こんにちは!HR NOTE編集部です。
近年、アメリカなどの海外の人事メディアで話題になっているワードがあり、「戦略人事」と呼ばれています。
日本でも、日々複雑化していくビジネス環境において、企業の成長のために効果的な人事戦略を計画・実行していくことが、人事部に求められてきています。
その上で、人事管理業務にHRTech領域のサービスを活用し、データを収集・分析することで、企業戦略に活かすことができます。
しかし、多くのデータを使いこなし、企業経営に活かすことは非常に難しく、多くの時間と努力が必要になるといわれています。
大量の採用データをどのように活用するか、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、ビッグデータ活用に取り組むために、必要なことを紹介します。
目次
1. ビッグデータに対する考え方
HR分析やビッグデータなどの分野を専門としているライターのケイト・スメドリーさんは、戦略的人事に向けて、まずは以下の手順でビッグデータに対する考え方を持つべきだといっています。
- 利用可能なデータは何かを理解する
- 自社の課題を定義する
- HRTech領域のサービスを活用する
- より戦略的な指標を作成する
- 自分の出した結論に責任をもつ
- 自動化を受け入れる
- 企業戦略の構築を行う
上記の考えは、以下のようにまとめることができます。
1-1. 利用可能なデータは何か理解する
当たり前な事ですが、データ無しでは分析をするという入口に立つ事はできません。
まずは、人事領域において利用可能なデータは何があるかを理解し、そのデータを生成するためにどのようなシステムが役立つか把握しましょう。
1-2. 自社の課題を定義する
自社の課題は何かを洗い出し、定義しましょう。
企業の目的を達成するために課題となっている部分はどこになりますか。
そして、課題を分析するためにどのようなデータが必要か把握することが大切です。
1-3. HRTech領域のサービスを活用する
採用領域の場合、採用管理システムを用いることで人事担当者の負担を軽減するとともに、応募者の重要なデータを収集できます。
しかし、採用機能の半分以上が依然として手動的なプロセスに依存しており、データの収集・測定が満足にできている企業はそこまで多くないのが現状です。
今こそHRTech領域のサービスを活用し、データ分析に注力していきましょう。
1-4. より戦略的な指標を作成する
ビッグデータは、人事活動にパターンや傾向を特定してくれます。
組織・従業員の課題を見抜くことができ、また先に予測することもできます。
「昨年は何人が退職したのか、何が原因で退職したのか、退職の傾向はあるか、退職を防ぐには何が必要か、現在退職リスクがある従業員はいないか」
「成果がでる組織、でない組織の違いは何か、適材適所で人員配置ができているか」
といった事象の原因分析をもとに、より詳細な指標の作成や、予測をもとにした指標の作成が可能です。
1-5. 自分の出した結論に責任をもつ。
ビッグデータの分析結果と自身が蓄積してきた経験の間で、予想もしていなかった数値がでてくることもあります。
今までの行動が誤っていたという結論になるかもしれませんが、自分の出した結論に対して自信をもち、やり続けることが必要です。
1-6. 自動化を受け入れる
ビッグデータの分析結果を理解し、企業経営に役立てていくためには、「人間」という要素が必要です。ありふれた作業に対処することを自動化し、人事は企業の目的に応じた戦略策定に集中するべきです。
1-7. 企業戦略の構築を行う
ビッグデータは、企業経営の発展に大きく貢献できる可能性があります。
給与水準とパフォーマンスの間の相関関係や業務で必要なスキルは何かなど、分析結果があらわす内容に、より一層の関心が集まってくるでしょう。
企業戦略に貢献するために、人事は自社の目的、方向性を理解する必要があります。
そして、その目的を達成するためにビッグデータを活用しましょう。
2. 最後に
企業の価値を生み出すのは、事業ではなく人材である、という言葉をよく耳にします。
優秀な人材の採用・育成・選抜・配置を適切に行っていくために、人事は管理部門から脱却し、戦略機能をもつことが必要となる時代がきました。
日本ではまだ一般的ではありませんが、今後CHRO(最高人事責任者)のようなポジションが設置され始めるかもしれません。