従業員数はこの1年で20→100名を突破!一人目人事が語る“本質的なスクラム採用”とは |HR NOTE

従業員数はこの1年で20→100名を突破!一人目人事が語る“本質的なスクラム採用”とは |HR NOTE

従業員数はこの1年で20→100名を突破!一人目人事が語る“本質的なスクラム採用”とは

  • 採用
  • 採用戦略・要員計画

※本記事は、インタビューを実施したうえで記事化しております。

『テクノロジーをカンタンに。経済価値を最大化する。』をミッションに掲げ、オンライン売上最大化サービス「FLUX AutoStream」と、ノーコードウェブサイト作成サービス「FLUX CMS」を提供するFLUX。

昨年3月にはシリーズAラウンドにて総額10億円の資金調達を実施し、今年2月にはForbes JAPANが非上場企業から日本を代表するクラウド企業を選出する「JAPAN’ s CLOUD20」の2022年版で15位に選ばれるなど、業界内外から注目されています。

そのような急成長を遂げている同社ですが、わずか1年足らずで従業員数がなんと3倍以上にもなったそう。そして、その要は“採用を会社ごと”にすることだと、人事採用広報部マネージャーの鷲田諒さんは言います。

実際に、どのような施策をおこなっているのか、FLUXの採用の現状や具体的な採用手法を伺いました。

【人物紹介】鷲田 諒|株式会社FLUX 社長室 人事採用広報部 マネージャー

Retty株式会社にて半年間アルバイト・インターンを経験後、18新卒としてITベンチャー企業へ入社。SEとしてキャリアをスタートした後、大阪支社の立ち上げを担当し、最年少幹部として大阪支社長 兼 人事部 中途採用統括責任者へ就任。その後、2021年2月に株式会社FLUXへ参画。一人目人事として、採用・組織開発・広報領域を幅広く担当。

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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。

従業員数を3倍超に!FLUXの「一人目人事」がやったこと

ー鷲田さんは昨年の2月に入社されたとのことですが、どういった経緯でFLUX社の人事担当になられたのでしょうか?


鷲田さん
前職ではITベンチャー企業にて大阪支社の事業責任者や中途採用の統括を担当しており、フェーズの若いスタートアップ企業でさらにキャリアを磨いていきたいと思ったのが転職のきっかけです。

実は、私自身の希望もありビジネス職でのオファーをもらっており、FLUXでは新規事業の立ち上げメンバーとしてキャリアを積み上げていくつもりでした。

ただ、入社後に改めてFLUXという会社の事業の面白さや社員の魅力を感じ、人事として「人」の観点から会社・事業を推進していくために人事へとポジションをコンバートしました。


ー鷲田さんが人事担当になってから社員が3倍になったということですが、入社してどういったことに注力されたのでしょうか?


鷲田さん
私が入社するまで人事担当はもちろん、人事機能や採用インフラ、広報体制もほぼない状態でした。
そこでまずは、採用 / 人事 / 広報 の各領域におけるMVP (Minimum Viable Product) な施策に注力しました。

具体的には、入社から半年間で下記のような施策に取り組みました。

採用

  • 採用媒体の本格的な運用 (主にWantedly/Green)
  • Notionを活用した採用ページの作成・公開
  • 候補者に向けた各種マテリアルの作成
    ーEntrance Book /Welcome Book /Wellness Book /採用ピッチ資料

PR

  • PR TIMESやWantedlyストーリー等を活用した定期的なPRリリース
  • MVVのリニューアル・展開  

人事

  • 評価制度の新規作成/リバイズ /運用
  • 社内コミュニケーションの活性化( 全社総会/ウェルカムランチ等 を企画実施)

 

ー採用から広報まで多岐にわたる施策をしているのですね。実際に採用に繋がった施策はどのあたりでしょうか?


鷲田さん
まず、採用施策については、フェーズごとに採用注力のペルソナが変動したこともあり、それに合わせる形で施策を変えていきました。

最初の半年間は、メインターゲットがアソシエイト職中心だったため、WantedlyやGreenなどの採用媒体に注力しました。

特に、Wantedlyでは求人更新やスカウトはもちろん、ストーリーを定期的に更新してそれらを社員にシェアしてもらい、急上昇ランキングで1位を獲得することを意識していました。

結果、半年間で媒体経由のみで(15名以上のメンバーを)、採用できました。

そして、その後の半年間ではマネージャー陣をさらに厚く採用するためにエージェントコミュニケーションに注力し、マネージャーレイヤーだけで10名以上の採用ができました。

ースタートから順調に採用できている印象ですが、どういったことがポイントになったと思われますか?


鷲田さん
入社当時、社内では採用を全社でおこなっていく意識がなかったので、まずはそれを変えることが最優先だと考えました。

単にリファラル採用をお願いするのではなく、採用は人事だけではできない。全員で採用を進めていかなければ、組織の急成長はあり得ない。「一緒にFLUXという会社を創っていきましょう!」と声をかけ続けていましたね。

具体的には、事業部との定例ミーティングを週次で設けたり、評価制度にリファラル採用での貢献をアドオンするなど、あらゆる角度から採用について意識せざるを得ない環境づくりを徹底していきました。

その一貫で、Wantedlyではストーリーを定期的に上げていき、社員のみんなにシェアしてもらう施策には力を入れていました。


ー広報施策に注力と聞くと、短期的な採用成功へは繋がらないようなイメージもあります。


鷲田さん
いかに採用を意識する瞬間を全社で増やしていけるかが鍵になると思ってました。

Wantedlyのストーリーには、急上昇ランキングというものがあります。そこで1位に掲載されるとインプレッションが上がってエントリーに繋がりやすくなりますが、私はそれ以上に会社全体の採用へのモチベーションを高めることも目的としてその順位にこだわりました。

1位を連続でとれるようになると社内でも「最近は記事もよく1位になっているし、採用盛り上がってるよね」という空気が醸成されていき、採用がますます自分ごと化していきます。

対外的な評価が上がることは結果的に採用にも繋がっていくので、一見短期的な成果に繋がりづらいように見える広報施策が採用をスムーズに軌道に乗せた要因だったと思っています。


ーなるほど。Wantedlyのストーリーは社内外どちらにも採用広報として機能しているのですね。その他にはどういった施策をおこなっていますか?


鷲田さん
FLUXではリファラル採用にもかなり力を入れており、評価制度にも貢献の度合いをアドオンする形で反映させています。そして、リファラルを推進する上では社員が会社のことを魅力的かつ適切に伝えることが大切です。

そのためには情報が整理されていないと伝えることが難しいので、会社について話しやすいようにまとまっている資料をスライドやNotionといったツールを活用し、優先度を上げて用意しました。

こういった制度や資料を整えたことも影響し、全体のリファラル採用の割合は非常に高く、最終的には30名以上の方をリファラル採用で迎え入れることができました。

「ひとりだからこそ周りに頼れた」社員の採用への意識を“自分ごと”にするには?

ー採用インフラから広報まで様々な施策をおこなってきていますが、今の具体的な採用人数はどれくらいでしょうか?


鷲田さん
現状では、毎月10名近い採用目標を掲げています。

一方で、全社で採用するカルチャーがFLUXには根付いているため、継続的に優秀な方々へ入社いただけていると感じております。

FLUXの社内で「スクラム採用」という言葉を使ったことはないですが、本質的なスクラム採用が実現できているとも言えるかもしれません。


ーなるほど。スクラム採用という言葉を使わず、スクラム採用ができている状態は素晴らしいですね!そのポイントは、なぜだと思いますか?


鷲田さん
FLUXでは、経営メンバーやマネージャーを中心に頼りになるリクルーター陣とともに選考を進めています。

具体的には、面接・面談はもちろん、書類選考時点から経営メンバーに入ってもらっています。

弊社に関わらず、一般的にリクルーターの皆さんはそれぞれの仕事が非常に忙しいため、部分的に採用プロセスに入ってもらうことになりやすいと思います。

一方で、そういったコミットメントの仕方だと候補者にとって最適なコミュニケーションが取れない可能性が高く、結果的に採用に繋がりづらくなってしまいます。

そこでFLUXでは、候補者ごとに経営メンバーを中心とした採用責任者をアサインし、書類面接から一貫してコミットしてもらうことで、候補者体験を少しでもより良いものにしていけるよう工夫しています。


ー書類から採用をおこなってもらうのは、かなりの時間をリクルーターに割いてもらわないと難しいですよね。実際、事業部はどれくらい採用面接に時間をかけているのでしょうか?


鷲田さん
多い時には、1メンバーあたり週に100書類審査、30面談をやっていた時期もあります。

各事業部にはだいぶ時間を採用に割いてもらっていますが、「採用へのコミットメントが事業を推進させる」という共通認識を持っているので、経営メンバー陣を中心に積極的に取り組めています。


ーお話を聞いて、意識づけの部分と仕組み化が両方うまく作用した結果、社内での採用の自分ごと化が醸成されたのだと思いました。


鷲田さん
そうですね。入社時は、ぼっち人事だったため、やりたくてもやれないことがたくさんありました。

ただ弊社には、「Leverage the Team」というバリューがあり、社内外のメンバーを最大限、レバレッジしようという考え方があります。そのバリューに沿って、施策を打ち続けてきたことが、100名を超える組織をつくることに繋がったと感じています。

あくまで人事は事業を伸ばすモジュールのひとつに過ぎません。

ヒト・モノ・カネといった経営資源の土台があってこそ採用は成り立つものであり、この1年間の組織拡大はひとえに経営メンバーを中心として全社の採用への意識が高いこと大きな要因だと思います。


ー最後にこれから人事として目指している視座や目標を教えてください。


鷲田さん
昨年度はとにかく必死に人事機能のMVPを作ることに注力しましたが、今年は人事採用広報部をしっかりとつくっていった上で、急拡大する事業成長に負けない組織グロースを達成したいです。

今では、人事採用広報部も5名体制に拡大しており、これまではやりたくてもリソース的にやることができなかった施策にもトライしていっています。

これまでは、FLUXという会社を資金調達額やプロダクトといった部分で認知いただくことが多かったかと思いますが、新たにHRの側面からもこの会社を知ってもらったり、興味を持ってもらえるように頑張っていきたいです。

※スクラム採用とは、株式会社HERPが提唱する概念で、「共通のゴール(=採用活動の目標)」に向けて、全社員が一丸となり取り組む採用方式のことです。

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