2,600億円以上の資金調達市場に見る人事サービスのトレンド |HR NOTE

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2,600億円以上の資金調達市場に見る人事サービスのトレンド

  • 編集部より

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こんにちは。HR NOTE編集部 根本です。

アメリカの調査サービス「CB Insights」がHRTech関連サービスの市場において、VCからの資金調達案件数が過去最高に並んだというデータを発表していました。

日本でもHRTech市場はさまざまなサービスが出てきており、非常に注目を集めている市場となっていますが、海外でもまだまだHOTな市場の模様です。そこで今回は、CB Insightsの記事をもとに、海外のHRTech市場に関してお伝えできればと思います。

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HRTech企業の資金調達金額や件数の傾向を見る

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上記の表は、CB Insightsによる、2011年の1Q(1月-3月)~2016年の1Q(1月-3月)までのHRTech関連企業の資金調達額(棒グラフ)と資金調達件数(折れ線グラフ)を表したものです。

この表を見ると、2015年は、年間で資金調達金額24億ドル(約2,600億円)、調達件数383件となり、過去最高の数値を出していますが、Q2’15(2015年7月-9月)にピークを迎えたのち、金額、件数ともに2015年後半には低迷していきました。

しかし、Q1’16(2016年1月-3月)に、調達件数106件で約6億ドルの資金を調達しており、盛り返していることがわかります。件数では過去最高だったQ2’15(2015年7月-9月)と並び、金額でも過去2番目の水準です。

Q1’16(2016年1月-3月)は、HRTechのスタートアップ企業を中心に大規模な調達案件がありました。
求人サービスを提供しているSnagaJobは1億ドル、採用マーケットプレイスのHiredは4,000万ドル、経歴確認プラットフォームのCheckrも4,000万ドルを調達しています。

金額の大きさからも伺えるように、HRTech関連のサービス領域は、引き続き注目の領域であるように伺えます。
さらに、CB Insightsはデータと分析結果を用いて、資金調達額が多かった企業をランキングしてくれています。

最も資金調達をしているHRTechサービス提供企業ランキング

このランキングで対象としているカテゴリーは、HRTech主導の人材マネジメント、人材配置、採用、福利厚生などになります。

Zenefitsが2016年の3月までで、最も多くの資金を調達したHRTech企業となりました。
同社は2016年初頭、CEOのParker Conrad氏が規制遵守に不備があり辞任するなどのトラブルはあったものの、調達金額を比較分析すると圧倒的な金額を調達しているのが見てとれます。

さらに上位の2位と3位の企業をみると、アメリカのテキサス州を拠点としているOneSource Virtualや中国のFXiaoKeなど、知名度がそこまで高くないHRTech企業によって占められています。

ランクインしている各企業がどのようなサービス提供しているかを簡単に下記にまとめました。

Rank1:Zenefits

zenefits

Zenefitsはサンフランシスコにある2013年設立のスタートアップ企業です。
サービス領域は中小企業向けに、給与計算・健康保険の管理など、人事業務を効率化してくれるオンラインツールを無料で提供しています。
主な収益源は、自社サービスの導入とともに従業員に健康保険を販売しており、保険会社から販売手数料を得てマネタイズをしています。

Zenefitsは一時期、シリコンバレーを代表するユニコーン企業と言われており、その際は45億ドルの評価額で5億ドルを調達しています。
しかし現在は、コンプライアンスに抵触する行為が明らかになり、事業の成長スピードも鈍化傾向で苦しい状況となっています。

Rank2:OneSource Virtual

oneソース

OneSource Virtualはテキサス州にて、1990年に設立した企業です。

世界中で利用されている、クラウド型人事・財務管理システム「Workday」の代理店として、Workdayを活用した戦略的コンサルティングサービスの提供・機能実装サポートなどを行っています。

Workdayを通して人事管理、給与計算、労務管理などを効率的に行えるようし、また財務・会計アウトソーシングのサービスも提供しています。

Rank3:FXiaoKe

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Fxiaokeは2011年に中国・北京で設立された企業で、中国で最も急速に成長しているSaaSプロバイダーの一つです。

流通管理や顧客管理などができ、企業の営業支援や顧客との良好な関係構築をサポートする、エンタープライズ・クラウドプラットフォームを提供しています。

スマートフォンにも対応しており、「いつでもどこでも管理ができる」ということをアピールポイントとしています。
コーポレートサイトを見ると、40万社の企業が活用しており、さまざまな中国の企業と取引実績があります。

Rank4:Glassdoor

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Glassdoorは2007年に設立し、転職者向けの企業口コミサイトとそのデータベースを運営しています。

社員が自社のレビューやCEOを評価したり、給料の情報を公開したり、実際に面接で質問された内容などが登録されています。
2015年4月時点で登録者数は40万社、口コミは800万件にもなります。

また、膨大なデータを元に、さまざまなレポートやランキングデータを出しています。
企業側にとっても、有能な人材探しやタレントを早期に見つけ出すためのソリューションを提供しています。

Rank5:Gusto

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Gusto(旧ZenPayroll)は、2011年に設立された企業です。
もともとZenPayrollという社名でしたが、事業領域の拡大などを背景に2015年9月にGustoに社名変更をしています。

採用、保険、給与支払などを効率的に行うためのクラウドサービスを提供しており、中小企業を中心に展開しています。
Zenefitsのライバル企業として良く名前があがっていた企業でもあります。

Rank6:SnagaJob

snagajob

SnagaJobは、バージニア州リッチモンドに拠点を置く、1999年に設立した企業です。

6,000万人以上の求職者が登録している、最大規模の時間給労働者向け求人サイトで、求人件数も400万件に上ります。
求人掲載に関しては、月額89ドルからスタートすることが可能です。

2016年にはLinkedInと業務提携をしており、お互いのプラットフォームにある膨大なデータを用いて労働力やキャリアの動向に関する研究を行っていくとのことです。

Rank7:Paycor

Paycorは、1990年に設立された企業です。
2012年の夏に現在の人事・給与に関するプラットフォームサービスを開始しました。

人事・給与領域のクラウドサービスを中小企業向けに提供しており、追加料金をかけることなく、拡張機能や自動アップグレードなど、機能追加を行うことができます。
クライアント数は30,000社、全50州で150万人の従業員が同社のサービスを活用しているとのことです。

Rank8:Namely

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Namelyは、2012年に設立し、ニューヨークを拠点に活動している企業です。

こちらもGusto同様に、Zenfitsと比較されることがあり、給与、保険、勤怠管理、人事配置・評価などの機能がまとめて利用でき、人事業務をサポートするシステムを提供しています。

中堅企業向けの人事管理ツールといわれており、従業員規模が約200人程度の企業が対象とのことです。
2015年6月時点で世界20カ国、250社、従業員数延べ約40,000人がサービスを利用しています。

Rank9:HireVue

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HireVueはユタ州ソルトレイクシティに本拠を置く2008年に設立した企業です。

動画を活用した採用プラットフォームを提供しており、動画を使って応募者の自己紹介を見たり、企業と応募者の一次面接を行えたりできるサービスです。企業側が設定した質問に対してエントリーしたい人は動画を撮影して投稿でき、候補者は地域・時間に捉われず採用のチャンスに応募することができます。

世界180カ国、550社で採用されており、数百万人の採用候補者のインタビューに活用されています。
アップル、IBM、ナイキ、アメリカンエクスプレス、アマゾンなどの有名企業も導入しています。

Rank10:PlanSource

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PlanSourceは、2002年に設立した中小企業向け人事管理プラットフォームです。

人材管理、保険の手続き・管理、給与支払いなどのソリューションをはじめ、中小企業向けに福利厚生のプラットフォームも提供しており、約8,000社が導入しています。

メットライフやヒューマナといった大手保険会社、ブローカーなどとパートナーシップを結んでおり、それによってさまざまなメリットを受けることができます。

最後に

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いかがでしたでしょうか。

日本で唯一のユニコーン企業といわれているメルカリが、2016年の3月時点で合計で126億円の資金調達をしており大きな話題となっていますが、それ以上に資金調達をしている企業が多数あり、HRTech市場の注目度が伺えるのではないでしょうか。

海外とは保険のあり方が異なる部分もあるため、アメリカ発の企業のサービスを中心に、保険に関するサービスが多い印象を受けました。
しかし、海外にも展開している日系企業では海外のHRTechサービスを活用していたり、HireVueのように日本の企業と提携して日本市場に向けてサービスを展開している企業が出てきており、海外のサービスもいずれ身近なものになるかもしれません。

■参考記事:https://www.cbinsights.com/blog/deal-activity-record-q1-2016/

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