ビジネスに特化したSNSで、人材採用でも使われているLinkedIn。東南アジアでもここ最近は採用においてLinkedInの活用が当たり前になってきています。
それでは、LinkedInを採用活動に役立てるために、どのようなことができるのでしょうか。本記事ではLinkedInの活用方法や他社事例をご紹介します。
目次
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近年、自社のエンジニア採用拡大のために「技術広報」を始める企業が増えています。
「技術広報」とは、自社の「IT技術」に関する情報を外部に戦略的に発信し、エンジニアへの企業ブランディング向上に繋げる手法を指します。「技術広報」は近年、広まりつつある取り組みですが、まだまだ「何から始めたらいいか分からない」という方も多いのではないのでしょうか?
本ウェビナーでは、DeNA・メルペイの「技術広報」の実践事例をもとに、技術広報について詳しく解説いたします。
そのため、
- そもそも「技術広報」が何か分からない
- 「技術広報」を始めるメリットが知りたい
- 「技術広報」の具体的な事例が知りたい
といった方必見の内容となっています。
エンジニア採用の担当者がいなくても始められるファーストステップについてもご紹介します。
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1.採用活動にも役立つビジネスSNS、LinkedInとは?
LinkedInはビジネスに特化したSNSです。LinkedInの登録者数は、世界で5.46億人を超えました。
また、デジタルマーケティング会社OMNICOREの調査結果によると、LinkedInには4,000万人の学生および新卒者が登録しており、アメリカ、インド、ブラジル、イギリス、カナダといった国々でのユーザー数が多い傾向があります。
さらに、アメリカやヨーロッパだけでなく、アジアにも多数のユーザーがいるLinkedInです。
LinkedInは、Facebookと同じように実名でアカウントを作成し、そこから職種・学歴・職務経歴・スキルなど、これまでのキャリア情報を登録することができ、仕事で関わる人たちとつながることができます。
Linkedinはどのように活用されているのか?
Linkedinには、ビジネスパートナーを探す、自分のスキルや職歴をアピールすることで就職、転職をしたいと考えている人などが登録しています。
また、企業としても採用したい人材を自分たちで探して直接アプローチができる、いわゆるダイレクトソーシングとして活用しています。
もちろん、人材探しだけでなく、自社ページをつかったブランディング活動もでき、世界中の人にアピールする場として活用しています。
さらに、各企業や個人からリアルタイムに情報発信がおこなわれているので、仕事に役立つ最新の情報を収集するために活用することもできます。
LinkedInの大きな5つの特徴
- 自分のプロフィール(職務経歴やスキル)を発信することができる
- 社会的な人脈づくりができる
- 経営者などのエグゼクティブクラスと直接コンタクトをとることができる
- 業界や各企業の情報を収集することができる
- ビジネスをする上でのパートナーや人材を探すことができる
LinkedInは採用活動にも貢献できる
また、LinkedInは転職・採用活動に利用できる独自の機能も持っています。
LinkedInのプロフィールは、氏名、メールアドレスや勤務先だけでなくスキルや職務経歴などの情報を登録するビジネスに特化したフォーマットとなっています。
またLinkedInで、ユーザーが求人に応募することも可能なため、企業としては求人、採用活動の時だけでなく、常日頃からLinkedInに登録しておくことで求人者の目に留まるチャンスを増やすことができます。
さらに、世界中のビジネスマンが登録、活用しているため、グローバルな人材を獲得するチャンスがあるというのも大きな特徴です。
LinkedInを使った求人活動が多い業界は?
LinkedIn社の調査によると現在、LinkedInで求人が多い業種はIT業界という結果がでています。
また、最近は金融関係×ITのFinTech業界が活況ということもあり、金融領域に関する求人も増えています。しかし、ITに関連した業界に限らず、他の業種でも求人機能の利用は活発におこなわれています。
一方で、どのような職種の求人があるのかに目を向けると、
販売、オペレーター、エンジニア、事業開発、セールス&マーケティング、プログラミング、総務、財務、プロダクトマネジメント、経理、人事、品質保証、サポート、コンサルティング
このように幅広い職種で求人活動がされていることがわかります。
2.「競合企業の人材にもアプローチ可能」LinkedInの活用方法
それでは、LinkedInを採用でどのように活用すればよいのでしょうか?ここではLinkedInの採用で使える機能と使い方を具体的に紹介します。
2-1.会社ページに求人を掲載できる(無料施策と有料施策あり)
会社ページでは、自社の紹介や自社に関する投稿ができると同時に、求人を掲載することができます。それにより、興味をもって会社ページを訪れた人に、自社求人をアピールすることができます。
会社に興味をもってアクセスしてくれる人は求人情報にも興味を持つ可能性が高くなります。ユーザーとしても、興味のある会社のページに求人情報が掲載していると応募までが簡単になります。
また、会社ページ掲載には有料版と無料版があります。それらの違いを紹介します。
会社ページ掲載(無料)
- 会社紹介のサマリー
- 求人情報(求人しているという情報だけで求人の詳細を掲載することはできない)
無料版ではLinkedIn上から直接求人応募ができません。会社紹介サマリーに自社ホームページを掲載することができるので、自社ホームページへのリンクをはり、そこから求人応募への導線を用意しておく必要があります。
会社ページ掲載(有料)
有料版は、無料ページ版の機能に追加して、
- 写真を使った詳しい会社紹介
- 社員の紹介
- フォトギャラリー
- 社員のブログなど
- 企業文化関連データ
が掲載可能で、企業のより詳細を伝えることができます。もちろんLinkedIn内で直接応募することもできます。
また、自分がLinkedInでつながっている知り合いがその会社にいる際は、その方に推薦してもらうことが可能です。求人を掲載した社員に直接アプローチすることもできます。
2-2.適切な候補者を発見できる(有料施策)
無料の施策のみでは、求人を会社ページにユーザーがきてくれることを待つしかなく、受動的な採用活動になります。
しかし、有料の機能を使えば、数あるユーザーの中から目的にあった採用候補者の検索をし、直接アプローチすることができます。
検索機能では、業種や職種、スキルなどユーザーが登録したキャリア情報を使った絞込みができます。検索した結果、目的に合致した候補者がいれば、求人広告の配信やスカウトメールの配信が可能になります。
これらの機能を活用することで、転職潜在層にもアプローチすることができます。
競合他社の人材を検索できる(有料)
競合他社の人材を発見し、直接コンタクトがとれるのもLinkedInの大きな特徴です。通常ではコンタクトをとることが難しい競合他社の人材にもスカウトメールが配信できます。
さらに、競合他社の組織や人材の構成を把握することが可能になります。競合他社がどんな人材をどのくらい採用しているのかもわかります。
たとえば、競合企業にどれだけのエンジニアがいるのか、その年齢・ポジションの構成はどうなっているのか、どんな経歴・スキルをもったエンジニアが多いのかなど、LinkedInで把握することができます。
また逆に、自社から転職した人材が競合他社に流出していないか、そのようなこともわかるようになります。
求人広告の配信(有料)
LinkedIn内のホーム画面のフィードや求人ページ、またLinkedInから送られてくるメールなどに広告を掲載することができます。
LinkedInの登録者は、学歴、職歴、資格などを記載しており、その登録情報をもとにターゲティング広告を配信できます。
LinkedIn広告には、スポンサード求人広告、スポンサードコンテンツ、テキスト広告、スポンサードInMail、ダイナミック広告、ディスプレイ広告など、多くの種類の広告配信方法があります。
http://linkedin-method.com/linkedin-ad/types-and-characteristics-of-linkedin/
スカウトメールの配信(有料)
検索機能で見つけた人材にLinkedIn内でスカウトメールを送ることができます。
まず、「リクルーターライセンス」というプランを購入する必要があり、取得後に自社の求める人材を検索し、スカウトメールを配信できます。
また、配信対象を絞り込むことも可能です。スキル、会社名、役職、卒業年、学校、所在地など、多くの個人プロフィールに多くのビジネス情報が掲載されているLinkedInならではの、多彩なスクリーニング機能があります。
3.LinkedInの活用をしている5社の事例
ここでは、実際にLinkedInをどのように活用しているのか、他社の事例を5社紹介します。
事例1:mercari
mercariは、「フリマアプリ」のサービスを提供しており、日本を中心にアメリカ、イギリスにも拠点展開している急成長企業です。
そんなmercariは「“顔の見える”プロフェッショルとつながれる」「ゆるくつながりながら自社のファンを増やしやすい」といった理由からLinkedInを活用。
直接的なスカウトではなく、まずは自社に興味を持って共感してもらうことを第一だと考え、LinkedInを運用しています。
そこから、同じ職種の人を集めた「ミートアップ」の案内を送信。ミートアップで気軽に飲み食いをしながら話をして自社ファンをあつめ、自社で働く魅力を伝え、理解してもらったうえで採用につなげていきます。
事例2:Rakuten
Rakutenは、インターネットサービスを展開する日本を代表するIT企業です。
会社がグローバル化する中で、スピーディーにかつコストを削減した採用手法を検討した結果、ダイレクト・リクルーティングに着手。そのためにLinkedInを導入しました。
まずはエンジニア採用に注力していく中で、転職市場にはなかなかいない転職潜在層のグローバル人材に、LinkedInを通して多くアプローチができ、結果として質の高いエンジニアの採用に成功。
さらに、候補者と直接コミュニケーションがとれるため、自社の理解促進や魅力を伝えることができ、採用ブランディングにもつながっているとのこと。
事例3:パナソニック
パナソニックは、世界的に有名な電機メーカーです。
海外人材の採用に向けて、今後LinkedInが欠かせないツールになる、グループ全体で統一したプラットフォームとして活用できる、採用広報にも貢献できると考え、導入。
その結果、北米におけるキャリア採用の8割はLinkedIn経由での実績をあげており、ブラジル、インドなどの他国でも成果が出ているとのこと。
事例4:Origami
キャッシュレスを実現するプラットフォームを提供しているOrigamiは、採用のレベルアップにLinkedInが大きく貢献したとのこと。
他の採用チャネルでは出会えないような求職者にタイムリーにアプローチできる、という点に魅力を感じLinkedInを導入。採用難易度が高いエンジニア、UI/UXデザイナーの採用に成功しています。
また、今まではエージェントを活用しており、その分の採用コストが割高になっていたところ、LinkedInの活用により、採用コストを大幅に削減することもできています。
事例5:ツネイシグループ
ツネイシグループは、造船事業、海運事業、環境事業、エネルギー事業、サービス事業の5つの事業分野でサービスを提供している会社です。
「会社の認知度が低い」「ターゲット人材となかなか出会えない」という課題がありLinkedInを活用。
会社ページを作成し、会社の最新情報や社内イベントなど「ツネイシで働く魅力」を定期的に配信。ターゲット層とエンゲージメント強化することに注力。
その結果、LinkedInを通して8,000名以上のターゲット層を、会社ページのフォロワーとして獲得しています。
さらに「Branding Excellence Award」という、LinkedIn上で、企業の公式アカウントのフォロワー伸び率が高い企業に贈られる賞を、2016年上半期に受賞しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
LinkedInは、有料にはなりますが、自社が求める候補者を高い精度で検索することができ、広告やスカウトメールといった方法でアプローチ可能です。
また、他の採用チャネルにはいないような、転職潜在層が多く登録しており、普通の採用手法では出会えないような方と出会う機会もあります。
一方で、そのような層の候補者を採用するためには、すぐにオファーを出すことは難しく、中長期的なコミュニケーションを取り続け、しかるべきタイミングを待つ必要があります。
一見するとLinkedInの活用は魅力的ですが、しっかりと自社の宣伝広報をし続けられる継続性や、候補者に対して適切なアプローチをするための採用ノウハウなどが求められるでしょう。