Googleに学ぶ人事管理の最先端|面接の最適回数は4回? | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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Googleに学ぶ人事管理の最先端|面接の最適回数は4回?

  • 編集部より

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世界を代表するIT企業といえば、真っ先にGoogleという社名が頭に思い浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Googleは、さまざまな物事に関するIT化を進めていますが、人事に関する業務もデータ重視で取り組んでおり、専門の分析チームがすべての人事データを集め、分析をしています。

Googleの人事関連の記事を見たことがある方も多いかと思います。

そして今回は、Googleが導き出した人事データに関する事例について採用や人事管理に関するものをいくつかご紹介します。

採用担当者は要チェック!「採用面接の落とし穴」

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Googleへの採用応募者は年間200万人以上

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Googleは2015年3月時点では、約5万5,400人が働く巨大な企業です。

毎年、Googleには200万人から300万人の採用応募が寄せられ、米国本社の就職倍率はハーバード大学への入学倍率よりも25倍高いと言われています。

周知の通り、Googleはデータを用いた分析に関しては世界有数の企業です。

常に採用や人事評価に対してデータ分析をもとに最適化を繰り返しており、統計データによって最高の人材を発見し、育成することに長けています。

面接の最適回数は4回?データ分析による採用面接の数値化

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Googleでは、採用・不採用に関して個人の勘や経験という暗黙知ではなく、データを重視しており、入社希望者に対する面接の最適回数は4回と定めています。

4回の面接によって86%の確率で適切な候補者を採用することが選ぶことができ、一方で5回以上繰り返しても確率は1%ずつしか上がらないということが統計データとして出ているとのことです。

5回以上面接を行う際は、惹きつけの要素などを重視するフェーズを入れてもよいかもしれません。

また、第一印象による誤った採用・不採用の判断を防ぐために、10秒以上かけて判断するというルールを定めています。

話す内容が7%、表情や見た目などそれ以外の93%が最初にあった人間の印象を決めるという法則があるため、Googleではバイアスがかかって拙速な判断にならないよう、10秒以上かけてから面接希望者の印象を判断しています。

学歴では採用パフォーマンスは図れない?

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創業当初のGoogleは、スタンフォード大学またはマサチューセッツ工科大学を卒業していなければ入社できないとされていました。

大学名や大学時代の成績は、社員のパフォーマンスと比例していると考え、採用活動を行っていたからです。

しかし、人事チームはデータを集め、社員の学歴とグーグルでのパフォーマンスの相関関係を調べたところ、新卒採用では多少の相関があるものの、中途採用では大学名や大学の成績は仕事のパフォーマンスにはほぼ関係がないことがわかりました。

Googleが大切としていることは、エンジニアでは一定以上のコーディングスキルは求められますが、何よりも社員の好奇心や、誠実さ、謙虚さ、リーダーシップなどです。

たとえば、好奇心溢れる人は自ら仕事に取り組み、積極的に学ぶため、多くの社内トレーニングを必要とせず、結果、多大な人材育成コストもかからずに済みます。

現在のGoogleには大卒社員が半分程度しかいません。

優秀な採用面接官は存在しない?

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以前のGoogleは、「アメリカ全体の製品改良にかかる金額はいくらだと思いますか?」や、「国内にラジオ局はいくつあると思いますか?」といったクイズのような内容が中心の面接でした。

しかし、これらのクイズを答えるためのスキルは、練習して身に付くスキルであり、実際に働いた時のパフォーマンスとはあまり相関性がないということを発見しました。

また、Googleの従業員のうち誰が優秀な面接官か数万件の面接記録、入社後のパフォーマンスを調べたところ、これといった相関関係がなかったとのことです。

そこからGoogleの人事採用時の面接は、「行動的面接」と「状況的面接」の2つを組み合わせて設計するようになりました。

  • 行動的面接」:候補者の過去の実際の行動に関して、どのように行動したのか、その意図は何であったのかなどを深堀していく面接です。
  • 状況的面接」:面接官側で設定した架空の状況に対して、どのように考え、行動するのかを質問していきます。具体的な話を掘り下げて聞いていくことにより、候補者の本質を見ていきます。

Googleでは面接時の質問項目を、最初の導入質問から深堀する際の質問まで、候補者の思考プロセスを理解できるように構造化しています。

それにより、同じ質問を面接で行い、同じ評価基準で候補者を評価し、一貫した要件に基づいて採用意思決定を行うことを可能にしています。

また面接官が陥りやすい部分で、面接時に候補者を適切に評価することよりも、最初の印象を裏付ける証拠集めをしがちになるということです。

データ分析によって昇進基準を決定するタレントマネジメント

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Googleの採用および昇進基準は、有名な大学を卒業していることが条件でした。

しかし、現在は、学歴によって昇進することはなく、リーダーとして成功を収めた社員は、必ずしも学歴やIQが高いわけではないことを発見しています。

そのため、採用面だけでなく、タレントマネジメントにおいてもあらゆるケースを数値化し、判断基準を構築しています。

たとえば、年次で行う従業員サーベイを用いて、定着率、業績管理への信頼度、キャリア開発度などのスコアをつけ、それにより優秀なマネジャーかどうかをまとめています

Googleによると、優れたマネージャーに求められる資質は以下のように8つあるとのことです。

  • 優れたコーチであること
  • 細かなマネジメントをしないこと
  • チームメンバーの成功や満足度に対する関心が高いこと
  • 生産性や成果を重視すること
  • 円滑なコミュニケーションと情報共有ができること
  • メンバーのキャリア開発を支援すること
  • 明確なビジョンと戦略を持ったチーム運営ができること
  • チームにアドバイスする技術スキルがあること

上記の資質があるかどうかをサーベイによって数値化し、マネージャーにふさわしい人物を昇進させるべきという考え方を持っています。

ありのままの自分で仕事に取り組めているか?

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Googleは2012年に「プロジェクト・アリストテレス」という、従業員の生産性を高めることを目的としたプロジェクトを実施しました。

それによると「チームワークが良いか」「プライベートでも交流が深いか」「仕事以外にお互い干渉がないか」「仕事中に雑談するようなチームか」「私語は厳禁であるチームか」という軸では、生産性に関して目立ったパターンは見つかりませんでした。

Googleが発見したのは、他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感といったメンタルな要素の重要性でした。

成功するチームには「心理的安定性」が共通して見受けられたとのことです。

これはリーダーやチームメートから「バカにされないだろうか」「叱られないだろうか」という不安に襲われることなく、安心して思い切って仕事に取り組める状況をつくり出せているか、ということです。

「素の自分」で仕事に取り組むことで生産性の向上につながります。

最後に

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Googleの人事に対する取り組みは、新しい発見が多くあり、多くの方が疑問に感じたり反発したりする部分もあるかと思います。

もちろん、Googleという有名企業だからこそ効果がある施策もあるように見受けられます。

重要なのは、データ分析に基づいて抽出された事実から判断をし、PDCAをまわしていくことではないでしょうか。

日々Googleは、データ分析によって人事領域の何かしらの成功法則を見つけています。

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