【速報】18年卒新卒採用の振り返り|新卒学生から内定承諾を促す取り組みとは? |HR NOTE

【速報】18年卒新卒採用の振り返り|新卒学生から内定承諾を促す取り組みとは? |HR NOTE

【速報】18年卒新卒採用の振り返り|新卒学生から内定承諾を促す取り組みとは?

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本記事は、6月8日に開催された「18年卒新卒採用の前半戦振り返りとこれから使える取り組み 『採用担当者向け勉強会』」のイベントレポートです。

昨今の新卒採用では就職活動の早期化が加速し、ダイレクトリクルーティングやインターン採用など、新卒採用における採用手法は多様化しています。数ある採用手法の中でも注目を集めているのが、新卒採用へのリファラル採用(社員や内定者の紹介による採用)の導入です。

イベントの前半は新卒採用コンサルタントの谷出 正直氏による、「2018年卒新卒採用の振り返り」。後半では、リファラル採用ツール「Refcome」を運営する、株式会社Conbinatorの清水 巧さんが「新卒採用によるリファラル採用の有用性とその事例」について語りました。

主催はリファラル採用ツールの「Refcome」を運営する株式会社Combinator。新卒採用に取り組まれている採用担当者様同士での交流会も兼ねて、イベントが開催されました。本レポートでは、同イベントの様子をお伝えします。

18年卒新卒採用の前半戦のマーケット

前半に登壇されたのは、新卒採用コンサルタントの谷出氏。谷出氏は、エン・ジャパン株式会社で新卒採用支援事業に約11年間携わり、その後、フリーで活動する採用コンサルタントです。「18年卒の新卒採用の振り返り」と、これからの注目ポイントになる「内定を出した学生に内定承諾をしてもらうための取り組み」についてお話をいただきました。

谷出氏:採用環境としては、17年卒の新卒採用では就職率が過去最高でした。採用予定人数に充足しなかった企業の数は増加傾向にあります。そんな中、18年卒の大卒有効求人倍率は高いまま推移しているため、企業による学生の獲得競争がさらに高まっていると言えるでしょう。

「18年卒の新卒採用の振り返り」としては、昨年と比べて、選考が始まって内定が出るまでの期間が短くなりました。

【選考から内定までの期間が短くなった4つの要因】

  • 採用したい学生と出会う時期が早まった
  • 選考のスタートが早まった
  • 選考のプロセスが少なくなった
  • 選考の期間が短くなった

採用対象となる学生と企業が出会うタイミングが早くなることを可能にしたのが、3月1日の採用広報の解禁前のインターンシップや、学生と出会うためのツール(スカウト型、逆求人型、新卒紹介など)です。

企業は選考に進んでもらいたいので、接点を持った学生の「囲い込み」が早い段階でおこなわれました。囲い込みの手法としては、個別のイベントやセミナー、リクルーター・OB訪問との面談です。企業の会社説明会やエントリーシートの提出締め切りも、昨年と比べて1、2週間ほど早まりました。

結果として、企業が学生に内定を出すのも早くなったため、6月1日時点での内定率が「61%」と高い数値となりました(リクルートキャリア調べ)。

学生は「なぜ自分に内定が出たのか」がわからない

2018年卒学生の就職活動について、谷出氏は「かつてないほどに大手志向だった」と語ります。
谷出氏1

谷出氏:まず全体として、2018年卒の学生は「より大手志向」かつ、「就活への”余裕感”」があったと言えるでしょう。マイナビのデータによると、約52%が大手企業への就職を望んでおり、学生の半数を超えたのは8年ぶり。6年連続で有効求人倍率が高まっている中、特にこの4年間は高い値で推移しており、学生が就活への「余裕さ」を感じるための土壌が徐々にできてきました。

次に、前述の早期化の影響から「学生の就職活動への準備不足」が目立つ年となったのも特徴です(マイナビ調べ)。早期からインターンシップに参加すると、仕事や企業、業界を知る機会が増えるため、一見、学生の就業観が本選考の時点で醸成されているようにも思えます。

しかし実際は、自己分析などの本質的な就職対策に時間をかけておらず、「就活をした気」になっている

結果として、内定先企業への納得感が生まれにくくなった年だったと言えるでしょう。準備不足のまま就活が始まり、瞬く間に選考へと進む。内定をもらうまでの期間が短いため、学生は「なぜ自分が内定したか」という問いに上手く答えられない。学生は選考解禁前に企業の採用活動を受け入れながらも、内定先を決断することへの動揺を抱えているのでしょう。

また、「働き方改革」も学生の就業観に影響を及ぼしています。今年は例年になく、残業時間についての関心が高いです。世間でいわれているようなトレンドに対して後手に回ってしまうと「変化に対して鈍感で、成長が遅い企業」と学生は敬遠します。

企業としては、先んじて手を打てるようにしておきたいです。具体的に取り組みまでいたらなくても、現状の把握や将来のイメージに向けた「小さな一歩」から取り組み、発信していくことを推奨します。

学生は内定承諾を複数持つ傾向に

今の就職活動をする学生の価値観と採用担当者の価値観は一緒ではありません。特に、バブル後に生まれた若者の価値観は大きく違うようです。昨今の若者の特徴について、谷出氏は以下のように語りました。
谷出氏

谷出氏:若者を研究している方とお話していると、バブル崩壊より「前」に生まれたか、「後」に生まれたかで、若者の価値観が大きく異なるという話題になります。

バブル経済までは経済が右肩上がりで成長していたため、年長者から若者まで、皆同じような価値観を持っていました。良い人生の定義は「偏差値の高い大学に入学し、皆が知る企業に入社し、定年まで勤め上げて退職金をもらう」という価値観で画一的なものでした。たとえ知らない人と出会っても、年齢や仕事歴を聞けば社内での役職から家族構成までも推測できた時代です。

しかしバブル崩壊を契機に、経済環境を中心として生活環境全体が変化しました。深刻なデフレや失業率の上昇を通して、若者の価値観は「できるだけ多く稼ぐ」ことから、「身の丈に合った生活を求める」ことへと変化していきました。

加えて、インターネットと携帯電話、スマホの普及によっていつでも友人と繋がれるようになったため、コミュニケーションの取り方が変化しました。「いつでも見られている」という対人関係への疲れから、一人の時間も確保したいと思うようになりました。

ゆえに若者は、他人の価値観を知り、その中でも「価値観に共感し得る仲間たち」との交友関係を大事にします。その若者の価値観を上手く新卒採用活動に反映したのが、「リクルーター」や「OB訪問」といった会社や社員の価値観を対面で学生に伝える取り組みです。

ここ数年の新卒採用における内定承諾率が高い企業では、学生と社員との接点の有無や濃さが大きく影響してたという声を耳にしました。

「売り手市場」の就活の様子から、18年度卒の学生は「内定を複数持つ学生」がさらに増えるでしょう。近年、内定承諾をすることへの捉え方が緩くなっていることもあり、「内定先を決めきれず、内定承諾後の辞退をする学生」が増えることが予想されます。

内定承諾に向けて、本選考前から接点を持つことは大切です。しかし選考を通じて、学生にとって納得いく就活となるようにコミュニケーションをとっていく方がより重要度は高くなります。「接点の取り方」を何も考えずに接点を持ち内定を出しても、学生が承諾しないのではそれまでの時間がお互いにとって惜しいものになります。

学生の価値観の中で勝負しない

内定先を決めきれない学生、複数の内定承諾をする学生について紹介がありましたが、納得して、内定承諾をし、入社してもらうためにはどのような施策があるのでしょうか。内定承諾を促すためのコツは「事実と解釈を切り分けること」と谷出氏は語ります。
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谷出氏:キャリタスがおこなった17年度卒向けの調査(実施期間:2016年6月1日~5日)によると、内定後に就職先を決めれていない理由の上位に「内定を得た企業が自分に合っているのかわからない」「複数内定を保持しており、優劣がつけがたい」という回答があります。前述の理由から、今年は去年よりこの結果が強く反映されると考えます。

企業が学生への内定承諾を促すためには、採用担当者が寄り添って一緒に内定者のキャリアや将来像に対する考えを整理してあげることが有効です。目の前の学生が「どのような価値観を持っていて、どのように企業の価値観に合うのか」「現在、どんなスキル・能力を持っていて、将来はどんなキャリアパスを描いているのか」を共に整理し、考えていきます。

その際に大事なのは、学生が自分のキャリアを考えるにあたって「事実」と「解釈」を分けるように促すことです。

まずは、本人と会社の双方が持つ「事実」を整理します。学生が持つ価値観や資質を面談でヒアリングし、企業からは自社が持つリソースや市場の環境といった情報を伝えます。次に、「事実」に付与された「解釈」の整理です。

たとえば、自社が中小企業で、内定を出した学生との面談をしており、学生は「安定して働くこと」を望んでいるとします。しかし「安定して働くこと」の定義は十人十色。大手企業で定年で勤め上げることも、ベンチャー企業で働いて若手から裁量のある仕事をしていくことも、同じ「安定」です。

つまりこのケースでは、本人の中で「安定して働く」という言葉の定義がない限り、「大企業で働くことが安定」と考えてしまう可能性があります。そうではなく、「企業に依存するのではなく、自分で能動的にキャリアをつくりだすことで選択肢を持てるようになる」と事実に対する適切な捉え方を「解釈」として共に考えていくのです。

言い換えるなら、「学生の価値観の中で勝負しない」ことです。内定者の価値観やスキルを前提として学生の決断に寄り添えるよう、会社・採用担当としてキャリアを整理できるかどうかが重要です。つまり、採用担当者自身がキャリアや働き方、人生についての「解釈の仕方」を把握できているかがポイントになります

リファラル採用という取り組み

18年卒の新卒採用では、売り手市場が加速されました。合わせて、学生と企業が出会うツール、手法が多様化しました。その手法の中でも、社員や内定者、選考を受けた学生を巻き込んだ取り組みが有効であると、谷出氏は強調します。
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谷出氏:これから18年卒の後半戦や、19年度卒の新卒採用の母集団形成の方法を考えるにあたり、スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』にも出てくる「インサイドアウト」の発想を利用します。

「インサイドアウト」とは、「周囲・社会へ影響を与えるためにはまずは自分が行動する。そして、身近な人へと伝播させ、外側へ伝えていく」という考え方です。

採用活動にこの考えを取り入れた時、自分(採用担当)に一番近い人は誰かと考えると「内定承諾をした人」になります。そして、「内定承諾者」周囲に「内定辞退した学生」「選考に進んだ学生」「説明会に参加した学生」「エントリー者」と続いていきます。

まず自分の身近な人に自らや会社の想いを伝え、次にそれを聞いた学生が友人や知人に紹介をします。次第に、新たに会社、事業、仕事を深く知っている学生が増え、想いに共感をした学生が集まってきます。

また、内定者越しに会社の想いを聞く過程は、候補者の企業理解を促進し、内定承諾の後押しへとつながってくることでしょう。

現在、学生を巻き込んだ取り組みが行いやすい環境になってきました。続いてのテーマで、具体的施策のひとつである「リファラル採用」について清水さんに語っていただきましょう。

以上、記事前編では「2018年度卒の新卒採用の振り返り」と、「内定承諾を促す施策」について紹介していただきました。記事後編テーマは、「新卒採用でのリファラル採用の導入事例」。新卒採用でリファラル採用を導入するメリットとデメリットを取り上げます。

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