成果を出しやすいフリーランスの活用方法とは|CTF GROUP山本 |HR NOTE

成果を出しやすいフリーランスの活用方法とは|CTF GROUP山本 |HR NOTE

成果を出しやすいフリーランスの活用方法とは|CTF GROUP山本

  • 採用
  • 母集団形成

※本記事は、株式会社CTF GROUP代表取締役の山本様より寄稿いただいた内容を掲載しております

働き方が多様化する中、専門性やスピード感を重視する企業にとって、フリーランス人材の活用は大きな可能性を秘めています。固定的な雇用に縛られず、必要な時に必要なスキルを持つ人材と連携できる点は、競争力強化の大きな武器です。

一方で、成果を最大化するためには、単なる業務委託にとどまらず、フリーランスを「共に成果をつくるパートナー」として位置づける意識が求められます。

執筆者山本 真聖株式会社CTF GROUP  代表取締役

2018年 大手営業支援会社にインターン生として入社、新規事業の立ち上げやインサイドセールスチームの構築、経営者へのビジネスマッチングなどを経験。 2019年大手営業支援会社へ入社し、営業部で年間約1000人の経営者へのソリューション営業に従事。マネージャー職として社員管理とチーム売上管理に従事し売上拡大に貢献し、2021年に当時の東証マザーズへの上場を経験。 その後、マーケティング全般(インバウンド、アウトバウンド)のご支援を強みとした株式会社CTF GROUPを設立。CTF GROUPでは、正社員と在宅フリーランスを組み合わせた営業支援モデル「ZERO UNIT」をはじめ、複数の独自サービスを提供。創業からわずか3年で売上前年比1,700%、累計受注額20億円を突破。

フリーランスと正社員の根本的な違い

まず強調したいのは、正社員とフリーランスは「根本的に異なる前提」で成り立っているということです。

正社員は「長期的な育成を前提にした存在」であり、多少時間がかかっても会社の中核を担う戦力として育てていきます。一方でフリーランスは「成果を前提とした即戦力」です。プロジェクト単位でスキルを発揮し、成果物を納品することに価値があります。

ですから企業側も、両者を同じように扱ってはいけません。正社員には「成長と挑戦の機会」を、フリーランスには「成果を出しやすい明確な業務範囲と条件」を。それぞれに適した設計を行うことが大切です。

今は、どの業界でも「優秀な正社員を採用すること」が年々難しくなっています。給与水準を上げても、カルチャーや働き方の面でフィットする人材を採用し続けるのは容易ではありません。

ただ、私は「優秀な人材を増やすことは難しくても、正社員の生産性を倍にすることは可能」だと考えています。

私たちは正社員の業務を「重要度 × 緊急度」のマトリクスで分けています。

「重要度 × 緊急度」のマトリクス
  • 重要かつ緊急な業務   :正社員が集中すべきコア領域
  • 重要だが緊急でない業務 :正社員の成長投資領域
  • 緊急だが重要度の低い業務:フリーランスに外注する領域
  • 重要でも緊急でもない業務:極力削減すべき領域

この仕分けを徹底すると、正社員は「本当に価値を生む仕事」に集中できます。一方で、フリーランスは「即成果が出る仕事」で力を発揮できる。結果として、正社員の生産性は飛躍的に高まり、組織全体が加速していきます。

CTF GROUPが目指しているのは、単なるコスト削減のための外注ではありません。「採用力 × 生産性向上」=成長の掛け算を実現することこそ、フリーランス活用の本質的な意味だと考えています。

具体的なフリーランスの集め方

CTF GROUPでは以下の手法を用いてフリーランスを集客しています。

  1. クラウドソーシング(Crowdworks・ランサーズなど)
  2. 求人媒体(indeed・Egageなど)
  3. 既存スタッフからの紹介(リファラル)

どの手法にもメリット・デメリットがあり、クラウドソーシングはスピード感がある反面、短期契約に留まりやすい。求人媒体は継続稼働を見込めるものの、候補者が幅広く「精度を高める工夫」が必要です。リファラルは信頼度が高いですが、紹介元のネットワークに依存するため数を追うには限界があります。

重要なのは「採用段階で業務内容をどこまで明確に定義できるか」です。正社員であれば「付帯業務も含めて柔軟に対応」という暗黙の了解がありますが、フリーランスに同じことを期待するとミスマッチが起きます。

ですから、私たちは募集時から「業務内容・期待成果・期限」を細かく定義し、採用後のギャップを最小化しています。これが定着率と成果を安定させるポイントです。

フリーランスの活用が成果に繋げやすい職種

フリーランスには「成果を数値化できる業務」が適しています。成果が明確であれば、評価もしやすく、本人も納得感を持って働けます。CTF GROUPにおけるフリーランスの活用領域は主に以下の通りです。

・インサイドセールス(アポ取得・商談設定)
・SNS運用支援(投稿代行・数値分析)
・BPO型業務(営業リスト作成・データ整備)
・ライティング(Webコンテンツ制作)
・秘書業務(議事録作成・会議資料作成)
・採用業務(面接実施・応募者対応)

これらの共通点は、①リモートで完結できる②成果物が明確に可視化できる、の2つです。例えばインサイドセールスは「架電数」「アポイント獲得数」という数値で評価できますし、ライティングは「納品された記事の文字数・品質」で成果が見えます。

逆に、正社員に任せた方が良い業務も存在します。現場での意思決定やチームマネジメント、関係構築のための対面営業など、「臨機応変さや権限移譲が必要な業務」は正社員でなければ成果が出にくいです。

フリーランス活用は「万能の手段」ではなく、業務ごとに適した役割分担を明確にすることがポイントです。

フリーランスの育成方法

「フリーランスは即戦力」という言葉が一人歩きしていますが、私はそれは半分正解で、半分は誤解だと思っています。

確かにフリーランスはスキルを持っていることが前提です。しかし「会社ごとの基準」や「成果物の水準感」は、契約前には分かりません。そこを合わせ込まなければ、本当の意味での即戦力にはなり得ないのです。

CTF GROUPでは、フリーランスの育成に次の3つを意識しています。

【フリーランス育成で意識している3つのこと】
業務ごとのKPI設計 「1日30件架電」「週5本のSNS投稿」など、定量的に成果が測れる目標を明確にします。
クラウドマニュアル・テンプレート提供 トークスクリプトや記事構成のサンプルなどを事前に提示し、ゼロから悩む時間を減らします。
成果物のサンプル共有 「このレベルであれば合格」という基準をサンプルで示すことで、期待値のズレをなくします。

正社員には長期的な教育投資をしますが、フリーランスには「即成果を出せる環境」を整えることが育成の本質です。属人化を防ぎながら、誰が入っても一定水準の成果を出せる仕組みを構築することが、フリーランス活用成功のカギになります。

フリーランスのマネジメントの方法

フリーランスのマネジメントで難しいのは「モチベーション設計」です。

正社員は昇給・昇格・評価制度といった枠組みがありますが、フリーランスは契約外のインセンティブが少ない。だからこそ「働きやすさ」と「成果に直結する環境づくり」が最も重要になります。CTF GROUPでは以下の取り組みを行っています。

  • KPIの可視化
    :進捗をリアルタイムで確認できる仕組みを用意し、達成感を感じやすくする。
  • 非同期コミュニケーション
    :チャットツールを活用し、フリーランスが時間や場所に縛られず働ける体制を整備。
  • 福利厚生制度の提供
    :正社員だけでなく、在宅フリーランスも利用できる福利厚生プログラムを導入。例えば研修動画の提供や相談窓口の設置など、「一緒に働く仲間」としての安心感を持ってもらえるようにしている。

結局のところ、フリーランスも「人」です。成果物だけを求めるのではなく、「働きやすい環境 × 成果の見える化」の両輪を整備することで、長期的に協働できる関係を築けます。

最後に

フリーランスを効果的に活用するには、明確な目的設定と成果の共有、そして信頼関係の構築が不可欠です。スキルや経験を尊重しながら、企業文化やチームとの接点を意識的に設計することで、より高いパフォーマンスが期待できます。

外部人材を単なるリソースではなく、共に成長する存在として捉えることが、これからの組織の成果創出に大きく寄与するでしょう。

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