が多いと言えるでしょう。
5.サマーインターンから本選考が主流
外資就活ドットコム会員から人気のあるコンサル業界や外資系企業では、サマーインターンを通して本選考を行う企業が珍しくありません。サマーインターン参加後の本選考の参加社数を聞いたところ、0社が24.2%と一番多い回答となりましたが、11社以上の人も12.2%おり、選考に進む学生の方が多い結果となっています。
調査時点(2024年9〜10月)で全体の76.1%の学生は内定を獲得していませんでしたが、残りの16.9%はすでに1社から内定を獲得していることも判明しました。サマーインターン経由で早期に内定を出すコンサルティングファームが影響していると言えます。
6.社風や事業内容のアピールを
ここまで優秀層の採用トレンドをみてきて、大きな特徴として下記の3点が上げられるかと思います。
- 早期化だけでなく長期化も顕著
- 日系企業の志望度が高まっている
- サマーインターン後は志望業界を固めている学生が多い
優秀層の採用に向けては、このような学生の傾向を理解する必要があります。 では、就活が早期化・長期化する中、企業は何に気を付けるべきでしょうか?
サマーインターンシップを通じて企業選びで特に重視するようになった点を聞いたところ、「社風・カルチャー」と「事業内容」が、他を離して票を集めました。他の就活媒体の調査ではワークライフバランスが上位にくることが多いのですが、外資就活ドットコムに登録する優秀層の学生は、「社風・カルチャー」と「事業内容」という要素を特に重視していることが特徴的です。
就活が長期化する中、学生の企業選びにおいて社風・カルチャー、事業内容は非常に重視されることが分かりました。企業は対策として、自社の社風や事業内容の魅力を最後まで効果的に十分アピールし続けることができるかが、採用成功のカギとなるでしょう。内定後も油断することなく、学生との接触を続けることも重要です。
7.効果的な優秀層採用を実現しよう
今回の調査結果から、旧帝大や難関私立大学を中心とした学生の就職活動における価値観や行動パターンが明らかになりました。この知見を基に、ターゲットとする学生をよく理解して採用戦略を見直すことで、従来のアプローチよりも学生の関心を引きやすくなる可能性が高いです。
具体的には、優秀層の学生を対象にする場合、早期からインターンシッププログラムを充実させ、志望業種が決まる前の早い段階で母集団形成をすることが効果的でしょう。また、内定後でも学生との接点を増やすことも非常に重要です。
さらに、社風・カルチャーや事業内容の魅力をアピールし、若いうちに市場価値を上げられることや高年収の実現、社会にインパクトを与えられるといったキャリアプランを明確に示すことが求められます。
このようなアプローチを採ることで、企業は優秀層の学生のニーズに応えることができ、より優秀な人材を確保できるでしょう。
調査期間:2024年9月30日-2024年10月27日
調査方法:WEBアンケート
対象:2026年卒業予定の外資就活ドットコム会員(大学生のみ)
有効回答数:343名
・各項目の比率において、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
・本調査を引用される際には、「外資就活ドットコム調べ」と必ずご記載ください。
▽回答者属性
8.優秀層採用なら外資就活ドットコム
今回の記事では、調査データをもとに26卒の優秀層採用のトレンドについてご紹介しました。優秀層を採用するには、特徴的なスケジュールや志向といった彼らの特色を理解しなければなりません。
外資就活ドットコムには長年の優秀層採用ノウハウが蓄積されているほか、新卒採用におけるトレンド等の情報発信以外にも、会社概要や募集情報の掲載、ダイレクトメッセージなどの機能に加え、記事広告や合同説明会の開催など、様々な採用施策をご提案しています。
優秀層採用についてご興味ある方は、ぜひ下記のサイトよりお問合せください。
優秀な学生を採用するなら「外資就活ドットコム」
外資就活ドットコムは、次世代リーダーを目指す学生のための就職活動支援メディアです。優秀な学生の採用についてご興味ある方は、ぜひ下記のサイトよりお問合せください。