出戻り社員のメリット・デメリット|出戻りを経験してわかったこと | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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出戻り社員を採用するメリット・デメリットや方法を詳しく解説

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こんにちは、出戻り社員の根本です。

最近、各社で出戻り社員が増えてきているように感じます。
実は私も、新卒でネオキャリアに入社し、WEBの広告業界の営業を経て、紆余曲折あり、またネオキャリアに出戻らせていただきました。
弊社でも出戻り社員が増えてきています。一度外の世界へ飛び出すと、さまざまな気付きを得ることができ、出戻りって意外とありなのではないかと思っています。
ただ企業側としては、「出戻り社員を採用しても大丈夫かな?」という不安もあるのではないでしょうか。

そこで今回は、出戻り社員を採用するメリット・デメリットや注意点などを詳しく紹介します。

出戻り社員とは?

出戻り社員とは、いったんは退職したものの、再び自社に戻ってきた従業員のことです。「家庭の事情で退職したけれど、状況が落ち着いたので再び働きたい」「別の会社へ転職したけれど、自分のスキルに合っていなかった」といった理由で、再雇用を希望する人は多くいます。
出戻り社員を受け入れることにはメリットが多いため、積極的に進めている企業もあります。次の項目では、出戻り社員を採用している企業の割合について見てみましょう。

出戻り社員を採用している企業はどのくらいある?

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エン・ジャパン 人事のミカタ「出戻り社員(再雇用)に関するアンケート」によれば、一度退職した社員を出戻りで「再雇用したことがある」と答えた企業は、全体の67%でした。

再雇用をしたことがあると回答した企業を規模別で見ると、「従業員101名~300名以下の企業」では84%で、「従業員1,000名以上の企業」では90%となっています。

逆に100名以下の企業では、「再雇用したことがある」と回答したのは60%以下となり、企業規模が大きくなるにつれて割合も大きくなる傾向が見てとれます。
なお、「一度退職した社員を再雇用する制度を設けていますか?」という設問に関しては、「制度を設けていない」と回答した企業が83%で、制度を確立している企業は少ない模様です。
「再雇用をすることになったきっかけ」に関しては、1位は「在籍時の上司からの推薦」で59%、2位は「在籍時の同僚からの推薦」で33%、3位が「社長・経営陣からの推薦」で31%と続いています。
いきなり出戻り先の企業に応募する、というよりはやはり誰かしらとコンタクトをとった後で出戻りのアクションをとっている方が多いようです。
個人的には、一度辞めて戻ってきても、職場のみなさんは結構温かく迎え入れてくれるものだと感じています。

出戻り社員を採用する企業が増えている理由

出戻り社員を採用する企業が増えている理由としては、人手不足や働き方の多様化などが挙げられます。以下、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
<h3>労働力人口の減少による人手不足
少子高齢化により労働力人口が減少していることは、出戻り社員の採用に注目が集まっている理由のひとつです。新しい社員を募集しても、応募数が少なかったり、優秀な人材に出会えなかったりして、採用活動に苦労している企業も多いでしょう。そこで即戦力を補充する方法として、出戻り社員の採用を進める企業が増えてきているのです。

働き方の多様化

働き方が多様化してきたことも、出戻り社員を採用する企業が増えている理由といえるでしょう。以前は終身雇用が当たり前だったため、出戻り社員を歓迎するムードはありませんでした。しかし、現在は人材の流動化が進み、転職することが当たり前になったため、出戻り社員を受け入れることも普通におこなわれる社会になりました。

出戻り社員を採用するメリット

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出戻り社員を迎え入れることには、企業側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。以下に簡単にまとめてみました。

即戦力として期待できる

再雇用後は退職前と同職種への配属となっているケースが多く、また「再雇用した理由」のアンケート結果でも1位が「即戦力を求めていたから」と、すぐに活躍できる人材として期待され再雇用されています。
前職での経験も自身の成長の糧となっており、より幅広いスキル、視点を身につけてジョインしてくれることでしょう。

人となりがわかっているので安心

「人となりがわかっている」が再雇用した理由の2位となっており、どのような人物か既にわかっているので安心感があり、適性にあった配属も可能です。
また、これまで働いていたため、入ってみたら思っていた会社と違ったという、入社後のミスマッチが防げるという利点もあります。

教育コストの削減になる

出戻り社員は、企業文化や業務について既に理解ができているため、教育や研修の必要がありません
新入社員に必要な研修や教育のコスト削減にもつながります。

採用スピードアップ・コスト削減

採用のプロセスも通常とは違い、省略することができるため、スピーディーな採用が可能です。
また採用プロセスが少なくなれば、それだけ採用のコストも削減できます。

社内の活性化につながる

社外でさまざまな経験を積んだ社員が戻ってくると、会社にとっても新しい知見が増えることになります。
今まではなかったアイデアや提案が出てくることもあり、社内の雰囲気が活性化されることにもつながります。

会社への愛着が強い社員を雇用できる

他社を経験し比較したうえで元の会社を選んでいるので、会社への愛着がより生まれやすくなります。
また一度辞めているという気持ちがあるため、安易に離職を考えることはなく、高いモチベーションを持って仕事をすることが多いでしょう。

出戻り社員を採用するデメリット

既存社員のモチベーション低下

一度辞めた社員が好待遇で戻ると、働き続けている社員のなかには面白く思わない人も多いという調査結果もあります。
戻ってきた社員の待遇が良い場合は、ずっといる社員のモチベーションが下がることもあるので、既存社員に対する配慮も必要です。

不公平感につながる

再雇用が認められ、マネージャーなどの管理職のポジションに座ると、現職の社員が不公平感を持つことにもつながります。
出戻る社員の過去実績や貢献度が高くても、既存社員の待遇とのバランスに考慮しないと不平不満が出やすいため注意しましょう。

新しい待遇の判断基準が定まっていない

再雇用を制度として確立している企業はまだ少ないため、ポシションや給与について悩むケースも多いでしょう。退職前のポジションや既存社員の待遇と、うまくバランスを取りながら基準を決めることが重要です。

社内の変化についていけない

離れていた間に社内に大きな変化があった場合に、その変化についていけない可能性があり、追いつくのに時間がかかってしまうというデメリットもあります。業務内容が大きく変わった場合は、研修などを実施してサポートしましょう。

出戻り社員を効率よく採用する方法

出戻り社員を採用するときは、以下のような方法で進めましょう。

退職者とのつながりを維持しておく

退職者とのつながりを維持しておくと、効率よく出戻り社員を採用できるでしょう。退職者と継続的にコミュニケーションを取っておくことで、人材が必要となったときにスムーズにアプローチできます。退職したからといって縁を切ってしまうのではなく、良好な人間関係を保っておくことで、退職者からも声をかけてもらいやすいでしょう。

勤務条件を選べるようにする

時短勤務やリモートワーク、フレックスタイム制など、出戻り社員の状況に合わせて勤務条件を選べるようにすることも重要です。介護や育児といった家庭の事情で退職した場合、以前と同じような勤務条件では働けないケースもあります。さまざまな状況に柔軟に対応できる体制を整えることで、より多くの出戻り社員を受け入れられるでしょう。

出戻り社員を採用するときの注意点

実際に出戻り社員を採用するときは、特別扱いしすぎない、労働条件などをしっかりと説明する、といった点に注意しなければなりません。それぞれの注意点の詳細は以下の通りです。

特別扱いしすぎないようにする

前に働いていた人だからといって、特別扱いしすぎないようにしましょう。もちろん過去の実績や経験を評価することは重要ですが、他の社員との間に待遇の差があると、不満が発生してしまう可能性もあります。出戻り社員を採用することで、既存社員のモチベーションが下がったり、離職者が増えたりしては意味がありません。全体的なバランスを見ながら、適切な待遇を決めましょう。

労働条件などをしっかりと説明する

出戻り社員を採用する場合は、書類審査や面接などのプロセスの一部を省略することもあるかもしれませんが、労働条件や業務内容など、重要な内容についてはしっかりと説明しておくことが大切です。知っているだろうと思って説明を省略すると、後でトラブルが発生するケースもあります。以前と変わっている部分もあるため、丁寧に説明しておきましょう。

職場に馴染みやすいように工夫する

出戻り社員だからといって、すぐに職場に馴染めるとは限りません。以前と同じ部署に配属したり、知っている上司や同僚と同じチームに配属したりして、職場に馴染みやすいよう配慮しましょう。随時ヒアリングを実施して、困っていることがないか確認することも大切です。

出戻り社員として採用された従業員が感じること

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完全に個人的な主観ですが、出戻り社員として感じることを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1.先輩にはもちろん敬語、中堅には友達口調、若手には敬語を使う

出戻ってくると、以前は若手であった後輩もすでに中堅社員に。みんな成長して立派になって、出世もしています。
それでも、以前からの関係値もあり、基本的に友達口調で会話をしています。

ただ、基本的に初めましての方に対しては、相手のこともよくわからず、出戻ってきた自分の立ち位置も先輩なのか後輩なのかよくわからないため、新卒社員の方に対してもまずは敬語で接します。

2.昔はこうだったって語りがちになる

「昔は100名規模だったのに今は1,000名以上いるんだ」「昔の営業はこうやってたのに今はこんなやり方なんだ」「昔は手動だったのに今こんなシステム使ってるんだ」などと、昔のことを引き合いに出して話をする傾向があります。

ただ、決して今を否定しているわけではありません。基本的に謙虚です。
昔の苦労話をして笑い、昔と今を比べて過去を懐かしんでいるだけなのです。

3.久しぶりに実家に帰ってきたみたいな感覚になる

自社独自の用語や略語、文化・社風に触れるたびに「ああ・・・そんな感じだったなあ」としみじみ思うことがあります。
オフィスが変わっておらず、エントランスやデスク、イスなども変わっていなければ「そうそうそうそう、懐かしいな」という感覚が生まれます。

4.客観的に自社を見ることができる

他社を経験することで、さまざまな価値基準に触れてきているため、一歩引いた視点で自社を見ることができます。
そのため、既存のやり方にとらわれることなく新しい発想やチャレンジをおこないやすくなります。

5.社内事情にものすごく疎くなっている

「○○さんと●●さんが結婚した」「▲▲さんが異動した」「同期の体型が変わってびっくりした」「知らない社内イベントができている」「部活が増えた」など、気分は浦島太郎です。

6.もはや自分が何年目とかわからなくなる

というかもう気にならない。

7.結果を残さないと戻ってきた意味がないので、めっちゃ頑張る

恩返しの意味も込めて、「とにかく頑張ろう」って思います。
あと、「何があってもそうそう辞めるわけにはいかない」と強く心に刻んでいます。

出戻り社員を採用して人手不足を解消しよう!

今回は、出戻り社員を採用するメリット・デメリットや注意点を紹介しました。
多くの企業が出戻り社員を受け入れることに前向きであり、人手不足が叫ばれる今、このような選択肢が増えてきてもいいのではないでしょうか。
ただ、出戻り社員を受け入れることで既存社員の不満が生まれることのないよう、待遇やポジションには注意しましょう。

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