
※1 出所:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2023」 Copyright 2023 IPA
※2 出所:独立行政法人労働政策研究・研究機構「人への投資と企業戦略に関するパネル調査]2023年10月Copyright 2003- 独立行政法人労働政策研究・研修機構
各比率は小数点以下四捨五入で表記しております
いま、多くの企業が「採用がうまくいかない」という共通の悩みを抱えています。労働人口の減少が続く中、採用市場は構造的な競争状態に入りました。経済産業省によると、2030年には最大約79万人ものIT人材が不足すると予測されています。
さらには、DX推進や新規事業開発、事業再編、グローバル展開など、企業が直面する経営課題はむしろ増えています。結果として、「採用できない」「採用が間に合わない」ことで事業の進行そのものが滞ってしまうケースも少なくありません。
かつては、事業成長に必要なのは「人員数」でした。右肩上がりの市場環境の中では、体制を拡張することが成果につながりやすかったのです。
しかし、現代は状況が異なります。事業環境は複雑化し、組織が解くべき課題も高度化している中、企業に求められているのは、ただ人を増やすことではなく、限られたリソースの中でも「事業を前に進められる力を持つ人材」を確保することです。
「誰を採るか」ではなく、「誰と事業を動かすか」。 この問いを軸に人材戦略を設計する時代が訪れています。 いま企業が求める人材像を、わかりやすく紹介します。

寄稿者伊藤 文隆氏アクシスコンサルティング株式会社 代表取締役社長 COO
1972年生まれ。パール楽器製造株式会社で事業責任者を経験後、株式会社ワークス・サポート(現:HRソリューションズ株式会社)にてコンサルティング業界に特化した人材紹介事業の設立に参画。2008年アクシスコンサルティング入社。人材紹介事業のマネジメント業務、フリーコンサル(現:スキルシェア)事業の立ち上げの他、グループの事業戦略立案・実行を牽引。事業部長、執行役員を経て2017年取締役就任、2021年常務取締役就任。2023年⼀般社団法⼈シェアリングエコノミー協会幹事就任。2024年9月代表取締役社長 COO就任。
目次
いま企業が求めているハイエンド人材とは?
年収レンジを示す「ハイクラス」、経歴や専門性を示す「ハイキャリア」など、人材の呼び方はいくつもあります。しかし、いま企業が本当に求めているのは、そのどちらとも異なる「ハイエンド人材」です。
年収の高さがそのまま専門性やキャリアの質を保証するわけではありません。ハイエンド人材とは、年齢や肩書きにとらわれず、専門性・希少性・成果の再現性を備え、事業に確かなインパクトをもたらせるビジネスリーダー人材を指します。
企業の競争環境が厳しさを増す中、限られたリソースでも事業を前に進められる「価値創出力」を持つ人こそ、いま最も求められています。
アクシスコンサルティングでは、年間数千件の求人データ、そして日々の営業現場から寄せられる「いま本当に必要な人材」の声を分析しています。 その結果、企業が求めている人材の多くは以下の3領域に集中していることが明らかになっています。
- コンサルティング領域の経験者(戦略・業務改革など)
- DX/IT推進経験者(PM/プロジェクトリードなど)
- 事業責任者・経営層(CxOクラス/事業執行責任者)

これらは、当社への求人依頼や相談内容の上位を占め続けている領域でもあります。つまり、「コンサル/DX・IT/CxO」の領域は、企業ニーズの実データに基づいた3本柱と言えます。
では、なぜこの3領域へのニーズが集中するのか。 それは、企業が直面している課題に共通点があるためです。
求人データと企業の声を総合すると、以下の3つのスキルに集約されます。
| 課題の本質を見抜く力(課題設定力) | 現場の声、データ、経営方針など多様な情報を統合し、「いま解くべき問い」を明確にする力。戦略企画やコンサルティングに携わった経験者が強みとする領域です。 |
|---|---|
| プロジェクトを推進する力(推進力) | 組織の壁を越えて関係者を巻き込み、意思決定を促し、計画を実行まで落とし込む力。DX推進や業務改革、新規事業立ち上げ経験者に多く見られます。 |
| 経営視点で意思決定する力(経営力) | 事業全体を俯瞰し、投資判断やリスク管理を行う視点。事業責任者やCxO経験者が担う力です。 |
企業がハイエンド層に期待しているのは、これらの力の組み合わせです。 肩書きではなく、「成果をつくる力のセット」が価値の源泉だと言えます。
実際に当社の案件データでも、経営企画、DX/IT推進、新規事業などの変革領域が常に上位を占めており、これらはまさに「課題の本質を捉え、変革を推進できる人材」が必要とされる領域です。
ハイエンド人材の活躍と登用の変化
ハイエンド人材の活躍は、企業変革の現場で最も顕著に現れます。ここからは、実際にアクシスコンサルティングが支援した事例をもとに、その具体的な役割を紹介します。
事例①:大手製造業
テーマ
生成AI・RPAを活用した新規事業の立ち上げ支援プロジェクト(フリーランスコンサルタント紹介)
企業が抱えていた課題
- RPA・生成AIを活用した事業を立ち上げたものの、営業戦略や拡販の進め方が定まらない状態
- プロダクトの価値訴求やターゲット設定が曖昧なため、営業戦略を整理したい
- 社内に“デジタル商材を売れる営業”の経験者がおらず、成果が伸び悩んでいた
アクシスコンサルティングが紹介したハイエンド人材の役割・業務内容
- 生成AIやRPAを活用した 新規事業の構想→立ち上げ→拡大フェーズを一貫して支援
- プロジェクトマネジメントとロードマップ策定
成果
- 価値訴求の整理と再定義により、営業活動の軸が明確になった
- エンタープライズ営業の知見に基づき、ターゲット設定と優先順位が適切に構築できた
- 営業・マーケティング連携が改善し、拡販に向けた初期アクションが動き出した
- クライアントからは「一定の評価」があり、契約は継続中
事例②:物流ベンチャー企業
テーマ
急成長フェーズのマネジャー登用(転職支援事例)
企業が抱えていた課題
- 物流の2024年問題(ドライバーの時間外労働が年間960時間に制限される法令改正に伴う輸送力低下への対応)を目前に追い風となっていた自社SaaSプロダクトの強化・拡大が事業課題であった
- プロダクトの導入には物流業界ならではのステークホルダーの多さ(多重下請け構造、個社ごとのシステム)がボトルネック
- 企業間物流の課題解決には、より上流からの物流戦略コンサルティングが必要とされていた
アクシスコンサルティングが紹介したハイエンド人材の役割・業務内容
- 大手コンサルティングファームにて物流自動化・機械化や荷主企業向けコンサルティングを担当
- 転職先では、物流DXコンサルティングとして、クライアントの物流・SCM・DX戦略の立案~実現までの支援をリード
成果
- 物流DXコンサルティング事業のシニアマネージャーとして、アカウント開拓・組織マネジメント・コンサルティングのプロジェクト遂行を推進
- リファラル(紹介)によるメンバー採用もけん引しており、組織づくりと事業拡大に大きく貢献
ハイエンド人材は必ずしも正社員だけではない?
「ハイエンド人材を採用したい」と考える企業は多いものの、その希少性から正社員での採用は難易度が高いのが実情です。ただし、ハイエンド人材を迎える方法は正社員採用だけに限りません。
ハイエンド人材を、正社員ではなく、副業人材・フリーランス人材として活用する企業が急増しています。背景には、採用難に加え、変革プロジェクトには「必要なときに必要な力を確保する」ことが有効だという認識が広がったことがあります。
アクシスコンサルティングが展開するプロジェクトにマッチするフリーランスのコンサルタントを紹介するスキルシェアサービス「AXIS Solutions」では、2024年度の依頼が前年比80%増と大幅に伸びました。
1〜3カ月単位のプロジェクト支援を希望する企業が年々増加しています。特に経営企画・DX・事業開発といった変革領域では、「フルタイムではなくても、即戦力を短期間で確保したい」というニーズが顕著です。

企業にとっては、担当者の採用と並行させることで、プロジェクトを止めずに推進できます。また、フリーランス人材の登用期間中にカルチャーフィットや成果を確認したうえで、正社員採用へとつなげるケースも増えています。
ハイエンド人材側にとっても、自らの経験を複数の企業で発揮できることが魅力となり、双方にとって新しい共創の形が生まれています。
まとめ:ハイエンド人材の活用が企業成長のスピードを左右する
企業の成長を止めてしまう大きな原因のひとつが、「計画はあっても実行できる人材が足りない」という点です。事業環境が複雑化するほど、課題を捉え、関係者を巻き込み、実行まで導ける“計画を形にできる人材”の重要性は高まっています。
こうした役割を担えるハイエンド人材は、正社員に限らず、副業・フリーランスといった多様な関わり方で企業を支える存在として需要が拡大しています。必要なときに必要な力を柔軟に取り入れられることで、組織はよりスピーディーに変革を進められるようになりました。
アクシスコンサルティングは、「あらゆる課題は、人で解決する。」という考えのもと、企業の変革と成長を人材面から支えてきました。事業推進に必要なハイエンド人材をお探しの企業さまに、最適なパートナーをご提案します。
