テレワークの浸透や年末調整申告書の大幅な変更、政府からの年末調整のソフトの提供、電磁帳簿保存法改定などによって、人事・労務部門でもこれまでにないほど急速なデジタル化と管理ツールの見直しが求められています。
これらの度重なる変革によって、混乱されている人事・労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
そんな中、株式会社エフアンドエムは全国の20代~60 代の人事・労務担当者1,000 名を対象に「コロナ禍における働き方と人事労務クラウドソフトに関する意識・実態調査」を実施し、調査結果を発表しました。
コロナ禍における働き方と人事労務クラウドソフトに関する意識・実態調査
2020/11/7(土)~2020/11/9(月)
[調査方法]
目次
昨年の年末調整では、7割の人事・労務担当者が「混乱した」と回答
働き方の変化や政府主導の電子化は、人事・労務が1年の中で最も忙しいとされる年末調整業務にも影響を及ぼしています。
「様々な改革が同時に起こって混乱した(72.8%)」「例年の年末調整と比較して不安を感じた(68.1%)」「例年の年末調整より大変になると感じた(69.7%)」など、人事・労務担当者の大きな混乱が明らかになりました。
混乱の背景には、テレワークの浸透や年末調整申告書の大幅な変更、政府からの年末調整ソフトの提供などがありそうです。
労務担当者8割がコロナ渦においても「まったくテレワークできず」と回答
現在、コロナウイルスの影響で全国的にテレワーク意向が推奨されています。
しかし、「業務の電子化ができていない(31.5%)」、「対面でのコミュニケーションが必要である(28.5%)」、「対面でないと人材教育が難しい(19.4%)」などの理由から、労務担当者の83.0%は全くテレワークを実施できていないことが明らかになりました。
これは、営業担当者の営業担当者の62.5%や、経理・会計担当者の68.1%など、ほかの担当者と比べても高い数値であり、緊急事態で働き方の変化が求められる中での、人事・労務部門の深刻な現状が浮き彫りになりました。
クラウドソフトの導入は急増したものの、機能未使用も目立つ
クラウドシステムの導入は数年前から進んでいますが、コロナウイルスの影響によってさらに導入が加速しましたが、ソフトを導入してもうまく活用できない実情も明らかになりました。
3年で約5倍 人事労務クライドソフトの導入は直近1年で急増
人事労務クラウドソフトの導入は増加の一途を辿っており、導入率は2017年10月時点から3年間で約5倍に増加していることが分かりました。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大時期を含む、直近1年間では導入率は約10%増加しており、例年の1~2%の増加率に比べ急増していることが数字の推移から見て取れます。
導入中のパッケージ型人事労務クラウドソフトで4割は「未使用の機能」
まとめて複数の機能を導入できることから、人事労務クラウドソフトを導入した企業のうち、約6割の企業がパッケージ型ソフトを導入してますが、実際に導入したソフトの機能の約4割が「全く使われていない機能・ほとんど使われていない機能」となっている実情が明らかになりました。
さらに、パッケージ型ソフトを利用する人事・労務担当者の52.3%が社内で導入しているソフト同士の機能が重複していると回答しました。
この結果から、パッケージソフトは一括で複数の機能を導入できる手軽さがある反面、導入したにもかかわらず使用されずに無駄になっている機能が非常に高い割合を占めていることが明らかになりました。