人事担当者の8割以上が「戦略人事」の重要性を認識│人事の課題とキャリアに関する調査(ProFuture株式会社/HR総研)

「人事領域の開かれた調査機関」として様々な調査をおこなっているHR総研が、「人事の課題とキャリアに関する調査」を今年度も実施しました。

企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化し続ける中、人事部門の担う役割にもより一層の変化が求められ、それに伴い必要な能力やスキル、さらには人事としてのキャリアプランにも少なからず影響が出ていることが考えられます。

当事者である人事担当者が、現状をどのように捉え、今後は自身を含めた人事部門が担うべき役割をどのように捉えているのか、調査結果をご紹介いたします。

調査概要

アンケート名称:【HR総研】人事の課題とキャリアに関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年7月26日~8月1日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者・担当者
有効回答:166件

昨年度に引き続き、人事の課題は「次世代リーダー育成」

上表のように、現状における「採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面」での課題については、昨年に引き続き「次世代リーダー育成」が最多で65%、次いで「新卒採用」が48%、「キャリア採用」が45%となっています。

昨年調査においても「次世代リーダー育成」が最多(56%)となっており、継続して課題意識の高い項目となっていることがわかります。

企業規模別でも最重要課題は「次世代リーダー育成」が最多

「最重要課題」について企業規模別に見ると、こちらも「次世代リーダー育成」が、いずれの企業規模においても最多となっており、従業員数1,001名以上の大企業では22%、301~1,000名の中堅企業では31%、300名以下の中小企業では26%となっています。

2位の項目は企業規模別に異なっており、大企業では「人員構成の是正」(13%)、中堅企業では「マネジメントスキル向上」(22%)、中小企業では「キャリア採用」(22%)となり、企業規模に応じた課題の特徴が浮き彫りとなっていることが分かります。

また、中堅企業では他企業規模より「ミドル人材の活性化」(11%)が顕著に多く、大企業ほどの層の厚さがない中、次世代リーダー候補者でもあり組織の中心となるミドル人材の活性化に注目するケースが多いことが考えられます。

最重要課題の解決にネックとなる要素は企業規模別で1位が異なる結果に

さらに、現状における最重要課題の解決に取り組む際、ネックとなる要素を見てみると、大企業では「人事部門のリソース不足」が最多で42%、中堅企業では「経営戦略が不明確であること」が最多で42%、中小企業では人事部門に限らず「社内のリソース不足(人材等)」が最多で38%などとなっています。

3~5年後でも「次世代リーダー育成」が変わらず、中小企業では「採用」も重視

3~5年後における「採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面」での課題についても、現在と同様に「次世代リーダー育成」が最多で50%、次いで「マネジメントスキル向上」が34%、「新卒採用」が33%などとなっています。

現在より「マネジメントスキル向上」の順位が「新卒/キャリア採用」より上回っているものの、上位4位までに挙がる項目に変わりはなく、全体的に課題として挙げる割合は、現在のそれより低いことが分かります。

このような傾向は昨年以前から課題として挙げられており、慢性的な課題となっていることが伺えます。

企業規模別でも3~5年後の最重要課題は「次世代リーダー育成」が最多

3~5年後における「採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面」での最重要課題についても、すべての企業規模において「次世代リーダー育成」が最多となり、大企業で24%、中堅企業で25%、中小企業で26%と割合も4分の1程度で揃っています。

中小企業では、2位と3位に「キャリア採用」(14%)と「新卒採用」(12%)が続いており、今後の採用に関する課題意識が、他企業規模より高くなっていることがうかがえます。

中小企業では「採用」が慢性的な課題に

3~5年後における最重要課題の解決に取り組む際、ネックとなる要素を見てみると、大企業と中堅企業では「経営戦略が不明確であること」が最多でそれぞれ42%、39%となっています。

中小企業では現在と同様に「社内のリソース不足(人材等)」が最多で41%となり、最重要課題の上位に「新卒/キャリア採用」が挙がることからも、慢性的な課題となっていることがうかがえます。

現状では「従業員のモチベーション維持・向上」が最多

次に、「組織・制度・仕組み・システム面」について、現状の課題を見てみると、全体では、「従業員のモチベーション維持・向上」が最多となり42%、これに次いで「評価の定着、評価者スキルの向上」が38%で2位、「人事制度の改定」が36%で3位などとなっています。

「従業員のモチベーション維持・向上」は、企業全体の生産性や業績との関わりが強く、ただでさえコロナ禍の影響で業績悪化への懸念を持つ企業が多い現状において、これまで以上に課題意識を強くする企業が多いことがうかがえます。

人事制度の在り方の見直しを迫られている企業が浮き彫りに

様々な課題の中でも「最重要課題」として挙がるのは、大企業では「人事制度の改定」が最多で22%、中堅企業と中小企業では「従業員のモチベーション維持・向上」が最多でそれぞれ25%、17%となっています。

やはりコロナ禍によって、従業員の働き方の多様化が社会的変化として注目されるなど、企業として人事制度の在り方の見直しを迫られている企業が、少なくないことがうかがえます。

このような「組織・制度・仕組み・システム面」に関する現在の最重要課題に取り組む際、ネックとなる要素としては、大企業では「課題に対するノウハウ・知識の不足」が最多で33%、中堅企業では「従業員の理解・協力体制の欠如」が最多で36%、中小企業では「社内リソース不足(人材等)」が最多で32%などとなっています。

調査結果まとめ
  • 今年の課題も昨年に引き続き「次世代リーダー育成」が最多
  • 3~5年後も「次世代リーダー育成」が変わらず、中小企業では「採用」も重視
  • 現状では、「従業員のモチベーション維持・向上」が最多、コロナ禍の影響を考慮か
  • 3~5年後でも「従業員モチベーション維持・向上」に課題感、最重要課題としては他項目に
  • 特に大企業で「人事管理を精密に行う(人材管理のエキスパート)」へのシフトを意識
  • 「戦略人事」の重要性への認識、少なくとも8割前後
  • 「HRBP」の重要性への認識、大企業では6割以上、中小企業とのギャップが大きい
  • 戦略人事の推進を意識した能力やスキルを必要とする傾向
  • 半数以上の企業でコロナ禍以降での人事部門の役割・業務に変化あり
HR総研について
HR総研は、2012年に「人事領域の開かれた調査機関」として、ProFuture株式会社内に立ち上げられた企業・団体のHR領域に関する調査・研究を行う機関です。
  • 正式名称:HR総研(HR Research Institute)設立:2012年1月20日
  • 所在地:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-14-2山王グランドビル514
  • 所長:寺澤 康介(ProFuture株式会社 代表取締役社長)
  • 研究調査領域:
    ・働き方、個人のキャリアに関する研究・調査
    ・採用に関する研究・調査
    ・人材育成に関する研究・調査
    ・マネジメントに関する研究・調査
    ・その他企業の人材・組織、人事に関する研究・調査
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