民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)は、2022年4月から段階的に施行されている改正育児・介護休業法(以下、改正法)への対応状況等について、2022年7月5~15日にアンケートを実施し、このほど、回答のあった364社の集計結果を取りまとめました。
本プレスリリースでは、調査結果のうち、改正ポイントである「妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認」「育児休業(以下、育休)を取得しやすい雇用環境整備」「産後パパ育休(出生時育児休業)」「男性の育休取得状況の公表予定」について、一部を抜粋して紹介します。
目次
調査結果のポイント
①妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認の方法(複数回答)
改正法では、妊娠や出産等を申し出た社員に対して、個別の制度周知や意向確認(以下、周知等)を行うことが義務づけられた(2022年4月1日施行)。施行通達で挙げられている周知等の方法を参考に、どのように周知等を行っているか尋ねたところ、「書面の交付」が59.1%で最多、次いで「対面での面談」が58.6%となった。
②育休を取得しやすい雇用環境整備(複数回答)
改正法では、育休の申し出が円滑に行われるようにする雇用環境整備が義務化された。法改正前後の実施状況について尋ねたところ、雇用環境整備として法改正前から実施していた措置は「育休に関する相談体制の整備」が60.6%で最も多い。改正後に新しく実施したものは「育休に関する制度と育休取得促進に関する方針の周知」が30.4%で最多だった。
③産後パパ育休(出生時育児休業)
2022年10月1日、改正法の目玉となる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設される。既存の育休とは別に、子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得することができる(4週間の範囲で2回までの分割取得も可能)。就業しつつ短時間の育休を取得できる仕組みとして、性別を問わず仕事と育児の両立をサポートする。 同休業中の就業は47.1%が「認める」と回答。企業規模別では、1001人以上では「認めない」が6割台となる一方、300〜1000人、300人未満では「認める」の割合が高い(※同休業中の就業には労使協定の締結が必要)。
④男性の育休取得状況の公表予定
2023年4月からは、1001人以上の事業主を対象に、男性の育休等の取得状況を年1回公表することが義務づけられる。そこで、本アンケートでは1001人以上と1000人以下に分けて、現時点での公表予定を尋ねた。 1001人以上では、56.5%が2023年4月から公表する予定とし、1000人以下では44.4%が「対応未定」と答えた。
○リリースの全文は下記URLからPDFをご確認ください。 https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000083678.pdf
<調査・集計要領> 1.調査名 「改正育児・介護休業法の対応アンケート」 2.調査対象 『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務担当者2万8603人 3.調査方法 インターネット調査 4.調査期間 2022年7月5~15日 5.集計対象 上記調査対象のうち、回答のあった364社(1社1人)。
○本調査の詳細は、当研究所編集の『労政時報』第4042号(22. 9.23)で紹介しています。