「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」第2弾|株式会社リクルート |HR NOTE

「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」第2弾|株式会社リクルート| HRNOTE

「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」第2弾|株式会社リクルート

株式会社リクルートは、「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」を実施。今回、調査結果の一部を第2弾としてまとめたものを、ご紹介します。

サマリ

  • 「転職未経験者(転職活動経験あり)」は、勤務先の合致度や満足度が低い結果に・・・
    「転職経験者」と「転職未経験者(転職活動経験なし)」は、勤務先への合致度と満足度の傾向が類似しており合致度、満足度ともに高い結果となった。その一方で、「転職未経験者(転職活動経験あり)」は、他の2者とは異なり、合致度、満足度ともに低い結果となった。
  • 「転職未経験者(転職活動経験あり)」が転職しなった理由とは?
    「転職未経験者(転職活動経験あり)」が転職しなかった理由として、3人に1人が「転職活動をする時間がない」を挙げ、転職活動に費やす時間のなさや十分サーチできていないことが見受けられる。

【コメント】神林 龍 氏 | 一橋大学経済研究所 教授

第1弾(2022年9月22日発表)では、積極的に転職を経験してきた層と、転職を考えもしない層の両極にわかれていることがわかった。この第2弾では、こうした転職への態度と、勤務先の合致度と満足度との関係を確かめている。転職への態度について、第1弾と同じく、「転職経験者」「転職未経験者(転職活動経験あり)」「転職未経験者(転職活動なし)」の3つにわけて分析している。転職経験者は平均的に年齢が高いことには注意されたい。

まず、勤務先への合致度をこれらの3者で見ると、「転職経験者」と「転職未経職者(転職活動経験なし)」は勤務先への満足度・合致度ともに、同じようなスコアであった。「勤務先について不満をもっている、自分には合っていないと感じている」ゆえに転職活動を行うと前提とすると、転職活動を通じて満足できる(あるいは自分に合う)勤務先を見つけられた人びとがいる一方、もともと初職の勤務先に満足して(あるいは自分に合って)おり、転職活動も考えもしない人びとがもう一方にいる、という関係にあることがわかる。この点、「転職未経験者(転職活動経験あり)」のみ挙動が異なり、合致度・満足度ともに低い結果となっている。

転職活動をしたにもかかわらず転職しなかった理由は、「転職活動をする時間がない」を筆頭に、「賃金や処遇の条件に対して希望に合うものが少ない」「自分に合う業種がわからない」と回答する割合が高かった。これらの回答を整理すると、転職活動者は「求人の量的不足」というよりは、転職活動プロセスにおける探索行動、つまり「サーチのための時間がとれない、どうサーチしてよいかわからない」ことに困った結果、調査時点では転職ができていないことがうかがえる。

第1弾では、「転職先が見つかる前に前職を辞める人」が4割を超えているという結果を発表したが、求職者はオン・ザ・ジョブ・サーチ(在職中に転職先を探す方法)ができないほど、転職活動時間の確保と転職時のノウハウの獲得が難しい状況にあるのかもしれない。インターネットのさらなる活用など転職活動にかかる時間的負荷の軽減はもちろんのこと、サーチとその先のマッチングがスムーズに進むためにも、企業側は必要とする人材要件のさらなる明示など事前の情報提供により気を遣う必要があるだろうし、また、求職者も日頃から時間を見つけて自身のキャリアを意識することがより必要になってくるだろう

就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022

  • 調査目的 :就業者の転職実態を明らかにする
  • 調査方法 :インターネット調査
  • 調査対象 :2022年3月時点での20~65歳の就業者
  • 調査期間 :2022年3月29日~30日
  • 調査回答数:13,240人
  • 回答属性 :下表参照

現在の勤務先への合致度および満足度

「転職未経験者(転職活動経験あり)」は、勤務先の合致度や満足度がともに低い結果となった

現在の勤務先への合致度について、「転職経験者」「転職未経験者(転職活動経験なし)」「転職未経験者(転職活動経験あり)」別に見てみる。

現在の勤務先が「合っている・計」について、「転職経験者」は64.2%、「転職未経験者(転職活動経験なし)」は65.7%と、両者が類似している。一方、「転職未経験者(転職活動経験あり)」は、「合っている・計」は半数を超えているが、「合っていない・計」が2割を超えている。

「転職未経験者(転職活動経験あり)」は、より合致している勤務先を探すために転職活動を実施したが、転職するには至らなかった様子が推察される。

現在の勤務先への満足度について、満足していないを「1」とし、満足しているを「5」として5段階で聞いている。比較的満足しているのは「4・5」としてこれを「満足・計」、満足していないのは「1・2」としてこれを「不満足・計」としている。

この満足度を「転職経験者」「転職未経験者(転職活動経験なし)」「転職未経験者(転職活動経験あり)」別に見てみる。

勤務先の「満足・計」について、「転職経験者」は42.0%、「転職未経験者(転職活動経験なし)」は44.6%とほぼ同じであるが、「転職未経験者(転職活動経験あり)」は、26.6%と低い。

■現在の勤務先への合致度(現在「正社員・正職員」の20~50代就業者/単一回答)

■現在の勤務先への総合的な満足度(現在「正社員・正職員」の20~50代就業者/単一回答)

参考)2018年以降転職者の現在の勤務先への合致度・満足度 (現在「正社員・正職員」の20~50代就業者/単一回答)

現在の勤務先に対する合致度と満足度との関係性

現在の勤務先に対する合致度と満足度について、それぞれ見てきたが、合致度と満足度との関係性を見てみたい。その際に、「転職経験者」「転職未経験者(転職活動経験なし)」「転職未経験者(転職活動経験あり)」の3者で見ていく。

「転職経験者」と「転職未経験者(転職活動経験なし)」を見ると、合致層(合っている・計)、どちらともいえない層、非合致層(合っていない・計)は、ほぼ同じ傾向が見られる。勤務先の合致度と満足度の相関は強く、転職有無の違いは見られないと言えよう。

しかし、「転職未経験者(転職活動経験あり)」を見ると、合致層(合っている・計)であるにも関わらず、「満足していない(1・2計)」と回答している割合が、他2者よりも高い。

勤務先と合うかどうか以外にも、何か自分自身の満足につながるような要素があるのではないかと考えられる。

■転職経験状況別 現在勤務先への合致度と満足度との関係(現在「正社員・正職員」の20~50代就業者/単一回答)(%)

転職活動はしたが、転職しなかった理由

転職しなかった理由は、3人に1人が「転職活動をする時間がない」を挙げる

情報収集以上の転職活動をしたことがある転職未経験者について、実際に転職活動をしたが転職しなかった理由を見ると、「転職活動をする時間がない」が33.0%と最も高く、時間のなさが影響している様子がうかがえる。

「賃金や処遇の条件に対して希望に合うものが少ない」(28.2%)が2番目に挙がっているが、自分が勤務先に求める条件を探す難しさがあるのかもしれない。

3番目の「自分に合う業種がわからない」27.4%や5番目の「自分に合う職種がわからない」24.3%が上位に挙がっていることから、働く上での自分自身の適性を知る機会も少ない可能性もあり、知る機会をつくることも重要だと思われる。

また、「転職活動をどのようにしたらよいかわからない」が25.2%と4番目となっており、活動そのものが転職への壁となっている様子もうかがえる。

■転職活動はしたが、転職しなかった理由(情報収集以上の転職活動経験した転職未経験者/複数回答)
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【本件に関するお問い合わせ先】
https://www.recruit.jp/support/form/
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本記事の詳細はこちらよりご確認いただけますと幸いです。(2022年10月20日株式会社リクルートより引用)