思わず共有したくなる?|noteで注目された採用系記事をまとめて考察してみた | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

思わず共有したくなる?|noteで注目された採用系記事をまとめて考察してみた | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

思わず共有したくなる?|noteで注目された採用系記事をまとめて考察してみた

みなさんは、「note」をご存知でしょうか。

noteは、クリエイターと読者をつなぐサービスで、文章、写真、イラストなどを手軽に投稿でき、多くのビジネスパーソンが情報収集のためのアプリとして活用しています。

noteは、Twitterのように字数制限がないことやイラストを作成できることから、質の高いコンテンツを見ることができます。

以前Twitter「人事担当者が書いたnoteの記事」が拡散されており、その内容が非常に役に立ちました。

そこで、今回人事界隈で多くの人に拡散されたnoteの記事をまとめ、拡散された理由を調べてみました。

本記事では、noteの「#採用」で話題を呼んだ6つの記事を、「図解」「ノウハウ」「企業」の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

【1】バズった記事をまとめ「図解編」

まずは、話題読んだ記事の中でも、著者が図を用いて人事制度やカルチャーマッチを解説している記事をご紹介します。

①人事制度マトリクス
みやもとかずのり

著者情報

みやもとかずのり
twitterフォロワー 1556人 noteフォロワー 251人 (10月31日時点)

FinTechスタートアップ「ウェルスナビ」の人事マネージャー。

現職に1年目の人事として入社し、約1年間は「ぼっち人事」として採用・労務・育成・評価など、人事領域全般を担当。

記事概要

記事では、多くの経営者や人事担当者が制度を設計する際に、参考にすると思われるフェーズの違う3社の人事制度を中心にまとめています。

1.サイバーエージェント(メガベンチャー)
2.メルカリ(上場後スタートアップ)
3.SmartHR(未上場スタートアップ)

上記3社の人事制度を、縦軸は「金銭報酬」と「非・金銭報酬」、横軸は「挑戦」と「安心」で表し、マトリクスにしてまとめています。

上記の2軸によるマッピングに加え、各人事制度をカテゴリー(健康、家庭、コミュニケーション、成果/効果、成長/キャリア、その他)ごとに色分けされています。

記事を読んだ人の反応


Twitterユーザーが本記事のツイートを見た回数は約7万回、noteで652スキ、Newspicksでも200pick以上など、多くの人に閲覧された記事です。

まず、マトリクスの完成度の高さがあげられます。

カテゴリーごとに色分けされてマッピングされているので、一目でさまざまな人事制度の効果がわかります。

このマトリクスを活用することで、自社で導入している制度の全体的なバランスを見ることができたり、導入していない制度を発見できたりします。

また、3社のユニークな人事制度が興味深いという声も多くありました。

たとえば、メルカリでは恋愛・未婚マッチングサービス「pairs」を無料で利用できる制度があります。

この制度は、育児をしている社員にばかりに福利厚生が偏らないように、全社員にとって公平な制度設計を意識した人事制度です。

このように、人事制度を俯瞰的に見ることができるマトリクスとユニークな事例をあげている点が拡散された要因だと考えられます。

②カルチャーマッチマッピング
土居 健太郎

著者情報(土居 健太郎)

土居 健太郎
Twitterフォロワー 5719人 noteフォロワー 288人 (10月31日時点)
ナイル株式会社 取締役 社長室室長。現在100名ほどのベンチャー企業の人事責任者。

記事概要

カルチャーマッチ度とスキルの相関関係についての議論において、「スキルは高いけどカルチャーマッチしない人は絶対採用するな」という意見をよく耳にします。

しかし、「スキル高い=市場価値も高い」はずなのに、なぜカルチャーマッチしないだけで、採用してはいけないのかと疑問を持つかもしれません。

下記の図のように、記事ではスキルをフェラーリと自転車に、カルチャーマッチ度を操縦者の意思が走行に反映されるか、という軸に置き換えています。

この軸に変更することで、どれに乗るべきか、どれに乗ると一番危険性が高いか明確化されます。

記事を読んだ人の反応

記事を呼んだ人の反応を見てみると、自転車とフェラーリのたとえがわかりやすいという声が多かったです。

タイトルにもあるように、「誰にでもわかりやすく」説明されていることが多くの人に読まれた要因だと考えられます。

スキルを変えることはできますが、社員の心を変えることはできません。

この記事を通して、カルチャーのミスマッチを減らすためにも、応募者に自社のカルチャーを理解してもらえるような発信をする必要があると考えさせられます。

【2】バズった記事まとめ「まとめ編」

本章では、会社ピッチ資料や中途採用活動におけるタスクなど、著者がさまざまな情報をまとめた記事をご紹介します。

③公開されている会社ピッチ資料26選
HeaR inc.

著者情報

HeaR inc.
noteフォロワー 73人 (10月31日時点)

HeaR inc.は採用マーケティング支援事業を展開している会社で、noteには社員インタビュー記事や採用ノウハウなどの記事を投稿しています。

記事概要

近年、採用ピッチ資料(会社紹介資料)をWeb上に公開する企業が増えてきました。

たとえば、株式会社SmartHRは資料をWeb上に公開したことで、応募数が5.3倍に増加し、閲覧数が40万回超えなどの効果がありました。

しかし、「採用ピッチ資料に載せるべき項目がわからない」「どの程度の情報を載せていいのかわからない」という方と思います。

そこで、記事ではWeb上に公開されている採用ピッチ資料26選をまとめています。

記事を読んだ人の反応

記事を読んだ人の反応は、「まとまっていて見やすい」という声が多く見られました。

また、自社の採用ピッチ資料が掲載されていることを拡散している人も見られました。

26社もの会社紹介資料があるため、人事担当者は会社が説明会などでプレゼンしなければならない際に、参考になるでしょう。

また、掲載されているプレゼン資料はとても見やすいため、パワーポイントを使う多くのビジネスパーソンにも役に立つでしょう。

単に資料が掲載されているだけでなく、その会社の特徴も追記されているため、掲載されている会社をより深く理解することができます。

④中途採用担当がやるべきこと・人数規模別まとめ
Kouta Hukuda

著者情報

Kouta Hukuda
Twitterフォロワー 134人 noteフォロワー 658人 (10月31日時点)

2016年3月より株式会社Colleaguesを立ち上げ、Webサービスの開発や採用コンサルティングをおこなう。採用コンサルティングに関しては代表自ら、上場企業4社とスタートアップ企業2社を支援。

記事概要

本記事では、採用コンサルティングをおこなっていた著者が、企業が中途採用を実施する際にすべきこと、採用人数規模別にするべきことをまとめています。

スプレッドシートで作成された「タスクシート」が記事内に記載されており、自社がすべきタスクを明確化するために役に立ちます。

タスクシートでは、現在の目的に応じて次にするべきことが記載されています。

たとえば、応募者の受け皿を用意することが目的ならば、次にすべきことは「管理ツールを決めること」「応募フォーマットを用意すること」になります。

このように、タスクシート活用すると、現在の目的に合わせて次にすべきことが瞬時に判断できるようになります。

記事を読んだ人の反応


記事を読んだ人の反応は、「社内で共有したい」「いつ見返しも参考になる」という声がありました。

また、採用に関する言語化されていないノウハウを、この記事を読むことで、言語化することができるという声もありました。

人事担当者は採用活動において、次に何をすべきなのか判断に迷ってしまう期間があるかもしれません。

このタスクシートを活用することで、採用活動をする上でするべきことが明確化され、効率的な業務フローで採用活動を実施できるでしょう。

また、記事内には「チャネル確保の方法」「候補者の意欲を上げる方法」「内定承諾率を上げる方法」など、詳細な運用方法が記載されています。

【3】バズった記事まとめ「企業編」

本章では、著者が実際に働いた経験や本を読んだ内容を参考にして、1つの企業の組織体制やカルチャーについて記載されている記事をご紹介します。

⑤リクルートのカルチャー
Tetsuji Kamiyosi

著者情報

Tetsuji Kamiyosi
noteフォロワー 235人 (10月31日時点)

塾の先生→デロイトトーマツで人事コンサル→リクルートHDで人事制度設計&運用→RPAホールディングスで人事全般。

記事概要

本記事では、リクルートの社員が「当事者意識」を持って働くことができる理由を紹介しています。

リクルートでは、社員に「当事者意識」を持って働いてもらうためにユニーク人事制度があります。

たとえば、will/can/mustで運用する評価制度や、新卒から約7年働くと年収1年分の退職金がもらえるなどがあげられます。

しかし、著者は現場の人を突き動かしているものは制度ではなく、リクルートのカルチャーだと分析しています。

リクルートのカルチャーとは、次の3つがあげられます。

リクルートの3つのカルチャー
①日々の進捗管理で自分がゴリゴリに詰められないように必死に仕事をする。
②短いスパンで繰り返される褒め文化。表彰文化(週次、月次、Q毎、半年毎、年間)
③「本当の顧客の課題は何か?」「世の中の課題解決になっているのか」そもそも論のコミュニケーション。

この3つのカルチャーが、どこの現場でも現れている点がリクルートの強みであると記事で紹介しています。

記事を読んだ人の反応


記事を読んだ人の反応を見てみると、「知りたかったリクルートのカルチャーを知ることができた」という声が多く見られました。

リクルートは社員一人ひとりが「当事者意識」を持って働いている会社として有名です。

しかし、なぜ社員一人ひとりが当事者意識を持って働くことができるのか、マネジメントの方法は明らかになっていません。

記事で記載されているように、リクルートにはwill/can/mustで運用する評価制度や、新卒から約7年働くと年収1年分の退職金がもらえるなど、ユニークな人事制度があります。

ですが、筆者はリクルートで働く社員は人事制度でなく、「カルチャー」が当事者意識を生み出していると主張しています。

本記事では、リクルートのカルチャーを言語化し、リクルートの社員でない人もそのカルチャーを理解できる内容になっています。

この記事が拡散された要因は、多くの人が興味を持っていたリクルートの社員のマネジメント方法を明らかにしたからかもしれません。

 ⑥NETFLIXの組織体制
Shohei Iwata

著者情報

Shohei Iwata
Twitterフォロワー 1500人 noteフォロワー 217人 (10月31日時点)

メルカリでHR Manager(人事計画の策定からRecruting Analytics、HR Techの導入など)を担当。

noteでは採用や子育てに関する記事を執筆。

記事概要

NETFLIXといえば、無制限休憩、人事考課の廃止、報酬レベルの高さなど大胆な施策が有名です。

記事では、どのようにして最高の人材を惹きつけ、最高のチームを作り上げているのかを3つのポイントにまとめて紹介しています。

1.優秀な人材のみを採用する

NETFLIXは最初から優秀な人材だけを採用できていたわけではありません。

2001年の大量解雇を経て苦しみながらも、事業が軌道に乗っていく中で以下のような気付きがあったようです。

このとき私たちは最初の重要な気づきを得る。それは、最高の結果を出せる人だけが会社に残っていたということだ。したがって経営陣が従業員のためにできる最善のことは、一緒に働く同僚にハイパフォーマーだけを採用することを学んだ。
優秀な同僚と、明確な目的意識、達成すべき成果の周知徹底、この組み合わせが、パワフルな組織の秘訣である。
2.人材濃度を高める

優秀な人材のみを採用しても、さまざまな理由で目標とする業績が出ない社員も出てきます。

そのときにNETFLIXはタイムリーに必要なフィードバックをおこないます。

さらに、業績が回復しない社員に対しては、解雇手当をはずんでやめてもらい、優秀な人材の濃度を高め続けます。

人材管理の入り口だけでなく出口にもこだわることが、最強組織を維持する重要なポイントです。

3.ムダなルールを取り除く

優秀な人材だけが集まるチームを作ったら、あとは社員が最大限の力を発揮できるよう環境を整えることが重要です。

NETFLIXでは社員を信頼し、ルールや承認を極力減らすことで高業績の追求にフォーカスできる文化をつくっているようです。

記事を読んだ人の反応


読んだ人の反応を見てみると、日本企業とは違う組織の考え方が参考になるという声が多く見られました。

NETFLIXは日本でも多くのユーザーがいるため、NETFLIXの組織体制に興味を持っている人も多いでしょう。

本記事では、NETFLIXの社員に対する考え方や人事制度が詳細に記載されています。

記事概要で記載したように、NETFLIXでは、人材管理の入り口だけでなく出口にもこだわることが、最強組織を維持する重要なポイントと考えています。

いっぽうで、簡単に社員を解雇できない日本企業にとっては、人材管理の出口までこだわることは難しいかもしれません。

【4】まとめ

今回、noteのバズ記事をいくつか調べるなかで、拡散されている記事には2つの共通点があることがわかりました。

まずは、その記事が「わかりやすくまとまっていること」です。

本記事で紹介した「人事制度マトリクス」や「会社ピッチ資料26選」がこれに当たります。

読者が知りたい内容で、複雑な出来事や制度を視覚的にわかりやすく解説している記事や、多くの情報をまとめている記事は、拡散される傾向が高いです。

次に共通している点は、「独自性」です。

「リクルートのカルチャー」や「NETFLIXの組織体制」などがこれに当たります。

著者の経験や本の引用など、その記事でしか得られない情報でかつ読者が役に立つと感じると、拡散される傾向が高いです。

noteでは上記のような質の高い情報が多くあるため、一度参考にしてみてはいかがでしょうか。

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