「大手だから…は言い訳でしかない」ソフトバンクが仕掛ける5つの採用手法とは? |HR NOTE

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「大手だから…は言い訳でしかない」ソフトバンクが仕掛ける5つの採用手法とは?

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

ソフトバンク、アクセンチュア、ヤフー、HDE、成長企業4社の人事責任者の方に「いまどのような採用の取り組みをしているのか」を語っていただいた『第67回グローバル人事塾』。

インターン、リファラル、ダイレクト、グローバル採用など、各社の具体的な採用事例が満載でした!

本記事では、ソフトバンク人事の小山氏による「事業とともに変化する採用への挑戦」についてご紹介。ソフトバンクはどのような考えのもと採用を実践しているのか、ソフトバンクが仕掛ける5つの採用手法とはどのようなものか、今回イベントレポートとして、記事にまとめさせていただきました。

小山さん

小山 亮(コヤマ リョウ)| ソフトバンク株式会社 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 採用推進課課長

2006年大手証券会社に新卒入社。営業経験を経て人材系企業に転職。5年間にわたりベンチャー企業から大手企業まで業種を問わず、幅広い企業への採用支援に従事。2012年ソフトバンクに入社後、中途採用担当として1000名を超える採用を経験。2014年より新卒採用にメインミッションを移し、ユニバーサル採用のもと、No.1採用、インターン採用など、ソフトバンク独自の採用活動に取組んでいる。

ソフトバンクグループの目指すビジョン「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」になるために

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小山氏:「情報革命で人々を幸せに」というのが、唯一無二、私たちのぶれない経営理念になっています。インターネットの力を使って人々に価値を提供し、「世界の人々から最も必要とされる企業グループになる」というビジョンです。

その経営理念・ビジョンの実現のために、中期的に掲げた目標が大きく2つあります。

  • 2040年にグループ会社を5000社にする
  • 2040年に世界トップ10に入る企業になるために、時価総額で200兆という企業グループ規模を目指す

そもそも、ビジョンである「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」になるためには、300年以上成長し続ける会社でなくてはならないと考えています。

おそらく、過去の歴史を振り返っていって300年以上続いた組織は、始皇帝が築いた秦、チンギス・ハンのモンゴル帝国、ローマ帝国などです。その程度しか300年以上組織が継続し続けたことはないんです。

そのような何百年と続く組織をつくることができれば「これはもう人類最大の発明だ」ということを代表の孫が話しており、そのための具体的なKPIとして先程の2つを掲げています。

そんな中、ビジネスとしては、スマートロボット、AI、IoTといったテクノロジー分野に対してどのように関わっていくかが、ソフトバンクグループとして考えている事業戦略になっています。

スマートロボット、AI、IoTの分野では、国内外問わず、新しいプレーヤーがどんどん出てきています。日本国内だけではなく、世界各国の仲間と成長し理念の実現をしていきたいです。

ソフトバンク人事に求められるものと、実現したい世界観

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人事のミッションは「人と事業をつなぐこと」

小山氏:そのソフトバンクグループの中核企業であるソフトバンクの中で、人事はどんな役割を果たしているのか。

人事は「ひとごと」と書きます。人のことを考えるのが人事の役割というようなことをよく言われますが、弊社での捉え方は違います。

人事の普遍のミッションは、人と事業をつなぐことだ」ということをずっと言っています。「ひとごと」ではなくて「人と事業をつなぐ」。それによって、会社の成長に貢献していくということです。

もちろんそのためには、「人」についても「事業」についても理解することが求められます。採用担当という立場から、人と事業をつなぐことに貢献していくことが、私たちがやりたいと思っていることです。

ですので、既存の採用モデル、採用手法にとらわれることなく、会社の成長に伴って私たち自体のアクションも、常に変えていくことが必要なため、新たなチャレンジをし続けています。

現状、新卒採用における年間の採用人数は、350~400名程度です。この中には、一般職、販売職の社員の数も含めています。とにかく大量に採用するのではなく、会社の中で適材適所を実現しながら、そのための必要数を採用しています。

守りの採用から攻めの採用への挑戦

小山氏:私たちが実現したい採用の方向性、世界観についてお話させていただきます。

ソフトバンクでは、2年前から「ユニバーサル採用」という、いわゆる通年採用を実施しています。期間の定めを設けずに学生が自由な時期に本人の意思で採用選考を受けまた企業が採用したい時期に採用し、対象も新卒・既卒を問わない採用活動をさせてもらっています。

今まではどうしても、ある程度ボリュームのある採用をする必要があったため、母集団を多く集めて、その中からどう効率的に求める人材を採用していくかという方法をとっていたのが正直なところです。

ですので、母集団を多く集めるために、まずは大手の求人サイトなどを活用して、とにかく認知を上げるためにプロモーションをどんどん進めていっていました。

ただ、これでは自社の採用力と認知度の向上に関して、限界があるのではないかという課題にぶつかりました。そこで、現在何をしているか。マスへのアプローチから、自ら採りにいくという姿勢に少しずつシフトしてきています。

とはいえ、採用ボリュームもあるので母集団形成は引き続き必要ですし、質も上げていかねばなりません。事業領域もどんどん広がっていくので、今まで採用したことがないターゲット層にもアプローチをしていくことが求められます。

そのため、日々試行錯誤しながら採用活動に取り組んでいる状況になります。今回は、その中で実践している5つの採用について紹介していきたいと思います。

ソフトバンクが仕掛ける5つの採用手法

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1.何かしらのNo.1実績をプレゼンする『No.1採用』

小山氏:No.1採用は8年目になります。何かしらのNo.1の実績を持っている学生の方々に、No.1を勝ち取った経験を面接ではなく私たちに対してプレゼンテーションをしてもらうという内容です。その内容を見させていただいた上で、弊社で活躍してくれる可能性があるかどうかをすり合わせしていきます。

どんな内容のNo.1があるか。たとえば、「学生時代に衛星設計のコンテストで優勝をしました」という方もいれば、「体育会系の部活で世界大会に出ました」など、アカデミックからスポーツまで、かなり幅広い領域でNo.1になった実績を持った方々がいます。

今年入社をしてくれた学生ですと、「目隠ししてルービックキューブを完成させるスピードが世界一です」という方もいました。

2.「実際に会社で働く」採用直結の就労体験型インターン

小山氏:今ソフトバンクの採用の中核になっているのが採用直結の就労体験型インターンです。これももう7年目になります。

最低で2週間。最長4週間です。個別のケースではもう少し長期のものもありますが、インターン期間は、実際に社員と同じ環境で働いてもらいます。席を用意し、パソコンもスマートフォンも貸与します。

社員と同じ環境で働くことを体験してもらうことで、ソフトバンクで働くことを実際にイメージしてもらいたいという意図があります。

一方で企業からすると、机を並べて働いてみることで、その学生が将来活躍してくれそうかどうかという、マッチングを見ていきます。学生に対しても、「このインターンは採用の評価に直結します」ということを伝えています。

ですので、学生も本気で向き合いますし、学生を受け入れている部門や現場社員も、「入社につながった際に、そのまま一緒に働いてくれる仲間になる」という部分を認識していますので、かなり協力的にやってくれています。

今期に関しては、300名を超える人数の学生をインターンとして迎える予定です。現状でいくと、エンジニアの比率が上がってきています。その背景としては、事業の方向性がテクノロジーに動いていっているためです。

どのくらいが採用につながっているか気になる方もいらっしゃるかと思いますが、過去の実績ですと、300人の学生を受け入れて、そこから70~80人ぐらいが採用につながっています

もちろん、インターン受け入れの前に、選考をおこなっているため、一定のスクリーニングを経て、学生の方々にインターンをしていただいています。

インターン生を受け入れる企業側としては、入り口の工数はかかるのですが、結果的に学生が社員の顔を見て、リアルを知って、会社の中を見てもらうことで入社に対する意欲が非常に高まってくれているという印象があります。学生の満足度が結果99%など毎年嬉しい数字が出ています。

3.「普通ならエントリーしてくれない学生層の認知につながった」地方創生インターン

小山氏:次にご紹介したいのが、地方創生インターンです。会社の中に入っておこなう通常のインターンではなく、ソフトバンクの社員と共に、地方の課題を解決するということが大きなテーマになります。

地方課題を解決するということに約1週間かけて本気で向き合うというプログラムです。はじめての試みとなった昨年は、長野県塩尻市さんとタイアップをさせていただきました。

採用につながるかどうかは、まったく意識せずにおこないました。「本気で働くとは」、「世の中の課題を解決するってどのようなことか」を感じてもらうことが目的です。各テーマにのっとったレベルの高い課題を事前に学生に対して投げかけて、その内容も踏まえて選考を進めていきます。

実際どれぐらいの応募があったかというと、求人サイトにはほとんど掲載していないにもかかわらず、約1300名からのエントリーがありました。

「地方創生」がバズワードのようになっているかもしれませんが、現地に行って地方の課題を解決するというところに対して、学生たちの意欲・興味が非常に高いということを実感することができました。最終的に、多くの応募の中から厳選してポテンシャルの高い30名が参加してくれました。

通常のエントリーであればソフトバンクにほとんど興味を持たない層です。実際、インターンのエントリー時に「ソフトバンクの選考に対する意欲はありますか」と、アンケートを取らせていただいたところ、ほとんどの参加者に「ない」と言い切られたんです。

ただ、結果的に社員と共に1週間を過ごして、実際に何かを成し遂げたという経験を積むことによって、弊社に対する認識が変わり、「ソフトバンクで働くってどういうことなんだろう」と興味を持ってもらうことにもつながりました。

4.「各大学をコツコツと渡り歩く」グローバル採用

小山氏:4つ目にグローバル採用です。エンジニアの需要が増している中で、国内のターゲットだけではなかなかニーズを満たせないという現状があるため、海外に関しても積極的にリクルーティングに行っています。

アメリカをはじめ、ベトナム、インド、タイ、シンガポール、台湾、韓国など東南アジアなどにも行っています。

直接大学にお声がけをさせていただいて、いわゆるオープンキャンパスのような形で、キャンパスリクルーティングもさせていただいています。

5.3日で選考終了!『Pepperでハッカソン』

小山氏:5つ目はハッカソンです。ソフトバンクではPepperというプロダクトがありますが、泊まり込みでPepperを活用したハッカソンを開催しています。

このイベントに関しては、「この3日間で選考終了しますよ」という部分を訴求ポイントとしています。

「大きい会社だから選考に時間かかるんじゃないか」というところを払しょくする意味でも、3日間の中で学生の開発力などを見て、最終日には最終選考を実施するところまで完結するフローでやらせてもらいました。

「大手だから・・・」は言い訳!事業の成長に採用の立場から何ができるのかを常に考える

小山氏:私自身が大切にしている採用の考え方をお話させていただきます。

「採用は会社の未来をつくっていく役割」というところを念頭に置いて、採用活動に努めています。「大きい会社だからできない」、「それは無理だぞ」など、いろいろと言われることがあります。

ただ、「選考フローを短縮したほうがいいのでは?面接をスキップしよう」「母集団形成もマスではなくOne to Oneで一本釣りするような採用をしよう」といったように、大手だとやりにくいと言われていることも、やれない理由をつくるよりも、どうやったらやれるかを一生懸命考えています。

正直、時には会社の中で跳ね返されることも多々ありますが、そこに負けていると事業の成長に私たちの採用がついていけないと思っています。会社の将来を考えた上で人事の立場から何をするべきかと常に考えています。

「今どう変わっていくべきか」を提言しながら、採用アクションを起こしていくことを意識してやらせてもらっています。日々、試行錯誤しながら採用活動に取り組んでいるのが現状ですし、うまくいっていないこともたくさんあります。

ただ「うまくいっていないことがあるということは、その分良くする余地があるんだ」とポジティブに考えて、そこを一つ一つ改善していくことで会社の未来をつくれると信じて仕事をしています。

【イベント概要】

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