こんにちは、HR NOTE編集部 藤本です。
2017年12月15日、ウォンテッドリーが開催する【WANTEDLY AWARDS 2017】が開催され、その様子をイベントレポートとしてまとめました。
採用が成功するかしないかは、携わる人間の熱意と戦略次第。
自分も明日からまだまだやれることはあるな、と見直すきっかけにもなりました。
採用成功の秘訣満載!
今後のウォンテッドリーの事業展開にもワクワクする会場の様子をお届けできればと思います!
TIME TABLE
- 事業・プロダクト戦略
代表取締役CEO 仲氏、執行役員 久保長氏、相川氏 - ゲスト基調講演
国谷裕子氏による『働き方の多様性』について - AWARDS
Wantedlyを活用し、採用を活性化させた企業の表彰
目次
事業・プロダクト戦略|ウォンテッドリーの今まで
ウォンテッドリーは、「シゴトでココロオドル人をふやす」というミッションのもと25,000社を超える企業、月間150万人以上のユーザーが利用するビジネスSNSへと成長しています。
Wantedlyという採用手法を利用する上で、非常に勉強になる内容でしたので、下記にまとめます。Wantedlyを活用中の企業様は、ぜひご一読下さい。
ウォンテッドリーの2017年を振り返る
100年時代+AI/ROBOT:未来はもうここに。
大手金融機関の大量リストラや、ロボット・AIの導入により大幅な生産性の向上。
2017年は『働き方改革』を背景に、ひとりひとりの生産性向上、ワークスタイルの変革が唱えられる年でした。
非常に共感したのは、人工知能やロボットが、これまでヒトが行ってきた仕事に取って代わる時代、これらに駆逐されない、価値を生み出す人を増やすことが重要だということ。
ひとりでも多くのヒトが自分自身の価値を見直し、向上させ続けるために『転職』がスタンダードになる世の中を創っていく必要があります。
『ポータブルな無形資産』と『共感を生み出すインフラ』
- 人脈・スキル・評判という個々人が持つ『ポータブルな無形資産』。これを可視化し蓄積していく、Wantedly People。
2016年11月にリリースされた名刺管理アプリ【Wantedly People】は、2017年12月現在約1,600,000人ものユーザーが利用しています。Wantedly のアカウントと連携して自身のプロフィールを充実させたり、取り込んだ名刺の情報からニュースがキュレーションされる『話題』から名刺交換相手との次の会話が生まれたりと、その活用の幅は広がっています。また、新たな事業として広告メニュー『Wantedly People ADs』も追加されました。 - ヒトとヒト/チームの共感を生み出し、マッチング機会を創る、『共感を生み出すインフラ』Wantedly Visit。
ユーザーが「話を聞きに行く」ボタンを押すことで、ビジネスパーソンのカジュアルな会社訪問を可能にし、2017年度は140,000回の企業訪問を創出しました。
企業にとっては、エンゲージが高く、費用対効果も高い、ダイレクト採用・リファラル採用がより促進され、ビジネスパーソンにとっては自分がココロオドル企業・チームがつながりやすくなる。自分の市場価値と向き合い、高められる、そんな転職スタンダードが垣間見えました。
ゲスト基調講演|世界規模で考える『働き方の多様性』について
アワード発表前に設けられたゲスト基調講演は、国谷裕子氏より、企業が捉えるべき『働き方の多様性』と、今後の『ビジネスのあり方』についてのお話でした。
今日『働き方』や『個々人の仕事への姿勢』は世界規模で考えるべき組織課題です。それは我が国日本だけではなく、世界各国で議題となっています。
国谷氏からのお話は非常に興味深く、今後組織経営のセンターピンである人事としても、タメになる内容でしたので、簡単にトッピクスをまとめさせていただきます。
国谷裕子 | 東京藝術大学 理事
大阪府生まれ。79年、米のブラウン大学卒業。81年、NHK「7時のニュース」英語放送の翻訳・アナウンスを担当。89年、NHK衛星放送「ワールドニュース」キャスター。93年から2016年3月までNHK「クローズアップ現代」のキャスターを担当。
1998年放送ウーマン賞、02年菊池寛賞、11年日本記者クラブ賞、16年ギャラクシー賞特別賞受賞
著書「キャスターという仕事」(岩波新書)
人が一番価値となる時代|さらなる組織活性を促すには
昨今、ひとつの企業に依存するのではなく、ひとりひとりの働き方を尊重し、実現していける世の中にと、いろいろな企業・組織が取り組みを行っています。しかし、それでも若手の仕事に対する意欲の低下は顕著に数字にあらわれています。
『管理職』を志向する若手が減少
1年目と2年目に『管理職志向があるか・ないか』を問うアンケートに対し、男女とも2年目に減少する傾向があります。特に女性は、1年目に管理職志向がある者が6割強だったのに対し、2年目は全体の4割強となり、大幅な下降が見られました。
つまり、女性は男性に比べ、キャリアアップの意欲が低下しやすい傾向があるということです。
「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」結果|独立行政法人国立女性教育会館
女性の能力発揮の壁
アメリカ合衆国・スタンフォード大学にて、興味深い調査結果が発表されました。
それは組織内での男女間の”人事評価差別”です。
男性部下に対して:具体的に、成果・課題がロジカルに記載されている
女性部下に対して:成果・課題に対し曖昧に、定性的な評価されている
ただし、興味深いのは、この結果が”意図的な”ものでは決してなく、『女性達を育てたい、昇進させたい』と思う上司ほど、こういう結果になりがちだったという結果です。
『頑張って欲しい』と思う心が、こうした曖昧な評価記載に繫がり、ひいては具体性に欠けた記述は評価されず、結果女性の昇進に不利益となってしまっていました。
リーダーの定義を今一度考える
『ダイバーシティ』という言葉はよく耳にしますが、働き方の多様性を実現していくには、労働者ひとりひとりがその考えを改めていかなければいけません。
この時代、『リーダー』の定義も変革が必要です。
ただチーム・メンバーを引っ張るだけでいいのでしょうか。
今後リーダーには【コラボレーション力】【連携力】など、環境を変えていくための具体的コミュニケーションが求められる時代となっていくでしょう。
企業経営を大きく変える世界的な動き|SDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals)とは持続可能な開発目標として、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催された際に、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」として採択されたものです。
現在国連に加盟するすべての国は、全会一致で採択したこのアジェンダをもとに、2015年から2030年までに、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を達成すべく力を尽くしていくことになります。
社会貢献と直接結びつくSDGsは、今後各国でビジネスチャンスとなっていく可能性が高いです。
こうした世界的な動きからも、取り組む事業、そしてそれに携わる労働者のモチベーション(貢献意欲)を生み出していくこともできるでしょう。
WANTEDLY AWARDS 2017|上位受賞企業の採用成功の秘訣もお伝えします!
今回は、5種類の部門賞、2種類の総合賞の表彰がありました。また、総合賞の2社からは採用成功の結果をうんだ活用実例のプレゼンもあり、非常に勉強になる内容でした!
総合賞
- GOLD賞
募集やスカウトを活用した採用力、ブログやフィードを使い自社をPRする広報力などWantedlyを活用した採用活動を総合的に判断し、2017年最も上手く活用された企業に贈る賞
- SILVER賞
採用力、広報力、スカウト力などを総合的に判断し、SILVERに相応しい輝かしい実績を残した企業に贈る賞
部門賞
- ENTRY賞
募集に対してユーザーエントリー数が多く、募集で高い人気を集めた企業に贈る賞 - SCOUT賞
スカウトメッセージの返信率が高く、候補者との接点を多く持たれた企業に贈る賞 - FEED賞
フィードを積極的に活用し、自社の採用広報に成功している企業に贈る賞 - AREA賞
東京以外の地域で着実に実績を残し、地域の採用に貢献していると考える企業に贈る賞 - STAR賞
Wantedlyを本格活用して1年未満で、輝くような優れた実績を残した企業に贈る賞
総合賞|採用成功の秘訣も紹介!
GOLD賞 ラクスル株式会社
- 選出理由
人事部以外の社員も積極的に「Wantedly」を活用しており、候補者の方がより多くのメンバーと接点を持てるように工夫。
スカウトは人事以外のメンバーが送信するなど社員全員で採用にコミットしている運用が素晴らしかった点を評価し選出。 - 採用実績
この1年Wantedly経由で25名を採用。
Wantedlyはベンチャー志望が強いユーザーが多く、自社との相性が良いため返信率が高い。
IT大手からプロダクトマネージャーがWantedly経由で入社。
直近2年間ダイレクト・リファラル100%で採用実施。 - 採用成功の秘訣
- 採用する部門の部門長が採用オーナーとなる
- 経営陣・事業部門によるスカウト・クロススカウト(他部署のスカウト)を実施
- 人事部門は採用活動のUX(ユーザー エクスペリエンス)を最大化する役割を担う。
- スカウトの効果を高め、かつ工数を最小化するためのプロセス設計。
- エンゲージメントファーストで、求職者が最良の選択をするためのバックアップを徹底する。
株式会社ラクスル
SILVER賞 株式会社AbemaTV
- 選出理由
FEEDやブログを活用した発信など、基本的な活用をしっかり行いつつ、積極的にスカウトメッセージを送付。
コンテンツだけでは決して応募に至らない潜在的な層に対してもアプローチし、スカウトの返信率、応募数も高い数字を維持した点を評価し選出。 - 採用成功の秘訣
- エンタープライズプランを利用
- 採用人数ではなく、『質』にコミットし、スカウト中心に運用。
- 求人においては『一緒に働きたいと思っているという下心』が何よりも大切。スカウトでストレートなアプローチを徹底。
- スカウト受信者の受け皿としてブログを拡充。社内のすべての発信をWantedly上に集約し、情報発信のインフラとして活用。週に最低1本はブログを執筆、様々な切り口のコンテンツを蓄積した。
株式会社AbemaTV
サイバーエージェントとテレビ朝日が共同で、“インターネットテレビ局”として展開。オリジナルの生放送コンテンツや、ニュース、音楽、スポーツなど多彩な番組が楽しめる約20チャンネルをすべて無料で提供。スマートフォンはもちろん、PCのほか、タブレットなど様々な端末で、テレビを観るような感覚で利用することができます。2300万ダウンロード突破。
部門賞
ENTRY賞 UUUM株式会社
- 選出理由
1募集あたり1200エントリーというダントツの成績。UUUM株式会社ならではの強みを活かした募集の訴求力はもちろん、自社採用サイトの応募リンクを全てWantedlyに設定することで常に人気の状態を作り、高い応募率を維持した点を評価し選出。
SCOUT賞 株式会社コロプラ
- 選出理由
採用活動の一つの柱としてスカウトの継続利用を実施。候補者の適性やビジョンを考慮しながら返信することで、返信率約40%を実現した点を評価し選出。
FEED賞 株式会社メドレー
- 選出理由
Wantedly Feedを積極的に活用し、メンバー自らの体験や働く想いを紹介する記事を多数執筆。アクセスが高いものでは記事1本の記事は約98,000ものPVを叩き出すなど話題を集めた。
内容ばかりでなく、採用広報のブログ活用事例として多くの企業の参考になっている点を評価し選出。
AREA賞 ワンダープラネット株式会社
- 選出理由
この一年で社内メンバーとの連携を含めた採用強化に取り組み、Wantedly Feedでの社内行事の掲載などファンを増やすための採用広報や、リファラル採用の実施など、東京以外の地域でWantedlyを積極的に活用した点を評価し選出。
STAR賞 DELL株式会社
- 選出理由
活用当初より、採用担当を中心にWantedlyを活用するための体制を構築。Wantedly Feedを活用した企業カルチャーの紹介に取り組み、ターゲットとなる候補者への効果的なアプローチに成功している点を評価し選出。
最後に
WANTEDLY AWARDS 2017レポートは、いかがでしたでしょうか。
組織によって色は違えど、ともに働く仲間を採用することそのものに熱量高く、誇りを持って取り組んでいらっしゃる企業が多いですね。特に採用ミッションを人事部だけのミッションとはせず、会社全体で取り組んでいるラクスル社の採用の考え方は、非常に勉強になりました。
今回のレポートが、少しでもお読みいただいているみなさまの自社採用・組織活性化のお力となれば幸いです。