株式会社Smart相談室は、相談窓口を設けている従業員数50人以上1000人未満の企業に勤めている人事・労務担当者535名を対象に、相談窓口の活用に関する実態調査を実施しました。
目次
- 調査サマリー
- 73.1%が従業員の離職率低下に向けた取り組みを実施
- 82.5%が従業員の離職を「問題視」。離職の原因は「メンタルなどの不調」が56.0%で最多
- 半数以上の担当者が、従業員が相談窓口を「活用していない」と回答
- 相談窓口を活用していないと思う理由として、「相談内容を他人に知られてしまう可能性があるから」が43.0%で最多
- 62.0%が、離職率低下に向けた取り組みは、「離職を踏みとどまる理由になっている」と回答
- 64.7%が、積極的に利用される社外相談窓口サービスがあれば、従業員の「離職率低下につながる」と実感
- 相談窓口サービスとして求める要素、「相談できる内容がメンタルの悩みからキャリアの悩みまで幅広い」が56.1%で最多
- まとめ
調査サマリー
調査概要
- 調査概要:相談窓口の活用に関する実態調査
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2023年12月4日〜2023年12月8日
- 有効回答:相談窓口を設けている従業員数50人以上1000人未満の企業に勤めている人事・労務担当者535名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入
73.1%が従業員の離職率低下に向けた取り組みを実施
「Q1.社会全体で人材不足が問題となっている中、あなたの企業では、従業員の離職率低下に向けた取り組みを行っていますか。」(n=535)と質問したところ、「注力して取り組んでいる」が35.0%、「やや注力して取り組んでいる」が38.1%という回答となりました。
- 注力して取り組んでいる:35.0%
- やや注力して取り組んでいる:38.1%
- あまり注力して取り組んでいないが取り組んでいる:13.3%
- 行っていない:9.3%
- わからない/答えられない:4.3%
82.5%が従業員の離職を「問題視」。離職の原因は「メンタルなどの不調」が56.0%で最多
また、「Q2.あなたの企業では、従業員の離職を問題視していますか。」(n=535)という質問には、「非常に問題視している」が35.0%、「やや問題視している」が47.5%という回答となりました。
- 非常に問題視している:35.0%
- やや問題視している:47.5%
- あまり問題視していない:12.5%
- 全く問題視していない:2.6%
- わからない/答えられない:2.4%
Q2で「非常に問題視している」「やや問題視している」と回答した方に、「Q3.どのようなことが原因で離職が起きていると思いますか。当てはまるものを教えてください。(複数回答)」(n=441)と質問したところ、「メンタルなどの不調」が56.0%、「給料等の金銭的問題がある」が44.9%、「キャリアへの不安」が43.1%という回答となりました。
なお、厚生労働省の実態調査によると、メンタルの不調の要因として「仕事の量・質」「仕事の失敗、責任の発生等」「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」が上位に挙げられています。(※)
- メンタルなどの不調:56.0%
- 給料等の金銭的問題がある:44.9%
- キャリアへの不安:43.1%
- 労働時間などの労働条件がよくない:39.7%
- 社内の人間関係がよくない:28.8%
- 些細な悩みを相談できる相手が社内にいない:27.4%
- その他:2.5%
- わからない/答えられない:1.8%
さらに、自由回答では「業務形態的に社内コミュニケーションがなかなか取りづらいことによる、帰属意識の低下。」や「上がつかえているため、昇格ができにくい。」などの意見も挙げられており、企業の体制に関する課題が多く挙げられました。
<自由回答・一部抜粋(n=433)>
- 職場環境の悪化。
- 業務形態的に社内コミュニケーションがなかなか取りづらいことによる、帰属意識の低下。
- 業界のイメージが低賃金、ブルーカラーのため。年配者がいまだに幅を利かせている。役員の考えが古い。役員が同族。
- 休暇の取りづらさ。
- 上がつかえているため、昇格ができにくい。
- 働きがいの点で離職されている方が多い。どうしてもあなたが必要なんだという様な気持ちが会社側から従業員へ伝わってない。
- キャリアの不安、会社の将来性、待遇。
半数以上の担当者が、従業員が相談窓口を「活用していない」と回答
従業員の離職を防ぎ安心して働ける環境構築を目的に2022年4月1日に施行された「中小企業のパワハラ防止法」にもとづき、相談窓口の設置が義務化されました。
実際の活用状況について、「Q5.従業員の方は、相談窓口を活用していると思いますか。」(n=535)と質問したところ、「あまりそう思わない」が37.0%、「全くそう思わない」が14.8%という回答となりました。
- 非常にそう思う:13.2%
- ややそう思う:31.8%
- あまりそう思わない:37.0%
- 全くそう思わない:14.8%
- わからない/答えられない:3.2%
相談窓口を活用していないと思う理由として、「相談内容を他人に知られてしまう可能性があるから」が43.0%で最多
また、Q5で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した方に、「Q6.従業員の方が相談窓口を活用していないと思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=277)と質問したところ、「相談内容を他人に知られてしまう可能性があるから」が43.0%、「相談したい内容がプライベートな内容だから」が35.4%、「具体的に何を相談できるのかわからないから」が34.7%という回答となりました。
- 相談内容を他人に知られてしまう可能性があるから:43.0%
- 相談したい内容がプライベートな内容だから:35.4%
- 具体的に何を相談できるのかわからないから:34.7%
- 相談窓口が認知されていないから:30.0%
- 相談相手の人柄や経歴がわからないから:14.8%
- その他:4.3%
- わからない/答えられない:4.3%
62.0%が、離職率低下に向けた取り組みは、「離職を踏みとどまる理由になっている」と回答
Q1で従業員の離職率低下に向けた取り組みに「注力して取り組んでいる」「やや注力して取り組んでいる」「あまり注力していないが取り組んでいる」と回答した方に、「Q7.それらの取り組みは、離職を踏みとどまる理由になっていると思いますか。」(n=462)と質問したところ、「非常にそう思う」が18.3%、「ややそう思う」が43.7%という回答となりました。
- 非常にそう思う:18.3%
- ややそう思う:43.7%
- あまりそう思わない:30.7%
- 全くそう思わない:3.2%
- わからない/答えられない:4.1%
64.7%が、積極的に利用される社外相談窓口サービスがあれば、従業員の「離職率低下につながる」と実感
「Q8.従業員に積極的に利用される社外相談窓口サービスがあれば、従業員の離職率低下につながると思いますか。」(n=535)と質問したところ、「非常にそう思う」が18.0%、「ややそう思う」が46.7%という回答となりました。
社内に広まるリスクの少ない「社外相談窓口サービス」の活用が、離職率の低下に繋がるという実感を持っている担当者が一定数いることが見受けられます。
- 非常にそう思う:18.0%
- ややそう思う:46.7%
- あまりそう思わない:25.8%
- 全くそう思わない:4.5%
- わからない/答えられない:5.0%
相談窓口サービスとして求める要素、「相談できる内容がメンタルの悩みからキャリアの悩みまで幅広い」が56.1%で最多
Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q9.相談窓口サービスとして求める要素を教えてください。(複数回答)」(n=346)と質問したところ、「相談できる内容がメンタルの悩みからキャリアの悩みまで幅広い」が56.1%、「相談員を選ぶことができる」が49.7%、「仕事以外のプライベートな内容も相談できる」が44.2%という回答となりました。
社内のパワーバランスから切り離された状況で、じっくりと相談にのってくれる社外相談窓口があれば、より気軽に相談でき、早期に悩みを解決できる可能性も高まります。
相談窓口を敢えて社外に設置することで、従業員の心理的ハードルも下げられ、相談機会が増えることで、社内の大事な人材の離職を防ぐことにもつながる好循環が生まれると考える担当者が多いことが明らかになりました。
- 相談できる内容がメンタルの悩みからキャリアの悩みまで幅広い:56.1%
- 相談員を選ぶことができる:49.7%
- 仕事以外のプライベートな内容も相談できる:44.2%
- いつでも気軽に相談予約できる:42.5%
- 有資格者相談員に相談できる:31.8%
- Zoomや電話、チャットなど相談方法が豊富:31.8%
- 就業前や就業後など対応時間が長い:28.9%
- サービス導入後の運用までサポートしてくれる:19.7%
- 他社の導入事例が多く、信頼性がある:17.1%
- わからない/答えられない:0.9%
- その他:0.0%
まとめ
人事・労務担当者の82.5%が従業員の離職を問題視しており、73.1%が離職率低下に向けた取り組みを行っています。
解決策の一つである相談窓口に目を向けると、「相談内容を他人に知られてしまう可能性がある」などの理由から、従業員が活用していないと捉えている担当者が全体の半数を超えています。
また、6割を超える担当者は社外相談窓口サービスが「従業員の離職率低下につながる」と捉えており、その重要性を理解しているが活用できていない状況が明らかになりました。
さらに、相談できる内容の幅広さや相談員を選べることを相談窓口サービスに求める担当者が多く、社内の相談窓口では相談しにくい内容を相談する手段として活用したいという考えが見えてきます。
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