海外人事がHRシステムを導入する際に気にするポイントとは? |HR NOTE

海外人事がHRシステムを導入する際に気にするポイントとは? |HR NOTE

海外人事がHRシステムを導入する際に気にするポイントとは?

  • 編集部より

 

こんにちは!HR NOTE編集部です!

HR NOTEでは、人事向けの管理システムに関する記事をいくつかご紹介しています。

現在、多くの企業で取り組まれている働き方改革。今後、人々の働き方はそれぞれのライフスタイルやワークスタイルによって多種多様になっていくことが考えられます。

それに伴い、人事システムも複雑になっていくことが見込まれます。日本では、まだそこまで浸透されていない人事システムですが、今後どのように変化していくかも注目です。

そこで今回は、海外で人事システムが導入される際の、ポイントをピックしてみました。今回は、TechTargetにより8月に投稿された『人事担当者が人事システムに関して知っておくべき真実』を取り上げて、その内容をご紹介します。

人事システムの導入をご検討中の方、参考にしていただけますと幸いです!

  • 著者:George Lawtonーーカリフォルニア州サンフランシスコ近郊のジャーナリスト。コンピュータ、コミュニケーション、ナレッジマネジメント、ビジネス、健康、その他興味のある分野について、過去15年間に2,000以上の著書を出版。
  • URL:Three truths about integrated HR systems IT and HR should know

ヒトとテクノロジーによる統合型人事システムの必要性

企業において、CIO(Chief Information Officer,最高情報責任者)とITチームは、よく人事管理と人事のコア業務の統合など、人事システムの統合を担うことがあります。ここでは、その人事システムの統合を成功に導くためのポイントをご紹介します。

多くの場合、HRリーダーとその企業のITチームは、新しいソフトウェアをコアHRソフトウェアシステム*と統合する際に、さまざまな技術的課題に直面します。

統合された人事制度は、戦略企業の目標であり人材管理の改善に役立ちますが、それをうまく実行し、達成まで導くことは非常に難しいのです。

これらの課題に対処するための優れた戦略には、人事プラットフォームの作成と、データの一貫性に焦点を当て柔軟な対応を可能にするための手動作業による介入が必要となります。

コアHRソフトウェアシステムとは・・・

人事部門の基本機能、従業員について収集された基本データと人事プロセスを管理するために使われているシステムの総称。

人事システムの統合が必要とされている理由は・・・

顧客経験サービスであるGlassbox社のグローバルHR部長であるHila Bazar氏はこのように述べています。

人事制度をコア人事システムに統合する必要性が引き起こされる要因には3つの要素が含まれています。

  • システムがシームレスに通信しない異なるタイプであること
  • 急激なソフトウェアのアップグレード
  • レポート機能が限られていること

多くの人事担当者は「給与計算」「勤務時間管理」「従業員賞与管理」などをおこなうべく、アプリケーションやサービスを利用しますが、より戦略的な人事部門をつくるためにはこれらを統合しなければなりません。

さらに、新しいソフトウェアのアップグレードには、既存の統合ではできない、新しい統合方法を必要とする可能性があります。

そして、多くの人事マネージャーは、HRプロセスをよりよく理解し、改善するための新しいレポートツールを追加したいと考えています。

課題解決のためには・・・

上記のような課題を克服する1つの方法は、IT担当者がHRリーダーと協力して、最も効果的で効率的なHRプラットフォームを特定することです。

これらは直感的であり、かつ、レガシーシステム*にも簡単に統合されるものである必要があります。そのため、通常は容易に導入できるテクノロジーを選択します。

どうすれば、システムが従業員の関与を可能にし、従業員のメンタルケアと人事評価の透明性に対処するかを考えてください。

「これらのツールの価値を出資者と従業員に実証することで、誰もが新しい人事システムを使用する可能性が高まるのです」とBazar氏は述べています。

レガシーシステムとは・・・
主にコンピュータの分野で、新しい技術が生まれたことにより、代替され古くなったコンピュータのシステムや技術などのことである。

統合型人事システムについて知っておくべき3つの真実

今までの内容を踏まえて、ここからは統合型人事システムについて知っておくべき3つのことをご紹介していきます。

No.1|HRデータをプラットフォームに統合する価値を理解する

データは、多くの場合、複数の異なるシステムに格納されます。

アクセンチュア社が抱える最大の課題の一つは、「どうやって効率よく膨大なデータから鋭い洞察を得るか」。そして、この問題は多くの企業も実感しています。

この内容に対し、同社はすでにこの問題に取り組んでいますが、アクセンチュアのHRポートフォリオ担当のChris Schaaf氏は、次のように述べています。

「データをプラットフォームに統合することで、ビジネスの意思決定をより迅速におこなうことができる」

組織は人と技術の境界線を曖昧にすることで、縦割り化したシステムを解消し、従業員と従業員をつなぐ体験を創り出すことができます。

HRは従業員の膨大なデータを保持しており、このプラットフォームを使用して、従業員がいつ・どこでも組織管理ができる共通サービスを作成することができます。

統合された人事制度の目標を達成するには、まず定義された戦略を作成する必要があります。

アクセンチュアは、まず人々に焦点を当て、その都度変革をおこない、すばやく対応することで戦略作成をおこなっています。

そして、作成された戦略に取り組むことで、技術調整をすることができ、短期的にも長期的にも対処できる包括的なアプローチをおこなうことができます。

No.2|統合された人事システムがデータの均一性を必要とすることを理解する

HR情報システム(HRIS)人材管理ソフトウェアを組み込むなど、統合人事システムを実現するには、異種データソースの問題に対処する必要があります。

最近のあらゆるビジネスにおいて、データの重要性が増すにつれて、データの統合と出入力がこれまで以上に重要になってきています。大量の従業員データを扱う場合、正しい情報が確実に存在するかを確認するため、全体像を把握することが大切になります。

「しかし、人事制度の統合は、データが複数の場所に分散しており、それぞれが統一されている必要があるため、このプロセスを複雑化してしまいます」と、採用管理サービスプロバイダのJazzHRのHR担当ディレクターCorey Berkey氏は言います。

さらにBerkey氏は、できるだけシンプルにすることがポイントであると主張し、「人事制度の統合は社内の顧客に全体的な利益をもたらすことを目的としているため、HR部門は複数のシステムを試す必要はない」と補足します。

従業員とHRチームにどのようなメリットがあるのか​​に基づいて、システムを統合する最良の方法を見つける必要があります。

戦略の一つとしては、統合パートナーと協力して、人事マネージャーと従業員が「統合を通じて提供されるサービスを利用しやすくする文書」と「ガイド付きのお試し機能」を作り出すことです。

これにより、彼らは変化に悩まされることが減り、仕事がしやすくなります。

統合戦略の一環としては、HRとITはプラットフォーム間の認証を管理するための最善の戦略を決定する必要があります。企業の人事管理者は、主要な人事制度を強化する方法を模索しているため、さまざまな新しいクラウドサービスを活用します。

これらはすべて独自のID・パスワードを持っているため、それぞれで管理をしなければならず、人事管理者と従業員の使うシステムが別々であるために複数のパスワードを使わなくてはならなくなります。

「このような場合、人事プロセスはより複雑になり、HR専門家は効率的に仕事をすることが難しくなります」とBerkey氏は説明します。この問題を簡潔化する方法を検討することが重要になります。

No.3|完璧に統合された人事制度は、滅多に存在しないことを理解する

理想的な状態は、IT部門が、APIを使用して人事管理をコア人事システムに統合し、完全に自動化されたプロセスを作成することができる・・・が、そう簡単にはいきません。

従業員の移動管理サービスを扱っているTopiaのCPO、Sten Tamkivi氏は、「APIの環境が乱雑であるため、HRが想像するほど容易ではない」と指摘します。仕事を上手くこなすために、HRマネージャーが独自の機能システムを各々作成する、なので統合がさらに難しくなります。

従業員の所在地の問題とその組織構造の中でどのように説明されているかを確認すると、主要なHRソフトウェアパッケージのほとんどは、従業員が一つの法人に雇用されたときに作成されるゆえ、会社の住所が従業員の所属住所となります。

しかし、従業員が異動したり、在留資格を頻繁に変更したり、日本の法人でありながら海外で働くときに生じる複雑な給与計算により給料を受け取っていたりすると、事態がますます複雑になり、毎年、いくつかの国で税務規定が課されるということがおこります

通常、企業は従業員に関する基本データを所持しており、それらは人事管理システムに保存されています。そして、基本データの二重入力を避けるためにデータを別のソフトウェアシステムに自動的にアップロードする必要があります。

そうしなければ、人事マネージャーが混乱に陥ってしまうためです。

入会情報や資料を他のシステムにデータ更新を送るために、統合は必須といえます。求人広告に候補者がサインする過程や従業員が新しい仕事を受け入れる流れのような、効率的にプロセスを実行するのに効果的です。

1つの課題としては、どのようなシステムがどのような瞬間に事実という絶対的情報源になりうるか、ということを決定することです。

最新のHRパッケージには、企業のアクセス用のAPIがありますが、あまりオープンにされていません。また、大規模な組織では、Workday、SAPなどの人事管理システムを取り入れたときに、いくつかのカスタムフィールドとワークフローが追加されている可能性があります。

そこで、Tamkivi氏は、次のように述べています。

「隣のプラットフォームに統合して、それらをすべて支配することが一貫した目標です。言い換えれば、『既存のHRISに組み込まれた統合機能を使用すること』、これが理想的といえます。」

しかし、HRプロセスをサポートするための各企業固有のカスタマイズをおこなう際には、統合機能は現実的ではないこともあります。統合のセットアップは、すぐに使用できる製品の一部ではなく、カスタム実装の問題になります。

さらに、Tamkivi氏は、リアルタイムAPIから、頻繁に使用されるファイルエクスポートとインポートの統合を使用することで、同じHRデータセットを処理しようとするシステム間の緩やかな結びつきの関係を可能にするとも述べています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

人事管理の仕事をスムーズにこなして、人事システムを成功に導くために、総合型人事システムについての知識をインプットする、使用者の経験から学ぶことは非常に重要だといえますね。

今後も人事システムがどんどん発展していき、活性化が進んでいきそうです。今後も国内外問わず、人事システムの動向に注目してご紹介していきます!

 

 

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