世界中の企業で高度なスキルをもつIT人材の需要が高まっています。
今回、プログラミングコンテストを運営するAtCoder株式会社は、企業のIT人材採用にかかわる採用担当者を対象に「IT人材採用に関する調査」を実施。
多くの企業で高度IT人材の人材不足や採用時のミスマッチが顕在化していることが明らかになりました。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2020年3月5日(木)~2020年3月9日(月)
- 調査対象:IT人材採用をおこなっている企業にお勤めで、業務でIT人材の採用に関わっている方300名
- 実施会社:株式会社マクロミル
調査結果
- 80%以上のIT人材採用担当者がIT人材不足を感じており、約63%が理想とするIT人材を採用できていない。
- 「採用担当者にIT/プログラミング関連の知識が無い」「求職者のプログラミングスキルを客観的に判断する基準がない」などの理由から、採用のミスマッチが起こっている。
AtCoderがIT人材採用に関する調査を実施 多くの企業でIT人材採用のミスマッチ問題が顕在化 60%超が理想とするIT人材を採用できていない実態が明らかに
80%以上のIT人材採用担当者が、IT人材不足を感じている
グラフからわかるように、IT人材不足を少しでも感じている採用担当者が80%以上となっています。
さらに、約63%が理想とするIT人材を採用できていないと回答しています。
つまり、IT人材採用においては採用におけるミスマッチが起こっていることがわかります。
なぜ「採用のミスマッチ」が起こってしまう?
1.採用担当者にIT/プログラミング関連の業務経験や知識がない
採用のミスマッチが起こる要因の1つとして、「IT人材採用担当者にIT/プログラミング関連の業務経験や知識がない」ことが挙げられています。
また、IT/プログラミングの業務経験や知識がないIT人材採用担当者ほど、理想とするIT人材を採用できていないという現状があるようです。
2.IT/プログラミングスキルを客観的に判断する基準がない
2つ目の要因として考えられているのが、「IT/プログラミングスキルを客観的に判断する基準がない」ことです。
他職種よりもスキルを定量的に把握することが難しいと感じている企業が多くなっていることがわかりました。
採用時に重視していることは、「面接」だけ!?
このように、採用側にIT/プログラミングに関する知識や経験が無いケースは多くあります。
また、定量的な判断基準がない中では、面接での質疑応答を中心に採用判断するしかありません。
もちろん、「面接時の印象」や「コミュニケーション力」は採用判断における重要な視点です。
しかし、「業務実績」や「資格の有無」などIT/プログラミングのスキルに関連する内容を重視する必要もあるでしょう。
実際、IT人材採用に積極的な企業ほど採用時に「IT/プログラミングのスキル」に関連する内容を重視しており、結果として理想とするIT人材を採用できていると回答しています。
IT人材採用の質を向上させるために!
さらに、IT人材採用の質を向上させるための主な手段としては、以下のようなことが挙げられています。
- 社内のIT人材が面接に参加する
- IT人材が要望する待遇・環境を用意する
- 自社の事業内容や、IT人材の業務内容を知ってもらうための活動
- IT人材と他の職種とで別の採用フローを設ける
- プログラムを書く能力を把握するための試験を実施する
また、この中でもIT人材採用に積極的な企業では「待遇面の見直し」や「採用フロー・面接方法の見直し」を考える企業が多い傾向が見られました。
まとめ
高度なスキルを持つIT人材は、今後の企業活動において必ず必要となります。
本調査では、60%以上の採用担当者が望んでいるIT人材を採用できておらず、採用時にミスマッチが起きていることがわかりました。
そして、その要因は採用担当者の経験や知識不足、およびIT/プログラミングスキルを定量的・客観的に判断する指標が無いことが挙げられています。
深刻化しているIT人材不足解消のために、採用側のプログラミング知識や経験を進めるともに、IT/プログラミングスキルにおける客観的な基準が求められています。
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