ヨーロッパのHRTechサービス事情 | 2社で80%占有 |HR NOTE

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ヨーロッパのHRTechサービス事情 | 2社で80%占有

  • 編集部より

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こんにちは!HR NOTE編集長 根本です。

先日のイギリスのEU離脱のニュースなど、ヨーロッパの動きが大きく注目されていることかと思います。
東京商工リサーチによると、イギリスには343社の日系企業が進出し759カ所の拠点を展開しているとのことです。
日系企業のみならず、各国の企業が何かしらのマイナスの影響が起きないか懸念しています。

そんな今、動向が注目されているヨーロッパにおいて、HRTech市場は現在どのようになっているのでしょうか。
今回は、Andy Spence氏の記事をご紹介させていただき、ヨーロッパのHRTech市場の現状に関してお伝えできればと思います。

■人物紹介:Andy Spence(アンディ・スペンス)
HRトランスフォーメーション(HRT)とよばれる人事部門の改革と人事業務・ITのグローバル化の実現のスペシャリストです。
イギリス、ヨーロッパ、アメリカにて、複雑な組織改革の運営に関して20年の業務経験を有しています。
2006年には、複雑な人事変革プログラムのためのコンサルティングサポートを提供するGlass Bead Consultingを設立。
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ビッグ2がヨーロッパのHRTech市場を牽引

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Andy Spence氏は、過去19年間にわたってHRTechの導入状況について調査を行っているSierra Cedar社の調査結果をもとにして考察を述べています。

Sierra Cedar.Inc
次世代アプリケーションや技術の展開、管理、および最適化のためのコンサルティング、技術サポート、管理サービスを提供しており、Oracle、Salesforce.com、Workdayのパートナー企業です。長年に渡ってHRTechに関する調査を行ってきています。

Andy Spence氏によるとヨーロッパのHRTech市場は、ビッグ2と呼ばれる2社が牽引しています。
ヨーロッパでのHRマネジメントシステム導入に関する「ビッグ2」テックプロバイダーはSAPとOracleで、市場の83%を占有しています。
「SAP(HCMとSuccessFactorsのサービス)」の占有率は52%、「Oracle」は31%。「ADP」「Kronos」「Workday」の3社で25%となっています。

この結果は、ロンドンで開かれたHR Tech World Spring 2016に参加した方々にとって、彼らがCoreHRとWorkdayの存在感が際立っていると話していため、驚きであったとのことです。
(※ここでの調査結果は導入ベースの数字であり、市場シェアとは異なります)

  • SAP:エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーとして、本社のドイツを始め、世界に130カ国以上の支社を持つ。人材管理クラウドサービスのSuccessFactorsはSAPのグループ企業。
  • Oracle:すべてのビジネス活動に対して、総合的かつ統合されたクラウドアプリケーションとプラットフォームを提供している、世界的な大手企業の一つ。先端のクラウド型人事ソリューションを提供。
  • ADP:111カ国以上に渡って、人材/人事管理・給与計算サービス・タレントマネジメント・福利厚生などに関するオールインワンソリューションを提供している企業。スタートアップ、中小中堅、大企業など、企業規模に合わせてサービスを提供。
  • Kronos:人事、勤怠、給与、スケジューリングなどを統一されたプラットフォーム上で管理できるシステムサービスを提供。従業員のエ​​ンゲージメントを高め、リアルタイムでのより多くの情報を得られるため、ビジネス上の意思決定を加速。
  • Workday:人事も財務も分析もすべての機能をひとつのプラットフォームで行うことができる、エンタープライズソリューション。主要な企業向けエンタープライズアプリケーションベンダーの中で98%という最高の顧客満足度を達成しており、グローバルに事業を展開する顧客に採用されている。
  • CoreHR:人事と給与のソフトウェアを提供。一つのプラットフォーム上で、給与計算、人的管理、労務管理、タレントマネジメントなどを行うことができる。

ウェアラブルのテクノロジーには高い関心がある

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ウェアラブルのテクノロジーは、従業員のパフォーマンスに関する知見を提供することができるのか?

ウェアラブルのテクノロジーを活用すれば、ウェアラブルセンサーから身体の動きに関するデータを収集し、組織の生産性との相関性が高い行動は何か算出することができ得ます。

例えば、従業員間のコミュニケーションと頻度や、業務時間などに関する行動データを計測し、職位や年齢などの属性と関連づけて分析を行い、ハイパフォーマーの行動はどのようなものか考察することができます。

調査の中で回答者の55%は、ウェアラブルを使うことで「職場の生産性が向上するだろう」と回答しているとのことでした。
同調査の対象企業の16%は現在、ウェアラブルテクノロジーを活用しているか検討段階にあり、Andy Spence氏の記事によると、サッカーの事例にはなりますが、イングランド代表のウェイン・ルーニーはトラッキング端末を装着してオールド・トラッフォードのスタジアムを走り回ってさまざまな数値を計測し、分析してプレーに活かしているのとことです。

クラウドの波はきているが、オンプレミスもまだ多い

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HRテクノロジートランスフォーメーション(ITを用いた組織改革)に至るのに最もよくある手法として、26.5%の人が回答しているのが「リップ・アンド・リプレイス」です。
これは基本的に、あらゆるデータをクラウドに移行させることを指します。

Andy Spence氏は、この移行を検討することは、ややリスキーではないかと説いています。

実際は、ほぼ全てがHRクラウドに移行しているのではなく、HRマネジメントシステムの約半分はまだオンプレミス(自社で用意した設備でソフトウェアなどを導入・利用すること)であるということを挙げています。

これは、ビッグ2の顧客がアップグレードの段階にあり、オプションで対応していることと関係があり、また、クラウドに移行しているその他の企業はセキュリティやプライバシーの問題に直面しているのではないかと述べています。

最後に

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いかがでしたでしょうか。

HRTech導入を検討する上で、自社の人事業務で本当に必要とされているものは何か、その中でどのように人事制度運用のサポートを実現してくれるのか、自社で使いこなせるものかどうかが非常に重要です。

高い費用を投じて多くの機能があるサービスを導入しても、自社での運用で手に余る機能が多ければ意味がなくなってしまいます。
長期的に行っていきたい戦略や世界観をある程度想定した上で導入検討する必要があるでしょう。

【参考記事】
http://blog.hrn.io/state-hr-systems-market-europe-2016-sierra-cedar-survey-results/

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