「『はたらく』と『人』を大切にできる世界に」をビジョンに掲げ、バラバラな組織をひとつにするコラボレーション改善クラウド「Unipos」を運営するFringe81株式会社 Uniposカンパニー(以下、Unipos社)は、2021年2月に全国の上場企業に勤務する20代~50代従業員337名を対象に「仕事と心理的安全性」に関する意識調査を実施しました。
心理的安全性を計測・可視化する組織診断サーベイを提供する株式会社ZENTechの取締役・慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科 研究員 石井遼介氏監修の元、心理的安全性を構成する”4つの因子”「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎*」に関する設問を20個作成。
回答結果を1~7ポイントで計測した“心理的安全性スコア”を算出し、現在の職場における設問結果と合わせ調査しました。
*「新奇歓迎」:新しい視点や、強み・個性を歓迎すること
- コロナ禍の今 約4人に1人が離職意向あり。
- “この職場で働き続けたくない人”は心理的安全性が低い。特に「助け合い因子」が1.5pt低く、離職防止のポイントか。
- 「職場満足度」と心理的安全性の高さは相関。“職場満足していない人”は”満足している人”より「助け合い因子」が1.34pt低い
- 「もっとこうした方が仕事がうまくいく」といった”改善提案の意向”が高い人は、心理的安全性が高い。仕事の改善提案を促進するカギは、0.44p差が出た「挑戦」因子の強化。
調査名:「仕事と心理的安全性」に関するアンケート
期間:2021年2月9日(火)~10日(水)
方法:インターネットリサーチ
対象:全国の上場企業に勤務する20~59歳の男女377名(男性193名、女性184名)
調査結果についての考察:株式会社ZENTech 取締役・チーフサイエンティスト石井 遼介 氏
「0.5pt差があれば差がある。±1pt差があれば大きな差がある」と捉えています。
たとえば、平均点からの0.5ptの差は、いわゆる「偏差値」がおよそ5違う状態、1ptの差は10違う状態だと考えると捉えやすいでしょう。
今回の調査は差異のある数値が多く、様々な企業・チームの心理的安全性スコアを診ている我々にとっても、意義深い結果でした。
特に心理的安全性の低さは離職に繋がりやすいことは先行研究からも分かっていましたが、改めて「離職意向」「職場満足」の高低と「助け合い因子」と大きく相関した点については、コロナ禍の現在だからこそ重要なメッセージ性のある数値だと感じています。
※心理的安全性スコア(PSJ値)の見方について
株式会社ZENTechの組織診断サーベイSAFETY ZONE®でこれまで実施した数多くの心理的安全性企業調査から「心理的安全性スコア0.5pt以上の差」は、変化点として重要な数値です。
※心理的安全性とは
心理的安全性とは、組織・チームのカルチャーを表す言葉です。
一言でいうと「組織・チームの誰もが、地位や経験に関わらず、率直に意見を言い、また素朴な疑問を呈せること」で「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」という4つの因子で構成されています。
4因子を測定する為の20個の設問結果を、1~7ptで計測し平均値として算出したのがPSJ値(心理的安全性スコア)です。
調査結果〜コロナ禍の今 約4人に1人が「離職意向あり」カギは”助け合い因子”〜
1. コロナ禍の今 約4人に1人が離職意向あり。
『あなたは、この職場で働き続けたいと思っていますか?』という質問に対し、「当てはまる」「どちらかと言うと、当てはまる」と働き続けたい意向を回答した人の合計は278人で73.7%となりました。
「どちらかと言うと当てはらない」「当てはまらない」と離職したい意向を回答した人の合計は99人で26.3%となることから、約4人に1人が「離職意向がある」ということがわかりました。
2. “この職場で働き続けたくない人”は心理的安全性が低い。特に「助け合い因子」が1.5pt低く、離職防止のポイントか。
『あなたは、この職場で働き続けたいと思っていますか?』という質問に対し、回答群ごとに心理的安全性スコア(PSJ値)を確認したところ、「当てはまる」「どちらかと言うと、当てはまる」と回答した人のPSJ値は4.22ptでした。
「どちらかと言うと当てはらない」「当てはまらない」と回答した人はPSJ値3.38ptと0.84ptも低いことから、離職意向の高い傾向のある人は心理的安全性が低いことがわかりました。
また、この回答において心理的安全性の4因子の中で最も違いが表れたのは「助け合い因子」で、「この職場で働き続けたくない人(当てはまらないと回答)」の方が「働き続けたい人(当てはまる)」より、「助け合い因子」のPSJ値が1.5ptも低いことがわかりました。
職場でトラブルや行き違いがあった時、部門や役職を越えて相談・協力し合える体制や、犯人探しではなく問題を建設的に解決する雰囲気など、“助け合いのし易い組織づくり”が離職意向の軽減に繋がっていることがわかる結果となりました。
3. 「職場満足度」と心理的安全性の高さは相関。“職場満足していない人”は”満足している人”より「助け合い因子」が1.34pt低い。
『あなたは、今の職場で働くことに満足していますか?』という質問をし、回答群ごとに心理的安全性スコア(PSJ値)を確認したところ、「当てはまる」「どちらかと言うと、当てはまる」と回答した人のPSJ値は4.19ptでした。
「どちらかと言うと当てはらない」「当てはまらない」と回答した人のPSJ値は3.68ptと、満足している人と比べて0.51ptも低いスコアとなりました。
職場満足度の高さと、心理的安全性の相関がわかりました。
また、この回答において心理的安全性の4因子の中で最も違いが表れたのは「助け合い因子」で、今の職場に「満足していない人(当てはまらないと回答)」の方が「満足している人(当てはまると回答)」より「助け合い因子」のPSJ値が1.34ptも低いことがわかりました。
職場でトラブルや行違いがあった際、部門や役職を越えて相談・協力し合える体制や、犯人探しではなく問題を建設的に解決する雰囲気など、“助け合いのし易い組織づくり”が、職場の満足度に繋がっている事がわかる結果となりました。
4. 「もっとこうした方が仕事がうまくいく」といった”改善提案の意向”が高い人は、心理的安全性が高い。仕事の改善提案を促進するカギは、0.44p差が出た「挑戦」因子の強化。
『職場内で「もっとこうした方が仕事がうまくいく」と思った時、提案をしたいと思いますか?』という質問をし、回答群ごとに心理的安全性スコア(PSJ値)を確認したところ、「したいと思う」「どちらかと言うと、したいと思う」と回答した人のPSJ値は4.08ptでした。
一方「どちらかと言うと、したいと思わない」「したいと思わない」と回答した人のPSJ値は3.81ptでした。
“提案したい群”は、そうではない群と比べて0.27pt高いことから、職場での改善提案の意向が高い人は、心理的安全性がやや高い事がわかりました。
また、この回答において心理的安全性の4因子の中で最も違いが表れたのは「挑戦因子」で、「改善提案を「どちらかと言うと、したいと思わないと回答」した人の方が「したいと思うと回答」した人より「挑戦因子」のPSJ値が0.44pt低いことがわかりました。
“挑戦のしやすい組織づくり”が、職場の改善提案率向上に有効である事が分かる結果となりました。
2020年9月に上梓した書籍『心理的安全性のつくりかた』*に記載した通り【Unipos導入後「マネージャーが同部署メンバーに送った拍手」が多い企業は、一定期間経過後(2~4ヶ月)「①話しやすさ」「②助け合い」が有意に向上】します。
現在、多くの企業がテレワークを実施するにあたって「Web会議ツール」や「勤怠・業務タスク管理ツール」など“伝達・管理”が主軸となったものが脚光を浴びています。
それらのツール活用も含めて「チームとして成果を生み出す・改善提案を増やす」ために、そして「離職を防止し、職場の満足度を向上させる」ため。
ひいては企業・組織の“経営課題”を解決するためにこそ、組織の「話しやすさ」や「助け合い」を促進する“心理的安全性を向上する施策”の実施が、今後の企業経営には非常に重要な“もう一つの軸”になるのではないでしょうか。
*書籍『心理的安全性のつくりかた』/出版社 : 日本能率協会マネジメントセンター(2021年2月 ビジネス書グランプリ「マネジメント部門賞」受賞)
さいごに
Uniposはテレワークが当たり前になるwithコロナ時代の環境下でも、組織の生産性を高め続けるため従業員の仕事ぶりを見える化し相互理解を深め、連携を強化し心理的安全性を高めることで、組織内のコラボレーション課題を解決し、意思疎通・コミュニケーションを円滑にできるよう、サービス・プロダクトを改善・運営してまいります。
社名:Fringe81株式会社
所在地:東京都港区六本木3丁目2−1 住友不動産六本木グランドタワー 43階
代表取締役CEO:田中弦
<報道関係のお問い合わせ先>
Fringe81株式会社 Unipos広報担当
E-mail:pr@unipos.me
<IRに関するお問い合わせ先>
Fringe81 株式会社IR 担当
E-mail:ir@frineg81.com