昔から、「日本人」と「精神論・根性論」は切っても切り離せない関係のように感じています。日本独自の文化といってもいいかもしれません。
しかし、良かれと思い、むやみやたらに社内で根性論を発信していると、一緒に働いている部下の心は離れてしまうかもしれません。場合によっては不協和音を生み出し、思考停止に陥らせてしまうなど、モチベーション向上とは逆効果となってしまう可能性が十分にあります。
そこで今回は、「部下のやる気を下げることにつながってしまうような根性論」にはどのようなものがあるのか、まとめてみました。
目次
部下の生産性を下げてしまう「上司の根性論」まとめ
ここでは、9つの「根性論」を挙げてみました。Twitterの声もあわせてご紹介します。
「頑張ればできる」論
上司が矛盾したことばっか言うから笑いしかおきない。根性論嫌いだとか言うくせに計画性ないこと言って最終的に頑張ろう頑張れば間に合うとかほんとあほやん…。お願いだからこっちの部門に迷惑かけないでよ…ほんと…ほんと無理…。
— 浅海 (@asamitoya) 2015年4月20日
「頑張ればなんとかなる」「できないのは頑張りが足りないからだ」という上司からの言葉。
「いやいや、じゃあどう頑張ればいいんだよ!」「言われなくても頑張ってるよ!」という部下の心の声が聞こえてくるようです。
「努力が足りない」論
【部下から馬鹿上司と思われる口癖 】 「努力が足りないからだ」 根性論を押し付ける(頭がいい人、悪い人の口ぐせ/樋口裕一)
— すもーる心理学 (@psycholo00) 2017年7月14日
「売上が足りないのは努力が足りないからだ」「もっと努力すればできる」と言われても、その努力のやり方がわからなかったり、努力の方向性が違っていたりしたら意味がありません。もっと具体的なアドバイスが求められます。
「ミス、できない=やる気がない」論
出た!「ミス=やる気ない理論」振りかざす系説教タイム!
それやると相手のやる気をマイナスまで叩き落とすばかりではなく
「根性論でミスなくせるとかバカなのこの人?」
と相手から残念認定されるということに、いつ気づいてくれるんだろう…うちの上司…— はまなす@かむちゃつか (@snowings_k24) 2017年9月5日
「なんでできないの、やる気ある?」「やる気ないからミスするんだよ」という言葉。
一生懸命頑張っていてもどうしてもできないことはあるし、ミスはつきものです。そのときにこのように言われると、部下の心は離れていってしまうでしょう。
「気合で乗り切れ」論
根性論は本当にヤバい。
うちの無能上司とかがよくやってる奴と一緒ですな。
「配線を一日で終わらせろ!!気合いをいれろ!」
現場を知らない奴には不可能なことも可能に思えるんだろうなぁ。(^ー^)— えんがわ (@engawafy) 2017年8月15日
「気合があればなんでもできる」と言わんばかりに、やたらと気合だけを押していくことも避けたほうがよいかもしれません。逆に部下の気合が入らないということに陥ります。
「みんながみんなが」論
みんなが嫌々仕方なしに残業してるんだから…
みんな頑張ってるんだから…
俺も下っ端だったころは…みたいな
『みんながみんなが論』
その中に飲み込まれてしまった洗脳されてる上司や同僚。
根性論とかが美化されているおかしい世界に、いち早く気づけてよかったなと思いますね。 https://t.co/UAqsOuxPrO— HIRO (@hiroxyeezy225) 2017年8月10日
「みんなやってるんだから」「みんな乗り越えてきてるから」「みんな辛い思いをしてるんだよ」といった、「みんながそうだからあなたも当然受けいれるよね」的な部下への叱咤激励は響きません。
「俺でもやれたんだからお前もやれるだろ」論
これらのことを上司に伝えると「大丈夫!今までだってそうやってやって来たんだ。だから出来る!」だって…
でたよ根性論
俺はお前じゃ無いんだよ— airony (@tobenai_ageha) 2017年7月19日
根性論、初めて聞く言語ね
いるいるこういう上司笑 https://t.co/zTTTxT86CT— minemasu (@minemasu821) 2017年7月11日
「いや、そんなことはないだろう。私はあなたではない」そういった反論が聞こえてきそうです。そのときの相手の状況や性格、能力・スキルをしっかり把握した上で、できるできないを判断していきましょう。
「病は気から」論
上司が根性論で病気は気から言われるのがつらたにえん。風邪でゼハゼハしてるのは吹き飛ばせないぜ!
— モモンガ定食(引きこもり神) (@momongateisyoku) 2017年9月13日
「風邪引くのは気合が足りないからだ」「熱が出ても会社にきて」「休むなら仕事終わってから」といったように、ブラックな感じもする発言は控えたほうがよいでしょう。体調管理は重要ですが、体調を崩した際は、ゆっくり休ませてあげてはいかがでしょうか。
「残業はサービス」理論
残業はサービスとか、根性論振りかざす上司を、金正恩が叩きのめしてくれるかもしれないって、企業の若手社員に淡い希望を抱かせてくれた、今日のミサイルについて。
— 委員長 (@idatentukuyomi) 2017年9月15日
「サービス残業」という謎なワードができた背景はこういったところからきているかもしれませんね。長く働くのが偉いということはありません。
「俺の若い頃は」論
昔の人って根性論だの、やりがだの、仕事は定時上がりじゃないとか残業を正当化しようとしとるけど、ただのパワハラ。
俺が若い頃は残業なんて当たり前とか休みがなかったとかそんなこと武勇伝のように言われてもw— 竜崎 蓮 (@RENdren58) 2017年7月27日
偉い人が根性論とか、俺たちが若いころはとか言い出した時に、感情のスイッチと思考のスイッチをOFFにし、そうっすね~と答えるエコーサーバを立ち上げるスクリプトが脳内に存在する。
— シノニム@技術系シスコン番長 (@developer6527) 2016年7月16日
これは「上司の武勇伝」にもつながりますが、昔と現在では社会背景や勤務状況がまったく違うため、過去と比較されても響きにくいものです。場合によってはただの自慢話と捉えられてしまうこともあるかもしれません。
とはいえ根性論が大事なときもある
部下の不満を生み出しやすい「根性論」をいくつかピックアップしましたが、一方で、仕事において根性論が求められる場面は数多く存在します。
それは、逆境が訪れて精神的に苦しいとき、納期前で忙しくて体力的につらいとき、などです。そのような状況を打破するためには、まわりを鼓舞する意味で、根性論によって気持ちを入れ直すことは必要ではないでしょうか。
ビジネスでは、個々人のモチベーションによってその成果が大きく変わることがしばしばあります。「無茶をさせるための方便」ではなく、きつい状況を乗り越えるために「熱い言葉で気持ちに火をつける」。そんな根性論を説いていくべきです。
根性を発揮する方向性を間違わないように、具体的に指示をしよう
仕事をするにあたって、根性は必要な能力のひとつです。ただ、その根性を発揮してもらうためのやり方、伝え方が間違っているため、「イケてない根性論」と思われてしまうのです。
「何のためにやるのか」「どのようにやるのか」「どのくらいやればいいのか」といった具体的な指示が先で、そのあとに根性・精神の話をしていくべきです。
相手が腹落ちしていなければ、いくら「根性を出せ」と言っても何も響かないでしょう。相手の納得感の醸成を意識した上で、心に火をつける根性論を言っていきましょう。