「新社会人=懲役40年」の盛り上がりについて、6名の先輩社会人から話を聞いてみた |HR NOTE

「新社会人=懲役40年」の盛り上がりについて、6名の先輩社会人から話を聞いてみた |HR NOTE

「新社会人=懲役40年」の盛り上がりについて、6名の先輩社会人から話を聞いてみた

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4月、新卒社員するが入社し、新しい風が吹き込まれた会社が多くあるのではないかと思います。ガムシャラに頑張る新卒をみると「自分ももっと頑張ろう」「初心にかえろう」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな4月上旬、「新社会人は懲役40年」というワードがネットで話題になり、多くの意見が賑わっていました。

そこで今回、HR NOTE編集部でも「新社会人は懲役40年」について、さまざまな方の声を集めてみました。

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そもそもなぜ、「新社会人は懲役40年」と話題になっているのか?

新卒社員が入社した4月3日。Twitterではこれから社会人となる新卒に向けて、諸先輩方から多くのメッセージが見られました。そんな中、「懲役40年」というキーワードがTwitterでトレンドに入りました。ここからさらに多くの方々が拡散し、大きな話題になりました。

以下のように「社畜と囚人の比較」をしているコメントも大きな反応を集め、注目度が加速していきます。

Googleトレンドで過去5年間にわたる「懲役40年」という検索ワードの人気度を見ても、その注目度は一目瞭然です。
Googleトレンド

「懲役40年」に対して、どんな声があるのか?

それでは、「懲役40年」というワードに対し、周囲の反応はどのようなものか、Twitterからその声を集めてみました。

懲役40年におびえる新卒

懲役40年とか言っているけど、会社もそんなに甘くはない

いやいや、転職(脱獄)という選択肢を持とうよ!

むしろ40年も働き続けられる会社は良い会社

前向きに働ける会社にいきなさい

「面白いwww」「わかるわ~!」という共感の声もありましたが、目についたのは「じゃあ転職すればいいのに」「そんな気構えじゃどっちにしろ長続きしない」「そもそも40年も勤続できている会社はいい会社」「前向きに働いたほうがいいのでは?」といった、40年懲役に対する意見の声でした。

中には「こんな言葉が出るなんて、日本は大丈夫か?」と、日本の就職に対して不安視する声も見られました。

社会人として活躍している6名の先輩方に意見を頂戴してみた

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そこで、6名の社会人として活躍されている以下の先輩方に「40年懲役の話題で感じたこと」「新卒社員へのアドバイス」などの意見を伺ってみました。

【ご意見を頂戴した6名の社会人の先輩方】

  • 高野 秀敏さん|株式会社キープレイヤーズ 代表取締役
  • 曽和 利光さん|株式会社人材研究所 代表取締役社長
  • 谷出 正直さん|採用コンサルタント/アナリスト
  • 橋本 祐造さん|株式会社ネクストスケープ 人事企画部 部長
  • 佐藤 タカトシさん|core words株式会社 CEO/Creative Director
  • 西村 創一朗さん|株式会社HARES 代表取締役

非常に有り難いお話ばかりで、社会人9年目の私も「もっと仕事がんばろう」と勉強になる内容でした。

1人目|株式会社キープレイヤーズ 高野さん

キープレイヤーズ_高野さん

高野 秀敏(たかの ひでとし)|株式会社キープレイヤーズ 代表取締役

1999年に株式会社インテリジェンスに新卒入社。2005年にベンチャー・スタートアップ企業の人材紹介を専門とする株式会社キープレイヤーズを設立。その他20社以上の社外役員、アドバイザー、投資家としても活躍。

「新卒入社=懲役40年」という話題について感じたこと

社会に対する「不安」があるのかもしれませんね。私のまわりでは仕事が充実している、集中できている、やりがいがあるという方が多いです。世の中そのような方ばかりではないですが、仕事そのものは真剣にやればやるほど深みがあるので、是非前向きにチャレンジしていただきたいなと思います。

新卒社員に対するアドバイス

真剣にやった上で、どうしても合わなければ「転職」すると良いと思います。若者人口がどんどん減っていますので、若手の方はチャンスしかないと言っても良いかと。

人がいない時代で、企業の方が転職してきてくれる方を待っています。今やなかなか人も見つからないですから、ダイレクトリクルーティングといわれますが、企業が積極的に自分から声をかけて人材採用のスカウトをする時代です。大いに仕事に挑戦して、声がかかる人材になっていただきたいと思います。

2人目|株式会社人材研究所 曽和さん

曽和さん1

曽和 利光(そわ としみつ)|株式会社人材研究所 代表取締役社長

リクルート、ライフネット生命、オープンハウスで一貫として人事畑を進み、株式会社人材研究所設立。京都大学で学んだ心理学とリクルート人事部GMとして培った営業スキル・2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立し提供。

「新卒入社=懲役40年」という話題について感じたこと

そもそも自由を皆が欲しているのかどうか。自由は孤独で責任の重いものです。何をしてもいいと言われ、足が止まる人は多い。自由にしなさいとは脅迫にも聞こえます。本当に自由になれば、暇過ぎて死にそうになるかもしれません。

一方で束縛されることは喜ばしい面もあります。束縛されることは何か義務を課せられること。期待されることに近いものです。

人は、誰かに期待されることで存在意義を感じるものです。誰かの役に立つという貢献欲求で生きている人は多い。就職を「懲役40年」とネガティブに捉える人は、自由を享受できる十分な強さがあるか、自由の怖さを知らないのではないでしょうか。縛られてみるのも楽しいものですよ。

新卒社員に対するアドバイス

上記と同様に、要は「縛られるのも楽しい」というか、縛られないようにすることが本当に幸せなのかを考えてみて欲しいということですね。B’zの歌で「譲れないことを一つ持つことが本当の自由」であって「束縛されないことではない」というものがあり、共感しています。

3人目|採用コンサルタント/アナリスト 谷出さん

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谷出 正直(たにで まさなお)|採用コンサルタント/アナリスト

筑波大学卒業後にエン・ジャパン株式会社に入社。新卒採用支援、企画、新規事業立ち上げを経て、戦略子会社のINNOBASEへ出向。スカウト事業の立ち上げに参画。2015年12月末に独立し、フリーの立場から、新卒採用に関わる。

「新卒入社=懲役40年」という話題について感じたこと

就職=「懲役40年」と考える人は、仕事=「罰、つらい、自由がない」と考えているのだと思います。自分の意思とは関係のないことや指示されたこと、「仕事はつまらないことだ」と考えながらおこなう。つまり、受け身的な姿勢でおこなうのでは、仕事はきっと面白くないですね。

仕事を通じて、「誰かの役に立つ」という想い。自分で工夫したり、改善したり、もっと役に立つ方法を考えてみたり、と主体的に取り組んでいる人は、仕事=「社会貢献、楽しみ、やりがい」と捉えることでしょう。また、仕事を通じて、できることが増えれば、自らの成長を感じることもできます。

仕事の捉え方の違いが、感情の違いを生み出しています。どちらの捉え方をするのが、自分の「やりたいこと」であり、「ありたい姿」なのか?考えてみてはいかがでしょうか。

新卒社員に対するアドバイス

自分が「やりたいこと」や「ありたい姿」を見つけるためには、

  • 人に会うこと。
  • 本を読むこと。
  • できている人のマネをすること。
  • 自分の想いを発信すること。
  • 目の前のことに一生懸命になること。

頭の中で考えていても、今まで得た情報や知識、経験からしか選択肢が生まれません。選択肢を知ること、増やすことが重要です。そして、その中から決断することによって「やりたいこと」や「ありたい姿」を決めることができます。正解を選ぶために悩むというよりも、決断を正解にするべく、毎日、行動してほしいと思います。

4人目|株式会社ネクストスケープ 橋本さん

橋本さん

橋本 祐造(はしもと ゆうぞう)|株式会社ネクストスケープ 人事企画部 部長

2002年に早稲田大学卒業後、NHKに入局。営業職として約3年間従事。その後、人材コンサルティング会社を経て、GMOインターネット株式会社にてグループ人事部として活躍。現在は株式会社ネクストスケープ人事企画部の部長として従事。

「新卒入社=懲役40年」という話題について感じたこと

同じ事象でも捉え方次第で見え方、感じ方が変わるんだな、と感じました。「就職=懲役」と捉えると、それはもう苦しいものになります。日曜の夜に溜め息をつきながら「今週も仕事か・・・」と暗い顔でつぶやく人生。そういう人生を送るために就職をしたのでしょうか

一方で就職を「会社のリソースを使って、ルールの中であっても、好きに動き回り、組織の力を使って価値を提供して人に喜んでもらえる。自分も成長できる。その上でお金までもらえる。なんて素晴らしい社会システムなんだろうか」と捉えたとすると、日曜日の夜につぶやくのは「今週はあんなことをやろう、こんなことをやろう」という言葉に変わると思うのです。

新卒社員に対するアドバイス

最初は一日一つでいいので「出来ること」を増やすことに専念してください。それが一番はじめにする仕事です。

それを毎日続けることを意識して努力するのです。そうすると一年後には確実に人として成長できます。成長すると自然と面白い仕事が舞い込んできます。仕事を通じて、また一つずつ出来ることを増やしていくようにする。

年々確実に出来ることが増えて人としても成長できて、その時点で見える景色の中で心からやってみたいと思えることに挑戦することができます。最初から大きな仕事、面白い仕事はなかなかやってきません。一つずつ出来ることを増やして、自分の成長を楽しむ。まずはここに集中しましょう。

5人目|core words株式会社 佐藤タカトシさん

佐藤さんプロフィール

佐藤 タカトシ(さとう たかとし)|core words株式会社 CEO/Creative Director

2001年4月リクルートコミュニケーションズ入社。11年間に渡り100社以上の採用ブランディング、コミュニケーションを支援。2012年7月、DeNAに転職。採用ブランディングとダイレクトリクルーティングをメインミッションとして活動。2015年7月core wordsを設立。

「新卒入社=懲役40年」という話題について感じたこと

社会に出て働くということは「懲役」と言われているように、確かに会社に拘束される部分もあります。一方で、自己裁量でやれることも、圧倒的に増えます。自分の稼いだお金で好きなものを買えるでしょうし、社会的な信用を得ることで、愛する人との恋愛や結婚もしやすくなるでしょう。

また、自分自身が仕事を通じて成長することで、「やれること」は確実に増えます。そして、「やりたいこと」を実現できる可能性も高まります。本当の「懲役」ですと、こうは行きません。仮に、刑期を終えてシャバに出たとしても、入る前よりも不自由な生活を余儀されるでしょう。全く違う40年だと、私は思います。

新卒社員に対するアドバイス

みなさんは、これまでは「社会から与えてもらう側」でしたが、これからは「社会をつくる側」に回ることになります。

自分のために働くのももちろん大切ですが、みなさんの仕事の向こうには「社会」が広がっている。より便利な生活をもたらしたり、多くの人を楽しませたり、苦しんでいる人を助けたり。仕事の向こうには、必ず誰かがいる。そして、そこに社会がある。

そう少しでも意識しながら毎日を過ごすことで、数年後にはきっと違った自分になれるはずです。そのときに、みなさんは気づくと思います。「社会」のために働くことが、「自分」のために働くことになると。がんばってください!

6人目|株式会社HARES 西村さん

西村さん

西村 創一朗(にしむら そういちろう)|株式会社HARES 代表取締役

首都大学東京を卒業後、2011年に株式会社リクルートキャリアに入社。法人営業、新規事業企画、採用担当を歴任。本業の傍ら「二兎を追って二兎を得れる世の中をつくる」をビジョンに掲げ、2015年に株式会社HARESを創業。2016年末にリクルートキャリアを退職し独立。

「新卒入社=懲役40年」という話題について感じたこと

まず率直に就職=「懲役40年」は言い得て妙だな、と思いました。「結婚は、人生の墓場だ」という迷言がありますが、それに表現に近いニヒリズムを感じます。

日本は世界一働きがいを感じている人が少なく、受け身でイヤイヤながら働いている人が多い国で、仕事=苦役で、給与はストレスの対価だという固定観念が根強いので、会社員を囚人にたとえた「懲役40年」という表現が共感を呼ぶのも無理はありません。

ただ、実際の囚人と決定的に違うのは「誰でもいつでも自由に脱獄可能だ」ということ。囚人として淡々と刑期を過ごすも良し、脱獄して荒波に揉まれながらも自由を謳歌するも良し。死ぬ時に後悔しないのは、どっちの人生でしょうか?

新卒社員に対するアドバイス

新社会人の皆さんへお伝えしたい一番のメッセージは、「脱獄して一狩りいこうぜ!」ということ。

懲役40年の刑に服して囚人として過ごすのも、脱獄して自由人として過ごすのも全ては自分次第です。囚人として何かに縛られながら淡々と働く生き方も悪くはないかもしれませんが、せっかくやるなら脱獄して広大な大地に狩りに出た方が、人生はずっと楽しい、ということ。

既に獲物(やりたいこと)が明確なら、脇目も振らずに獲物を狩りに追いかけてみればいい。まだ獲物が明確じゃないなら、いつか獲物と出会った時に倒せるように、武器を手に入れておけば良い。

獲物を探すためにも、自分に合った武器を手に入れるためにも、まずは目の前のミッション(仕事)にどハマりしてみるのが、意外と近道だったりします。ぜひ試してみてくださいね。

最後に

いかがでしたでしょうか。

「懲役40年」というワードに対して、社会人の諸先輩方からいろいろな意見があったかと思いますが、何を目的として働くのか、何を成し遂げたいのかが大切なように感じます。

「働く」ことは、これから先の人生で長く付き合っていくものです。働くことに関する選択肢が増えてきていますが、そのことを念頭に置きつつ自分の人生をより良くするために、何事も前向きにチャレンジしていくことが重要だと思います。

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