皆さんは「自分が正しいと思っていたことが、実は違っていた」なんて経験はありませんか。
これは、誤った先入観を持っていたことが原因だと思います。先入観を持って物事を見ていたために視野が狭くなり、判断を誤ったり、なかなか事実を受け入れることができなかったりということが起きます。
先入観を持ってしまうのは仕方がないことだと思うのですが、採用面接などの場面では、先入観を極力なくし客観的に見極めていくことが求められます。
では、どのように先入観を排除していけば良いのでしょうか?
先入観を完全になくすのは難しいことですが、「これは先入観を持ってしまってないか、大丈夫か?」と気をつけることはできると思います。
さらに、「このケースは先入観となりやすい」と、あらかじめ理解しておくことで、意識して客観的に判断しようとなります。
そこで今回は、採用面接の場面で陥りやすい先入観はどのようなケースがあるか考えてみました。
採用面接の場面で陥りやすい先入観を知ろう
1.親近感や個人の好みによる先入観
出身地が同じであったり、同じ大学や同じ部活を行ってきた候補者に対し、親しみを感じてしまうことはありませんか。
また面接者の個人的なバックグラウンドについても、個人的に良いイメージを持っていない趣味や嗜好に対して、無意識にネガティブな感情が生じてはいませんか。
そういった個人的な感覚が面接の評価に影響しないとは言い切れません。個人の好みによって、意図的ではないにせよ、優秀な人材を不採用にしてしまう可能性もあります。
親近感や個人の好みは意識しないようにと気をつけても、無意識に反応してしまう感覚なので特に注意が必要でしょう。
2.履歴書の内容に対する先入観
「高学歴ではない」「転職回数が多い」「プログラミングの経験年数が少ない」といった理由で最初から不合格とする前提で面接をしてはいませんか。
学歴や年齢、転職回数、業務の経験年数が、その人物が自社に求める人材であるかどうかを判断するのに、どれほど重要なポイントかどうかもう一度見直してみてはいかがでしょうか。
履歴書・職務経歴書に書いてあることを鵜呑みにせずに、気になるところがあれば、フラットな視点を持ちながら質問をおこない、見極めていくべきです。
また、「求めるポシションに適している人材かどうか」を判断できるポイントにだけ焦点を当てることが大切です。
すべての要素を判断材料にすると、関係ないポイントがマイナスの影響を与えてしまうことがあるためです。
大切なこと以外のポイントが先入観になって影響しないように、判断基準として必要ないポイントは徹底して排除するように意識しなければなりません。
求める人物像を明確にすること、またそのポシションに必要な資質をはっきりさせておくことが必要です。
3.第三者の評価に対する先入観
「周囲の意見に流されて判断してしまった」、なんてことはありませんか。
周囲の声を聞かずに先入観によって自分の意志だけで決定してしまうといったケースもあるのですが、それとは逆に周りの声によってすでに先入観を持って物事に取り組んではいないでしょうか。
例えば、新卒採用の面接において、多くの内定をもらっている学生が優秀に見えてしまうことがあります。しかし、他社の評価がどんなに高くても、自社においても最適な人材とは限りません。
もちろん、周りの声に耳を傾けることは必要ですが、一般的に評価される経歴や資質に惑わされずに、自社が求める人材として評価できるのか、周りに流されないで判断することが求められます。
4.目立った特徴に対する先入観
有名大学出身である、語学が堪能、特徴的な趣味があるなどといった印象的な事象に引きずられて思い込みが生じ、無意識のうちに総合的に相手の評価を高めてしまっていることはありませんか。
肩書や学歴、年収や身長、外見などの顕著な特徴に引きずられて、他の特徴についての評価が歪められる現象は「ハロー効果」と呼ばれ、もともとは心理学の言葉ですが、恋愛やビジネスにおけるテクニックとしても用いられています。
5.第一印象による先入観
初頭効果という、物事の最初が印象に残りやすい現象があり、人は第一印象の良かった人物に対してそのあともいいイメージを持ち続けがちになります。
また、人の第一印象は出会って数十秒で決まってしまうとも言われています。
「人は見た目が9割」と言われますが、93%は目と耳で判断し、本質的な部分である話の内容や言葉の意味については、たったの7%しか判断材料に入っていないとのことです。
ビジネスマンとして第一印象はお客様とやりとりする上で非常に重要な要素ですが、第一印象に影響されすぎて正確な判断ができなくなることは避けなければいけません。
最後に
いかがでしたでしょうか。
もちろん、「この人と一緒に仕事をしたい」と思えるかどうか、感覚的な部分は大切な要素ですし、今までの成功体験や過去の事例に沿って行動することは、非常に効率的なやり方の一つだと思います。
ただ、企業の雇用や経営において多様化が進んでいる現在、今までの固定概念や風習を切り離して、広い視野で取り組むことも必要となってくるかもしれません。